「デジタル化が進んできたけど、紙カタログって今後も必要とされるの?」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか。
結論、紙カタログは「エンドユーザー」からの需要が高く、かつ、紙カタログだからこそ得られるメリットが多くあるため、今後も必要とされ続けていきます。
本記事では、そんな紙カタログの特徴から必要性を考察していきます。
本記事を読んでわかること |
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目次
1. 紙カタログは「エンドユーザー」からの需要が高い
紙カタログは「エンドユーザー」からの需要が高く、廃止はおすすめしません。
事実、株式会社インプレスが2023年3月におこなった調査によると、78%の人が店頭やショールームで配布されている紙のカタログを「必要」と回答していました。
参考:デジカメ Watch「【結果発表】紙のカタログって必要?」
紙カタログに必要性を感じる人の意見を一部紹介すると、以下のようなものがありました。
紙カタログを必要と感じる人の意見 |
・メーカー側の「見せたいところ」「アピールしたいところ」がわかりやすい |
参考:デジカメ Watch「【結果発表】紙のカタログって必要?」
紙カタログを必要だと考える人は、企業の商品に対する想いや、アピールしたいところなどを紙カタログの質を通して感じ取っています。
たとえば使用する紙の材質ひとつをとっても、さわり心地や堅さ・めくるときの曲がり具合など、紙カタログだから感じられる雰囲気にエンドユーザーはわくわくしています。
こうした紙をめくるときの手元から感じる商品への期待は、デジタルカタログでは得られません。
紙カタログでなければできないことがあるからこそ、多くの方が必要性を感じているのですね。
2. 紙カタログの特徴、メリット
1章ではアンケート結果をもとに紙カタログの需要について解説しました。
ここからは紙カタログだからこその特徴やメリットを3つ解説していきます。
・ブランドイメージ向上が見込める |
順番に見ていきましょう。
2-1. ブランドイメージ向上が見込める
紙カタログの形や表紙・素材・手触りなどにこだわることで他社との差別化を図り、企業のブランドイメージ向上が見込めます。
表紙へのこだわりや紙面へ施す加工などによってその企業のイメージを表現できるのは、紙だからこそできることです。
例えば表紙に清潔感を出したいと思い、青色を使おうと考えたとしましょう。
濃くするか、薄くするか、それともグラデーションで色の移り変わりを出すのか、青色ひとつとっても、まったく異なる雰囲気を表します。
そこにつるつるの紙やざらざらの紙、光沢感やマット感などを組み合わせることで、手触りや目に入る印象も変わり、無限大ともいえる表現の幅を作り出せるのです。
また、紙の種類やデザインのほかに、ブランドイメージを高める重要な要素として環境への配慮があげられます。
FSC認証紙やベジタブルオイルインク等を使った環境に配慮した素材を使用することで、自然環境に対する企業姿勢を表現することができます。
さらに例えば、抗菌加工を施すことで、人に対しての思いやりを込めることも可能です。
特に病院や学校といった人が集まる場所で使われる印刷物には、抗菌加工済みの方が安心して使用できますね。
こうした配慮もデジタルでは表現しきれません。
紙カタログだからこそできるブランドイメージ向上の手法といえます。
2-2. 再現度の高い商品画像を見てもらえる
紙カタログの場合は印刷するときに色の校正をおこなうため、再現度の高い商品画像を見てもらえます。
色校正とはイメージ通りに再現するための作業 |
色校正では試し刷りをおこない、色の調整をおこなう。 |
紙カタログを作る過程では商品画像をどの紙にどの色で印刷したら、実物のもつ質感を再現できるのか色校正を入れて調整していきます。
発色や光沢などに徹底的にこだわりながら、実物に近づけていくことができるのです。
ネットショップで商品を購入したとき「届いたら色が想像していたのと違った」といった経験がある方もなかにはいるでしょう。
モニターに映し出される色合いは、使用する端末や設定、環境によって大きく異なります。
商品の色合いをそのまま再現することは難しいため、このようなことが起こるのです。
色校正をおこなう紙カタログであれば、商品の質感や色味などを限りなく近く再現できるので、このような認識の違いが起こりにくくなります。
デジタル端末の種類や設定に依存せず、誰が見ても再現度の高い商品画像を見てもらえるのは、紙カタログならではの特徴です。
2-3. 視認性が高く誰にでも見てもらいやすい
紙カタログは手元で開くだけで誰でも同じように閲覧でき、高い視認性があります。
レイアウトや文字の大きさなどが判読しやすいよう、計算されて作られていることから、紙カタログは若年層や高年層といった年齢を問わずに内容を把握しやすいです。
一方デジタルカタログは、以下のようにデバイスごとに表示方法が異なります。
そのため「パソコンでは見やすいが、スマートフォンでは文字が小さくて読みづらい」といったことにつながりやすく、必ずしも誰でも閲覧しやすいカタログとはいえないでしょう。
せっかくカタログを作っても閲覧しにくければ読み手はストレスを感じ、そのまま離脱するなどネガティブな行動にも繋がりやすくなります。
それゆえ見やすさは非常に重要であり、誰にでもわかりやすい紙カタログは必要性が高いといえます。
3. 紙カタログが重宝されるケース
2章まで紙カタログだからこその特徴やメリットについてお伝えしました。
3章では紙カタログが重宝される代表的なケースを2つ解説します。
・展示会や説明会など来場者との商談時間が短いとき |
順番に見ていきましょう。
3-1. 展示会など来場者との商談時間が短いとき
展示会や見本市などでは来場者の滞在時間も短く、商談できる時間が限られているため、スピーディーな情報提供が求められます。
紙カタログであれば、目の前でページを開きながら迅速に説明ができ、かつ、付箋を貼ったり、ペンで印をつけたりして要点を確実に伝えられます。
また一瞬しか接点がない場合でも、すぐに手渡しやすい点も紙カタログならではのメリットです。
さらに商談後はメモをしたカタログをそのまま持ち帰ってもらえるので、社内での比較検討の材料として役立ててもらいやすいです。
こうした現場での素早い対応、かつ、検討材料として持ち帰ってもらえる点が重宝されるポイントです。
3-2. 記念品ギフトや高単価ギフトを贈るとき
企業の勤続祝いなどで使われる法人用の記念品ギフトや特別な贈り物として使用される高単価のギフトでは、特に紙カタログが重宝されます。
なぜなら、こうした種類のギフトや返礼品では、フォーマルな場やイベントで渡されることも多く、「特別感」や「高級感」といった印象が大切になるためです。
デジタルギフトよりも、しっかりとした装丁の高級感ある紙カタログがマッチするのはイメージしやすいですね。
一方で、デジタルギフトが喜ばれる場面も多くあります。
例えば、結婚式等で贈られる引き出物や出産・誕生祝いなどで贈られるギフトです。
こうしたデジタルギフトは、気軽に贈りものができることや、重たいカタログを持ち運ばなくて良いといった利便性から好まれています。
ここまで見てみると、紙カタログとデジタルはどちらがいいということではなく、それぞれ選ばれるシーンが違うのがわかります。
シチュエーションに応じて紙とデジタルそれぞれのギフトを使い分けていくのが良いでしょう。
4. 紙カタログはどの業種業界においても必要性が高い
紙カタログが重宝されるケースについて、ここまでの内容でおわかりいただけたかと思います。
それでも、自社に紙カタログの必要性は高いのか、残すべきなのかについてお悩みの方は多いでしょう。
以下の表は、各業種、業界の紙カタログの必要性についてまとめた一例です。
基本的にどんな企業でも紙カタログを使用することで得られるメリットが多くあり、必要性は高いです。
企業の業種 | 理由・用途 |
高級品を扱う企業 | ・質感を細部まで表現でき、高級感を顧客やエンドユーザーへ忠実に伝えられる |
建築・インテリア関連の企業 | ・家具や照明などのデザインを手元で見られ、現場での参照や打ち合わせがしやすい |
アパレル・ファッション業界 | ・実物に近い服の色や質感を再現でき、想定どおりの商品の提供ができる |
旅行代理店 | ・顧客との対面相談時に、付箋やマーキングをしながら活用できる |
美容・化粧品メーカー | ・色や質感の再現がしやすく、実際に肌に載せたときの雰囲気を伝えやすい |
食品・飲料を扱う企業 | ・実物に近い画像によって食品・飲料の魅力を最大限に伝えられる |
自動車メーカー | ・ショールームでの商談ツールとして、車種の質感や雰囲気を詳細なスペックとともに提供できる |
高齢者向けサービス企業 | ・デジタルに不慣れな顧客層に向けて、読みやすく扱いやすい形で情報提供ができる |
製造業 | ・展示会や商談での資料として活用できる |
紙カタログの魅力は自社商品の質感を細かく伝えられ、年齢を問わず誰にでも同じように見やすいことです。
そのため企業の業種を問わず、以下のように幅広いシーンで活用できます。
デジタルカタログではできない紙カタログの具体的な活用例 |
・商談の場で一緒に手元で開いて付箋やマーキングしながら視覚的にわかりやすく伝える |
デジタルカタログを導入するとコスト削減につながりますし、すぐに更新もできるので、その利便性に「紙カタログはもういらないのでは?」と感じてしまうかもしれません。
しかしこのように紙カタログでなければできないことは多く、自社サービスにこだわりをもつ企業であるほど「紙カタログを廃止したほうがいい」というケースはないと考えていいでしょう。
5. 紙カタログとデジタルカタログを併用した運用をしよう
どのような企業においても、紙カタログの廃止はおすすめしないことをおわかりいただけたかと思います。
ここからは紙カタログとデジタルカタログの運用方法について解説します。
紙カタログとデジタルカタログを上手に併用しながら運用できれば、それぞれのデメリットを補いつつ、メリットを最大限に享受できるためおすすめです。
下記の比較表をご覧ください。
【デジタルカタログと紙カタログの比較】
比較項目 | デジタルカタログ | 紙カタログ |
保管や印刷のコストを削減できる | 〇 | × |
更新性が高い | 〇 | × |
URLで共有できる | 〇 | × |
さまざまな端末で開け、持ち運びしやすい | 〇 | × |
商品検索しやすい | 〇 | △ |
商品の再現度が高い | △ | 〇 |
ネット環境に左右されない | × | 〇 |
年齢を問わず視認性が高い | × | 〇 |
見た目でブランドイメージ向上を狙える | × | 〇 |
デジタルと紙でそれぞれ特徴がはっきりと分かれていますね。
このように異なった特徴をもつ紙カタログとデジタルカタログを効率よく併用するためにおすすめのツールがWONDERCART(ワンダーカート)です。
ワンダーカート(WONDERCART)はデジタルカタログの役割も果たす見積書・提案書作成システムで、紙カタログの制作データを二次活用して以下のような書類にダウンロードできます。
顧客への見積書や提案書に商品写真を掲載して、紙カタログのような写真付きの書類にできるので、
「うんうん、この商品がこの値段なんだな」
「あれ?話していた商品はこれじゃなかったみたい。もう一度見積書をお願いしなくちゃ」
というように顧客側に何の商品についての書類なのかを認識してもらいやすく、受発注ミスを防ぎながら効率よく商談を進められます。
データのダウンロードは数秒と早く、書類の作成時間を大幅に削減できてしまうので、空いた時間をほかのコア業務に回すこともできるでしょう。
カタログとしてのダウンロードや商品リストの作成もできるので、WONDERCART(ワンダーカート)なら簡易的な紙カタログの作成も容易です。
デジタルカタログにはさまざまなツール・代行サービスがありますが、このような紙カタログと併用しやすい仕様は多くありません。
紙カタログとデジタルカタログの併用をお考えであればぜひ一度、お気軽にご相談ください。
6. まとめ
本記事では紙カタログの必要性についてお伝えしました。
最後に要点をまとめていきます。
◎紙カタログは「エンドユーザー」にとって必要性が高いです。
◎紙カタログだからこその特徴やメリットは以下3つです。
◎紙カタログが重宝される代表的なケースは以下2つです。
◎紙カタログの必要性は基本的にどの業種業界においても高いです。
◎紙カタログとデジタルカタログと併用しやすい運用をしてください。
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