展示会プレゼンの準備項目を徹底解説|盛況させる13のコツとは

「展示会のプレゼンはどのように行えば良いのだろう?」
「展示会で多くの人に興味を持ってもらえるプレゼンを実施したい。」

展示会でプレゼンを実施するに当たって、このような思いをお持ちではありませんか?

普段、商談や社内でプレゼンの経験があっても、展示会という特別な場で行うとなると、様々な不安や疑問が湧いてきますよね。
どのように行えば良いのかイメージがつきづらいのは当然のことと思います。

ただ、端的に結論を言えば、展示会でのプレゼンは「普段のプレゼンとの違いを意識」して実施すれば格段に多くの人に聴いてもらいやすくなります

というのも、展示会の環境は、普段プレゼンを行っている環境とは大きく異なるからです。
周囲では絶えず呼び込みの声や話し声が聞こえ、プレゼン対象となる来場者も高い目的意識を持ってプレゼンを聴いてくれるわけではありません。

「聴いてもらえる」環境が万全とは言えない中で、それでも耳を傾けてもらわなければならないのが展示会におけるプレゼンなのです。

このように、実施環境が大きく異なるにも関わらず、それをあまり意識せず準備を進めてしまうと、自社や製品に関心を持ってもらえないまま展示会を終えてしまいかねません。

そのようなことにならないために、今回は展示会において、しっかりと「普段とは異なる環境」を意識してプレゼンに取り組むノウハウをお伝えしたいと思います。

本記事の内容

  • 展示会のプレゼンで準備すべきこと
  • 展示会のプレゼンを成功させるコツ
  • 展示会のプレゼンを多くの人に聴いてもらうためのポイント

最後までお読みいただければ、多くの人を惹きつけるために、展示会でのプレゼンにどのように取り組んでいくべきかお分かりいただけるはずです。

早速読み進めて、プレゼンの準備に取り掛かりましょう。

1. 展示会でのプレゼンは普段のプレゼンとの違いを意識しながら実施しよう

冒頭でもお伝えしましたが、展示会でのプレゼンは「普段のプレゼンとの違いを意識しながら実施」することが肝心です。

普段あなたがプレゼンを行っている商談や社内会議と展示会では、実施環境にさまざまな違いがあるからです。

特にプレゼンの対象者は、商談や社内会議の場合は、あなたのプレゼンを聞くためにその場に赴いてくれていますが、展示会の場合は基本的に「ブースの前を通りがかっただけ」です。
つまり、そもそもあなたのプレゼンに興味を抱いていない人に向けてプレゼンを行わなければならないのです。

そのため、展示会でのプレゼンは、この「興味を抱いていない来場者」を「興味を持ってプレゼンを聞いてくれる人」に転換するところから始めなければならず、普段のプレゼンとは違った視点を持って準備も行わなければならないのです。

その他にも、普段のプレゼンと展示会のプレゼンでは以下のような点に違いがあります。

商談・社内会議展示会
周囲の様子・雑音がほとんど無い

・別ブースの呼び込みの声が聞こえる
・来場者の話し声が聞こえる

プレゼンの
対象者

・プレゼンを聴くために来てくれた人

・声を掛けられたから来てくれた人
・少し興味が湧いたから来てくれた人
・休憩がてら来てくれた人

プレゼンの目的

・顧客との契約
・上長から決裁や承認を得る

・自社や製品への認知を広める
・見込み顧客を獲得するために接点を設ける
↓つまり
より多くの人の関心を惹くこと

このように展示会は、決してプレゼンに聞き入ってもらいやすい環境とは言えません。

またプレゼンの目的も特定の相手との契約や決裁を得ることではなく、「より多くの人の関心を惹くこと」で、ここでも「興味を抱いていない来場者」を「興味を持ってプレゼンを聞いてくれる人」に転換することが重要となってきます。

こうしたことから、展示会のプレゼンは

雑音が多く気が散るような状況でも、プレゼンを聴く意欲の高くない相手が、関心を持ってくれる

ことを目指して実施する必要があることがお分かりですね。

これからプレゼンの準備を進めていく前に、このことは念頭に置くようにしてくださいね。

2. 展示会のプレゼンで準備すべき4つの項目

商談や社内会議で行うような普段のプレゼンと、展示会で行うプレゼンとでは実施環境が大きく異なることはお伝えした通りです。

この環境の違いから、準備すべきことにも普段とは違う点が出てきます。
ここではそのような普段との違いに注目しつつ、展示会のプレゼンで準備すべき以下の4項目について説明します。

  • プレゼン内容の策定
  • プレゼン資料の作成
  • プレゼン前後のオペレーション計画
  • プレゼンに使う備品類の洗い出しと手配

順番に見ていきましょう。

2-1. プレゼン内容の策定

展示会でプレゼンを実施するために、当然のことながらプレゼンの内容を準備していく必要がありますよね。

その際に、細かい構成や話の展開の仕方は普段のプレゼンと同じ要領で準備を進めてもらえれば良いのですが、プレゼンのテーマとタイプについては展示会であることを意識して決めていきましょう。

2-1-1. プレゼンのテーマ

プレゼンのテーマは、展示会への出展目的に合わせて決めます

普段のプレゼンではプレゼンを行う相手も目的も明確なので、テーマについてあまり意識したことが無いかもしれませんね。
しかし、展示会のプレゼンは特定の相手に向けて実施するわけではないので、何を伝えるべきか改めて決めておかなければなりません。

その際には出展目的からテーマを決めていくようにしましょう。

例えば、新製品の認知拡大が目的なら、その製品の概要や導入メリットがテーマの主軸となってくるはずです。また具体的な商談獲得が目的なら、その製品を活用したソリューションや導入事例など一歩踏み込んだところがテーマとなってきます。

このように展示会のプレゼンでは、出展目的からテーマを改めて設定するようにしてください。

もし、そもそも展示会への出展目的が曖昧だという場合は、まずは出展目的を明確にする必要があります。その際は「展示会に出展する目的は大きく3つ|目的別の成功事例も解説」を参考にしてみてくださいね。

2-1-2. プレゼンのタイプ

展示会のプレゼンでは、プレゼンのタイプ(手法)についても検討し、決めていく必要があります

普段のプレゼンでは、スライドを提示しながらプレゼンターが解説するというのが一般的な手法ですよね。
ただ、展示会で行うプレゼンは様々な来場者に聴いてもらうという性質上、プレゼンタイプとして次のような選択肢が出てきます。

プレゼンタイプ①:セミナータイプ

スライドなどの資料を見せながらプレゼンターが解説。商談や社内会議のプレゼンでもよく行われる。

★おすすめなケース
・実体のある製品ではなく、サービスを紹介する
・大型機器を紹介する
・ツール/ソフトを紹介する(業務支援系ツール、セキュリティソフトなど)

プレゼンタイプ②:パフォーマンスタイプ

社員同士のかけ合いをベースに進める。ちょっとしたお芝居形式を採用するケースもある。

★おすすめなケース
・利用シーンがイメージしづらい製品/サービスを紹介する(データ活用ツール/サービス、コンサルティングなど)

プレゼンタイプ③:デモンストレーションタイプ

製品の利用方法を実演する。実演販売とよく似た手法。

★おすすめなケース
・ブースに持ち込んで作動させられる製品を紹介する

プレゼンタイプ④:お試しタイプ

来場者自身にその場で製品やサービスを使ってもらったり、試してもらったりする。

★おすすめなケース
・ブースで来場者が操作・作動させられる製品を紹介する

プレゼンタイプ⑤:ゲスト登壇タイプ

業界の著名人や他企業(提携企業や顧客企業)にも登壇してもらい、トークショー形式で進める。

★おすすめなケース
・業界での知名度が高い人物とコネクションがある
・成果が分かりやすい導入事例がある
・比較的広い小間数(4小間〜)を確保できる

プレゼンタイプ⑥:ブースツアータイプ

プレゼンターがブース内を案内しながら解説。展示そのものが資料となるイメージ。

★おすすめなケース
・製品/サービスによる変化を紹介する(研削機が研磨する前の金属部品→研磨後の金属部品など)
・比較的広い小間数(4小間〜)を確保できる

展示会でのプレゼンを準備する場合は、こうしたプレゼンタイプから来場者に高い関心を持ってもらえるものを選択します。

2-1-3. ターゲットをイメージしてプレゼンの詳細を詰める

プレゼンの内容や原稿・台本を作成する際には、常にプレゼンの聴き手となるターゲットをイメージしながら詳細を詰めていきます

既にお伝えした通り、展示会のプレゼンは通常のプレゼンとは違って「特定の相手」に向けて行うものではありません。
とはいえ、プレゼン対象者が不特定多数という前提の下で興味を惹くプレゼン内容を詰めていくことは、不可能に近いです。そもそも誰の興味を惹けば良いのかが分からないからです。

そこで必要になってくるのが、プレゼン対象者となるターゲットをできるだけ具体的にイメージすることなのです。ターゲット、つまりプレゼンを行う相手の像が具体的になっていれば、選ぶべきプレゼンタイプや説明に用いるべき言葉(専門用語 or 誰にでも分かる言葉)・例えも明白になってくるはずです。

より高い関心を持ってもらうプレゼン内容にするため、内容を策定する際には常にターゲット像を頭に思い浮かべるようにしてくださいね。

補足:
展示内容やブースとブレの無い適切なターゲット像は、次のように出展目的から考えるようにします。

出展目的「工場レーンでの不良品検知システムの見込み顧客獲得」

ターゲット「人手不足に悩んでいて、業務効率の向上を迫られている工場運営者」

2-2. プレゼン資料の作成

普段のプレゼンと同じように、展示会のプレゼンにおいても資料の作成は欠かせません。

準備する資料の種類には以下のようなものがあります。

◆ティザー動画
…プレゼンを聴いてもらうための予告編的な動画。音と映像を駆使して注目や興味を惹くために利用。
例:海外ビジネスEXPO 2019 東京 ティザー(開催予告)動画
※例に挙げた動画は展示会自体のティザー動画です。

◆配布用リーフレット・チラシ
…製品・サービスを紹介したり、ゲスト登壇タイプのプレゼンではゲストのプロフィールを掲載するために利用。

◆スライド
…セミナータイプのプレゼンでは必須。

一般的にプレゼン資料と言えばスライドをイメージされるかと思いますが、展示会でセミナータイプのプレゼンを実施しないのであれば必ずしも必要というわけではありません。

一方で、プレゼンに興味を持ってもらえるきっかけとなるティザー動画や、配布用のリーフレット・チラシはどのようなプレゼンを実施するにしても準備をしておく必要があり、自社だけでの作成が難しい場合は、動画制作会社や印刷会社などと協力して準備を進めていくことになります。

2-3. プレゼン前後のオペレーション計画

展示会でプレゼンを実施する場合は、プレゼン前後のオペレーションについても計画をしておきます。

プレゼンを行うためには、プレゼンを進めるプレゼンターだけではなく、以下の役割を担うスタッフも欠かせないからです。

・プレゼン前:聴き手となる来場者の呼び込み
・プレゼン後:聴講者への個別対応

このため、それぞれの役割ごとに、例えば以下のようなことを計画・準備しておくと良いですよ。

計画・準備しておくべきこと

◆プレゼン前:聴き手となる来場者の呼び込み
・呼び込み要員の確保(1〜2人/1小間 が目安)
・呼び込みの仕方(声の掛け方、立つ位置、チラシやリーフレットを配布するか等)

◆プレゼン後:聴講者への個別対応
・個別対応要員の確保(プレゼンター+1〜2人/1小間 が目安、呼び込みと兼任する人がいてもOK)
・必要な対応を決める(名刺交換/名刺情報取得、アンケート回収、相談・質問対応等)

プレゼンを実施する場合、プレゼン開始前と終了後で必要なオペレーションが異なるため、それぞれで対応の仕方を決めたり人員の確保を行うようにしてくださいね。

2-4. プレゼンに使う備品類の洗い出しと手配

展示会のプレゼンは、設備の整った会議室で行うわけではありません。
そのため、備品類の準備も念入りに行う必要があります

どのようなプレゼンを行うかによって必要な備品は違ってきますが、用意しておくべき主な備品としては以下のようなものが挙げられます。

プレゼンに使う主な備品例

◆必須のもの
・マイク or ヘッドセット
・スピーカー/アンプ
・モニター or スクリーンとプロジェクター
・水(プレゼンターやゲストなど登壇者用)
・資料やティザー動画のデータを保管したパソコン
・各種ケーブル
・延長コード(差込口が複数あるタイプ)
・終了までの残り時間を知らせるタイマー

◆場合によっては必要なもの
・レーザーポインター
・アンケート用紙、ボールペン、クリップボード(プレゼン後にアンケートを実施する場合)
・椅子(座ってプレゼンを聴いてもらう場合)
・製品などの実機(来場者にお試ししてもらう場合)

社内の会議室でプレゼンを行う場合、もし直前に備品類の不足に気付いても別室からスムーズに調達することができますよね。

しかし展示会ではそうはいきません。このような備品類に万が一漏れがあれば、当日の予定が大幅に狂ってしまうおそれもあります。
そのようなことの無いように、プレゼン用備品類の洗い出しと手配を準備段階でしっかりと行いましょう。

3. 展示会のプレゼンを成功させるためのコツ全13つ

展示会のプレゼンで準備すべきことについてお伝えしました。

ただ、プレゼンを多くの人に聴いてもらい、あなたの会社や製品・サービスに高い関心を持ってもらうには、より細かい点において普段のプレゼンとの違いを意識しながら準備を進める必要があります。

ここでは、そのように些細な点に至るまで普段のプレゼンとの違い意識しながら準備を行うためのコツを、準備項目ごとにご紹介します。

展示会のプレゼンを成功に導くため、これらのコツを守りながら先にご紹介したプレゼン準備を進めていってくださいね。

3-1. 興味を惹くプレゼン内容を策定するコツ

展示会でのプレゼン準備項目として、「プレゼン内容の策定」をお伝えしましたよね。
ここではまず、「来場者の興味を惹く」プレゼン内容を策定していくためのコツを見ていきましょう。

3-1-1. プレゼンのボリュームは10分程度を目安にする

プレゼンの具体的な内容を決める際には、ボリュームが10分程度に収まるように検討しましょう。

プレゼンのテーマやターゲットに応じたタイプが定まると、伝えたいことが色々と出てきて、ついついボリュームが増えてしまうこともあるかと思います。

しかし、展示会の来場者というのは、基本的にあなたの会社のブースやプレゼンのために来ているわけではなく、色々なブースを見て回りたいのです。
プレゼンへの関心の高さも、

「なんとなく自社課題の解決のヒントになりそうだから」
「偶然通りがかって気が向いたから」
「声を掛けられて流されてしまったから」

など様々です。

その中で20分も30分もあるプレゼンを聴こうと思う人は非常に稀です。いったん聴き始めても、途中で抜けていくという方もいらっしゃるはずです。

このように展示会のプレゼンでは、たくさんの魅力やメリットを伝えようとしすぎると、結果的に聴いてくれる人が居なかったり、大事なところが聴いてもらえなかったり、という状況に陥ってしまいます。

そのような状況を避け、来場者の方が「聴いてみようかな」と思える時間の限度が10分なのです。
プレゼンの中身を詰めていく時には、そのことを肝に銘じておきましょう。

3-1-2. 聴き手にとってのキャッチーさを重視する

先ほど説明した通りプレゼンのボリュームを10分以内に収めようとすると、プレゼンの中で伝えたい内容をある程度削っていく作業が出てくるはずです。

その際には、あくまで「聴き手にとってキャッチーな情報」を重視し、それ以外の情報から削いでいくようにしましょう。

聴き手にとってキャッチーで、興味を惹く情報とは例えば以下のようなものです。

◆製品/サービスの導入メリット
◆製品/サービスが解決できる課題
◆成功事例

これらはあくまで一例に過ぎないので、より適切に「聴き手にとってキャッチーな情報」が何かを判断するためには、営業部員に(見込み)顧客の反応が良い情報を聞き出してみると良いですよ。

3-1-3. あえて疑問点を残す

展示会のプレゼンは、「分かりやすく、疑問も残らない内容」ではなく、「ちょっとした疑問や分からないことが残る内容」にしましょう。

普段のプレゼンでは、お客様が疑問を持たず納得できることや、上長からのつっこみがなるべく入らないような内容を目指しますが、展示会のプレゼンでは、あえて疑問点を残す方が聴き手との接点を持ちやすいからです。

プレゼン終了後には、聴いてくださった方と名刺交換やアンケート回収、商談などを通して接点を持ちたいですよね。その際に、「もっとここを知りたい」とか「これってどうなんだろう?」と思うことが会話のきっかけとなり、接点を持ちやすくなるのです。

例えば、自社のサービスが中小企業であるA社や大手企業であるB社でも導入されていて、非常に好評であることをプレゼン内で紹介したとします。でも、そこであえて「どのようにサービスが利用されているか」は詳しく説明せずにプレゼンを終えるのです。
そうすると、自社スタッフが個別に「ご質問やご不明点はありますか?」と尋ねる際に「A社ではどのようにサービスを使われているのですか?」という質問を引き出しやすくなります。

そのように、来場者との会話のきっかけを作りスムーズに接点を持つために、あえてちょっとした疑問が残る内容にしてみてください。

3-2. 興味を惹くプレゼン資料を作成するコツ

次に、展示会のプレゼン資料をより来場者や聴き手の興味を惹くように作成するためのコツをお伝えしますね。

3-2-1. 重要ワードは大きなテロップで表示させる

スライドやティザー動画など、モニターで見てもらう資料を作成する際には、重要ワードをできるだけ大きなテロップで表示させて目立たせるようにしましょう。

お伝えしている通り、展示会の会場は静かとは言い難い環境です。その騒がしさで話している内容が聞こえづらかったり、耳に入らなかったりということもあります。
そこを補って、大切なことをできるだけ相手に届けるために、スライドやティザー動画では重要なワードをピックアップし、大きなテロップ表示で目立たせるようにしてください。

以下の画像はあくまで一例ですが、見比べてもらえれば分かるように、大切な部分を切り取って大きく表示させることで格段にキーワードを把握してもらいやすくなりますよ。

このように、スライドやティザー動画を作成する際には、「重要ワードを大きくテロップ表示させる」ということを徹底してくださいね。

3-2-2. 内容を盛り込みすぎない

展示会のプレゼン資料には、内容を盛り込みすぎないようにしましょう。

内容を盛り込みすぎると、少し見ただけでは内容を把握できないためです。

あなたのブース付近を通りがかる人も、ブース内でプレゼンを聴いてくれる人も、そもそもプレゼンを聴く意欲は高くない場合がほとんどです。
意欲が高くないので、プレゼンへの呼び込みに利用するティザー動画やチラシも、プレゼン自体で使用する資料もザッとしか見てくれません。

資料の内容が、そのようにザッと見ただけでは把握しきれないほど盛りだくさんだと、さらに意欲を削いでしまうことになりかねないのです。

一方で、直感的に把握できる程度にボリュームや内容を抑えておけば、プレゼン内容に少しでも関連がある相手の聴く意欲を高めることができます。

そのような相手の興味を惹くために、プレゼンの呼び込みやプレゼン中に使う資料は、「ザッと見ただけで把握できる」くらいの内容に留めておきましょう。

3-2-3. 聴き手を巻き込むポイントを作る

プレゼン中に使用するスライドなどの資料には、聴き手を巻き込むポイントを作るようにしましょう。

「聴き手を巻き込む」とは、要するにプレゼンターだけでなく聴き手側にも発信を行ってもらうということ。
このことで、「プレゼンに参加している」という感覚を持ってもらうことができ、聴き手の意識をプレゼンに向けやすくなります

そのような聴き手を巻き込むポイントを資料の中に作るには、例えば次のようなページを1〜2箇所設けます。

・業種を拍手で教えてもらう
(例)資料には製造・小売・物流などの選択肢を記載。プレゼンターが「製造業に当てはまる方は拍手をお願いします!」と拍手を促す。

・クイズに挙手で答えてもらう
(例)資料には「5年後に不足するIT人材はどれくらいになるでしょうか?」などの質問とその選択肢を記載。プレゼンターが「◯万人だと思われる方、挙手をお願いします!」と挙手を促す。

・意見を挙手で答えてもらう
(例)資料には「人手不足への対策として有効だと思われるのはどれですか?」などの質問とその選択肢を記載。プレゼンターが「◯◯が有効だと思われる方は挙手をお願いします!」と挙手を促す。

このように、プレッシャーを与えてしまうような個別の発信ではなく、拍手や挙手などの簡単な動作で聴き手の意思表示を促すページを、資料の中にぜひ取り入れてみてくださいね。

3-3. プレゼン前後のオペレーションを効果的に行うコツ

続いて、プレゼン前後のオペレーションを効果的に行うコツをご紹介します。

プレゼン前後のオペレーションを計画する際には、これらの4つのコツを押さえておいてください。

3-3-1. プレゼンの頻度は40分に1回を目安にする

プレゼン開始前の呼び込みや、プレゼン後の個別対応などを効果的に行うためには、プレゼンの頻度は40分に1回を目安にしてください。

これ以上高い頻度でプレゼンを実施すると、プレゼン終了後、各お客様に対応している最中に次の回のプレゼンを聴く方を呼び込むことになります。
そうなると、せっかくプレゼンで興味を持って詳しく話を聴いていたお客様も、焦って話を切り上げてしまう可能性が高いです。

また、個別対応と呼び込みを兼任するスタッフが多い場合は、次の回の呼び込みが不十分になることも考えられます。

一方で余裕を持つために頻度を下げれば、その分プレゼンを聴いてもらう機会も減ってしまいます。

プレゼン前後のオペレーションをきっちり行いつつも、できるだけ高い頻度でプレゼンを実施するには、以下のような40分に1回程度のペースがベストなのです。

プレゼン(10分)

個別対応(20分)

呼び込み・案内(10分)

3-3-2. 呼び込み要員にも簡単な対応を教育しておく

通常、より踏み込んだ質問や相談にも応じることのできる、ある程度キャリアのある従業員が個別対応を、新人従業員や外部スタッフが呼び込みを担当することになるはずです。

しかしその場合でも、呼び込み担当者が会社や製品/サービスの案内をある程度できる必要があります質問をしたい人やちょっとプレゼンが気になる人が、ブースの外で呼び込みを行うスタッフに話しかけることも多々あるからです。

その際にスムーズに個別対応担当のスタッフに引き渡すことができれば良いですが、それが難しいタイミングも出てきます。

このため、呼び込み要員にも、簡単な案内を行いつつ名刺交換までこぎつける程度の対応は事前に教育しておきましょう。

そのために有効な策として、以下の2つがあります。

◆トークスクリプトを作っておく
◆ロールプレイングを行う

ぜひどちらも実施して、呼び込み要員のスタッフにも対応力を身に付けておいてもらってください。

3-3-3. オペレーションを統率できる人員を配置しておく

会期中は常に、ブース内にオペレーションを統率できる人員を配置しておきましょう。

状況が流動的に変化する展示会では、ちょっとしたことでプレゼンのスケジュールが想定外に狂いやすくなってしまいます。

そのような事態を回避し、スムーズにオペレーションを回していくためには以下のような対応ができる人員が必要なのです。

◆ブース内外の状況と時間を見ながら、プレゼンへの呼び込みを指示
◆呼び込みが始まっても前回のプレゼンの個別対応が続いている場合に、商談スペースへの移動を促す
◆次のプレゼンが始まる前に機器類や資料をセッティング(させる)
◆配布資料やアンケート用紙に不足が出そうなら調達を指示
◆イレギュラーな事態が発生した際に、プレゼン開始を遅らせるかスケジュール通り実施するか判断

など

このように、全体の状況や時間を見つつ次のプレゼンに向けて的確にオペレーションを統率できる人員を、1人で良いので必ずブースに常駐させるようにしてください。

3-3-4. プレッシャーをかけないように呼び込む

プレゼンに人を集めるための呼び込みでは、「来場者にプレッシャーをかけない」呼び込みを行うようスタッフに周知させておいてください。

通路を行き交う来場者は、興味のあるブースを探しながら歩いています。そのように吟味している最中に、呼び込みスタッフの視線や「話しかけるぞ」という気概を感じると、「興味の無いブースに呼び込まれるのでは…」というプレッシャーからそれまでより足早に立ち去ってしまいます。

そのため、プレゼンへの呼び込みは、以下のようなプレッシャーを感じさせない方法を取るようにスタッフ全員が心がけてください。

◆パネルやプラカードでスタッフの視線をカットする
◆自社ブースの方を見ながら歩いている人に声を掛ける
(まだ自社ブースの存在を認識していない人には声を掛けない)
◆来場者と真正面で向き合わないで声を掛ける(下記画像参照)

3-4. 不足無く備品を揃えるコツ

最後に、プレゼンに使う備品類を不足の無いように揃えるコツをお伝えします。

備品類の準備を進める際にぜひ参考にしてくださいね。

3-4-1. 音響機器は専門業者からレンタルする

マイクやスピーカー、アンプといった音響機器を借りる場合は、専門の業者から手配するようにしましょう。

展示会が開催される施設やブースの施工会社には、音響機器を貸し出してくれるところもありますが、それでは少し心許ないです。
というのも、そういった施設や施工会社は、「音響機器のレンタル」をメインのサービスとして取り扱っているわけではないからです。

展示会の会場では、音響機器無しではなかなか声が届きません。このご時世にあまり大きな声でプレゼンターが話すのも好ましくないですよね。
つまり、展示会のプレゼンにとって音響機器は非常に重要なのです。

このため、音響機器についてはサービスとしてレンタル機器を提供してくれる業者から手配するようにしましょう。その方が、機器やトラブル時の対応の品質が担保されます。

レンタル業者を選ぶ際には、動作不良があった場合の対応についても必ず確認し、安心してレンタルできる業者に依頼してくださいね。

3-4-2. 会期前日にシミュレーションを行う

プレゼン用の重要な備品に不足が無いか確実に確認するため、会期が始まる前日に簡単なシミュレーションを行うようにしましょう。

規模がそれなりに大きい展示会では、開催日の前日にブースの施工を完了させることになります。施工作業に目処がついたら、一度機器類をセッティングして、プレゼンの流れをシミュレーションしてみてください。

プレゼンのシミュレーション内容

◆マイクテスト(スピーカー、アンプの動作確認も含む)
◆モニターでプレゼン用の資料送り
◆モニターでプレゼン呼び込み用のティザー動画をループ再生
◆プレゼン本番と同じ位置にモニターを設置し、見え方を確認(別途台やスタンドは必要ないか検討)

このようなシミュレーションを前日に行っておくことで、調達に時間のかかる機器やケーブルに不足や動作不良が無いかをチェックすることができます。
もし追加で用意するものがあったり、機材トラブルがあったとしても、前日に実施しておけば対応する時間もあります

こうしたことを踏まえて、本番前日のシミュレーションは必ず行うようにしてください。

3-4-3. 準備可能な備品は予備を持ち込む

どれだけ入念に備品を準備しても、それらが会期中に(大規模展示会なら3日間)絶対に紛失しない・故障しないという保証は残念ながらありません。

そのため、念には念を入れて準備できる備品に関しては予備を会場に持ち込んでおきましょう。

レンタル機材については、予備まで手配するのは難しいかと思いますが、以下のような備品類については予備も用意できるはずです。

◆パソコンとモニターを繋ぐケーブル
◆延長コード
◆資料のデータ
◆パソコン
◆社内にある比較的大きめのモニター
◆レーザーポインター

会期中に備品が紛失・故障しても、ブースのメインとなるプレゼンは中断させるわけにはいきませんよね。
そのためには、可能な限り予備備品も持ち込むようにしてくださいね。

4. 展示会でのプレゼンのパフォーマンスの質を高めるポイント3つ

ここまで、プレゼンを成功させるためにはどのようなコツを押さえて準備を進めるのか、ということをお話ししました。

ここからさらに、あなたの会社のプレゼンを魅力的にするには、プレゼンの質を高めることも大切です。
(ここで言うプレゼンの質とは、プレゼンターのパフォーマンスの質だと考えてください。)

そこでここでは、展示会でのプレゼンの質を高めて来場者に「聴いてみたい」と思わせるポイントを3つご紹介します。

展示会でのプレゼンの質を高めるポイント

  • TEDのプレゼン動画から聴かせ方を学ぶ
  • 展示会で実際のプレゼンを下見して気付きを活かす
  • プレゼンターの練習会を実施する

4-1. TEDのプレゼン動画から聴かせ方を学ぶ

プレゼンの質を高めるには、質の高いプレゼンから学ぶのが一番です。
そこで、ぜひおすすめなのがTEDのプレゼン動画から「話の聴かせ方」を学ぶことです。

TEDとは?

TEDとは、Technology Entertainment Designの略称で、世界中でハイレベルなプレゼンカンファレンスを開催している非営利団体のこと。過去にはビル・ゲイツ氏や、スティーブ・ジョブズ氏が登壇したことも。
またTEDからライセンスを受け、世界各地で発足したTEDxというコミュニティによっても多くのカンファレンスが開催されている。

TEDやTEDxのカンファレンスに登壇するプレゼンターは、聴衆を惹きつける高いスキルを持った人が多いです。
そのような登壇者から、「聴かせる」話し方(間合いの取り方や抑揚の付け方など)を学び、プレゼンターの方が実践することで、より多くの人が「聴いてみたい」と感じてくれるクオリティに仕上がるはずですよ。

ちなみに、動画を探す際に「TED 日本人」と検索をかけてもらうと、日本語で話すプレゼンに絞ることができます。

4-2. 展示会で実際のプレゼンを下見して気付きを活かす

より聴衆を引き込めるようなプレゼンにするため、事前に展示会に出向き、実際にプレゼンを行っているブースを視察してみましょう。

というのも、実際の展示会会場でプレゼンを聴いてみないと得られない感覚的な気付きもあるからです。

それは例えば以下のような点です。

◆会場がどれくらいの騒がしさなのか
◆プレゼンが十分に聞こえるボリュームはどれくらいなのか
◆どのようなテンションや抑揚で話せば聴いてもらいやすいのか

など

こうした気付きをプレゼンターの話し方に反映させたり、細かい調整を行うことで、さらに幅広い来場者に「聴いてみたい」と思わせるプレゼンが実現するはずです。

4-3. プレゼンターの練習会を実施する

プレゼンターが最後までプレゼンを通せる状態になったら、社内での練習会を実施しましょう。

練習会を開くことで、プレゼンターが人前で話す練習にもなりますし、社内の人間がフィードバックを行うこともできます。
フィードバックと改善を重ねれば、自ずとプレゼンの質はブラッシュアップされていくはずです。

ただこの練習会では、初めてプレゼンを聴く従業員も居合わせる必要があることに気を付けてください。

展示会の来場者は、当然のことながらプレゼンを初めて聴きます。その来場者とできるだけ近い目線でフィードバックを行うためには、練習会の聴き手にも初めてプレゼンを聴く従業員が必要です。

5. オンライン展示会なら集中して聴いてもらえるプレゼンを実施しやすい

幅広い来場者の興味を惹きながら話を聴いてもらうことより、確度の高い見込み顧客に集中して聴いてもらうことを重視されるなら、オンライン展示会でのプレゼン実施がおすすめです。

プレゼンを入念に準備して質を高めていっても、リアル展示会の会場がプレゼンを聴くには気が散る状況であることや、プレゼン開始前の聴き手があなたの会社やプレゼンに関心が高くない状態であることは覆せません。

一方で、オンライン展示会であれば、そのような不利な前提が無い状態でプレゼンを実施することができます。

5-1. オンライン展示会なら気が散る状況を避けられる

オンライン展示会であれば、「周囲の雑音・話し声が聞こえる状態」でプレゼンを行わなくて済みます。

リアルな展示会とは違い、次のような状況が整っているからです。

◆聴き手は集中してプレゼンを聴ける
(静かな場所にいたり、イヤフォンを使用している可能性が高い)

◆資料も画面共有機能により目の前で見ることができる

このようにオンライン展示会であれば、聴き手の気が散るような状況を回避することができます。

さらに話し手であるプレゼンターも、自分の発話に集中できますし、メンタル面でも余裕が出るはずです。

このことから、オンライン展示会ではプレゼンを集中して聴いてもらいやすいということがお分かりかと思います。

5-2. オンライン展示会なら関心の高い相手にプレゼンを行える

オンライン展示会であれば、そもそもあなたの会社やプレゼンに関心がある状態の相手に向けてプレゼンを実施することができます。

オンライン展示会ではリアルな展示会のような積極的な呼び込みは行わないのが一般的だからです。
このため、オンライン上のブースを見てくれている方や、プレゼンの視聴(予約)をしてくれている方は、「あなたの会社・プレゼンについて知りたい」という高い目的意識の下自らそういったアクションを取っていると考えられます。

そういった方は、商談を希望しているような確度の高い見込み顧客である可能性が非常に高いです。

そのような相手にプレゼンを通してしっかりアピールできるというのは、嬉しいポイントですよね。

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そんなお客様に寄り添うWONDERLINEなら、お客様企業には展示会のキモとなるプレゼンの準備に集中していただけます。

WONDERLINEの「プレゼン実施を助ける」3つのポイント

①運営事務局が手厚くサポート
WONDERLINEの運営事務局は、オンライン展示会がはじめてのお客様やハードルを感じてしまうお客様にも、手厚いサポートでとことん寄り添います。
これにより可能な限りお客様の労力を抑え、「プレゼンのための準備」に注力していただけます

サポート内容の一例としては以下のようなものがあります。

・利用方法のレクチャー
・オンライン展示会への集客サポート
・ブース内に展示するコンテンツ作成のサポート
・展示会の運営事務局としてのお問い合わせ対応

この他、ご不明点やご要望がある場合はその都度柔軟に対応させていただきます。

②プレゼン実施に役立つ機能をオールインワンでご提供!
WONDERLINEでは、プレゼンの実施からリード獲得までを徹底的にサポートするため、基本の「オンライン展示ブース」に加えて以下のような機能をご用意しています。

・プレゼン(イベント)予約
・オンライン名刺交換
・オンライン商談

もちろんこの他にも多彩な機能のご提供が可能です。
プレゼンを行うだけでなく、その後の名刺交換や個別対応にもぜひWONDERLINEのこうした機能をご活用ください。

③来場者の関心をさらに高めるコンテンツ作成
WONDERLINEを運営する新日本印刷株式会社は、デザイン事業も手がける販促物制作のプロ。
ご要望があれば、そんな私たちが来場者を惹きつけ、プレゼンへの意欲や関心をさらに高めるコンテンツ作成も請け負います。

・プレゼン告知のティザー動画作成
・プレゼン内で使用する動画作成
・来場者に伝わるコピーライティング
・CG作成、商品撮影

など、幅広くご相談ください。

WONDERLINEは、展示会でのプレゼン実施を、オンライン展示会を通してサポート致します。

「プレゼンを確度の高い見込み顧客の方に、集中して聴いてもらいたい」
「プレゼンを通して、しっかりと見込み顧客を取り込みたい」

とお考えなら、ぜひ下記よりWONDERLINEについて詳しくご覧になってみてください。

6. まとめ

展示会でのプレゼンをどのように準備し、実施していけば良いかお分かりいただけたでしょうか?

最後に今回の内容をおさらいしておきましょう。

まず大前提として、展示会でのプレゼンは、「普段のプレゼンとの違いを意識しながら実施する」ことが重要です。
周りの環境やプレゼンの聴き手・プレゼンの目的が普段とは大きく異なるため、普段との違いに応じた準備や実施が必要となってくるのです。

そのことを踏まえて、プレゼンのために事前に準備することとして以下の4つをご紹介しました。

  • プレゼン内容の策定
  • プレゼン資料の作成
  • プレゼン前後のオペレーション計画
  • プレゼンに使う備品類の洗い出しと手配

また、些細な点に至るまで普段のプレゼンとの違い意識しながら準備を行うためのコツとして次のことを押さえておきましょう。

さらに当日のプレゼンの質を高めるためには以下のポイントも参考にしてください。

  • TEDのプレゼン動画から聴かせ方を学ぶ
  • 展示会で実際のプレゼンを下見して気付きを活かす
  • プレゼンターの練習会を実施する

展示会で、あなたの会社のプレゼンが成功することを祈っています。

#展示会 #プレゼン

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WONDERLINEは、商品展示・名刺交換・商談・来場者分析がひとつにつながったオールインワンの展示会プラットフォームです。
専任担当が手厚くサポート致しますので、初めてのオンライン展示会でも安心してご利用できます。
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