展示会は、企業が製品やサービスを紹介し、潜在顧客と直接対話できる貴重な機会です。
しかし、デジタル時代の到来により、展示ブースの可能性はさらに広がっています。
そこで注目を集めているのが、Matterportを活用した展示ブース撮影です。
本記事では、Matterportが展示ブースにもたらす革新的な変化と、その具体的な活用法についてご紹介します。
目次
1. Matterportとは?
Matterportは、革新的な3Dスキャン技術を用いて物理的な空間をデジタル化し、オンラインで再現・共有できるプラットフォームです。
撮影には、4K高画質で360°撮影が可能な専用カメラ(Matterportカメラ)を使用します※。
Matterportの撮影は、カメラを空間のさまざまなポイントに設置し、それぞれのポイントで360°撮影を行います。
Matterportカメラでも、Pro2という機種では1回のスキャンあたり約30秒、最新のPro3では1回あたり約20秒でキャプチャできます。
撮影したデータをMatterportのクラウドプラットフォームにアップロードすると、各ポイントで撮影された360度画像と3Dデータが合成され、空間全体をシームレスにつなぎ合わせた高精細な3Dモデル(バーチャルツアー)が生成されます。
Matterportのバーチャルツアーは、実際に存在する空間をまるごとデジタルコピーしたデジタルツインです。
時間や場所の制約なく、ユーザーが自分で視点を変えながら、その空間にいるかのようなインタラクティブな体験が味わえます。
このMatterportが、展示会業界で今、注目されています。
その理由を、次章以降で説明していきます。
※Matterportにサポートされているスマートフォンや360°全天球カメラでも撮影可能ですが、機種によっては解像度が低くなったり、規模の大きな撮影ではスキャン速度が遅くなり、クラッシュするリスクがあります。
2. 展示ブースをバーチャル化するメリット
展示会は東京や大阪など主要都市で開催されることが多く、開催期間は3日程度のものがほとんどです。
出展費や展示ブースの施工費用など、数十万円〜数百万円かかることもありますが、展示会期間が終わってしまえば、展示ブースは即取り壊されてしまいます。
Matterportで撮影すれば、展示ブースをバーチャル化して記録し、オンラインで活用できるようになります。
時間や場所の制約でリアルの展示会場に来られない人に、オンライン上で来場してもらったり、展示会の会期後に活用することも可能です。
展示会の効果を最大化し、新たなビジネスチャンスの創出につなげられる、Matterportで展示ブースをバーチャル化するメリットはこちら。
- 展示ブースのオンライン展開
- 高精細な再現
- マルチデバイス対応
- インタラクティブな体験
- 測定機能
- コンテンツの埋め込み
- 長期的な活用
2-1. 展示ブースのオンライン展開
Matterportを使用することで、実際の展示ブースをまるごと再現したバーチャルツアーを作成できます。
このバーチャルツアーをオンライン上で展開すれば、展示会場に足を運べない人にも、展示ブースを見てもらうことが可能になります。
さらに、バーチャルツアーは24時間365日アクセス可能なので、展示会の開催時間に都合がつかなかったり、忙しい人も、スキマ時間にバーチャルツアーを見て、展示内容をチェックできます。
また、実際の展示会終了後も継続してブースを公開できるため、展示会出展効果を最大化することができます。
このように、Matterportを活用することで、時間や場所の制約を超えて、より多くの潜在顧客にリーチすることが可能になります。
2-2. 高精細な再現
Matterportの4K高画質カメラで撮影すれば、展示ブースを極めて高い精度で再現することができます。
製品の細部や質感まで忠実に再現されるため、オンライン上でも実物に近い形で商品やサービスを紹介することが可能です。
この高精細な再現は、特に詳細な説明が必要な製品や、視覚的な魅力が重要な商品の展示に効果的です。
顧客は自分のペースで細部まで確認できるので、購買意欲の向上にもつながります。
2-3. マルチデバイス対応
Matterportのバーチャルツアーは、PC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスからアクセス可能です。
このマルチデバイス対応により、顧客は自分の好みや状況に応じて最適な方法で展示ブースを体験できます。
特にスマートフォンやタブレットでの閲覧は、移動中やスキマ時間にも手軽に見られるため、多忙な顧客もアプローチしやすくなります。
多様なデバイスに対応することで、幅広い層へのリーチを実現でき、展示会の効果を高められます。
2-4. インタラクティブな体験
Matterportのバーチャルツアーでは、ユーザーが自由に視点を変えながら空間を移動できるため、実際に展示ブースを訪れているかのような体験が可能です。
ユーザーは自分の興味に応じて展示物を詳しく見たり、好きな順序でブースを巡ることができます。
この自由度の高さは、ユーザーエンゲージメントを高め、より長時間の滞在と深い理解につながります。
また、インタラクティブな要素を取り入れることで、自ら情報を探索する楽しさを感じられ、製品への興味を引き出すことができます。
2-5. 測定機能
Matterportには、空間内の任意の寸法を測定できる機能があります。
この測定機能により、ユーザーは展示ブースや展示物の正確なサイズを知ることができます。
特に大型機械、家具、建築資材など、サイズ情報が重要な製品の展示に役立ちます。
顧客は自分の使用環境に合わせて製品のサイズを確認できるので、より具体的な検討が可能になります。
また、この測定機能は展示会主催者や出展者にとっても有益です。
次回の展示会の企画や、ブースレイアウトの最適化に活用できるため、より効果的な展示計画を立てることができます。
2-6. コンテンツの埋め込み
Matterportのバーチャルツアー内には、テキスト、画像、動画、外部リンクなどの追加情報を埋め込むことができます。
これにより、製品の詳細情報や使用方法の動画、関連製品へのリンクなど、豊富な情報を提供することが可能です。
ユーザーは興味のある展示物について、自分で詳しい情報を得ることができ、より深い理解と興味喚起につながります。
この機能を活用することで、顧客は自分のペースで学びながら製品を探索できるため、購買意欲の向上にも寄与します。
さらに、埋め込んだコンテンツは、展示会中に来場者に対するプレゼンテーションやデモンストレーションとしても活用できるため、より効果的なコミュニケーションが実現します。
2-7. 長期的な活用
Matterportで撮影した展示ブースのデータは、展示会終了後もさまざまな形で活用できます。
営業ツールとしての利用や、社内研修での活用、次回の展示会企画の参考資料としても役立ちます。
過去の展示ブースを時系列で保存することで、自社の展示の進化や業界トレンドの変化を可視化することも可能です。
データの蓄積は、長期的な戦略立案やマーケティング施策の改善に役立ちます。
また、バーチャルツアーを通じて顧客との接点を持ち続けることで、展示会後も関係性を維持し、新たなビジネスチャンスを創出することができます。
Matterportを活用することで、展示ブースのデジタル化が進み、より多くの顧客にリーチできるだけでなく、展示会後も長期的に活用できるデータを蓄積できます。
これにより、展示会の効果を最大化し、新たなビジネスチャンスを創出することが可能になります。
3. バーチャル展示ブースの具体的な活用方法
本章では、Matterportでバーチャル化した展示ブースの具体的な活用方法を、展示会前・展示会中・展示会後の各段階に分けてご紹介します。
3-1. 展示会前の活用方法
3-1-1.事前プロモーション
バーチャルツアーは、展示会前から製品やサービスの魅力を伝えるプロモーション活動に活用できます。
SNSやメールマーケティングでバーチャルツアーへのリンクを共有することで、展示会への来場促進につなげられます。
3-1-2.バーチャル内覧会の開催
展示会前にバーチャル内覧会を実施することで、参加者に事前にブースや製品を体験してもらい、興味を持ってもらうことができます。
さらに参加者アンケートや、バーチャル内覧会の感想をSNSに投稿してもらうことで、より多くの潜在顧客にリーチすることも可能です。
3-1-3.出展者向けのブースレイアウト確認
出展者はMatterportを使って、自社ブースのレイアウトやデザインを事前に確認し、最適化することができます。
これにより、当日の運営がスムーズになります。
3-2. 展示会中の活用方法
3-2-1.ハイブリッド展示会の実現
Matterportで作成したバーチャル展示ブースは、オンライン展示会として公開できます。
リアル展示会とオンライン展示会をハイブリッド開催することで、より多くの顧客にリーチできる可能性が広がります。
また、オンライン展示会は、参加者の行動データを収集できるため、どの製品に関心が高いか、どのような情報を求めているかなどの分析ができ、効果的なマーケティング戦略の立案に活用できます。
3-2-2.混雑時の対応
リアル展示会のブースが混雑している際には、来場者にバーチャルツアーを提供することで、待ち時間をムダにせず、スムーズな案内が可能になります。
展示ブースがバーチャル化されていれば、来場者は見たい製品が見られないといったストレスを感じることなく、展示内容を楽しむことができます。
3-2-3.展示ブースの差別化
Matterportのバーチャルツアーを取り入れることで、他のブースとは異なるユニークな体験を提供し、来場者に強い印象を残すことができます。
視覚的な魅力とインタラクティブな要素で差別化された展示が実現します。
3-3. 展示会後の活用
3-3-1.バーチャルアーカイブの作成
展示会終了後もMatterportで撮影したデータを利用してバーチャルアーカイブを作成すれば、顧客がいつでもアクセスできるようになります。
これにより、展示会に来場できなかった人も、ウェビナーなどの見逃し配信のように展示内容を後から閲覧することができ、展示会後も商談や問い合わせを獲得できます。
3-3-2.営業ツールとしての活用
バーチャル化した展示ブースは、営業チームにとって強力なサービス紹介ツールとなります。
展示ブースそのものが製品やサービスを魅力的に紹介するショールームの役割を果たすため、これをオンラインで継続公開することで、その効果を最大限に活用できます。
営業担当者は、商談時にPCやタブレットを使ってこのバーチャルショールームを顧客に見せ、製品やサービスを具体的かつ視覚的に示せるため、従来のパンフレットやカタログといった印刷物以上に、顧客の理解を促進し、購買意欲を高められます。
営業担当者がバーチャルショールームを持ち歩けることで、より効果的な営業活動が可能になり、成約率の向上も期待できます。
3-3-3.次回展示会の企画立案
Matterportで作成したバーチャル展示ブースは、次回の展示会を企画する際にも大きく貢献します。
過去の展示ブースのデータを分析することで、自社の展示戦略やマーケティング施策を客観的に評価し、改善点を明確化できます。
特に、バーチャルツアーの閲覧データは貴重な情報源となります。
どのコンテンツが人気を集めたか、どの製品に顧客の関心が集中したかなどのインサイトを分析することで、次回の展示会ではより効果的な展示計画を立案することが可能になります。
例えば、人気の高かった製品をより目立つ位置に配置したり、関心の低かった製品の展示方法を見直したりと、データに基づいた戦略的なアプローチをすることで、自社の展示戦略やマーケティング施策を見直し、次回展示会への改善点を明確化できるでしょう。
4. 【事例紹介】展示ブースをバーチャル化してハイブリッド展示会を開催
展示会のブースをバーチャル化した活用事例として、Japan IT Week 2024【春】の展示ブースをご紹介します。
この展示ブースでは、当社のオンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」を紹介。
「WONDERLINE」について詳しくはこちらの記事で紹介しています。 |
展示ブースのバーチャルツアーは、3日間の展示会期間中だけでなく、展示会終了後も「WONDERLINE」のオンライン展示会上で公開しました。
オンライン展示会上でのバーチャルツアー体験
このバーチャルツアーでは、実際の展示ブースの雰囲気や展示物を細部まで忠実に再現しているので、来場できなかった人も、まるで会場にいるかのような臨場感で展示内容を体験できます。
5.まとめ
本記事では、Matterportを活用した展示ブースのバーチャル化について、その意義や具体的な活用方法、そして実際の事例を紹介してきました。
展示会におけるデジタル技術の活用は、コロナ禍を経てさらに進化し、今や展示会の新しいスタンダードの一部となりつつあります。
従来の対面式展示会に、オンラインコンテンツを組み合わせたハイブリッド型の展示手法が注目を集めており、Matterportを用いたバーチャル展示ブースは、幅広い活用が期待されています。
今後、展示会のデジタル化はさらに進展すると予想されます。
Matterportを活用することで、展示ブースは単なる物理的な空間から、時間と場所の制約を超えた強力なマーケティングツールへと進化していくでしょう。
当社ではMatterport展示会のブース撮影から、活用のご提案・活用サポートをしています。
バーチャル展示ブースの作成についてのご相談やお見積りは、お気軽にお問い合わせください。
#matterport #展示ブース #撮影
コメント