
「店舗だけでは売上が厳しいし、顧客の幅を広げるためにもECサイトを開設してみようかなあ」
「陶器を扱うECサイトってどんな感じだろう。効率よく売上につながったり、顧客層が広がったりするものかな?それとも結構手間があっていざやるとなると大変なのかな?」
陶器のECサイトを開設するかお悩みの方のなかには、このように善し悪しがわからず決めきらない方も多いでしょう。
実際のところ、陶器のECサイトは売上を大きく伸ばしてくれる武器になるので積極的に開設したほうがいいといえます。
なかにはECサイトを始めてから月商7,000万円売り上げている企業もあるので、売上UPに大きく貢献してくれるツールといえるでしょう。
ただし、このように成功できるのは商才があって、ECサイトの開設で運用スキルを発揮できた場合だけです。
せっかくECサイトを解説しても、うまく軌道に乗せていくスキルや費用が不足していると、ただ手間だけが増えるだけに過ぎません。
だからこそ、メリット・デメリットを踏まえて自社がECを開設すべきかどうかしっかり判断していくことが大切です。
そこで本記事では、陶器のECサイトを開設することで利益向上を期待できるメリット・デメリットを紹介します。
本記事を読んでわかること |
・陶器を扱うECサイトを開設するメリット・デメリットがわかる ・陶器を扱うECサイトの開設が向いているのか判断できる ・陶器を扱うECサイトの種類がわかる ・陶器を扱うECサイトの開設方法がわかる |
ぜひ本記事を読み進めて、陶器を扱うECサイトについて理解を深めてください。
目次
1. 陶器のECサイトは売上を大きく伸ばしてくれる武器になる!
陶器のECサイトは、売上を大きく伸ばしてくれる武器になります。
なぜなら時間や場所の制約なく世界中の顧客に商品を販売でき、なおかつ実店舗を持たないため、経費を抑えやすいからです。
そしてECサイトのページづくりを工夫することで陶器の魅力をより引き出せ、売上につなげやすくなるのです。
実際、「株式会社あづま商店」のように、陶器を扱うECサイトを運用して月商7,000万円の売上をあげているケースもあります。
株式会社あづま商店は、楽天市場やYahoo!JAPANショッピング、本店のEAST tableなど複数のECサイトを運用しており、4,000点ほどの陶器を1つ500~1,000円くらいの値段で販売しています。
その中のEAST tableを見てみましょう。
ページの見せ方にこだわり、陶器だけの写真がずらっと並んでいるのではなく、1つひとつの陶器に綺麗な料理を盛り付けているところが、株式会社あづま商店のECサイトの特徴です。
出典:EAST table
陶器だけが掲載されているとどのような用途に使えるのか、想像がつきにくい場合もありますよね。
しかし、このように陶器に美味しそうな料理を盛り付けることで、
・いかに陶器が料理を美味しそうに引き立たせてくれるか |
といったことがわかります。
実店舗で接客するときに盛り付けのイメージを伝えることはなかなか難しく、顧客へ視覚的に訴えられる点はECサイトだからこそできることです。
実店舗とは異なった販売経路を確保しながら商品の魅力をより詳しく伝えられるので、陶器を扱うECサイトは売上を延ばしてくれる大きな武器になるのです。
2. 陶器を扱うECサイトを開設するメリット
陶器のECサイトは売上を大きく伸ばしてくれる武器になることをおわかりいただけたところで、さらに複数のメリットも解説していきます。
陶器を扱うECサイトを開設するメリットは、以下5つです。
・世界中の顧客に陶器を手に取ってもらえる |
順番に見ていきましょう。
2-1. 世界中の顧客に陶器を手に取ってもらえる
陶器を扱うECサイトは世界中の顧客がアクセスでき、陶器を手に取ってもらえます。
インターネットさえつながればECサイトはどこからでもアクセスできるので、これまでより販売経路を大きく拡大できます。
たとえばオーストラリアのメルボルンのオサラは、実店舗と自社ECで陶器含む日本のテーブルウェアの販売をしている小売業を営む企業です。
ECサイトからの購入客はオーストラリアのシドニーやメルボルンだけでなく、以下のようなさまざまな国からの注文が一定数あり、世界中に顧客がいます。
・中国 |
2021年度の売上高比率はECサイトが4割と全体の大きな割合を占めており、実店舗の6割に引けを取りません。
実店舗のみの場合、商品を届けられる顧客は実店舗のある地域や観光客だけにとどまってしまうケースが一般的でしょう。
しかしECサイトの運営によって世界中の顧客からのアクセスを期待でき、より多くの人に陶器を手に取ってもらえる機会が増えます。
2-2. 自社の陶器の認知拡大が狙える
陶器を扱うECサイトを運用すると、自社の陶器の認知拡大が狙えます。
陶器を探している人がインターネットを検索するなかで、自社のECサイトにたどり着く可能性があるからです。
たとえばECモールの楽天のなかで「陶器 マグカップ」と検索するだけでも以下のようにさまざまな企業の陶器が検索結果に表示されます。
出典:楽天市場
自社の陶器を目的として検索していなくても、ふとしたタイミングで知ってもらえる機会が増えるのです。
実店舗だけで陶器を販売しているのであれば、たまたま通りかかったり、誰かの紹介そこまで行ったりすることがなければなかなか知ってもらう機会はないでしょう。
自社の陶器の認知拡大が狙えるのはECサイトの運用による大きなメリットです。
2-3. 24時間365日販売できる
陶器を扱うECサイトを運用すれば、24時間365日販売できます。
夜中や早朝など時間にかかわらず、さらに台風や雪といった天候不順も関係なくいつでも自社の陶器を見てもらえるため、売上を伸ばす機会を失いません。
実店舗の場合、24時間営業するとなれば従業員を新たに雇う必要が出てくるため、簡単ではないでしょう。
ECサイトなら販売の機会損失を防ぎ、いつでも顧客の好きなタイミングで陶器を購入してもらえます。
2-4. 実店舗に比べてコストを抑えて運用できる
陶器を扱うECサイトは、コストを抑えて運用できます。
一般的にECサイトにかかるコストは、以下のとおりです。
・構築費用:ECサイトを作る費用。無料~数千万円 ・月額費用:運用にかかる費用。無料~100万円程度 ・販売手数料:陶器が売れたときの費用。3%〜10%程度 ・決済手数料:顧客が利用した決済方法に応じて発生する費用。無料~4%程度 ・カスタマイズの費用:自社独自にカスタマイズするときの費用(定期購入機能や自社の基幹システムとの連携など)。見積もりを取りながら進める。 |
上記のコストを見ると、プラットフォーム次第で陶器のECサイトは無料で始められるので「思ったよりハードルは低い」と感じる方も多いのではないでしょうか。
※ただし既存システムを使うのではなく、自社独自のECサイトを開発したいのであれば基本的に費用は高くなり、カスタマイズ性の高い独自システムの作成に数千万円以上かかることもあるでしょう。
一方、実店舗であれば敷金礼金、内装工事、人件費といった費用がかかります。
日本政策金融公庫 総合研究所の「2023年度新規開業実態調査」では1,027万円が開業費用の平均値とされており、調査対象の4割で250~500万円程度の開業費用がかかったことがわかっています。
こういったことからわかるように、ECサイトでは実店舗で開業するよりも費用を抑えて陶器を販売できるのです。
2-5. 顧客データの収集によって分析ができる
陶器を扱うECサイトを開設すると、以下のような顧客データを収集できます。これらのデータを分析することで、販売戦略の改善を図ることも可能です。
分析に役立つ項目 | 概要 |
アクセス数 | 一定期間にユーザーがサイトを訪問した回数 |
流入経路 | ユーザーがどのような経路でサイトに訪れたのかを示す項目 |
利益率 | ECサイトの売上に対する利益の割合 |
コンバージョン率(CVR) | ECサイトを訪れたユーザーのうち、最終的な成果に至った割合 |
顧客単価 | 顧客1人あたりの平均的な購入金額 |
リピート率 | 一定期間の新規顧客のうちリピートした人の割合 |
離脱率 | ユーザーからページが閲覧された回数に対し、読むのを辞めた割合 |
分析によって浮き彫りになった課題を改善すれば、今後の販売戦略に活かせます。
たとえばアクセス数が低ければSNSを活用して広告を出し、集客に力を入れる方法があります。
リピート率が低ければメルマガを配信したり、キャンペーンを実施したりして購入を促す方法があります。
実店舗における陶器の販売ではECサイトのように細かく分析することは難しく、改善点を見いだすことは難しいでしょう。
ECサイトを開設するからこそ細かな分析ができ、売上UPにつなげることができます。
3. 陶器を扱うECサイトを開設するデメリット
陶器を扱うECサイトを開設するメリットをおわかりいただけたかと思いますが、デメリットについてもあらかじめ知っておきましょう。
以下4つが陶器を扱うECサイトを開設するデメリットです。
・陶器の手触りや雰囲気、重さなどを実際に感じてもらえない |
順番に見ていきましょう。
3-1. 陶器の手触りや雰囲気、重さなどを実際に感じてもらえない
ECサイトでは陶器の手触りや雰囲気、重さなどを実際に感じてもらえません。
そのため、実際に届いたときに顧客のイメージと相違が生まれる可能性があります。
実店舗であれば実際に触って重さを感じ取り、感触を確かめながら色合いを見て「どのような料理を入れようか…」と考えるでしょう。
しかしECサイトでは実際に陶器を手に取れないため、画像でイメージを伝える必要があります。
顧客が陶器を手に取ったときや今後の使用方法のイメージが沸くよう、以下のような詳細をECサイト上に載せましょう。
ECサイト上で商品イメージが伝わりやすいようにするための記載項目 |
・商品名 |
3-2. ECサイトを運営するスキルが必要である
陶器のECサイトはただ開設すれば終わりではなく、運営するスキルが必要です。
たとえばECサイトの運営には、以下のような作業や知識が求められます。
・ECサイトのページ制作(自社で制作する場合) |
掲載する陶器の画像は、ただ写真を撮ってECサイトにアップロードすればいいのではありません。
さまざまな角度からの画像や用途のイメージが沸くような画像を撮影し、さらに実物と同じうような色合い・質感になるよう色味を調整する必要があります。
商品の購入意欲をかき立てるようなライティングスキルも必要です。
たとえば「おうちで楽しむ陶器市 うちる」の「かもしか道具店のごはんの鍋」紹介ページを見てみましょう。
出典:おうちで楽しむ陶器市 うちる「うちるスタッフに聞いてびっくり!土鍋で炊くごはん」
土鍋でご飯を炊くのは、一見難しくて躊躇してしまいがちです。
しかしおうちで楽しむ陶器市 うちるでは、
・実は簡単で早く炊き上がる
・鍋ごと冷蔵庫保存ができる
・電子レンジが使える
といった内容を、さまざまな魅力を画像をふんだんに盛り込みながら説明しています。
ECサイトはただ開設するだけでなく、その後アクセス数を延ばしていかなければ売上にはつながらないため、運用スキルが求められます。
自社で対応が難しい場合は費用を払い、運用を外注する方法もあるので検討しましょう。
3-3. 配送費用を考慮する必要がある
陶器を扱うECサイトを開設する場合は実店舗での販売と異なり、売れたときの配送費用を考慮する必要があります。
人件費や燃料費といったことから配送費用は年々値上がっていますが、そのまま顧客に負担してもらうと顧客離れにつながりかねません。
かといって自社で送料を負担すれば配送コストがかさんでしまい、利益にならないため注意が必要です。
たとえば以下のような送料の設定方法があるので、ユーザーが手を出しやすく、なおかつ自社の利益を圧迫しない送料設定をしましょう。
・全国一律にする |
3-4. 顧客に届くまでに時間がかかる
陶器のECサイトで購入すると、顧客に届くまでに時間がかかります。
実店舗で購入すればすぐ手元にありますが、ECサイトでは一般的に数日かかってしまうため、顧客満足度に影響します。
また翌日配送に対応しているECサイトがあればそちらへ顧客が流れてしまい、陶器の販売機会を逃してしまう可能性もあるでしょう。
ECサイトで陶器を販売するときは受注~出荷までの工程において以下のような効率化を図って、できる限りスムーズな発送を心がける必要があります。
工程 | 詳細 |
受注 | 受注後すぐに発送準備に取り掛かれるよう、通知設定をしておく |
入金確認 | 発送へスピーディに取りかかれるよう定期的に確認する |
出荷準備・出荷 | 入金確認から1~2日で発送できるようにする |
4. 陶器を扱うECサイトの開設がおすすめなケース・おすすめしないケース
ここまでお読みになっても、陶器を扱うECサイトの運用をすべきなのかどうか、決めかねている場合もあるかもしれませんね。
そんな方に向けて結論をお伝えすると、ECサイトの運用がおすすめなケース・おすすめしないケースは以下のとおりです。
ECサイトの開設がおすすめなケース | ECサイトの開設がおすすめしないケース |
・今より顧客の幅を広げたい | ・IT分野に苦手意識があり、EC運営のためのスキルを習得する自信がない |
それぞれのケースについて、もう少し詳しく解説します。
4-1. ECサイトの開設がおすすめなケース
先ほどお見せしたように、顧客や認知を拡大したいという意向があるものの、実店舗を展開していくほどの予算は捻出できない場合はECサイトの開設がおすすめです。
なぜなら、そうした要望や事情に適したメリットがあるからです。
ECサイトの開設がおすすめなケース |
今より顧客の幅を広げたい 自社製品の認知を拡大したい 購入してもらえる機会を逃したくない 実店舗を増やすほどの資金力がない |
たとえば、レストランや小売店への卸しだけでなく、消費者に直接販売は行うことも検討しているのであれば、ECサイトの開設は非常に有効です。
新たに実店舗を展開するほどの予算を投下せずとも、これまでアプローチできなかった一般消費者に対して商品の認知や販売を行うことができるでしょう。
このように成長志向を持ちながらも、かけられる予算に限りがあるという場合はぜひECサイトの開設をおすすめします。
4-2. ECサイトの開設をおすすめしないケース
一方、IT分野に苦手意識があり、EC運営のためのスキルを習得する自信がないという場合には開設をおすすめしません。
なぜなら、「3-2. ECサイトを運営するスキルが必要である」でお伝えしたように、ECサイトを開設・運用するにあたり、以下のようなスキルが求められるからです。
・ECサイトのページ制作(自社で制作する場合) |
もちろんECサイト作りを制作会社などに依頼すれば、専門的なスキルは必要ありません。直感的にECを構築できるプラットフォームも多いですから、普段からパソコンやデジタルツールを使い慣れているならスキル面の問題はさほど大きくないと言えます。
しかし、どのようにECサイトを開設するにしても、運用する中で基礎的な知識やスキルは必ず必要となります。
IT分野に苦手意識があり、そのようなスキルを習得できる自信が全くないのであれば、ECサイトの開設は見切り発車となる可能性が高いため、まずは今ある顧客を流出させないところに注力するのが良いでしょう。
そのためには、今の販売フローの効率化から始めるのも一つの手です。
「7.陶器のECサイトを開設する・しないに限らず顧客が在庫や商品を確認できるツールは必要!」 では、そのことを解説していますので、ぜひご覧ください。
5. 陶器を扱うECサイトを開設するときの選択肢は2種類!事例と一緒に紹介
陶器を扱うECサイトを開設するときの選択肢は、大きく分けて自社ECサイトとECモールの2種類があります。
以下に自社ECサイトと、ECモールの詳細をまとめました。
自社ECサイト | ECモール | |
構築方法 | 自社開発またはプラットフォーム | ECモールに出店 |
公開までの期間 | 1ヶ月~1年 | 1ヶ月前後 |
初期費用 | 無料~数100万 | 無料~10万円程度 |
月間運用費 | 5万円~50万円程度が一般的 | 10万円以内が一般的 |
メリット | ・ブランドイメージに沿ったレイアウトやデザインの作成ができる | ・集客力が高い |
デメリット | ・サイト自体を認知してもらえない可能性がある | ・オリジナリティを出しにくい |
難易度 | 高い | 低い |
おすすめな人 | ・ブランド名や企業名の知名度が高い人 | ・EC販売のノウハウを蓄積したい人 |
詳細を詳しく見ていきましょう。
5-1. 自社ECサイト
自社ECサイト | |
構築方法 | 自社開発またはプラットフォーム |
公開までの期間 | 1ヶ月~1年 |
初期費用 | 無料~数100万 |
月間運用費 | 5万円~50万円程度が一般的 |
メリット | ・ブランドイメージに沿ったレイアウトやデザインの作成ができる |
デメリット | ・サイト自体を認知してもらえない可能性がある |
難易度 | 高い |
おすすめな人 | ・ブランド名や企業名の知名度が高い人 |
楽天市場のようにあるサイト内にECサイトを作るのではなく、自社単独で構築するECサイトを自社ECサイトといいます。
自社で一からECサイトを開設するほか、BASEやSTORESといったプラットフォームを活用して構築する方法などがあり、ブランドイメージに沿ったレイアウトやデザインにこだわりながら作成ができます。
費用はどの程度こだわるかによって大きく変わり、プラットフォームを採用するか、一から作るかによって高額になるので理解しておきましょう。
また自社ECサイトはブランドの知名度がなければ、ECサイトを開設してもなかなか見つけてもらえません。
ECサイトを見つけてもらえるように、ターゲット層を絞ったり、顧客が閲覧したいと思えるようにしなければ、売上が伸び悩む可能性が高いことを知っておきましょう。
5-2. ECモール
ECモール | |
構築方法 | ECモールに出店 |
公開までの期間 | 1ヶ月前後 |
初期費用 | 無料~10万円程度 |
月間運用費 | 10万円以内が一般的 |
メリット | ・集客力が高い |
デメリット | ・オリジナリティを出しにくい |
難易度 | 低い |
おすすめな人 | ・EC販売のノウハウを蓄積したい人 |
楽天市場やYahoo!JAPANショッピングのように複数の企業が1つのプラットフォームで商品を販売するECサイトを、ECモールといいます。
簡単にいえばインターネット上にある百貨店をイメージするとわかりやすいでしょう。
ECモールではECサイトを構築するためのプラットフォームがあらかじめ提供されるため、一からサイト構築をする必要はありません。
公開までが早く、費用も抑えやすいでしょう。
そして大きなメリットに、集客力の高さがあります。
すでにECモール自体の知名度が高く、多くのユーザーを抱えており、プロモーション活動も積極的におこなっています。
新規出店者であっても、ECサイト公開後から早期の集客を見込めるでしょう。
ただし自社ECサイトと異なり、ECモールのルールやデザインに沿ってECサイトを運用する必要があります。
陶器を販売するにあたっても数多くの競合がECモール内にいることから、価格競争が生じやすいことも知っておいてください。
マルチチャネル型ECサイトの運用という方法もある |
自社ECサイトとECモールの両方を運用するといった、マルチチャネル型ECサイトを運用する選択肢もあります。 マルチチャネル型ECサイトの運用によって販路が増えるので、顧客との接点が多くなり、さらなる売上拡大や認知度向上を狙えます。 ただし各ECサイトごとに管理体制を整えたり、人的リソースが必要となったりするため、運用は容易ではありません。 手間やコストがかかるので、まずは自社ECサイトかECモールから始めて徐々に手を広げていくといいでしょう。 |
6. 陶器を扱うECサイトの開設方法
陶器を扱うECサイトの開設方法は、以下7つの過程があります。
1. 陶器を販売するECサイトの種類を決める |
順番に見ていきましょう。
6-1. 陶器を販売するECサイトの種類を決める
まずは 陶器を販売するECサイトの種類を決めていきます。
以下を参考に、どちらの種類のECサイトを構築するか検討してください。
自社ECサイトがおすすめの人 | ECモールがおすすめの人 |
・ブランド名や企業名の知名度が高い人 | ・EC販売のノウハウを蓄積したい人 |
自社にエンジニアやECサイト構築に詳しい人材がいるのであれば、オリジナリティのある自社ECサイトを選択しても問題ありません。
しかし詳しい人材がいないなかで初めてECサイトを開設するのであれば、ECモールを選択することをおすすめします。
6-2. 陶器を販売するECサイトのプラットフォームを決める
つづいて、陶器を販売するECサイトのプラットフォームを決めていきます。
自社ECサイトとECモールに分けて見ていきましょう。
6-2-1. 自社ECサイト
自社ECサイトのプラットフォームは個人で作るのか、企業で作るのかによって大きく分かれるので、以下を参考にしてください。
代表的な自社ECサイト | 概要 |
個人で作る自社ECサイト | ASP:BASEやSTORESといった企業が提供するプラットフォームを利用する。 オープンソース:誰でも無料で利用できるECサイト構築に必要なソースコードをダウンロードして、ECサイトを構築する。 |
企業で作る自社ECサイト | ASP:BASEやSTORESといった企業が提供するプラットフォームを利用する。 オープンソース:誰でも無料で利用できるECサイト構築に必要なソースコードをダウンロードして、ECサイトを構築する。 パッケージ:W2 Repeatやeltex DCなど、ECサイトの運営に必要な機能がパッケージ化されたシステムやソフトウェアを利用する。 クラウドEC:makeshopエンタープライズやebisumarなど、ASPとパッケージ両方の要素をもつ。 フルスクラッチ:企業に合わせてECサイトを作るので自由に設計できる。 |
プラットフォームの種類によってかかる費用や難易度が大きく変わります。
ASPやオープンソースであれば費用を抑えやすいですが、そのほかのECサイト構築方法ではかなりのコストが必要になり、難易度も比較的高くなります。
イメージ的には以下のような収益が目安となるので、まずはASPから始めてみることをおすすめします。
6-2-2. ECモール
ECモールにECサイトを構築する場合の代表的なプラットフォームは、以下3つです。
代表的なECモール | 概要 |
Amazon | シェア率No.1。出品方法によって手数料が異なるので、ECサイトを始めたばかりの人でもコストを抑えやすい。 |
楽天市場 | イベントが多く集客を見込める。販売ノウハウに関するサポートが手厚い。 |
Yahoo! ショッピング | 初期費用と月額費用が安い。自社サイトや他社モールなどの外部リンクを張れる。 |
手軽にECサイトを開設したい方でしたらカスタマイズがあまり必要のないAmazonがおすすめですし、より集客力を高めたいのであれば、イベントが多い楽天市場が向いています。
またどのプラットフォームも比較的安価ですが、とくにYahoo! ショッピングはコストを抑えやすいです。
ECモールの特徴を比較しながら、自身がどのように陶器をECサイトで販売し始めたいかを意識して検討しましょう。
6-3. ページデザインを決め、ページ作成をする
陶器を扱うECサイトのプラットフォームを選択したら、ページデザインを決め、ページ作成をします。
ここからは手軽に始められるASPを例に解説します。
背景をテンプレートから選択できるので、販売する陶器の世界観に合わせてカラーも決めていきましょう。
たとえば以下は、無料で始められるBASEのテンプレート一例です。
出典:BASE「デザイン」
ページのカラーを変えるだけで、同じ陶器でも雰囲気が異なります。
どのくらいの年齢層に向けた陶器なのか、どのようなシーンで利用する陶器なのか、コンセプトを決めてターゲット設定しながらデザインを決めましょう。
ECサイト制作では細かな配慮が大切 |
ECサイト制作では、ユーザー目線で細かな配慮をすることが大切です。 ユーザーがECサイトを閲覧していて途中でわからないことが多ければ、そのまま離脱されてしまい売上に結びつきません。 顧客のサポート体制を整備して、以下のような「これってどうなんだろう」という疑問を解決できるページ作成をしましょう。 ・お問い合わせボタンの設置 |
6-4. 陶器の登録をする
つづいて以下のような項目について、ECサイトへ陶器商品の登録をします。
・陶器の商品名 |
とくに売れ筋である商品や力を入れて販売したい商品は画像数を多くしたり、実際に料理を盛りつけたりして魅力的に映るようにしましょう。
また、吸水性があるので長時間水につけない、変色や退色の原因になるので直射日光に当てないなど、陶器特有の注意点については細かく記載してください。
とくに電子レンジの使用可否や食器洗い乾燥機の使用可否などは顧客が購入するときの判断基準になるので、合わせて記載しましょう。
6-5. 決済方法を決める
つづいてユーザーが陶器を購入するときの決済方法を決めます。
ECサイトでは、以下のような決済方法を利用できます。
・クレジットカード |
決済方法を決めるときは、次のようなポイントを意識しながら決めてください。
決済方法を決めるときのポイント | 概要 |
ユーザーの属性 | 年齢や性別などのユーザー属性を考慮する。 |
陶器の価格帯 | 高い陶器ならポイント付与や分割払いができるクレジットカードが好まれる。 |
導入・運用コスト | 決済方法に応じてかかる導入・運用コストはできるだけ抑える。 |
決済トレンドやシェア率 | シェア率の高い決済方法を優先的に導入したほうが、ユーザー数や売上げが伸びやすい。 |
決済方法がクレジットカードやコンビニ決済のみなどに限定されてしまうと、購入の機会損失につながります。
導入・運用コストを踏まえながら、できるだけ幅広い決済方法を導入しましょう。
6-6. 配送方法を決める
決済方法の次は、配送方法を決めます。
陶器を扱うECサイトの場合は、一般的に対面で渡せてサイズの幅が広い宅配便を選択することになるでしょう。
以下を参考に宅配会社を選択してください。
対応サイズ | 関東⇔関東の料金 | 最短お届け日数 | |
ヤマト運輸 | 60サイズ~200サイズ | 940円~ | 翌日 |
日本郵便 | 60サイズ~170サイズ | 820円~ | 翌日 |
佐川急便 | 60サイズ~260サイズ | 910円~ | 翌日(一部エリアのみ当日) |
6-7. テスト注文をしてECサイトを開業する
ここまで決めたら、テスト注文をしてECサイトを開業します。
実際に顧客目線に立ち、「湯飲み ギフト」「ご飯茶碗 普段用 男性」などと入力してECサイトから注文してみましょう。
このとき以下のような項目をチェックして、問題なく注文できたら開業してください。
・陶器の購入に戸惑う場面がなかったか |
7. 陶器のECサイトを開設する・しないに限らず在庫管理できるツールは必要!
ここまで、陶器のECサイトの開設方法をお伝えしました。
なかには「自分には陶器のECサイトは向かなそうだ…」「できそうと思ったけど難しそうだな」と感じた方もいるかもしれません。
しかし陶器を扱うECサイトを開設する場合もしない場合も、在庫管理のためのツールを持つべきです。
その必要性を、ECサイトを開設する場合・しない場合それぞれで説明します。
7-1. ECサイトを開設する場合
ECサイトを開設する場合、特に在庫管理のためのツールは必須と言えます。
なぜなら、これまで以上に在庫管理を徹底しなければ、在庫が無いのにECを通して注文を受けてしまうということになりかねないからです。
これまでのように、人(電話・FAXを含む)を介して注文を受けたり、店舗で販売していたりする場合は、在庫ありきで商品を販売することができます。
しかし、ECサイトでは、24時間365日自動で注文を受けてしまえるため、「在庫が無いタイミングで注文が入る」ということが起こりやすくなってしまうのです。
こういったことを防ぐためには、今まで以上に細やかで正確な在庫管理を行い、在庫状況に応じてECサイトからの注文をコントロールすることが求められます。
そのためには、効率良く正確に在庫管理をするためのツールが必要となってくるのです。
7-2. ECサイトを開設しない場合
ECサイトを開設しない場合でも、やはり在庫を管理できるツールは重要です。
この場合は、特に「顧客側で在庫や商品の内容が確認できる」機能を備えたツールが必要となります。
こうしたツールにより、受注ミスが減ったり、納品までのやり取りがスムーズになったりするからです。
顧客から口頭やFAXで注文を受けている場合、たとえば、
・顧客側が、同じデザインだがサイズが違うお皿を注文してしまう
・在庫確認のためだけに電話やFAX、メールでのやり取りが発生する
・注文数を聞き間違えてしまう
といったミスや効率の悪さに覚えがあるのではないでしょうか。
このような状態は、迅速な納品を妨げるため、一刻も早く改善が必要です。
そこで役立つのが、在庫管理ツールなのです。
実際に在庫管理ができるシステムを導入した企業に向けて、株式会社ダイアログがおこなった調査「WMS導入と経営に関する実態調査」では、以下のように半数近くの企業が「(在庫)データの可視化・分析による業務効率化」をメリットとして挙げています。
出典元:株式会社ダイアログ
陶器のECサイトを開設しない場合でも、このように在庫や商品を管理し、顧客側でも確認できるツールがあれば、業務効率を上げられ、これまで以上にスムーズに注文〜納品を進められるはずです。
WONDERCART(ワンダーカート)なら顧客側からも在庫を把握できる |
弊社新日本印刷株式会社が提供しているWONDERCART(ワンダーカート)は、在庫管理機能を備えたBtoB受発注システムです。 システムを開くと以下のように商品ごとの在庫数が表示されるので、在庫の有無を把握しながら受発注ができます。 また、自社や顧客(バイヤー)がシステム上で見積書や提案書を作成、ダウンロードすることもできます。 以下のように画像付きで書類作成ができ、顧客にとって「この商品の見積書ね」ということがわかりやすくなります。 実際に導入した企業からは、 「顧客からわかりやすいと評判」 「書類作成時間が短くなった!WONDERCART(ワンダーカート)を使い始めてから体感2倍の早さで作業できてる」 といった声も多く届いています。 FAXや電話、メールで受注する場合、問合せ後に在庫確認をしたり、商品の照らし合わせをしたりするので、確認に時間がかかります。 しかしこのような受発注システムを活用すると、在庫があるものを注文できるので、受注後に 「在庫がなかった!顧客へ納品日の連絡をしなければ…」 といった事態を防げます。 陶器販売のためにECサイトを開設する場合もしない場合も、顧客に滞りなく商品を届けたいなら、ぜひWONDERCART(ワンダーカート)の導入をご検討ください。 |
8. まとめ
陶器を扱うECサイトについて、ご理解いただけましたでしょうか。
最後に本記事の要点をまとめていきます。
◎陶器のECサイトは売上を大きく伸ばしてくれる武器になります。
◎陶器を扱うECサイトを開設するメリットは、以下5つです。
・世界中の顧客に陶器を手に取ってもらえる |
◎以下4つが陶器を扱うECサイトを開設するデメリットです。
・陶器の手触りや雰囲気、重さなどを実際に感じてもらえない |
◎陶器を扱うECサイトの運用がおすすめな人・おすすめしない人は、以下のとおりです。
ECサイトの開設がおすすめなケース | ECサイトの開設がおすすめしないケース |
・今より顧客の幅を広げたい | IT分野に苦手意識があり、EC運営のためのスキルを習得する自信がない |
◎陶器を扱うECサイトを開設するときの選択肢は、大きく分けて自社ECサイトとECモールの2種類があります。
◎陶器を扱うECサイトの開設方法は、以下7つの過程があります。
1. 陶器を販売するECサイトの種類を決める |
◎陶器のECサイトを開設しない場合でも、在庫や商品を確認できるツールをもつべきです。
本記事をお読みになって、あなたが陶器を扱うECサイトに関する理解を深められたら幸いです。
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