卸売EC|市場動向ややるべき理由、成功させるポイントまで

「最近、ECサイトをもっている卸売業者が増えてきているけれど、自分の会社も開設した方が良いのだろうか?」
「そもそも、卸売ECサイトを作ると、どんな良いことがあるのだろうか?」

このような疑問をお持ちではありませんか?

卸売ECサイトとは、卸売業者と小売業者の取引が行われるECサイトのことをいいます。

経済産業省の調査によると、2023年における卸売業のEC化率は、37.5%でした。
実に、4割近くの卸売業者がECサイトを開設しているのです。
というのも、卸売業者がECサイトを開設することには、下記のようなメリットがあります。

卸売ECサイトは、卸売業者にとってはもちろん、取引先である小売業者にとってもメリットのあるシステムなのです。
卸売業のEC化は今後も伸び続けることが予想されますので、他業者に遅れをとらないためにも、ECサイトの開設を積極的にご検討されることをおすすめします。

ただし、卸売ECサイトの開設に際しては、下記のような課題が生じます。

では、これらの課題とは具体的にどういうものなのでしょうか。また、卸売ECサイトを開設するには、どうすればいいのでしょうか。

この記事では、卸売ECサイトに関する下記のようなポイントについて、詳しくご説明します。

本記事を読んでわかること
・卸売ECサイトとは
・卸売ECサイトを開設するメリットと課題
・卸売業におけるEC化率の現状
・卸売ECサイトを構築する方法
・卸売ECサイトに必要な機能
・卸売ECサイト構築サービスを選ぶ際に注目すべきポイント

この記事を最後までお読みいただければ、卸売ECサイトについて深くご理解いただけるでしょう。

1. 卸売ECサイトとは


卸売ECサイトとは、卸売業者が小売業者に対して、商品の卸売をするサイトのことをいいます。

皆様が普段利用しておられるネットショップの”卸売業者版”とお考えいただくと、イメージしやすいかもしれません。

具体的には、下記のようなサイトがこれにあたります。
GOMEN Online

市場において、商品は下記のような流れで消費者の手に渡りますが、卸売ECサイトでは[卸売業者→小売業者]の取引を行います。

卸売ECサイトでは、下記のような取引が行われます。

・洋服の卸売をしているA社が、洋服販売店Bに洋服を卸販売する
・食品の卸売をしているC社が、飲食店Dに食材を卸販売する

2. 卸売業者がECサイトを開設するメリット


卸売業者がECサイトを開設することには、下記のようなメリットがあります。

ECサイトを開設すると、具体的にどのようなメリットがあるのか、ひとつずつ見ていきましょう。

2-1. 業務を効率化できる

卸売業者がECサイトを開設すると、業務の効率化が可能です。

卸売業者と小売業者の間では、下記のようなフローで取引が行われます。

そして、卸売業では主に、下記のような業務が必要です。

・ 問い合わせへの対応
・ 見積もり
・ 取引条件の交渉
・ 受注
・ 在庫の確認
・ 納期の確認
・ 納品
・ 請求書の発行
・ 集金

これらの業務を電話やメール、FAXといったアナログな手法で行う場合、会社には下記のような弊害が生じます。

・各業務を担当する人員を雇う必要があるため、人件費がかさむ
・聞き間違いや入力ミスが発生する

この点、卸売ECサイトを開設すれば卸売業に必要な業務のうち、下記の業務をインターネット上で完結させられます。

卸売ECサイト上で完結可能な業務
・見積もり
・受注
・在庫の確認
・納期の確認
・請求書の発行
・決済

上記の業務をECサイト上で完結できれば担当者の業務負担が軽減されますし、ヒューマンエラーも削減できるはずです。

問い合わせへの対応業務についても、例えば、卸売ECサイトに下記のようなページを設置すれば、問い合わせ対応にかかる業務負担を軽減できるでしょう。

・ よくある質問をまとめたページを設置する
・ AIによる問い合わせ対応ページを設置する

2-2. 新規の取引先を開拓できる

卸売業者がECサイトを開設することには、新たな取引先を開拓できる、というメリットもあります。

近年は、営業担当の人材不足に悩まされている企業が少なくありません。
また、営業できる地域は限定されてしまいますし、遠方まで営業に行くためには相応の経費がかかります。

この点、卸売ECサイトならばWEB上で誰でも閲覧できますので、地域に関係なく新たな取引先の開拓が可能です。

かつては「顧客が増えることで業務負担が増える」ことが課題でしたが、ECサイト経由で獲得した顧客は、インターネット上で取引をすることに抵抗がないはずです。
新規顧客との取引はECサイト上で完結さられますので、業務負担が過度に重くなることはありません。

手間とコストを抑えつつ新規の取引先を開拓することで売上UPを見込めることは、卸売業者にとって非常に魅力的なポイントと言えるでしょう。

2-3. 既存顧客への販売促進に役立つ

卸売業者によるECサイト設立は、既存顧客への販売促進にも役立ちます。

ECサイトを活用すれば、下記のようなデータを取得できます。

卸売ECサイトを活用することで取得できるデータ
・ECサイトにアクセスした人のうち何%が購入に至ったか
・どこの地域からの購入が多いのか
・取引先の〇〇からの宗門は、どのような商品が多いのか
・取引先ごとの売上やリピート購入率
・閲覧履歴

アナログな業務手法では、各フローの担当者が異なることも多く、これらの情報を一つに集めることは困難です。
一方、ECサイトを活用すれば、情報を一元管理できます。
そして、これらの情報を活用すれば、既存顧客へのより効率的な販売促進が可能になります。

【ECサイトで取得したデータを活用した既存顧客への販売促進の例】
・購入した商品のデータをもとに、自動的におすすめの商品を表示する
・DMで、顧客がリピート購入している商品のセール情報を送る
・直近数か月間、購入がない顧客に対して、キャンペーンのお知らせを送る

2-4. 顧客の利便性が向上する

卸売業者がECサイトを開設すると、顧客の利便性も向上します。

電話やFAXなど従来の方法による受発注の場合、顧客には下記のような不満が生じがちです。

・ 電話で注文する場合、営業時間中でなければ発注できない
・ 担当者が出張していて、在庫確認の回答まで数日待たされる

一方、卸売ECサイトがあれば顧客は24時間いつでも好きなタイミングで発注できますし、在庫数も卸売業者が予め入力しておけば、顧客自身が確認できます。

顧客の利便性が向上すれば仕入れへの意欲が高まり、売上げUPも期待できるでしょう。

2-5. 低コストでグローバル展開できる

卸売ECサイトを活用すれば、低コストで海外への販路を開くことも可能です。

従来のアナログな手法で卸売業をグローバル展開するには、

・ 海外出張をして見込顧客に営業をする
・ 通貨や物流などのインフラを整える
・ 海外用のパンフレットを制作する
・ 海外に事務所をおく
・ グローバル展開をするための人材を最低でも数名雇用する

というようなことが必要であり、それにはかなりのコストがかかります。
上手くいかなかった場合、数千万円単位の損害が発生する可能性もあるでしょう。

一方、卸売ECサイトを活用すれば世界中の業者が自社の商品を見てくれますので、担当者が海外へ出向く必要はありません。
また、外貨に対応した決済システムを導入して海外発送にも対応すれば、インフラの問題も解決できます。

万一、グローバル展開が上手くいかなかったとしても、会社が被る損害はごくわずかです。

低コスト・低リスクでグローバル展開にチャレンジできる点も、卸売ECの大きな魅力と言えるでしょう。

3. 卸売業者がECサイトを開設する際の課題


卸売業者がECサイトを開設する場合、下記のような課題が発生します。

卸売ECサイト開設に際して浮上する主な課題は、① コストと② 既存顧客へのフォローの2点です。
ここでは、これらの課題が具体的にどういうもので、どう解決していけばいいのか、詳しくご説明します。

3-1. 卸売ECサイトの開設にコストがかかる

卸売ECサイトの開設には、コストがかかります。

【卸売ECサイトの開設に必要なコストの目安】

ECサイトの開設手法

コストの目安

自社サイトを開設

数百万円~数千万円

既存の卸売ECサイトに出店

月額数万円+売上げの数%

卸売ECサイトの開設にかかるコストは、どのような形態のサイトを構築するのかによって変わります。

〇自社サイトを開設する場合

自社サイトを開設する場合のコストは、数百万円~数千万円です。

フルカスタマイズのECサイトをゼロから構築する場合は、数千万円のコストがかかるでしょう。
ただ、基本機能が搭載されているECサイト構築システムを利用し、適度にカスタマイズを加える場合は、サイト開設にかかるコストを数百万円程度に抑えられます。

〇既存の卸売ECサイトに出店する場合

既存の卸売ECサイトに出店する場合のコストは、[月額料金+売上げの〇%]という料金体系になることが一般的です。
月額料金はプランによって異なり、数万円~数百万円と、かなり幅があります。

※卸売ECサイト開設の手法については「5. 卸売業者がECサイトを開設する2つの手法」で詳しくご説明していますので、併せてご参照ください。

3-2. 既存顧客へのサポートをする必要がある

卸売業者がECサイトを開設した場合、忘れてはならないのが既存顧客へのサポートです。

卸売業者の取引先である小売店の中には、インターネット上で取引をすることに抵抗がある方や、そもそもパソコンを所有していない方もいらっしゃるでしょう。
店主がかなり高齢で、ECサイトを利用してもらうことが難しいケースも想定されます。

そのため、卸売ECサイトを開設した後は、既存顧客へその旨を通知するだけではなく、きめ細やかなサポートをすることが大切です。

卸売ECサイトを開設した後に行うべき既存顧客へのサポートの例
・ECサイトの利用マニュアルを作り、取引先に配布する
・取引先まで出向き、ECサイトの操作方法をレクチャーする
・ECサイトの利用が難しい取引先については、従来の方法による受注に対応する

卸売ECサイトの開設をご検討中の方は、既存顧客にどのようなサポートをすべきか予め計画しておくことをおすすめします。

4. 卸売業におけるEC化率の推移|卸売業はEC化がおすすめ!


近年は企業間取引のEC化が進んでいますが、卸売業も例外ではありません。

経済産業省が発表した『令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』によると、2023年における卸売業のEC化率は37.5%でした。


※『令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』(経済産業省)をもとに作成

グラフのとおり、2019年から2023年にかけて、卸売業のEC率は伸び続けています。

また、現在は様々な業種においてEC化が進んでいますが、卸売業のEC化率は建設業や運輸業などの他業種に比べて高いこともわかっています。


出典:『令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』(経済産業省)

これまでの推移から考察すると、今後も卸売業のEC化は進んでいくことが予想されます。
他社に遅れをとらないためにも、卸売業の方は、EC化を積極的に進めた方がいいでしょう。

5. 卸売業者がECサイトを開設する手法


卸売業者がECサイトを開設する場合、その手法には、① 自社でECサイトを立ち上げる方法と、② 既存の卸売サイトに出店する方法の2種類があります。

これらの手法の主な違いは、 ① コストと② カスタマイズ性の2つにあります。

【ECサイト開設手法別|コストとカスタマイズ性の違い一覧】

自社でECサイトを開設

既存の卸売ECサイトに出店

コスト

高い

安い

カスタマイズ性

高い

低い

ここでは、各手法の特徴と相違点について、詳しくご説明します。

5-1. 自社でECサイトを立ち上げる

卸売ECサイトを開設する手法の1つ目は、自社でオリジナルのECサイトを開設する、という方法です。

【自社でECサイトを立ち上げる場合のコストとカスタマイズ性】

コスト

数百万円~数千万円

カスタマイズ性

高い

具体的には、下記のようなECサイトがこれにあたります。
Purestone.com

自社のECサイトをゼロから作る場合、必要な機能を自由に搭載できますし、デザインも自由です。

卸売業では、
・ 取引先によって掛け率を変える
・ 取引先によって取引条件を変える

といったことを日常的に行っているかと思いますが、自社で立ちあげたECサイトならば、取引先に合わせて価格を変えることも可能です。
デザインも機能も仕様も自由にカスタマイズできる点は、自社ECサイト最大の魅力と言えるでしょう。

ただし、自社ECサイトの立ちあげには最低でも数百万円、高ければ数千万円のコストがかかります。

自社の卸売ECサイトをおすすめする企業
・取引先に合わせて、取引条件を自由に設定できる仕様の卸売ECサイトを開設したい
・自社の特徴を表現できるような、オリジナリティあふれるデザインのECサイトを作りたい

上記に該当する方は、自社オリジナルの卸売ECサイトの開設をご検討ください。

5-2. 既存の卸売サイトに出店する

卸売ECサイトを開設するには、既存の卸売ECサイト内に出店して商品を販売する、という手法もあります。

【既存の卸売サイトに出店する場合のコストとカスタマイズ性】

コスト

月額数万円~

カスタマイズ性

低い

例えば、卸・仕入れサイトSUPER DELIVERYがこれにあたり、ここには沢山の卸売業者が出店しています。

卸売サイトに出店する場合、プラットフォームは既に構築されているため、サイト運営者と契約後は商品を登録するだけで構いません。
手軽かつスピーディーに業務をEC化できるのは、この手法の魅力的なポイントでしょう。

また、費用も月額数万円から始められるところが多く、EC化にかかるコストを抑えられる、というメリットもあります。

ただし、自社ECサイトに比べてカスタマイズ性が低く、デザインや運用面での自由度は低くなってしまいます。
また、ECサイト内には多くの競合業者が出店しているため、価格競争に巻き込まれやすくなる、というデメリットもあります。

既存の卸売サイトへの出店をおすすめする企業
・卸売ECサイトの開設にかかるコストを抑えたい
・機能やデザインのカスタマイズ性にはあまりこだわらない
・手軽かつスピーディーに業務をEC化したい

上記に該当する方は、既存の卸売サイトへの出店をご検討ください。

5-3. おすすめは自社ECサイト

卸売ECサイトの開設手法にお悩みなら、「5-1. 自社でECサイトを立ち上げる」でご説明した手法をおすすめします。
その主な理由は、下記の2点です。

自社の卸売ECサイトを開設をおすすめする理由
① 卸売業に必要な機能を自由に搭載できる
② 競合他社との価格競争に巻き込まれにくい

以下、2つの理由について詳しくご説明します。

【理由①】卸売業に必要な機能を自由に搭載できる

上述のとおり、自社ECサイトを開設する最大のメリットは、カスタマイズ性の高さです。

卸売業者がECサイトを開設する場合、この業種ならではの下記のような機能を搭載することが望ましいでしょう。

・ 取引先ごとに商品価格の設定を変更できる機能
・ 顧客ごとにIDとパスワードを発行し、その顧客しかページを閲覧できないようにする機能
・ 一括注文機能

既存の卸売サイトに出店する手法はカスタマイズ性が低く、これらの機能を自由に搭載することはできません。
一般的なネットショップの対小売業者版、といった感じのECサイトを構築できるにとどまります。

一方、自社オリジナルのECサイトを構築する場合は必要な機能を自由に搭載できるため、卸売業に”フィット”した使い勝手のいいECサイトに仕上がります。

【理由②】競合他社との価格競争に巻き込まれにくい

自社ECサイトの開設をおすすめする理由としては、競合他社との価格競争に巻き込まれにくい、という点も挙げられます。

既存の卸売サイトに出店する場合、そこには同種の商品を扱う競合他社がたくさん出店しています。
中には、自社と全く同じ商品を出品している卸売業者もいるでしょう。

例えば、多くの卸売業者が出店する卸・仕入れサイトSUPER DELIVERYで「ハサミ」と検索したところ、1万件以上の商品がヒットしました。

小売業者としてはなるべく安く商品を仕入れたいはずですから、価格競争に負けると、顧客を失ってしまう可能性があります。

一方、自社の卸売ECサイトを開設する場合、他社の商品は一切表示されないため、価格競争に巻き込まれにくくなります。

自社ECサイトは、既存の取引先を他社に流出させないためにも有効な手段と言えるでしょう。

6. 卸売ECサイトに必要な機能


卸売ECサイトには、小売店を相手とする企業間取引であるからこそ搭載すべき機能が、いくつかあります。
その中でもマストで必要なのが、下記2つの機能です。

卸売ECサイトに必要な機能
① 見積書・請求書の自動作成機能
② 取引先ごとに商品と価格を設定できる機能

ここでは、これらの機能がなぜ卸売ECサイトに必要なのか、ご説明します。

6-1. 見積書・請求書の自動作成機能

卸売ECには、見積書や請求書を自動作成できる機能が必要です。

見積書や請求書を自動作成できれば、卸売業者の業務負担が軽くなりますし、取引先である小売店も、見積書を自動発行できればスピーディーに稟議をあげられます。
自社の業務負担を軽減するためにも、取引先の利便性を向上させるためにも、見積書の自動発行機能は必須です。

また、一般消費者を顧客とするネットショップでは注文と決済を同時に行う形態が多いですが、卸売業においては、日本の章文化として[請求書発行→後日まとめて支払い]という掛け売りが一般的です。
そのため、卸売ECサイトを開設するならば、請求書を自動発行する機能も搭載しておいた方がいいでしょう。

見積書作成システムならWONDERCART(ワンダーカート)

WONDERCART(ワンダーカート)は、商品スペックや商品画像などの情報を二次活用し、見積書、提案書などを自動作成できるシステムです。

見積書を自動発行できれば業務効率がUPしますし、取引先である小売店もスピーディーに稟議をあげられます。
また、作成される見積書は画像付きのものですので、言い間違いや読み間違いなどによるヒューマンエラーを削減することも可能です。

見積書・提案書作成システムにご興味がございましたら、新日本印刷株式会社へご相談ください。

 

6-2. 取引先ごとに商品と価格を設定できる機能

卸売業では、取引先ごとに販売する商品の種類が違ったり、販売価格が違ったりすることが一般的です。
購入数に応じて価格が変動するケースも多いでしょう。

そのため、卸売ECサイトには取引先ごとに商品と価格を設定できる機能が不可欠です。

この機能が卸売ECサイトに搭載されていないと、ECサイトは単なる電子カタログ的な役割しか果たさず、結局アナログな方法で取引先とやり取りをしなければならないからです。

開設した卸売ECサイトを有効活用するためにも、取引先ごとに取引条件を設定できる機能は、マストで搭載することをおすすめします。

7. 卸売ECサイト構築サービスを選ぶ際に重視すべきポイント


現在、多くの業者がECサイト構築サービスを提供しています。
ECサイトを構築する際は業者を選定して委託することになるかと思いますが、その際は下記3つの点を重視しましょう。

最後に、卸売ECサイトの運用を成功させるためにもぜひ覚えておいていただきたい、上記3つのポイントについてご説明します。

7-1. BtoB向けECサイト構築実績の有無

6. 卸売ECサイトに必要な機能」でご説明したように、卸売ECサイトにはこの業種だからこそ必要な機能がいくつかあります。

ところが、ECサイトを構築するサービスの多くは、一般消費者を対象とするBtoC向け(=企業to一般消費者向け)のものが多い傾向にあります。

そのため、卸売ECサイトの構築を依頼する際は、その業者がBtoB向け(=企業to企業向け)のECサイトを構築した実績があるかどうか、必ず確認しておきましょう。
”できるかどうか”ではなく、”したことがあるかどうか”を確認することが大切です。

過去の成果物(=過去に作成したBtoB向けECサイト)を見せてもらうことができれば、より安心でしょう。

7-2. 柔軟にカスタマイズ可能かどうか

ECサイトの構築を依頼する業者を選ぶ際は、柔軟にカスタマイズできるかどうか、という点についても確認しましょう。

卸売業における商習慣では、取引先との間で下記のような取引条件を設定するケースが一般的です。

・ 〇〇ロット以上の購入で△%割引
・ A社は後払い、B社は都度払いなど、取引先によって決済方法を変更する

これらの取引形態をデジタル化できれば業務効率が格段に上がりますが、そのためには構築するECサイトの機能をカスタマイズする必要があります。

カスタマイズ性が乏しいECサイトでは、いわゆる”普通のネットショップ”になってしまいますので、ビジネスを円滑に進めるためにも、ECサイトの構築を依頼する際は、柔軟にカスタマイズできるかどうか確認しておきましょう。

7-3. サポート体制は充実しているか

ECサイト構築サービスを選ぶ際は、サポート体制が充実しているか、という点についても確認しておくことが大切です。

卸売業は、取引先ごとに取引条件やフローが異なるため、ECサイトを細かくカスタマイズするケースが少なくありません。
そうすると、管理画面の使い方がわからなかったり、何らかのシステムトラブルが生じたりすることもあるでしょう。

そういった場合に丁寧かつスピーディーなサポートを受けられれば、安心して卸売ECサイトを運営できます。

管理画面の操作方法に関するわかりやすいマニュアルが完備されている、というのは当然のこととして、何かトラブルや疑問点が生じたときにすぐに対応してくれるのか、という点について事前に確認しておきましょう。

8. まとめ

卸売ECサイトとは、卸売業者・小売業者間の取引が行われるECサイトのことをいいます。
現在、多くの卸売業者がぎょうむのEC化を進めており、経済産業省の発表によると、2023年における卸売業のEC化率は、37.5%でした。

卸売業のEC化が進んでいるのは、下記のようなメリットがあるからです。

卸売ECサイトは、卸売業者にとってはもちろん、取引先である小売業者にとってもメリットがあるのです。
ただし、卸売ECサイトの開設にあたっては、下記のような課題があることも忘れてはいけません。

特に、コスト面は企業経営の根幹に関わる問題ですので、卸売ECサイトの開設をご検討中の方は、どのくらいのコストがかかるのか入念に確認することをおすすめします。

そして、卸売ECサイトの構築を依頼する際は、下記3つの点について必ず確認しましょう。

これらの点を意識して卸売ECサイトの構築を依頼すれば、「作ったはいいものの、使い勝手が悪い…」といった事態は防げるでしょう。

卸売業のEC化は、年々伸びてきています。
他業者に遅れをとらないためにも、卸売ECサイトの開設を本格的にご検討されてみてはいかがでしょうか。

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