FAXによる受発注業務効率が悪く、どうにかしなければいけないと薄々感じ始めていないでしょうか。
しかし、FAXを使った受発注業務に不満がなかったり、取引先のことを考えるとFAXを廃止できない…と考えはじめてしまうと、デジタル化の一歩を踏み出せなくなってしまいますよね。
結論からお伝えすると、すべての受発注業務をFAXだけに頼り切ってしまうと、会社全体の業務効率も悪くなってしまいます。
その主な理由は、以下のとおりです。
会社の業務効率アップだけではなく、会社全体の働きやすい環境を整えるためにも、FAXに頼りきりになっている受発注業務を見直していきましょう。
受発注業務を見直したうえで、取れる対策として挙げられるのが「受発注業務のデジタル化」です。
とはいっても、デジタル化するために何から始めるべきなのか、そもそもどのような方法を取れるのか分からない方がほとんどではないでしょうか。
デジタル化のハードルが高いと感じてしまいがちですが、実際のところは大幅にデジタル化するケースもあれば、業務の一部からデジタル化を進めていくケースもあります。
そこでこの記事では、FAX受発注業務をやめるべき理由とできる対策について、具体的にご紹介していきましょう。
自社にとって、どの方法をとれば、FAXによる受発注業務の効率アップができるのか考えながら読み進めていってください。
目次
1. FAXを使った受発注業務は時代遅れ!早急に対策をはじめるべき
政府が企業のDX推進をすすめるなかで、いまだにアナログ受発注の代表格である、FAXを使った受発注を続けている会社は、早急に対策をとる必要があります。
なぜなら、FAXを使った受発注業務を続けていると、下記のように業務効率を下げてしまうからです。
FAXでの受発注業務をやめるべき理由4つ |
・受発注書の不備で無駄な業務が発生する |
従来のFAXを使った受発注に慣れていると、「そこまで不便な思いはしていない」と感じられるかもしれません。
しかし客観的に考えてみると、思っている以上に業務に無駄が生じている可能性が非常に高いのです。
ここで解説していくFAXでの受発注業務をやめるべき理由について、現在の会社の状況と照らし合わせながら考えてみましょう。
1-1. 受発注書の不備で無駄な業務が発生する
FAXで受発注業務をしていると、書類不備などが理由で、無駄な業務が発生してしまう場合が多くあります。
手元に届いたFAX受発注書に不備があれば、取引先に電話やFAXなどで、改めて再確認しなければいけません。
例えば、以下のようなイメージです。
【再確認が必要なFAX受発注書の例】 ・筆跡のクセが強く読み取れない |
このような不備に気づいた場合、改めて確認の連絡をしなければいけません。
受発注業務がスムーズに進む場合と比較すると、先方への内容確認と返答受け取りだけに、2〜3日以上かかってしまう場合もあるのです。
1-2. FAXを使うことであらゆるコストがかかる
昔から利用されてきたFAXを使った受発注業務ですが、中長期でみるとさまざまなコストがかかってしまうのです。
大きく分けると、主に3つのコストがかかってきます。
・費用
・保管スペース
・処分の手間
「新しいソフトウェアを導入するより、FAXの方がコストを抑えられる」と考えてしまいがちですが、実際のところは、そうでもない可能性のほうが高いのです。
改めて、FAXを使い続けていることで生じるコストについて考えてみましょう。
費用 | ・FAX機器端末代:数万円〜十万円以上 |
保管スペース | ・書類の保管棚 |
処分の手間 | ・紙ごみの処分 |
上記はあくまでも一般例ですが、受発注業務においてFAXを利用する頻度次第で、そのコストも大きく変わってきます。
とくに忘れてしまいがちなのが、印刷した受発注書の保管・処分の手間です。
原則として、受発注書などの税金に関連する書類は、法人は7年間・個人事業主は5年間にわたり書類を保管しておくことと法律で義務付けられています。(参考:国税庁Webサイト)
長期間にわたり印刷した書類を保管するためのコストや、保管終了後に適切に処分するためにかかるコストなども発生するのです。
このように、実際の書類でやり取りをしなければいけないFAX受発注業務には、中長期でみたときにあらゆる無駄なコストがかかってしまうのです。
1-3. 在庫切れや取り扱い終了の商品を注文されてしまう
定期的に取引のある取引先になってくると、電話などで在庫確認をせずに「いつものモノを、いつもと同じ数量で」と発注してくる場合もあります。
事前に在庫確認などがないため、すでに在庫切れの商品や取り扱い自体が終了している商品の発注が入る場合もあるでしょう。
その結果、下記のように改めて電話やFAXで確認をとる手間が発生してしまうのです。
・代替品の提案をする
・今後の入荷予定を伝えて、納品タイミングを調整する
・発注に応えられないことを謝罪する
リアルタイムで在庫確認できる、電話応答や受発注プラットフォームでは、このような問題はほとんど発生しません。
FAXでの受発注の場合、先方は「在庫がある前提」で発注をしてきています。そのため、希望する商品がない場合のやり取りが大変になってしまう場合が多いのです。
1-4. 人為的なミスが発生する可能性が増える
FAXによる受発注業務には、デジタル化された受発注業務よりも、人為的なミスが発生する可能性が増える可能性があります。
具体的には、以下のようなイメージです。
【人為的なミスの例】 |
FAXのように、担当者が直接記入する・電話番号入力する・持ち運ぶ・保管するなどの作業が発生すると、必然とミスが起きる可能性も高まってしまうでしょう。
たとえ社内でFAX受発注業務のルール決めを徹底したとしても、100%回避できるわけではないため、つねに注意を払って対応していかなければいけません。
2. FAX受発注業務の効率を改善する4つの方法
改めて考えてみると、FAXによる受発注業務を続けることで、さまざまな無駄な工程と時間が生じていることが理解できたのではないでしょうか。
FAXを使った受発注業務の効率を少しでも改善するためにできることは、主に以下の4つです。
PC-FAX | FAX-OCR | インターネットFAX | 受発注システム | |
出力データ | PDF等 | テキストデータ | PDF等 | システムによって変わる |
ペーパーレス化 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
仕分けのしやすさ | × | △ | × | ◯ |
データ入力 | × | ◯ | × | ◯ |
検索 | △ | ◯ | △ | ◯ |
導入コスト | 低い | 普通 | 低い | 高い |
自社の導入作業 | ソフトウェアと対応できるFAX機器の導入 | ソフトウェアの導入 | インターネットFAXサービスの導入 | システム導入 |
取引先の導入作業 | なし | なし | なし | システム導入 |
それぞれについて、具体的に解説していきます。
2-1. PC-FAXでパソコンとFAX複合機をつなげる
PC-FAXとは、受発注データを画像としてパソコン上に保管・送受信できる方法です。
PC-FAXの主な特徴は、以下のとおりです。
特徴 | FAXの受発注書を、パソコンで受信して画像として閲覧・保管できる。 |
おすすめのケース | FAX受発注は続けながら、まずはペーパーレス化からはじめたい場合。 |
PC-FAXはあくまでも、受信したFAXデータを画像としてパソコンで閲覧・保管できるという仕組みです。
そのため、従来と同じようにFAX機器(複合機)と電話回線が必要となります。
従来の方法と大きく違う点は、受発注データが自動的に画像化されてパソコン上に保存されるので、出力コストや保管コストを最小限にできる点でしょう。
また、取引先に注文方法の変更などを強いる必要もありません。
ただしあくまでも受発注内容をデータ化するだけなので、手書きの受発注書特有の内容の不備にはその都度対応する必要があります。
2-2. FAX-OCRなどで受信データをテキスト化する
FAX-OCRとは、受信したFAX受発注書を自動的にテキスト化したデータにできる仕組みです。
主な特徴には、以下のようなものがあります。
特徴 | FAXの受発注書を、パソコンで受信して自動的にテキスト化することで、データ入力や検索できる。 |
おすすめのケース | 受発注書の内容をシステムに入力する手間を省きたい場合。 |
PC-FAXと大きく違う点は、受け取った受発注書を画像ではなく、テキスト化できるという点です。
発注内容や、先方からの具体的な希望内容などをテキスト化できるので、スタッフが読み取り・入力をする必要も少なくなるでしょう。
ただし、OCRでのテキスト化も完璧ではありません。
従来のFAXと同じように、文字が掠れている場合や見切れている場合は、読み取りも不完全なものになってしまうので、つねに確認するようにしなければいけません。
2-3. インターネットFAXに切り替える
インターネットFAXとは、インターネット上でFAXの送受信・データの保管を行うサービスを指します。
インターネットFAXの、主な特徴は以下のとおりです。
特徴 | FAX機器がなくても、パソコンとインターネット回線があれば、FAXの送受信ができる。 |
おすすめのケース | 取引先に負担をかけずに、FAX機器を使わずにパソコンでFAX送受信をしたい場合。 |
さまざまな会社が、インターネットFAXのサービスを提供しており、大きく分けると2種類のインターネットFAXが主流になっています。
・一般的なインターネットFAX:パソコンにインストールした専用ソフトでFAX送受信をする
・クラウドFAX:Web上にある管理画面からFAX送受信をおこなう
どのサービスを選ぶかによって、通信料は大きく変わりますが、紙の書類を取り扱う機会がグッと減るだけではなく、さまざまなコストダウンにつながるでしょう。
会社全体の業務効率は大きく改善されるだけではなく、取引先側の負担も変わらない点も特徴のひとつです。
2-4. 受発注システムを導入する
受発注システムとは、受注側と発注側とで同じ受発注システムを導入することで、システム上でほとんどの受発注業務を完結できる方法です。
すべての受発注を一括化できる「受発注システム」を導入することで、受発注業務の効率が大幅に改善されます。
受発注システムの、主な特徴をみてみましょう。
特徴 | 受注側と発注側、両者が同じシステムを導入することで、問合せから発注、納品管理、請求管理などまでをパソコンで一括管理できる。 |
おすすめのケース | 受発注の件数が多く、あらゆるコストを長期的にみて削減していきたい場合。 |
受発注システムを導入することで、FAXによる受発注で感じていた不便さをまるごと解消できます。
リアルタイムな在庫表示や納期表示ができるので、取引先とのやり取りにかかる工数も削減できるでしょう。
ただし、どの受発注システムを選ぶのかによって、導入コストや手間、取引先負担も大きく変わるので注意が必要です。
【3種類の受発注システム】
受発注専門システム | 受発注業務(受発注・書類発行・在庫管理・取引先管理・決済管理など)の効率化に特化した、受発注専門のシステム。 |
BtoB EC | ネットショッピングと同じように、ECサイト経由で受発注業務をおこなえるシステムで、よりマーケティングに特化して新規顧客獲得できる強みがある。 |
EDI | 企業間を専用回線で繋ぎ、同じシステムを使うことで取引をおこなうシステムで、新規顧客獲得よりも既存顧客との取引につかわれる。 |
受発注システムは、
・既存顧客との受発注業務の効率化だけに特化したもの
・マーケティングで新規顧客を獲得しながら受発注業務をおこなうもの
などがあります。
それぞれ特徴や強みは違いますが、事前に会員登録している会社だけが使えるシステムだという点が、大きな共通点です。
また、取引をするためには自社だけではなく、取引先にも同じシステムを導入してもらい、会員登録してもらわなければいけません。
受発注システムを導入することで業務効率は大幅に改善されますが、導入・運用コストが高額になり、取引先に大きな負担をかけてしまうことを理解しておかなければいけません。
3. FAX受発注業務を劇的に改善したいなら問合せ対応コストも見直そう
もちろん、受発注業務のデジタル化によって業務効率は改善していけますが、他にも見直すべき部分があります。
それは、実際に受注が決まるまでの「さまざまな問合せへの対応」です。
問合せでよくある、商品規格やリードタイム、在庫数の確認などは、実際に注文を確定するかどうかの重要な判断基準になります。
そのため、取引先の不安や疑問を払拭するためにも、何度もやり取りを繰り返してしまうケースも多いのではないでしょうか。
たとえば以下のようなイメージです。
※問い合わせ対応コストのイメージです。
問い合わせに対応するためには、対応時間・工数・専任担当者からの回答など、さまざまなコストがかかってしまいます。
この段階で、数日〜数ヶ月単位で時間がかかってしまう場合もあるのです。
その結果、受発注業務も含めて、全体の業務効率が落ちてしまう可能性もあります。
せっかく従来の受発注業務の業務効率を見直すのであれば、問い合わせ業務のデジタル化や、一部分のデジタル化なども視野に入れながら、会社全体の業務改善をしていきましょう。
全受発注業務を電子化すると顧客とのつながりが薄くなるリスクもある |
業務のデジタル化は、業務効率を大幅に改善してくれますが、顧客とのコミュニケーションや信頼関係が崩れてしまう可能性があるのも事実です。 「〇〇さんがいるから、そちらに注文している」 「信頼できる対応だったので、次の注文もお願いしたい」 電話・メール・担当者宛のFAXなどの方が、信頼関係が築けるからこそ、ここまで長年の間企業で採用されてきたのかもしれません。 業務のデジタル化は、業務効率を上げてはくれますが、属人性がなくなるため担当者同士の繋がりは薄くなってしまう可能性があると覚えておきましょう。 |
4. WONDERCARTなら業務効率化と顧客満足度アップの両方を叶えられる
FAXを使った受発注業務の効率を少しでも上げたいけれど、大幅なデジタル化で失敗したくないという方には「WONDERCART」をおすすめします。
なぜなら、WONDERCARTは受発注業務において比較的時間がかかりやすい、問い合わせ・在庫確認等の工数削減につながるからです。
具体的におすすめの理由を紹介します。
WONDERCARTをおすすめする理由 |
・重いカタログがなくても、写真付きの商品詳細情報を閲覧できる |
WONDERCARTを導入することで、今まで時間がかかっていた問い合わせ対応の工数・時間を削減できます。
また、FAX受発注で発生していた人為的ミスを回避できる可能性も増えるでしょう。
それぞれの理由について、具体的にご紹介していきます。
4-1. 重いカタログがなくても、写真付きの商品詳細情報を閲覧できる
WONDERCARTでは、紙のカタログと同じように写真付きの商品詳細情報を登録できます。
掲載できる商品情報は、主に以下のとおりです。
・商品名 |
実際の紙のカタログと同じように、商品を発注するまえに取引先が知りたい情報をしっかりと記載できます。
また、商品検索機能も充実しており、欲しい商品がすぐに見つけられます。
検索の快適さはWebならではの良さですね。
今までは商品に対する問い合わせがあると、電話やメール、カタログを持参して直接訪問などで商品を提案していたかと思います。
このような問い合わせ対応コストを削減し、取引先がWeb上から取り扱い商品の詳細情報を調べられるのが、大きなメリットです。
4-2. リアルタイムで在庫確認できるので、電話問い合わせの手間を減らせる
WONDERCARTでは、商品詳細情報とあわせて注文可能な在庫数を表示できます。
取引先もリアルタイムで在庫状況を調べられるので、在庫切れ商品や取り扱い終了商品の発注が入り、対応を求められるケースも削減できるでしょう。
取引先側も、事前に在庫数を把握できていれば、代替品を検討したうえで発注できるので双方にとって時間を無駄にせずに済みます。
4-3. 見積書や提案書、商品リストを作成しダウンロードできる
WONDERCARTでは、登録してある商品情報を使って、見積書・提案書そして商品リストなどを作成し、ダウンロードできます。
作成できる書類は、主に以下のとおりです。
・商品リスト:CSV形式 |
今までは、問い合わせがある度に新たなデータを作成したり、過去の書類フォーマットを探し出して参考にしながら作成する必要があったかと思います。
しかし、WONDERCARTに取り扱い商品を登録しておけば、見積りを出したい商品をリストに保存しておくだけで、サイズや重量なども自動的に入力されるのです。
見積書・提案書・商品リストなどは、新たな取引先獲得に欠かせない資料のひとつかと思います。
それこそ、より早く対応することが理想ではありますが、複数の取引先を対応していたり、他の業務が重なっていると忘れがちになってしまう方もいるのではないでしょうか。
WONDERCARTを活用することで、取引先への新しい提案にかかる時間を削減できるので、トータルでみると大きく業務効率改善が期待できるでしょう。
少しでもWONDERCARTが気になった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
5. まとめ
この記事では、FAXを使った受発注業務をやめて、業務効率を改善していくべき理由についてお伝えしてきました。
【FAXでの受発注業務をやめるべき理由4つ】 ・受発注書の不備で無駄な業務が発生する |
FAXに頼り切っていた受発注業務を、一部分からデジタル化するだけでも、業務効率は格段にアップします。
受発注業務の見直しを皮切りに、会社全体の業務の見直しをしながら、会社にとって最適な改善策をみつけていきましょう。
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