Matterport(マーターポート)は、あらゆる空間を3Dでスキャンし、リアルなバーチャルツアーを作成するデジタルツインプラットフォームです。
実際に訪れなくてもその空間にいるかのような体験ができ、距離の測定も可能なため、様々な業界で活用されています。
この記事ではMatterportの導入にかかる費用を、自社で撮影する場合と、専門の会社に撮影代行を外注する場合に分けて比較します。
Matterportを導入する際のご参考にお読みください。
本記事を読んで分かること
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目次
1.Matterportについて
この章ではまず、Matterportについて解説します。
詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
1-1. Matterportとは
Matterportは、現実世界のあらゆる空間をバーチャル化できるデジタルツインプラットフォームです。
専用の3Dスキャンカメラを使って撮影し、プラットフォームにアップロードするだけで、現実の建物空間を4K高画質で誤差1%未満の高精度なデジタルデータに生成できます。
スマートフォンやサポートされている360度カメラでも撮影できますが、機種の性能や撮影方法によっては、画質や精度に差が出ることがあります。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
1-2. Matterportの活用分野
Matterportは、建築、不動産、観光、文化施設など、さまざまな業界で利用されています。
Matterportのバーチャル空間は、現実の建物空間をスキャンすることで、まるごと再現したもの。
パソコンやスマートフォンさえあれば、遠隔地からでも実際にその場所を訪れたかのようにウォークスルーできるため、あらゆる施設のバーチャル体験が可能です。
時間や距離に影響されず施設の魅力が伝えられることや、現実には見られない視点から建物全体を把握できることから、オンラインショールーム、不動産のオンライン内覧など幅広く活用できます。
バーチャル空間内にテキストや画像を埋め込むタグ機能を利用すれば、タグから関連サイトへ誘導するなど、工夫次第でビジネスの成長促進にも役立ちます。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
2.Matterportを導入するには
Matterportを導入するには、大きく分けて自社で撮影・編集する方法と、専門の会社に撮影代行を外注する方法の2種類があります。
それぞれについて、何が必要で、どのくらいの費用がかかるのか紹介します。
2-1. 自社で撮影・編集する場合にかかる費用
Matterportを自社で撮影・編集するには、これらの費用がかかります。
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2-1-1. Matterportのサブスクリプション料金
Matterportの利用には、Matterportを運営するMatterport社のサブスクリプションを契約する必要があります。
無料のプランもありますが、4K高画質の専用カメラでスキャンする場合は、Professionalプラン以上の契約が必要です。
各プラン※1については、月額と年額、アクティブスペース※2によって料金が異なるので、必要な期間とスペース数にあわせて選んでください。
※1各プランについて:3.Matterportのサブスクリプション料金をご参照ください。
※2アクティブスペースとは:Matterportプラットフォーム上で、ユーザーが管理・共有できる空間モデル数。
2-1-2. Matterportの撮影機材費
Matterportの撮影は、専用カメラの他、スマートフォンやTHETAなどの360度カメラ(サポートされている機種に限る)でも可能です。
ただし、1-1.で紹介したように、機種の性能や撮影方法によっては、画質や精度に差が出ることがあります。
Matterportカメラは、こちらの2機種(2024年8月現在)。
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それぞれの特徴や違いについて詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
どちらの機種も、公式サイトによると「付加価値再販業者(VAR)を通じて供給」とされており、価格の記載はありません。
参考に、ECサイトに掲載されていた価格を紹介します(2024年8月現在)。
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これらの撮影機材費が初期投資のコストとしてかかります。
2-1-3. 撮影・データ編集の人員と学習コスト
Matterportの撮影と編集は、機材によってはコツが必要で、タグの編集にも慣れるまでは時間がかかるかもしれません。
スタッフに撮影技術を習得させ、編集の時間をかけることも、コストと言えるでしょう。
今後、何度もバーチャルツアーを作成する予定があるなら時間をかけてスタッフを教育しても良いでしょうが、最初からクオリティの高いバーチャルツアーを作成するのは難しいかもしれません。
2-2. 撮影代行を外注する場合にかかる費用
Matterportの撮影代行を専門の会社に外注する場合、これらの費用がかかります。
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2-2-1. Matterportのサブスクリプション料金
専門の会社が撮影代行する場合も、Matterportを運営するMatterport社のサブスクリプション契約は必要です。
ただし、高精度のMatterportカメラと高レベルの編集機能を活用するには、Professionalプラン以上の契約が必要ですが、作成したバーチャルツアーを転送するだけなら、 Starterプランでも対応可能。
つまり、制作会社が高ランクのサブスクリプション契約をしていれば、作成後のバーチャルツアーを管理するのは低価格のプランでも十分です。
サブスクリプション料金は月額または年額で継続してかかる費用なので、長く使用することを考えると、撮影代行を外注してサブスク料金を抑える方が全体のコストを抑えられる場合もあります。
2-2-2. Matterportの撮影代行費用
Matterportの撮影代行費用は、一般的に1回の撮影につき数万円から数十万円が目安です。
撮影、データ処理、編集作業まで含まれることが多く、プロジェクトの複雑さや納期などによって変動します。
ただし、ハイスペックの機材とプロの撮影・編集技術による高品質なバーチャルツアーを作成できることは大きな魅力です。
撮影機材購入など初期投資のコストをかけず、手間なく完成度の高いバーチャルツアーを作成したいなら、撮影代行を依頼することをおすすめします。
また、撮影代行会社を選ぶ際には、その会社の専門性や得意分野が自社のプロジェクトにマッチしているか確認しましょう。
スムーズに進行できるよう、コミュニケーションが円滑に行えるか、対応力や柔軟性も重要な要素です。
3.Matterportのサブスクリプション料金
Matterportの利用には、自社で撮影する場合も、撮影代行を外注する場合も、Matterport社のサブスクリプションを契約する必要があります。
プランは5種類あり、その中でもアクティブスペースの数によって、月額料金と年額料金が異なります。
プラン | アクティブスペース数 | 料金(月額) (円) | 料金(年額) (円) |
Free | 1 | 0 | 0 |
Starter | 5 | 1,500 | 14,400 |
Starter | 10 | 3,000 | 28,800 |
Starter | 15 | 4,500 | 43,200 |
Starter | 20 | 6,000 | 57,600 |
Professional | 20 | 8,400 | 84,000 |
Professional | 25 | 9,800 | 98,400 |
Professional | 30 | 11,500 | 116,400 |
Professional | 40 | 14,900 | 150,000 |
Professional | 50 | 18,200 | 183,600 |
Professional | 75 | 26,200 | 264,000 |
Professional | 100 | 33,900 | 342,000 |
Professional | 125 | 41,500 | 418,800 |
Professional | 150 | 48,900 | 493,200 |
Business | 100 | 41,700 | 420,000 |
Business | 125 | 44,500 | 448,800 |
Business | 150 | 52,600 | 530,400 |
Business | 200 | 68,500 | 690,000 |
Business | 300 | 99,300 | 1,002,000 |
Enterprise | 無制限 | お問い合わせ | お問い合わせ |
公式サイトより
4.自社撮影と撮影代行のメリット・デメリット
Matterportを自社で撮影・編集する場合と、専門の会社に撮影代行を外注する場合では、それぞれにメリット・デメリットがあります。
4-1. 自社撮影のメリット
Matterportを自社で撮影・編集するメリットはこちら。
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一番コストを抑えるなら、Freeプランを契約し、スマホでスキャンすることです。
ただし、Freeプランのアクティブスペースは1つしかないので、試しに使ってみてからアップグレードするのがおすすめです。
4-2.自社撮影のデメリット
Matterportを自社で撮影・編集する場合のデメリットはこちら。
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高精度なバーチャルツアーを作成するには、専用のMatterportカメラが必須です。
けれど2-1-2.で紹介したように、カメラの購入費用だけで撮影代行費以上のコストがかかってしまうので、自社でカメラを購入するのはよほどの頻度で撮影する予定がある場合に限られるでしょう。
4-3. 撮影代行のメリット
専門の会社に撮影代行を外注する場合のメリットはこちら。
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Matterportの導入で、ハードルとなるのが撮影機材の初期投資費用です。撮影代行を外注すれば、自社で機材を購入する必要はありません。
また、ハイスペックの機材を使えば、スキャン精度が高い上に、撮影時間も短くて済みます。
プロの撮影機材と編集技術で、手間なく完成度の高いバーチャルツアーを作成できるのは大きなメリットでしょう。
制作会社によっては、「Matterport SDK」という高度な編集機能を活用して、カスタマイズ編集できるところもあるので、より成果につながるバーチャルツアーの活用方法を相談してみるのもおすすめです。
4-4.撮影代行のデメリット
専門の会社に撮影代行を外注する場合のデメリットはこちら。
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Matterportは、同じ面積でも構造が複雑だと撮影するポイント数が多くなります。
窓や鏡など反射するものがあると、編集の工数が増えることも。
こうした工数の違いでも、撮影代行費が変わる場合があります。
撮影代行を外注する場合は、事前にしっかり見積もりをしてもらうことが重要です。
5.新日本印刷の料金プランと撮影事例をご紹介
新日本印刷株式会社では「360°バーチャルツアー」というサービス名で、バーチャルツアーを制作しています。
100㎡以下の撮影代行費は¥80,000〜(税別)
おおよその撮影面積例・撮影日数例での撮影代行費はこちら。
撮影面積例 | 撮影日数例 | 初期費用(撮影代行費)※税別 |
100㎡ | 半日 | ¥80,000 |
200㎡ | 半日 | ¥108,000 |
300㎡ | 半日 | ¥136,000 |
400㎡ | 半日 | ¥164,000 |
500㎡ | 1日 | ¥192,000 |
600㎡ | 1日 | ¥220,000 |
700㎡ | 1日 | ¥248,000 |
800㎡ | 1日 | ¥276,000 |
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実際に撮影する前には、事前に図面をご支給いただくか、可能であれば現地を確認させていただき、お見積りを作成します。
以下は20㎡の展示ブースの撮影事例です。
展示ブース完成後、約1時間で撮影し、翌日からのオンライン展示会に掲載しました。
撮影時間は撮影ポイント数によりますが、100ヶ所の対象空間を撮影した場合、半日程度で完了します。
お急ぎの場合は、撮影した3D空間の撮りっぱなしデータのお渡しで最速2営業日。
3D空間の合成作業とタグの編集作業を含めると、5〜10営業日となります。
バーチャルツアーの活用方法やカスタマイズ編集についてもご提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
6.まとめ
この記事ではMatterportの導入にかかる費用を、自社撮影する場合と専門の会社に撮影代行を外注する場合に分けて比較しました。
Matterportを自社で撮影・編集するには、これらの費用がかかります。
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Matterportの撮影代行を専門の会社に外注する場合、これらの費用がかかります。
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Matterportを自社で撮影・編集する場合と、撮影代行を外注する場合は、それぞれにメリット・デメリットがあります。
高度な編集機能を活用して、バーチャルツアーをカスタマイズできるところもあるので、より成果につながるバーチャルツアーを作成するために、提案力・対応力の高い制作会社に相談してみてはいかがでしょうか。
#matterport #費用
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