
「BtoB(企業間取引)のECサイトを構築したい」
「ECサイトはどうやって構築したら良いんだろう?」
「BtoBに特化したECサイト構築サービスはどれがいいかな?」
など、BtoB ECサイト構築について悩みや疑問を考える企業は多いでしょう。
BtoB ECの市場規模は昨今急激に拡大しており、2023年のBtoB EC市場規模は465.2兆円、前年比で10.7%も市場を拡大させています。
さらに、BtoBのEC化率は40%と高い水準になってきており、EC化が遅れてしまうと業界での優位性を奪われてしまう可能性があるので注意が必要です。
しかしながら、「EC化したい」という気持ちだけで、ただなんとなくBtoB ECサイトを構築してしまうと後悔することになります。
「なぜBtoB ECサイトを作りたいのか」「ECサイトを構築したい目的はどこにあるのか」を深く考えないままにサイトを作ってしまうと、したかったこと(本来のニーズ)をECサイトで実現できずに「こんなはずじゃなかった」と悔やむことになります。
そのため、いきなりサービスを探し始めるのではなく、自社のECサイトの目的やニーズを自身であらためて見つめ直すことで、目指すべきBtoB ECサイトの方向性が明確になるでしょう。
上記を整理して、目的やニーズごとにおすすめの構築方法を整理したのが以下の図です。
この記事は、「BtoB ECサイトを構築したい」と漠然と考えている方に向けて、どのようなサイトを構築すべきか方向性を整理しながら、最適な構築方法やサイトの形態が判断できるようなコンテンツとなっています。
「サイトを構築したいけど知識ゼロだから分からない!」という方も、「いろいろ調べてみたけど、結局どのようにすれば理解できなかった」という方もこの記事を最後までお読みいただき、ぜひ参考になさってみてください。
目次
1. BtoB ECサイト構築時に確認すべきポイントは2つ
「BtoB ECサイトを構築したい」と一言でいっても、企業によってイメージするECサイトの完成形はかなり異なることがほとんどです。
例えば、「既存顧客との受注業務を効率化したい」のか、それとも「新規顧客を拡大・開拓したい」のかによって、ECサイトの完成形はもちろん選ぶべき構築方法やサービスも異なってきます。
また、「既に仕組みができあがっているサービスを利用する」のか「顧客ごとに細かく価格や取引条件を個々に設定したいのか」によって、選ぶべき構築方法やサービスが異なります。
そのため、まずは、BtoB ECサイト構築の前にしっかりと自社で方向性を確定しておくことが大切です。
具体的には、以下の2つのポイントをまず確認することをおすすめします。
BtoB ECサイトを構築する前に確認すべきポイント (1)サイト形態は、オープン型・セミクローズド型・クローズド型どれにするか (2)構築方法は、BtoCでも使える通常のECカートを利用するのか、BtoBに特化したECカートを利用するのか、それともさらにカスタマイズできる構築方法を採用するのか |
それぞれ、確認していきましょう。
1-1. サイト形態(オープン型・セミクローズド型・クローズド型)
BtoB ECサイトは大きく分けて、(1)オープン型、(2)セミクローズド型、(3)クローズド型の3つに分かれます。
ECサイトの目的や業種によって、どのECサイトを構築するかをしっかりと検討していきましょう。
【オープン型・セミクローズド型・クローズド型の比較表】
オープン型 | セミクローズド型 | クローズド型 | |
概要 | 誰でも商品一覧や価格を閲覧することができる | 商品一覧は誰でも閲覧可能で、価格のみ非公開になっている | ID・パスワードがないとサイトにアクセスできない |
メリット | ・気軽に利用できるため新規顧客獲得に向いている | ・取引先以外に卸値や詳細情報を公開しなくて済む | |
デメリット | ・法人ではない一般ユーザーにも卸値などの情報が見えてしまう | ・オープン型よりも構築・運用にコストがかかる | ・オープン型よりも構築・運用にコストがかかる |
目的 | 新規取引先の獲得や広範なマーケットへの展開 | 受注業務の効率化 | |
向いている企業 | ・新規取引先を積極的に開拓したい企業 | ・認知度を高めて新規顧客を獲得したいものの、価格を一般消費者には公開したくない場合におすすめ | ・既存の取引先からの受注業務を効率化したい企業 |
それぞれの形態の特徴や、どの形態がいいか検討する方法については、2章で詳しく解説します。
1-2. どの構築方法を選択するかをしっかり検討することが大切
BtoB ECサイト構築には、4つの選択肢があります。
どの方法を選択するかによって、サイトの自由度はもちろん、メリット・デメリット、費用、かかる労力などに大きな違いが現れます。
【BtoB ECサイト構築の4つの方法】
BtoBに特化した | BtoB機能を | オープンソース | フルスクラッチ | |
代表例 | ・Bカート | ・MakeShop | ・EC-CUBE | ー |
メリット | ・必要な機能が揃っていてすぐ始められる | ・初期費用や運用コストが安い | ・カスタマイズ性と拡張性に優れている | ・要件に完全対応したカスタム開発ができる |
デメリット | ・カスタマイズ性が制限されることがある | ・BtoB機能を追加したりカスタマイズしたりする必要がある | ・社内に技術者やデザイナーがいない場合、開発・運用が難しい | ・構築費用がかなりかかる |
立ち上げスピード | 最短1週間~ | 最短1日~2週間程度 | 3ヶ月〜6ヶ月程度 | 6ヶ月〜2年程度 |
難しさ | 開発はシステム側で対応してくれることが多いため簡単 | 簡単だが、カスタマイズが難しいケースがある | 社内に技術者やデザイナーがいない場合、開発・運用が難しい | 制作会社に依頼したとしても、その後の運用・管理が非常に大変 |
技術力 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 |
初期費用 | 要見積もり(300万円〜500万円など) | 無料〜10万円程度 | 無料(ただし制作会社に依頼する場合には制作費がかかる) | 制作会社に依頼する場合、1,000万円以上 |
月額費用 | 月額10万円〜50万円など規模によって異なる | 無料〜月額10万円程度 | 無料〜 | 制作会社に依頼する場合、月額数万円~数十万円程度 |
それぞれの特徴やどの構築方法がいいかなどは、3章で詳しく解説します。
2. BtoB ECサイト構築前に知っておきたい知識:3種類の形態(オープンかクローズドか)
BtoB ECサイト構築前に知っておきたい知識として、BtoB ECサイトの形態には3つの形態があることを解説していきます。
【BtoB ECサイトの3つの形態】
オープン型 | 誰でも閲覧・購入可能なECサイトのこと |
セミクローズド型 | 誰でも閲覧できるが、価格情報が非公開で、購入は会員限定となっているECサイトのこと |
クローズド型 | 会員しか閲覧できないECいサイトのこと |
それぞれどういうものかを説明します。
2-1. オープン型のBtoB ECサイトとは
オープン型のBtoB ECサイトは、登録やログインをしなくても商品ラインナップや価格を確認でき、誰でも商品を購入できます。
▼オープン型BtoB ECサイトの例(ASKUL)
登録しないと詳細を確認できない「クローズド型」と異なり、登録前に商品の内容や価格を閲覧できるため、新規顧客獲得を重視する企業に向いています。
2-2. セミクローズド型のBtoB ECサイトとは
セミクローズド型のBtoB ECサイトは、一見するとオープン型と同じですが、価格情報が非公開になっており、購入は会員にならないと行えないようなサイトをいいます。
商品ラインナップは誰でも確認でき、商品検索なども通常のECサイトと同様に行うことができますが、価格はログインしないと表示できないようになっています。
▼セミクローズド型BtoB ECサイトの例(ビューティーガレージ)
出典:ビューティーガレージ「ヘアカラー剤(業務用)」カテゴリ
セミクローズド型は、取引先以外(一般消費者)に卸値や詳細情報を公開しなくて済む一方で、完全にクローズドではないため検索エンジンにも表示され、サイトの存在を知ってもらいやすいメリットがあります。
2-3. クローズド型のBtoB ECサイトとは
クローズド型のBtoB ECサイトとは、会員しか見られないサイトで、ユーザーIDやパスワードでログインしなければサイト自体を閲覧できません。
既に取引先を開拓できていたり特定の業種に特化した企業に向いています。
取引先ごとに価格や取引条件などを個々に設定できるため、業務効率化につながります。
3. BtoB ECサイト構築前に知っておきたい知識:4つの構築方法
BtoB ECサイト構築には、4つの選択肢があります。
どの方法を選択するかによって、サイト構築の自由度はもちろん、メリット、デメリット、費用、かかる労力など複数の項目で大きな違いが現れます。
【BtoB ECサイト構築の4つの方法】
BtoBに特化した | BtoB機能を | オープンソース | フルスクラッチ | |
代表例 | ・Bカート | ・MakeShop | ・EC-CUBE | ー |
メリット | ・必要な機能が揃っていてすぐ始められる | ・初期費用や運用コストが安い | ・カスタマイズ性と拡張性に優れている | ・要件に完全対応したカスタム開発ができる |
デメリット | ・カスタマイズ性が制限されることがある | ・BtoB機能を追加したりカスタマイズしたりする必要がある | ・社内に技術者やデザイナーがいない場合、開発・運用が難しい | ・構築費用がかなりかかる |
立ち上げスピード | 最短1週間~ | 最短1日~2週間程度 | 3ヶ月〜6ヶ月程度 | 6ヶ月〜2年程度 |
難しさ | 開発はシステム側で対応してくれることが多いため簡単 | 簡単だが、カスタマイズが難しいケースがある | 社内に技術者やデザイナーがいない場合、開発・運用が難しい | 制作会社に依頼したとしても、その後の運用・管理が非常に大変 |
技術力 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 |
初期費用 | 要見積もり(300万円〜500万円など) | 無料〜10万円程度 | 無料(ただし制作会社に依頼する場合には制作費がかかる) | 制作会社に依頼する場合、1,000万円以上 |
月額費用 | 月額10万円〜50万円など規模によって異なる | 無料〜月額10万円程度 | 無料〜 | 制作会社に依頼する場合、月額数万円~数十万円程度 |
それぞれの構築方法について解説していきます。
3-1. 構築方法1:BtoBに特化したECカートで作成する
BtoB ECサイトを構築する際に最もスタンダードとなるのが、最初に紹介する「BtoBに特化したECカートで作成する」方法でしょう。
具体的なサービス名としては、「ecbeing BtoB」や「アラジンEC」、「Bカード」、「ebisumart for BtoB」などが該当します。
BtoBに特化したECカートで作成する場合の構築の流れ (1)プラットフォームを選定して契約する (2)サイトの初期設定を行う(会社情報、取引条件、顧客情報登録など) (3)商品登録を行う(商品名、型番、説明文、価格、在庫情報など) (4)デザインをカスタマイズしてサイトの外観を調整する (5)クローズド環境の設定や取引先ごとの価格設定や契約条件を適用する (6)テスト運用を行う (7)公開・運用を開始する |
BtoBに特化したECカートで作成するメリット・デメリットは以下のとおりです。
BtoBに特化したECカートで作成するメリット ・BtoBに特化した機能が揃っており、カスタマイズの必要性が少ない ・システムを管理する専門知識が不要で、簡単に運用できる ・サポート体制が整っているケースが多くて安心できる ・フルスクラッチなどと比べると費用を抑えられる |
BtoBに特化したECカートで作成するデメリット ・独自の機能追加やデザイン変更には限界がある |
BtoB ECサイトを作りたい企業のほとんどは、まずこちらの「BtoBに特化したECカートで作成する方法」を検討するのがおすすめです。
既に多くの企業がBtoBに特化したECカートでECサイトを作成しているため、必要十分な機能が揃っており、運用もラクに行えるからです。
ただし、「BtoCのECサイトのように簡素なサイトで良い(価格表示の切り替えなどがなくて良い)」という場合には、次の方法がおすすめです。
3-2. 構築方法2:BtoC ECカートをカスタマイズして作成する
「簡素な作りのECサイトで良い」「とりあえず始めたいから安く抑えたい」というケースでは、ECカートをカスタマイズして作成する方法もあります。
例えば、いろいろな企業に対して同じ卸価格で販売するようなケース(取引先ごとに価格を変えないようなケース)ではこの選択肢が有効です。
ただし、企業ごとに細かく取引条件を変えたいなどの場合には、この方法では対応しきれない可能性もあるため注意しましょう。
具体的なサービス名としては、「MakeShop」「Shopify」などの一般的なカートが候補となります。
ECカートをカスタマイズして作成する場合の構築の流れ (1)SaaSを選定して契約する(Shopify、MakeShopなど) (2)サイトの初期設定を行う(デザインや配送・決済設定など) (3)商品登録を行う(商品名、型番、説明文、価格、在庫情報など) (4)BtoB特有のアプリやプラグイン追加や、API連携を行う (5)テスト運用を行う (6)公開・運用を開始する |
この構築方法のメリット・デメリットは以下のとおりです。
BtoC向けSaaSでECサイトを構築するメリット ・早く安く始めることができる |
BtoC向けSaaSでECサイトを構築するデメリット ・BtoB特化ではないため、取引先ごとの価格設定や複雑な取引条件に対応しにくい場合がある ・カスタマイズに限界があり、大幅な仕様変更には制約がある |
この構築方法が向いている企業は、価格設定が一律など、BtoCと同じような商流となる企業です。
先ほども例に出した「ASKUL」のように、オフィス用品を卸値で多くの法人に販売するようなケースはこの方法が向いているでしょう。
しかしながら、取引先によって価格設定や取引条件を細かく分けたい場合には、向いていません。
3-3. 構築方法3:自由度を確保できるオープンソース型で作成する
既存のプラットフォームやSaaSよりも自由度を確保したい場合には、オープンソースのソフトウェアを活用した構築方法がおすすめです。
例えば「EC-CUBE」が日本では有名なオープンソースソフトウェアとなります。
オープンソースでECサイトを構築する場合の流れ (1)要件定義を行う(顧客ごとの価格設定や見積もり機能、決済方法、在庫管理、API連携など) (2)オープンソースソフトウェアを選定する (3)開発環境を準備する (4)デザイン・機能をカスタマイズする (5)テスト環境を構築して動作確認・セキュリティテストを行う (6)ドメインやSSL設定を行い、サイトを公開する (7)継続的な運用・アップデートを行う |
この構築方法のメリット・デメリットは以下のとおりです。
オープンソースでECサイトを構築するメリット ・自由度が高く、機能やデザインを自由にカスタマイズできる ・ソフトウェア自体は無料で利用できる(開発コストは別途発生する) ・サイトのコードやデータを完全に自社で所有・管理できる |
オープンソースでECサイトを構築するデメリット ・開発や運用にはエンジニアやデザイナーが必要となる ・自社に開発人材がいな場合は、外部に依頼するコストがかかる ・メンテナンスやセキュリティ管理などメンテナンスを自社で行う必要がある |
この構築方法が向いている企業は、自社のビジネスモデルに完全に合わせたECサイトを構築したい企業です。
また、社内に開発リソースがある企業や独自性を重視する企業におすすめです。
小規模な企業の場合には、開発コストやメンテナンスコストがかかるため向いていないケースが多いでしょう。
3-4. 構築方法4:フルスクラッチでゼロから構築する
最後の構築方法は、フルスクラッチでゼロから構築する方法です。
一切の既存プラットフォームを使用せず、完全に独自で設計・開発するため、自由度は無限大です。
一方で費用も時間もかかるため、大規模サイトや特殊なECサイトを作りたいなど限定的な状況でのみおすすめとなります。
フルスクラッチでECサイトを構築する場合の流れ (1)要件定義を行う(サイトの目的・ゴールの明確化、機能要件など) (2)プロジェクトの計画を立てる(プロジェクトチームの編成やスケジュールの作成、予算の確保など) (3)基盤を設計する(システムアーキテクチャ設計やUI/UXデザインの検討など) (4)開発環境を準備する(開発ツールの選定、サーバー環境の準備など) (5)システムを開発する(フロントエンド開発、バックエンド開発、データベース設計・実装、外部システムとの連携) (6)テストを行う(単体テスト、統合テスト、負荷テスト、ユーザーテスト) (7)本番サーバーにシステムを移行、ドメイン設定を行い、サイトを公開する (8)継続的な運用・アップデートを行う |
フルスクラッチで構築する方法のメリット・デメリットは以下のとおりです。
フルスクラッチでゼロから構築するメリット ・必要な機能をゼロから構築できるため、自由度が高い ・他社にはない独自機能を持つサイトを作成でき、他社と差別化を図れる ・長期的な運用を前提に、拡張性の高い設計ができる |
フルスクラッチでゼロから構築するデメリット ・初期開発費用が非常に高くなり、サイト完成までの時間もかかる ・メンテナンスやバグ対応も自社で行う必要があるため、運用が難しい ・開発の遅延や運用の失敗リスクがある |
この構築方法が向いている企業は、長期的に高い運用コストがかかることを許容できる企業で、それでも独自性の高いECサイトを構築したい企業です。
また、グローバル展開したいケースや、市場で独占的な地位を確立しているなど、規模の大きな会社にもおすすめです。
4. 状況・目的別のおすすめのBtoB ECサイト形態と構築方法
前章で解説したとおり、BtoB ECサイトの形態は3種類(オープン型・セミクローズド型・クローズド型)があり、構築方法は主に4種類(BtoBプラットフォーム・BtoC向けSaaS・オープンソース・フルスクラッチ)があります。
そして、状況によって、どのECサイトの形態や構築方法を選ぶべきかが変わってきます。
なぜならば、「BtoB ECサイトを構築して運営したい」といっても、状況や目的が企業によってそれぞれ異なるからです。
状況や目的が異なれば、当然、目指すべきECサイトのカタチも構築方法も違ってきます。
「なぜECサイトを構築したいのか」「いつまでに構築したいのか」「どのくらい予算・リソースを割けるのか」を深く考えていくことで、どのようなECサイトを目指すべきなのかや、どの構築方法がベストかが見えてきます。
とても大事な部分なので、しっかりと確認していきましょう。
4-1. 新規顧客を拡大するためにECサイトを構築したい
「新規顧客を拡大したい」という部分を目的に、BtoB ECサイト構築を検討する企業も多いでしょう。
新規顧客獲得を目的とする場合には、オープン型またはセミクローズド型がおすすめです。
なぜならば、クローズド型(会員しか閲覧できない非公開サイト)は検索エンジンにサイトを表示することができず、ECサイトを新規顧客に見つけてもらうことが難しいからです。
既に顧客がたくさんいる場合にはクローズド型ECサイトに案内するだけで済みますが、顧客獲得が課題になっている場合には、オープン型またはセミクローズド型がおすすめとなります。
ECサイトがあれば、日本全国や全世界などに顧客を拡大しやすくなります。
新規顧客拡大を目的としたBtoB ECサイトの構築方法 (1)「オープン型ECサイト」を作るなら、コストが安い「一般的なECカート」がおすすめ (2)「セミクローズド型」でも、価格が一律で良いならば、コストが安い「一般的なECカートをカスタマイズ」することで構築可能 (3)価格や取引条件を取引先ごとに変えたいならば、「BtoBに特化したECカート」が簡単で早く構築できるためおすすめ (4)カスタマイズ性や連携性を高めたい場合には、「オープンソースで構築」すると自由度が高まる (5)大規模なサイトや独自性を高めたい場合には、「フルスクラッチで構築」 |
4-2. 受注業務を効率化するためにECサイトを構築したい
「BtoB ECサイトを作りたい」という目的として、こちらも非常に多い目的として、受注業務を効率化したいというニーズがあります。
ECサイトがない場合、
(1)電話やFAX、メールなどさまざまな方法で取引先や新規からの受注を受け付ける
(2)その都度、在庫があるかどうかを確認する
(3)受注した情報を手入力でシステムやExcelなどに転記する
(4)在庫を確保して出荷指示を行う
(5)別途、入金処理を行う
など、煩雑な業務フローが必要となります。
注文を受けた内容を転記する際には転記ミスが発生する可能性がありますし、毎回在庫確認をする手間も非常に大きな負担となります。
一方、ECサイトを構築してサイト経由で注文を受け付けるようにすれば、上記の(1)〜(5)のほとんどの業務がなくなります。
つまり、受注から出荷までを自動化することができます。
このように、業務効率化の効果が非常に大きいため、業務効率化を行うためにBtoB ECサイトを構築したいという企業は多いでしょう。
業務効率化を目的にECサイトを構築する場合には、以下のような構築方法の選択肢が有効となります。
新規顧客拡大を目的としたBtoB ECサイトの構築方法 (1)「オープン型ECサイト」を作るなら、コストが安い「一般的なECカート」がおすすめ (2)「セミクローズド型」でも、価格が一律で良いならば、コストが安い「一般的なECカートをカスタマイズ」することで構築可能 (3)価格や取引条件を取引先ごとに変えたいならば、「BtoBに特化したECカート」が簡単で早く構築できるためおすすめ (4)カスタマイズ性や連携性を高めたい場合には、「オープンソースで構築」すると自由度が高まる (5)大規模なサイトや独自性を高めたい場合には、「フルスクラッチで構築」 |
5. BtoB ECサイトを構築できるサービス一覧
最後に、簡単ですが、構築方法別におすすめのサービスを紹介します。
5-1. BtoB向けにカスタマイズできるBtoC ECカート
BtoC向けのECカートをカスタマイズしてECサイトを構築する場合には、以下のようなサービスが選択肢となります。
【BtoB向けにカスタマイズできるBtoC ECカート】
Shopify | ・グローバルで人気のあるクラウド型のECプラットフォーム |
MakeShop by GMO | ・BtoC向けが主流のサービスだが、取引先ごとの価格設定や機能拡張に対応 |
BASE | ・無料で手軽にECサイトを構築できるクラウド型サービス |
BtoC向けECカートを使う方法は手軽に始められる一方、BtoBならではの商習慣に合わせるのが難しいケースもあるため注意しましょう。
最初からBtoB用に開発されたECカートのほうが、対応しやすい点は知っておきましょう。
検討する段階で、BtoB向けに開発されたECカートと機能を価格を比較しながら、最終的なサービスを決めることをおすすめします。
5-2. BtoB向けに特化したECカート
BtoB向けに特化したECカートには、以下のような選択肢があります。
【BtoB向けに特化したECカート】
Bカート | ・中小企業向けのBtoB専用クラウド型ECプラットフォーム |
楽楽B2B | ・買い手企業数15万社突破の実績を持つBtoB特化型ECシステム |
ebisumart BtoB | ・従来の標準機能をBtoB向けに見直して不要な機能を削減 |
ecbeing BtoB | ・国内唯一のフルカスタマイズ可能なBtoB ECプラットフォーム |
アラジンEC | ・業務効率も実現できるBtoB EC・Web受発注システム構築プラットフォーム |
システムごとにそれぞれ得意分野が異なるため、事業規模や業種、取引プロセスに応じて選択することが重要です。
取引先との接点を保ちつつ業務効率化を図るなら 「WONDERCART」 |
「WONDERCART」は、商品データを活用して在庫確認や価格の問合せ対応を削減し、業務効率化を促進するBtoB受発注システムです。 その結果、以下のような効果で御社の業務効率化が図れます。 ◆取引先もオンラインで商品検索や在庫確認ができる ◆基幹システムとの連携などニーズに応じたカスタマイズができる ◆商品データを「画像付き」で公開できる 取引先との接点を保ちつつ、受発注業務効率を図りたい企業はぜひ、私たちにご相談ください。 |
6.まとめ
本記事では「BtoB ECサイト構築」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。
◆BtoB ECサイト構築時に確認したい3種類の形態
・オープン型:誰でも閲覧・購入可能なECサイトのこと
・セミクローズド型:誰でも閲覧できるが、価格情報が非公開で、購入は会員限定となっているECサイトのこと
・クローズド型:会員しか閲覧できないECいサイトのこと
◆BtoB ECサイト構築時に確認したい4つの構築方法
・BtoBに特化したECカートを利用する
・BtoB機能を追加できるBtoC向けECカートを利用する
・オープンソースソフトウェアでECサイトを構築する
・ゼロから開発してECサイトを構築する
◆状況・目的別のおすすめのBtoB ECサイト形態と構築方法
・新規顧客を拡大するためにECサイトを構築したい:オープン型またはセミクローズド型がおすすめ
・受注業務を効率化するためにECサイトを構築したい:新規か既存客どちらを重視するかによって構築方法が変わる
BtoB ECサイトを構築する場合には、さまざまな点を考慮した上で自社に合う形のECサイトを作ることが重要となります。まずは「何を実現したいのか」をしっかりと検討した上でサイトの形態や構築方法を選んでいきましょう。
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