「VRを使った展示会とはどんなもの?」
「VRを活用すれば、オンライン上でも実際のブースにいるような臨場感ある展示ができるのか?」
オンライン展示会でVRを活用しようか検討している方の中には、このような疑問をお持ちの場合も多いのではないでしょうか。
VR展示会とは、実写や3DCGの展示空間をVRでオンライン上に再現した展示会のことです。
実際に展示会場に足を運んだような臨場感を出すことができるだけではなく、オフラインの展示会よりも低コスト・低リスク・長期的に集客できる新しい展示会の形として、注目されています。
時代に合わせた新しい販路を見つけ、自社製品の売上を維持・向上させるために、一度は検討しておきたい手段です。
とはいえ、「本当にVRでやる必要があるのか?」「失敗のリスクがないか?」など、導入にあたってさまざまな不安があるかと思います。
そこで本記事では、VR展示会を開催しようと考えている方に向けて、VR展示会の基礎知識を幅広くご紹介します。
VR展示会が自社にとって本当に有益か判断したうえで、VR展示会を成功させるビジョンを明確にするために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.VR展示会とは?知っておきたい基礎知識
まずは、VR展示会に関する基礎知識を、次の順に解説していきます。
- VR展示会とは空間をVRで再現した展示会
- 他の展示方法との違い
- VR展示会でできること
「VR展示会がどのようなものか」を掴むために、しっかりチェックしておきましょう。
1-1.VR展示会とは空間をVRで再現した展示会
VR展示会とは、ひと言で言うと「空間をVRで再現した展示会」です。
展示会と言うと、「会場内を歩いて並べられた商品や資料を見て回る」といったイメージがあるかと思いますが、これをオンライン上の仮想空間で行うのがVR展示会です。
写真や動画・3DCGで作った空間は360度自由に見渡せるため、来場者は実際に会場へ足を運んだような臨場感を味わうことができます。
1-2.他の展示方法との違い
展示会は
- オフラインの展示会(通常の展示会)
- オンラインの展示会(VRコンテンツなし)
- VR展示会
の3つに分けられ、それぞれの違いは次の表の通りです。
①オフラインの展示会 |
● 大きなイベントスペースを使った、参加者が会場に足を運ぶ展示会 |
②オンラインの展示会 |
|
VR展示会 |
● VR技術を使ったオンライン展示会 |
上の表を見て分かる通り、VR展示会はオンライン展示会の一種です。
「オンライン展示会の制作会社やプラットフォームと契約し、オプションでVRコンテンツを付けることでVR展示になる」と考えると、イメージしやすいでしょう。
1-3.VR展示会でできること
VR展示会でできることをひと言で表すと、展示会のメインコンテンツである「自社商品やサービスの展示」が、VR空間でできることです。
実際の展示空間や3DCGで作った展示空間をVRでオンライン上に再現し、パソコンならドラッグ、スマートフォンならスワイプで360度自由に行き来することができます。
展示空間のVR化は、具体的には次のようなコンテンツに活用できます。
【VR展示会のコンテンツ具体例】 ● 仮想の展示ブースを3DCGで作成し、商品やカタログを陳列する |
実際にVR化したショールームを覗いてみたいという場合は、オンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」で公開しているこちらのページをご覧ください。
2.VR展示会の2つのメリット
ここからは、VR展示会を開催する2つのメリットについてお話しします。
2-1.コストを抑えつつオフラインの展示会に近い臨場感が出せる
「コストを抑えつつオフラインの展示会に近い臨場感が出せる」というのは、VR展示会の大きなメリットです。
展示会はオンライン化することによって
・出展費
・人件費
といったコストを抑えて開催できます。
「オフライン展示会」「オンライン展示会(VRなし)」「VR展示会」の費用相場は、以下の表の通りです。
タイプ別・展示会の費用相場 | ||
オフライン展示会 | オンライン展示会(VRなし) | VR展示会 |
60万円~ | 30万円~ | 40万円~ |
※出展費・人件費・施工費等全て含めた総額
※ブースの広さ・デザイン・機能の追加などにより金額は大きく前後する
コストを極限まで抑えられるのはVR機能を導入しないオンライン展示会ですが、VR展示会では通常のオンライン展示会では実現できない「オフラインの展示会に近い臨場感」を出すことができます。
360度自由に行き来できる展示ブースをオンライン上に再現することで、来場者は実際の会場にいるような感覚が味わえ、展示物に興味を持ちやすくなります。
このように、VR展示会はオンラインとオフラインの「いいとこ取り」ができる展示会なのです。
2-2.展示会が終わった後もコンテンツを活用できる
一度制作したVRコンテンツは、展示会が終わった後も有効活用できるのも、VR展示会ならではのメリットです。
会場を借りて行う展示会では、せっかく設営したブースも数日間で解体しなければなりませんが、オンライン上で制作・公開したVRコンテンツはデータとして残しておくことができます。
【展示会終了後もVRコンテンツを活用する例】 ● 展示会用に撮影したショールームのVR動画 ● 展示会用に3DCGで制作したVR展示ブース |
ブースやコンテンツを再利用する際に、パネルやポスターといった物質の保管が必要ないため、長期的な有効活用が可能です。
3.VR展示会の2つのデメリット
続いて、VR展示会を開催することで生じる2つのデメリットについてお話しします。
3-1.来場者が展示物に触れない
来場者が展示物に触れないというのは、VR展示会のデメリットのひとつです。
VRコンテンツで「本当に会場に足を運んだような臨場感」は再現できても、展示物を実際に手に持ってみなければわからないものまでは再現できません。
次の例を参考に、VR展示会で自社商品・サービスの魅力をどこまで伝えられるか、一度じっくり検討してみましょう。
VR展示で伝えられるもの(一例) | VR展示で伝えられないもの(例) |
サイズ感 | 手触り |
操作性 | 重さ ※重量を数値で表記することはできるが、感覚としての重さは伝えられない |
レイアウトにこだわった展示物の美しさ | 温度 |
展示会を通して伝えたいことがVRで再現できないものに偏りすぎている場合、VR展示会を開催しても思うような成果が出ない可能性があります。
3-2.こだわった分だけ費用がかかる
こだわった分だけ費用がかかるというのも、VR展示会のデメリットのひとつです。
オンラインでの展示会は通常の展示会のように設営スタッフやブースの常駐スタッフの人件費がかからないため、一般的にはコストが抑えやすい傾向にありますが、VR映像の撮影に使用する機材や編集技術によっては高額な費用がかかる場合もあります。
【VR展示会の費用が高額になりやすいケース】 ● ドローン・高画質カメラなどの特殊な機材を使った撮影 |
VRコンテンツの制作は「制作会社に要望を伝えてから見積もりを出す」という方法が一般的であるため、相場を出すのが難しいものの、最も高額になりやすい「オーダーメイドの3DCG展示ブース」では数百万円 もの費用がかかる可能性もあります。
コストを抑えながら希望通りのVR展示会を開催するためには、妥協できる部分は妥協して、費用と実現したいことを天秤にかけるのが重要です。
4.VR展示会に向いている業界
VR展示会に向いている業界には、次のようなものがあります。
- 製造
- 不動産
- インテリア
- ファッション
なぜこれらの業界がVR展示会に向いているのか、成功事例と併せて解説していきます。
4-1.製造
VR展示会に向いている業界として代表的なもののひとつが、製造業です。
製品や展示会場をVR化させることによって、平面の画像やテキストだけでは伝わらない
- どんな技術が取り入れられているのか
- どんな構造なのか
- どうやって使うのか
といった製品の魅力を立体的に伝えられます。
製造業のVR展示成功事例 |
自動車や航空機に使われる金属部品の製造会社が、2020年に自社のWebサイトで製品の加工に使用している工作機械を「バーチャルショールーム」と称してVR展示。 3DCGで制作した展示空間の中を自由に移動できるのはもちろん、機械の中に入って製品の製造過程を動画で閲覧することもできる。 展示会場からオンラインセミナーへの申し込みも可能で、世界各地の顧客との商談にVRコンテンツを活用している。 |
製造業の展示会に来場する顧客が持つ「実際に手にとってみなければわからない」という固定観念を、VR技術によっていかに覆せるかが、成功の鍵となります。
4-2.不動産業
不動産業も、VR展示に向いている業界のひとつです。
不動産業界では取り扱うものが土地や建物であるため、複数の企業がブースを出展するような大規模な展示会には向いておらず、実際の物件に足を運んでもらう展示会を自社開催するのが一般的です。
しかし、オフラインの展示会は一度に来場できる人数が限られているうえに、遠方の顧客には参加のハードルが高いというデメリットがあります。
こういったデメリットを解消してくれるのが、遠方からでも現場の様子を体験できるVR展示です。
不動産業のVR展示成功事例 |
地域密着型の工務店で、それまで画像や動画で公開していたモデルハウスの内装を3Dデータ化し、購入を検討している顧客に向けて「VR見学会」を実施。 来場者からは 「複数のモデルハウスが一度に見学できて便利」 などの声が上がり、オンラインのみで契約に至ったケースも発生している。 |
現場に足を運ばなくても細かい部分まで見学できる不動産のVR展示は、「商談のきっかけ」として大いに活用できます。
4-3.インテリア
ソファやテーブルといったインテリアの展示も、VR化に向いています。
VRで再現された部屋の中を移動し、そこに展示されたインテリアを見学することで、画像だけでは伝わらない商品のサイズ感や実際にインテリアを部屋に置いた際の雰囲気が体験できます。
インテリア業界のVR展示成功事例 |
全国に店舗展開をしている大手インテリアメーカーでは、2021年より自社のWebサイトにてVR技術を活用した「バーチャルショールーム」を公開。 特定のコンセプトでコーディネートされた部屋の中を360度自由に行き来でき、気に入ったインテリアをクリックしてECサイトに移動し、そのまま購入することも可能。 通販事業の売上やアプリ会員数の増加に繋がっている。 |
4-4.ファッション
ファッション業界でも、VRを活用した展示会に踏み出す企業が増えています。
ファッション業界では、店舗に足を運ばなくても好みの服が購入できるECサイトが普及する一方で、
「画像で見ただけでは、実際のショップに行った時のような購買意欲が掻き立てられない」
「サイト内の画像と実物の色味が全く違っていた」
「モデルが着用している画像は良く見えたのに、実際に着てみるといまいち」
といった、オンラインならではの不満を感じるユーザーが多いという課題もあります。
VR技術を使ったバーチャル店舗であれば、実際に服を手にとって選んでいるような没入感があるうえに、ECサイトの画像よりもシルエットやサイズ感が掴みやすくなります。
VR技術と相性の良いファッション業界では、複数の企業による合同型のVR展示会も盛んです。
ファッション業界のVR展示成功事例 |
全国の実店舗の他にオンライン上の店舗である「メタバース店」を設立した日本の大手アパレルブランドでは、2018年からさまざまな企業やアーティストが参加する世界最大級のバーチャルイベントに出展。 3DCGでブランドの世界観を表現した展示空間を制作し、商品の展示以外にもスタッフのアバターを置いた「バーチャル接客」など、来場者を楽しませる仕掛けを展開している。 展示会で「バーチャル接客」を受けた来場者が、スタッフ本人に会いに実店舗に来るなど、思わぬ集客効果も反響を呼んでいる。 |
5.VR展示会を開催するまでの5ステップ
VR展示会を開催するには、次の5つのステップを踏む必要があります。
- 「自社開催」か「合同開催」かを決める
- VR展示会の制作会社を選ぶ
- 制作会社と打ち合わせする
- VRコンテンツの制作
- 制作したVR展示場を公開する
各ステップでどんなことをするのか、全体の流れを見ていきましょう。
STEP1.「自社開催」か「合同開催」かを決める |
VR展示会の開催方法を決める 【自社開催とは?】 【合同開催とは?】 ※自社開催と合同開催のどちらを選ぶかで、細かい準備の段取りや告知の方法が変わってくるので、先に決めるのがベター |
STEP2.VR展示会の制作会社を選ぶ |
実写や3DCGで展示空間を再現してくれる制作会社を選ぶ ● 要望を聞いて一から制作してくれる「トータルプロデュース型」と、ある程度決められた型に沿って制作していく「プラットフォーム型」がある ● いくつかの制作会社に候補を絞って資料請求し、見積もりを取って比較する |
STEP3.制作会社と打ち合わせする |
展示したいもの、空間の設計、開催までのスケジュールなどを相談しながら決める |
STEP4.VRコンテンツの制作 |
展示スペースの撮影・編集・VR制作を行う ● 実写の場合は撮影した映像をVR化、CGの場合は一から作る ● 写真・動画の撮影は制作会社にやってもらうのが一般的 |
STEP5.制作したVR展示場を公開する |
WebサイトやSNSで告知を行い、開催日に公開する ● 動作にトラブルが発生していないかなど、定期的にチェックする ● オンライン名刺交換・オンラインミーティング機能を設けておくことで、展示会の来場者とコンタクトが取れる |
制作会社によって得意分野やできることが異なるため、実現したいイメージを固めてから準備に取りかかることが重要です。
6.展示空間のVR化なら「WONDERLINE」にお任せ
展示会をオンライン化・VR化するツールやプラットフォームは数多くありますが、「WONDERLINE」はその中でも機能の豊富さと手厚いサポートが魅力のプラットフォームです。
VR展示会の制作に「WONDERLINE」がおすすめな理由 |
ショールームを丸ごとバーチャル化できる「360°VRウォークスルー」 実際のショールームを専用の測量カメラで3Dスキャンし、丸ごとオンライン化する機能。 初めてのVR(オンライン)展示会でも安心のトータルサポート 展示するコンテンツの作成・集客・問い合わせ対応など、オンラインで展示会を開催する際の「わからない」を、運営事務局がしっかりサポートします。 |
「WONDERLINE」の360°VRウォークスルーでは、来場者がバーチャル空間を自由に移動しやすい、次のような機能が充実しています。
「自社のショールームをVR化して、オンラインで展示会を開催したい」
「VR展示会を開催したいが、オンライン展示会のノウハウが全くない」
という場合は、ぜひ「WONDERLINE」の活用をご検討ください。
7.まとめ
最後に、本記事の重要ポイントをおさらいします。
VR展示会とは、実写や3DCGの展示空間をVRでオンライン上に再現した展示会のことです。
VR展示会には、次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
● コストを抑えつつオフラインの展示会に近い臨場感が出せる | ● 来場者が展示物に触れない |
設営の手間がなく人件費等のコストを削減できる一方で、3DCG等の高度な技術を使うほど費用は高くなるので、あらかじめ予算を決めて費用と実現したいことを天秤にかけながら準備を進めていくことが重要です。
VR展示会を開催するのに向いている業界は、以下の4つです。
製造 | 製品の構造・技術・使い方を立体的に説明できる |
不動産 | 実際に内見しているような、モデルルームを隅々まで見学できるコンテンツが作れる |
インテリア | 商品のサイズ感・実際に部屋に置いた時の雰囲気が伝わる |
ファッション | 実際の店舗で服を選んでいるような臨場感が出せる |
上記の4つの業界にかぎらず、画像や動画ではイメージが伝わりにくいもの、持ち運びづらいものを展示するのにVR展示会が向いていると言えるでしょう。
VR展示会を実際に開催するには、次の5ステップを踏む必要があります。
STEP1.「自社開催」か「合同開催」かを決める
STEP2.VR展示会の制作会社を選ぶ
STEP3.制作会社と打ち合わせする
STEP4.VRコンテンツの制作
STEP5.制作したVR展示場を公開する
制作会社によって得意分野やできることが異なるため、実現したいイメージを固めてから準備に取りかかりましょう。
本記事の内容を参考に、あなたの会社にぴったりのVR展示会が開催できるよう祈っています。
#展示会 #VR
コメント