「受発注業務をアウトソーシングするのってどう?営業担当部署の残業が多すぎるから、どうにかして減らしたいなあ」
「受発注業務をアウトソーシングして商品開発に尽力したい!本来必要な業務に手が回らなくて、毎日手一杯だ」
このようにFAXや電話など、取引先ごと方法がに異なることも多い受発注業務に時間を取られ、アウトソーシングを検討されている方もいるでしょう。
受発注業務をアウトソーシングする何よりもの魅力は、顧客満足度の向上が期待できることです。
顧客満足度の向上が期待できる理由については、以下2つがあります。
顧客満足度の向上が期待できる理由 |
・属人化が解消される |
受発注業務をアウトソーシングすることで、誰でも同じように受発注業務をおこなえ、最適な人員配置が可能になります。
結果的にこれまで手が回っていなかった仕事に人員を導入できるようになり、企業の成長を見込めるのです。
とはいえ、受発注業務をアウトソーシングしてしまえば、自社にノウハウを蓄積することができない点には注意しなければなりません。
アウトソーシングによって経験を積めず、知識を得にくくなってしまうからです。
そこで本記事では、受発注業務のアウトソーシングが自社に向いているか否かも含めて、成功事例や課題、手順などを網羅してお伝えします。
本記事を読んでわかること |
・受発注業務をアウトソーシングするってどう?疑問を解決できる! |
ぜひ本記事を参考に、受発注業務のアウトソーシングに関する知識を高めましょう。
目次
1.受発注業務をアウトソーシングすると顧客満足度の向上につながる!
受発注業務をアウトソーシングすると、顧客満足度の向上を期待できます。
アウトソーシング先は受発注業務におけるプロのため、ミスなく効率的に業務を進めてもらえ、トラブルにつながりにくくなるからです。
さらに煩雑な受発注業務をアウトソーシングすると、自社のコア業務に時間を割けます。
顧客対応や商品開発・アフターフォローといった業務を優先できるようになり、サービス自体の品質向上によって、 顧客満足度の向上につながります。
結果的に企業価値を高められるので、事業拡大の迅速化にも発展するでしょう。
アウトソーシングによって自社のコア業務に時間を割けたり、顧客対応を優先できたりする具体的な理由については、次の章でさらに詳しくお伝えしますので、ぜひこのまま読み進めてください。
2. 受発注業務をアウトソーシングすると顧客満足度アップにつながる2つの理由
受発注業務をアウトソーシングすると、顧客満足度アップにつながる2つの理由配下です。
・属人化が解消される |
詳細を詳しく見ていきましょう。
2-1. 属人化が解消される
受発注業務をアウトソーシングすると、業務内容の可視化や手順の統一によってだれでも同じように業務を遂行できるようになるため、属人化の解消につながります。
属人化:業務の進め方や内容を特定の担当者のみが把握している状態 |
属人化していると担当者の欠勤や退職によって不在となったときに業務に支障が生じ、とくに顧客ごとに異なる条件や手順が存在することの多い、受発注業務では起こりやすいです。
そこでアウトソーシングを取り入れると、特定の担当者のみしかわからなくなっていた業務を整理してくれるので、早期に属人化を解消できます。
2-2. 人員リソースの最適化を図れる
以下のような理由から、受発注業務のアウトソーシングによって人員リソースの最適化を図れます。
繁閑差対応の無駄をカット:繁忙期と閑散期の作業量の差が大きい受発注業務がなくなり、繁忙期に合わせた人材確保をせずに済む 最適な人員配置:受発注業務ヘ充てていた人的リソースを、より価値の高い業務に集中させられる 人材育成コストの削減:受発注業務に関わる人材育成にかかるコストや時間を削減できる |
受発注業務のアウトソーシングによって人員リソースを最適化できれば、常に必用最小限の人数で業務をこなせ、業務配分の適正化が可能です。
一人だけに業務が集中したり、残業が続いたりといったことになりにくいため、個々の負担が軽減し、従業員の不満の高まりや離職といった事態の防止策となります。
3. 受発注業務をアウトソーシングした成功事例
受発注業務をアウトソーシングすることで、企業にとってどのような変化をもたらすのかについておわかりいただけたかと思います。
ここからは実際に、受発注業務のアウトソーシングを取り入れたことによる成功事例を見ていきましょう。
中小企業庁が毎年発行する中小企業のに関する報告書「中小企業白書」の2018年度版では、アウトソーシングの導入事例として、はな物語が紹介されています。
(出典:中小企業庁「第2部 深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命」)
出典:はな物語
はな物語 |
国家検定一級技能士によるデザインが評判高く、名入れ彫刻やデコレーションが人気のプリザーブドフラワーの生産・販売店の老舗ネットショップ |
中小企業白書では、はな物語は受注業務におけるアウトソーシングを実施し、以下のような効果が得られたことが紹介されています。
・電話対応の良さによって顧客満足度が向上 |
以前ははな物語の従業員が、以下のような業務対応をおこなっていました。
・商品製作
・電話対応
・顧客管理
・事務処理
しかしネット販売がゆえに、競合の多さから楽天やアマゾンといった複数のネットショップで販売をおこなうと、管理業務が増えて肝心な商品製作に時間が割けなくなりました。
そこで代表の古河誠さんは、従業員へのヒアリングをおこない、結果的に電話対応による受注業務によって最も大きな負荷だとわかり、外部のコールセンターにアウトソーシングを実施したのです。
コールセンターへの委託費用は委託当初4~5万円でしたが、結果的に受注量の増加につながり約12~13 万円に増えたといいます。
しかし増加したアウトソーシング費用を考慮しても、人件費や育成時間の削減ができたことで大きな負担にはなっていないそうです。
さらには業務内容が自宅でも対応可能な商品製作に絞られたことで、在宅勤務の推進にもつながりました。
代表の古河誠さんは今後も積極的にアウトソーシングを進める考えを示しており、業務効率化ができたことを実感しています。
4. 受発注業務を円滑にアウトソーシングするときの課題
受発注業務のアウトソーシングでは、実際に効率化や受注量の増加などを見込めることがおわかりいただけたかと思います。
そこで受発注業務をアウトソーシングするにあたって、円滑に進めるための課題点について解説したいと思います。
受発注業務を円滑にアウトソーシングするときの課題は、以下3つです。
・各営業が受発注管理を担当している場合は理解を得る |
順番に見ていきましょう。
4-1. 各営業が受発注管理を担当している場合は理解を得る
受発注業務を各営業部署が担当している場合は、事前に理解を得るようにしてください。
営業担当者は取引先と良好な関係を築くよう配慮しながら、電話やファックス・メールなどさまざまな方法で受発注業務をおこなっています。
理解を得ずにアウトソーシングした場合、これまでの関係性が崩れてしまう懸念を抱いたり、不満が生じたりして、社内で反発が起こる可能性を否定できません。
受発注業務をアウトソーシングするメリットについて丁寧に説明するとともに、いきなり全部署で変更せず段階を踏むといった配慮しましょう。
4-2. セキュリティ対策が万全なアウトソーシング先を選ぶ必要がある
セキュリティ対策が万全なアウトソーシング先を選ぶことが受発注業務のアウトソーシングには不可欠です。
自社の受発注業務をアウトソーシングするということは、顧客情報や在庫情報・売上金額などの機密情報の取り扱いも業務の範囲に含まれます。
万が一情報漏洩が起これば顧客を危険にさらしてしまうことはもちろん、自社の信用問題にかかわることから経営を続けられなくなる可能性もあるでしょう。
不正アクセスやサイバー攻撃なども含め、受発注業務をアウトソーシング先を決めるときは、以下のようなセキュリティ対策を実施しているかあらかじめ確認しましょう。
アウトソーシング先のチェックポイント |
・従業員へセキュリティに関する教育の実施 |
これらのチェックポイントは、公式サイトや企業への問い合わせで確認してください。
4-3. 顧客とのコミュニケーションを極端に減らさない
受発注業務をアウトソーシングするときは顧客とのコミュニケーションがどうしても少なくなるので、極端に減らさないよう意識しましょう。
顧客とのコミュニケーションが減れば、以下のような課題が生じます。
顧客関係の維持に影響が出る: フィードバックを得られない: |
受発注業務の効率化を図っても取引先を失ってしまえば経営は成り立ちません。
コミュニケーションを極端に減らさず、顧客満足度調査を実施したり、アウトソーシング先から顧客とのやりとりを情報共有してもらったり、対策を講じて顧客との関係性にも配慮してください。
5. 受発注業務のアウトソーシングが向いている企業/向かない企業
受発注業務のアウトソーシングを始める前に、自社が向いているのか、向かないのかについても知っておきましょう。
以下に受発注業務のアウトソーシングが向いている企業と向かない企業をまとめましたので、参考にしてください。
アウトソーシングが向いている企業 | アウトソーシングが向かない企業 |
・専門的な判断が必要ない | ・資格を必要とする |
受発注業務が定型化されており、専門的な判断が必要ない企業でなければアウトソーシングは向きません。
税理士や弁護士など法規制がかかわる専門知識を必要とする場合や、自社でしか判断できないような受発注業務はアウトソーシングを依頼するのは難しいでしょう。
自社の受発注業務がだれでもできるような定型化できるかどうかを基準として、アウトソーシングを検討してください。
6. 受発注業務をアウトソーシングする手順
では、自社が受発注業務をアウトソーシングするのに向いている場合は、どのように依頼していくべきかか見ていきましょう。
1. 自社の課題を整理して目的を明確にする |
順番に解説します。
6-1. 自社の課題を整理して目的を明確にする
まずは自社が抱える課題を整理して、目的を明確にしましょう。
ただ受発注業務をアウトソーシングするといっても、今何に困っていて、今後どのようにしたいのか目的はさまざまです。
「人手が足りなくて、とにかく自社の受発注業務全般を対応してほしい」
「現状アナログの受発注業務だが、IT化を検討。社員には精通しているものがいないため、精通しているアウトソーシング先に委託したい」
このように自社がどのような課題を抱え、解決するためにアウトソーシングする目的は異なります。
自社の課題を整理して目的を明確にすることで、アウトソーシング先に求める業務内容も自然と定まります。
社内の受発注業務の担当者とも綿密にコミュニケーションを取りながら、アウトソーシングの目的を明確にしていきましょう。
6-2. アウトソーシング先を見つける
目的が明確になったら、自社の受発注業務を任せるアウトソーシング先を見つけていきます。
アウトソーシング先を選ぶときは、最低でも3~4社はピックアップして、以下をもとに選ぶと失敗しにくいでしょう。
・業務の対応範囲が自社に合っている:依頼したい受発注業務に対応している |
前提として「6-1. 自社の課題を整理して目的を明確にする」で自社が任せたい対応範囲をカバーしているアウトソーシング先でなければなりません。
仮に受発注業務で請求書発行を依頼したいにもかかわらず、対応していなければそのアウトソーシング先との契約はできないからです。
ただし費用対効果も大切です。
自社が求める以上の幅広い受発注業務を引き受けてくれるアウトソーシング先の場合、費用がかなり高くなるでしょう。
依頼したい業務をカバーしており、なおかつ長期的に依頼しても負担がないアウトソーシング先選びが必要です。
そして実績やコミュニケーション能力なども鑑みながら総合的に判断して、アウトソーシング先を選択しましょう。
6-3. 業務内容を把握してもらう
アウトソーシング先を決めたら、業務内容を把握してもらいます。
一般的にはアウトソーシング先主導でおこなわれるので、ヒアリングに答えながら以下のような調査に協力しましょう。
業務内容に関するアンケート作成:現在の課題の明確化や今後の目的・将来像を定める 業務モニタリングでルール・ボリューム感の把握:現在の受発注過程や仕事量を把握してもらう 業務⼀覧の作成:受発注業務における全内容を視覚化して把握してもらう |
ヒアリングした内容をもとに、課題の分析や改善案の提案がおこなわれます。
アウトソーシングする範囲も相談しながら改めて定めていくので、疑問点や不安な点なども合わせて質問しましょう。
6-4. アウトソーシングに向けて業務設計する
委託先が業務内容を把握できたら、アウトソーシングに向けて以下のような業務設計を構築します。
・業務フロー作成 |
アウトソーシング先とのヒアリングや改善案の話し合いを重ね、無駄な時間や手間を削減しながら、受発注業務の標準化を図ります。
標準化:製品やサービス、プロセス、方法などを一定の基準や規格に合わせて、誰でもできるよう統一すること |
6-5. プレ運用して課題の有無を見つける
標準化した受発注業務を実際にプレ運用して、課題の有無を見つけていきます。
受発注業務を問題なくアウトソーシングに移行できるか、人員を配置して実際に1~2週間ほど運用してみましょう。
夜間や日中といった時間帯や個々の業務フロー理解度や習熟度の差によって、受発注業務のズレやムラが生じないよう、常に一定のサービスを提供できるか確認してください。
問題が生じたら、アウトソーシング先と話し合いながら最善な運用をできるように都度改善点を見つけ、解消していきます。
6-6. 業務に取り入れ、アウトソーシングを開始する
プレ運用による改善を重ねたのちは、本格的に業務に取り入れてアウトソーシングを開始します。
ただしプレ運用で改善点を解消したからといって、そのままなんとなく運用していけばいいのではありません。
短期的な課題を解決できていても、中長期的に運用を続ければ新たな問題点が自ずと生じてくるものです。
アウトソーシング導入後は業務フローや業務マニュアルの整備を更なる重ねて、品質の改善を図っていく必要があります。
課題が生じたタイミングで委託先と共有・改善を図ることはもちろん、たとえば運用成果の定期報告会においても新たな改善点がないか模索しながらアウトソーシングをおこないましょう。
7. 受発注業務をアウトソーシングするときの費用
さて、受発注業務をアウトソーシングする流れについて把握していただいたところで、費用面について気になる方は多いのではないでしょうか。
受発注業務をアウトソーシングするにあたってかかる費用は、売上高の5~10%もしくは毎月1〜10万円程度が一般的な相場です。
とはいえ受発注における業務範囲は、以下のように幅広いです。
受発注するときの直接的な対応 | 受発注業務におけるその他の作業 |
・見積もり | ・売上の計上 |
ただ取引先と連絡を取り合って受発注するだけではなく、そのほかにも請求・売上関連や在庫管理といった幅広い業務があります。
そのため、対応してもらう業務範囲によって差が生じます。
「6-1. 自社の課題を整理して目的を明確にする」で自社が何をアウトサイドしたいのかを明確にし、必要な受発注業務を依頼するよう絞ることがコストの削減においては大切です。
もちろんアウトソーシング先によっても費用は異なるため、複数社から見積もりを取り、比較検討しましょう。
8. 受発注業務のアウトソーシングは自社にノウハウを蓄積できないことを知っておく
受発注業務をアウトソーシングする場合の費用について、おわかりいただけたかと思います。
実際に「アウトソーシングを始めてみようかな」と、お考えの方もいるでしょう。
ただし、受発注業務をアウトソーシングをすると、自社にノウハウを蓄積できない点を知っておかなければなりません。
アウトソーシングした受発注業務について社内の従業員が携わることがなくなり、経験を積むことがなくなるからです。
そのためいずれは自社でもう一度受発注業務をやる可能性があるのであれば、アウトソーシングは避け、デジタル技術の導入や受発注システムの導入といった方法を検討したほうがいいでしょう。
詳しくは以下の記事にてお伝えしているので、参考にしてください。
また、弊社のWONDERCARTも、「ノウハウを蓄積しながら受発注業務を効率化させたい!」「負担を減らしたい」といった方に向いています。
WONDERCARTは、商品カタログの製作データを二次活用できるシステムです。
WONDERCARTではプラットフォームに掲載した最大20,000点ものカタログから、商品リストや見積書・提案書などの作成・ダウンロードが簡単にできます。
実際にWONDERCARTを使われているお客様のなかには、業務効率が体感2倍以上になったという声もあり、受発注業務にかかっていた時間や人件費の削減が可能です。
属人化の解消ができ、作業時間を大幅に短縮させながらも、自社で受発注業務をおこなえるので、WONDERCARTならノウハウを自社で着実に蓄積できます。
「受発注業務をアウトソーシングしたいけれど、自社でもある程度はできておきたい」
「受発注業務のアウトソーシングは職種的に向かないけれど、効率化を図りたい」
このようにお悩みの方は、ぜひご相談ください。
9. まとめ
受発注業務のアウトソーシングについて、ご理解いただけましたでしょうか。
最後に受発注業務のアウトソーシングをご検討されている方に向けて、本記事の要点をまとめていきます。
◎受発注業務をアウトソーシングすると、以下のように自社のリソースを効果的に活用できるようになります。
・属人化が解消される |
◎受発注業務を円滑にアウトソーシングするときの課題は、以下3つです。
・各営業が受発注管理を担当している場合は理解を得る |
◎以下に受発注業務のアウトソーシングが向いている企業と向かない企業をまとめましたので、参考にしてください。
アウトソーシングが向いている企業 | アウトソーシングが向かない企業 |
・専門的な判断が必要ない | ・資格を必要とする |
◎受発注業務をアウトソーシングする手順は、以下のとおりです。
1. 自社の課題を整理して目的を明確にする |
◎受発注業務をアウトソーシングするにあたってかかる費用は、売上高の5~10%もしくは毎月1〜10万円程度が一般的な相場です。
◎受発注業務のアウトソーシングは、自社にノウハウを蓄積できないことを知っておいてください。
本記事が受発注業務のアウトソーシングをご検討されている方にとって参考になれば幸いです。
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