「faxでの受注って今どうなの?」
「辞めるわけにはいかないけど、fax受注を効率化できる良い方法はありませんか?」
faxによる取引は年々減少傾向にはあるものの、現在でも4割以上の企業や店舗などで利用されています。
そのため、faxによる受注業務でトラブルが多発していたとしても、すぐにfax受注を辞めるのは難しく、上記のように効率化や改善方法について悩んでしまいますよね。
出典:【報告書】ファクシミリに関する調査(2023年)【日本】|CIAJ画像情報ファクシミリ委員会
最近では現在の業務の流れを大きく変えずにfaxによる受注を効率化させる方法として「faxのデジタル化」が注目されています。
実際に以下の企業では、faxをデジタル化することによって、以下の様に業務の効率化やコストカットに成功しています。
・製造・加工業A社・・・faxを紙で出力する必要がなくなり印刷コストを約43%削減 |
なお、fax受注をデジタル化する方法には主に以下の3種類があります。
・対応している複合機を所有している企業向け:複合機のスキャナー機能を活用する |
このように、現在ではfax自体を完全に廃止できなくても、さまざまな方法でFAXをデータ化し、受注業務の効率化を図っています。
この記事では、以下の様に現在のfax受注について解説していきます。
この記事を読むとわかること |
・現在のfax受注の動向 |
この記事を読めば、現在のfax受注に関して理解を深めることができます。
記事の後半では、fax受注を効率化するための方法についても触れているため、ぜひご覧ください。
目次
1. fax受注はいまだ現役!ただしデジタル化が進んでいる
冒頭で触れたように、fax受注はいまだ4割以上の企業や店舗などで行われています。
その一方で、faxで受信する書類や帳票をデジタルデータとして保存できるサービスを導入し、faxを使う業務を効率化している企業が増加しています。
株式会社ネクスウェイの調査によれば、2022年6月~7月の時点で、全国の製造業・卸売業の約57%がfaxのデジタル化を進めていることがわかっています。
出典:FAX電子化の企業の割合は?課題は解決できたの?調査レポートを公開!
現在ではさらに増加していると予想され、すでに半数以上の企業がFAXのデジタル化に着手している状況です。
具体的には2章で紹介しますが、faxをデジタル化することで、受注業務は以下の様に効率化できます。
・手作業による転記ミスやファイリングミスがなくなり、作業効率が上がる |
このようにfaxはデータ化することで、現在の業務を大きく変えずに効率化することが可能です。
次章では、faxによる受注をデジタル化することで企業にとってどのような変化があるのかを具体的に見ていきましょう。
2. faxによる受注・発注業務をデジタル化した3社の事例
前述の通り、fax受注のデジタル化は受発注業務の効率化や経費のコストカットにつながります。
ここからは、実際にfaxによる受注・発注業務をデジタル化した以下の3社の事例を紹介します。
・ 印刷コストを約43%削減:製造・加工業A社のケース |
それでは、それぞれのケースを見ていきましょう。
2-1. 印刷コストを約43%削減:製造・加工業A社のケース
A社では、faxによる年間の印刷枚数が21万6000枚にも及び、印刷コストが大きな負担となっていました。
しかし業界では紙ベースの取引が慣例となっていたため、faxを使わない受注方法への移行は困難でした。
この課題を解決するため、同社は新型の複合機をベースに、faxをデジタル化してパソコン上で編集や保管できるシステムを導入しました。
その結果、以下の様に文書をパソコンから直接faxとして送受信できるようになりました。
faxのデジタル化前 |
faxのデジタル化後 |
1年間で削減した印刷枚数は9万2000枚に達し、大幅なコスト削減を実現しました。また、バックアップシステムの導入により、文書の紛失リスクの低減も達成しています。
出典:FAXのデジタル化で年間9万枚超の印刷物削減、社員の意識も変わった 宮脇鋼管(大阪府)
2-2. 13人体制だった入力処理が9人で対応可能に:製造・販売業B社のケース
B社では、常に多数の受注データをfaxで処理する必要がありました。
1人1日あたり200件、全体で1日2,000件もの注文書を約10人の従業員がパソコンに手入力しており、休日明けには夜9時まで残業することも珍しくありませんでした。
さらにこの入力業務は習得に半年以上かかる専門性の高い業務となっており、ヒューマンエラーの発生も大きな問題となっていたのです。
そこで同社は、業務効率化とヒューマンエラーの削減を目的に、FAXをOCRでデータ化できるシステムを導入。以下の様に受注システムと連携させ、手入力が必要な項目を削減しました。
faxのデジタル化前 |
faxのデジタル化後 |
その結果、同社は導入前には13人体制で行っていた入力処理を9人で対応できるようになり、人件費の大幅削減に成功しました。
さらに、システム導入前は夜9時までかかることもあった入力業務が夜7時頃には終了するようになり、従業員の労働環境の改善にもつながりました。
出典:ハマナカ株式会社様OCR注文書の利用率を高めることで、残業時間が大幅削減。
2-3. faxの対応時間を93%以上削減:電気機器メーカーC社のケース
C社の北関東支店では、発注書などのfaxが1日に150~200枚(年間約24,000枚)も届いていました。
事務の担当者は毎日faxを仕分けし、営業担当者に配達したり返送・ファイリングしたりといった作業を行っており、faxのために非常に多くの時間を使っていました。
さらに、外出中の営業担当者がfaxの到着確認を行いたい場合は、オフィスにいる社員がfaxを探さなければならない状態でした。
そこで同社では、faxの受注処理を効率化するために、クラウドFAXサービスを導入しました。
faxのデジタル化前 |
faxのデジタル化後 |
このように、受信したfaxデータをクラウドで管理した結果、各自がパソコンやタブレットで確認や処理ができるようになりました。
その結果、導入前は1件あたり30分から1時間かかることもあったFAXの対応時間が、1件あたり2~3分にまで短縮に成功。対応スピードが93%以上短縮されました。
さらに外出先や自宅であってもパソコンがあればfaxの確認や回答ができるようになり、事務担当者の負担が軽減されました。
出典:注文書の処理時間97%削減!スピードアップによるサービス品質の向上に加えて組織の活性化にもつながったFAX電子化の一手。
3. fax受注をデジタル化する方法3つ
ここまでの内容を読んで、「faxのデジタル化を導入しようかな」と検討している人もいるかもしれませんね。
fax受注をデジタル化する方法には主に以下の3種類があり、前章で紹介した3社も、それぞれ異なる方法でデジタル化しています。
・製造・加工業A社・・・複合機のスキャナー機能を活用する |
これらの3つの方法は、以下の様にそれぞれ機能や必要なコストに違いがあります。
<対応している複合機を所有している企業向け:複合機のスキャナー機能を活用する>
テキスト化 | PDF化 | スマホ・タブレットからの閲覧 |
× | ○ | クラウドに保存すれば可能 |
導入コスト | 運用コスト | 導入・運用の手間 |
低 | 低 | 低 |
<受注業務を自動化させたい企業向け:FAX-OCRを導入する>
テキスト化 | PDF化 | スマホ・タブレットからの閲覧 |
○ | ○ | クラウドに保存すれば可能 |
導入コスト | 運用コスト | 導入・運用の手間 |
高 | 中 | 高 |
<低コストでfaxをデジタル化したい企業向け:クラウドFAXサービスを導入する>
テキスト化 | PDF化 | スマホ・タブレットからの閲覧 |
× | ○ | 自動で可能 |
導入コスト | 運用コスト | 導入・運用の手間 |
低 | 中 | 低 |
ここからは、それぞれの方法について詳しく解説していきます。
3-1. 【対応している複合機を所有している企業】複合機のスキャナー機能を活用する
スキャナー機能/デジタル化機能が搭載されている複合機を所有している企業向け |
複合機を活用したfaxのデジタル化では、従来通り複合機で受信したfaxを自動的にPDFファイルに変換し、自社サーバーや社内ネットワーク上の指定フォルダに保存します。
複合機とパソコンを接続し設定するだけでfaxのデジタル受信ができるようになるため、導入・運用コストも低く、導入しやすいfaxデジタル化の方法だといえるでしょう。
ただし、所有の複合機にスキャナー機能/デジタル化機能が搭載されていない場合は、新たに複合機を用意しなければならないため、高額なコストがかかります。
テキスト化 | PDF化 | スマホ・タブレットからの閲覧 |
× | ○ | クラウドに保存すれば可能 |
導入コスト | 運用コスト | 導入・運用の手間 |
低 | 低 | 低 |
3-2. 【受注業務を自動化させたい企業】FAX-OCRを導入する
受注業務を自動化させたい企業向け |
FAX-OCRとは、受信したfaxの文字をテキストデータに変換してパソコンやクラウドサーバーなど保存する技術です。
前述のスキャナーでPDF化するシステムが写真だとすると、OCRはその写真から文字を読み取る機能を持っているということです。そのため、企業が利用している受注システムなどと連携させて、以下のように業務を自動化させることもできます。
・faxに記載された会社名や担当者名などを読み取り、受注フォームに自動入力する |
ただし、上記のような自動化を実現するためには、専用のシステムを導入したり、既存システムと連携させたりする必要があります。
社内にシステム担当者がいない場合は受注システムを開発している企業に開発や保守を依頼する必要があります。
テキスト化 | PDF化 | スマホ・タブレットからの閲覧 |
○ | ○ | クラウドに保存すれば可能 |
導入コスト | 運用コスト | 導入・運用の手間 |
高 | 中 | 高 |
3-3. 【低コストでfaxをデジタル化したい企業】クラウドfaxサービスを導入する
低コストでfaxを自動化したい企業向け |
クラウドfaxサービスとは、クラウド上のサービスを利用してfaxを送受信するサービスの総称です。
受信したfaxデータはクラウドサーバー上の指定フォルダへ自動的に保存されます。
自動的にクラウドに保存されるため、外出先でもすぐに届いたfaxの閲覧が可能です。
またパソコン上でfaxの送受信ができるため、複合機などを用意する必要がありません。そのため、複合機を手放しても低コストでfaxを利用できます。
ただし、システムの回線上に新しくfax番号を付与するため、現在のfax番号は使えないケースがほとんどです。
テキスト化 | PDF化 | スマホ・タブレットからの閲覧 |
× | ○ | 自動で可能 |
導入コスト | 運用コスト | 導入・運用の手間 |
低 | 中 | 低 |
4. 受発注システムで問い合わせ対応を自動化してfax受注をより効率化しよう
ここまで、faxをデジタル化することによる受注業務の効率化について解説していきました。
受注業務はfaxをデジタル化するだけではなく、併せて受発注システムを導入することで、より効率化させることができますよ。
受発注システムとは、顧客からの注文をシステム上で自動的に処理できるシステムの総称です。
サービスによって違いはありますが、顧客がシステム上で注文に対して、主に次のような業務が自動で処理されます。
・在庫確認 |
さらに、基幹システムと連携できる受発注システムを導入すると、社内で受発注データを共有でき、以下のような理由で社内での問い合わせ対応を減らすことができます。
・営業担当者が出荷状況をリアルタイムで確認でき、自身で顧客からの問合せに対応できる |
なお繰り返しになりますが、システムによってデジタル化・自動化できる業務範囲には違いがあります。
受注業務のほとんどが自動化されるようなシステムは、効率化が進む一方で営業担当者と顧客との接点がなくなるなどの欠点があるため注意が必要です。
在庫管理に特化した受発注システム「WONDERCART」 |
WONDERCARTは、御社商品のオンラインカタログを作成し、業務効率化に貢献する受発注システムです。 〇顧客自らオンラインで商品検索や在庫確認ができる 結果として、御社の問い合わせ対応の負担が軽減されます。 〇顧客が商品データから見積書を作成・ダウンロードできる 〇実際の契約は営業担当者が行う WONDERCARTでは、実際の契約など、見積り以降のやり取りは従来通り営業担当者が行います。そのため、顧客との関係性に影響しません。 WONDERCARTを活用すれば、御社は顧客との接点をなくさずに、受注業務の効率化だけが可能です。受注業務の効率化を図りたい場合はぜひ、私たちにご相談ください。 |
5. まとめ
この記事では、faxでの受注について解説しました。
最後に内容を振り返っていきましょう。
○現在でも、4割以上の企業や店舗などでfaxによるやり取りが行われています。
ただし、多くの企業で業務効率化を目的にfaxで受信する書類や帳票をデジタルデータに変換して保存するサービスの導入が進められています。
○実際に以下の企業では、faxをデジタル化することによって、以下の様に業務の効率化やコストカットに成功しています。
・製造・加工業A社・・・faxを紙で出力する必要がなくなり印刷コストを約43%削減 |
○fax受注をデジタル化する方法には、主に以下の3種類があります。
・対応している複合機を所有している企業向け:複合機のスキャナー機能を活用する |
○受注業務はfaxをデジタル化するほかにも、受発注システムを導入することで効率化させることが可能です。
受注業務の効率化を図りたい企業はぜひ、ご相談ください。
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