「デジタルカタログって具体的にはどんなもののこと?導入しているか問い合せを受けることもあるけど、PDFとは違うの?」
「デジタルカタログっていろんな企業が取り入れているけど、そんなにいいものなの?やっぱりうちも導入すべきなのかなあ…実際のところどうなんだろう」
小売業界をはじめ、製造業や商社などさまざまな業種で提供されているデジタルカタログについて、そろそろ自社でも導入すべきか…とお悩みの方もいるでしょう。
デジタルカタログについてなんとなくは知っていても、結局のところ自社でどう活用していくのか、どのようなメリットが得られるかなど、まだよくわからないという方もいるかもしれません。
デジタルカタログは簡単にいってしまえば、Web上で見られるカタログのことです。
パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを使用して、閲覧することができます。
さらにWebで見られるだけでなく、デジタルカタログはECサイトと連携させたり、+αの機能を活用して業務効率を改善させたり、企業がマーケティングに幅広く活用できる優れたツールなのです。
導入によってECサイトと連携させれば売上向上を見込め、業務効率を改善できればコア業務に携わる時間を増やせるでしょう。
ただし、「デジタルカタログがあれば紙カタログはなくてもOK!」というわけではないので注意が必要です。
安易に紙カタログを廃止してしまえば、これまでアプローチできていた顧客を手放してしまう可能性があるだけでなく、こだわり抜いた自社商品の魅力が伝わりにくくなってしまう可能性があるからです。
そこで本記事では、デジタルカタログとはどのようなものか、隅々まで解説するとともに、紙カタログと併用する意義についてもお伝えします。
本記事を読んでわかること |
・デジタルカタログとはなにかがわかる |
ぜひ本記事を読み進めて、デジタルカタログについて理解を深めていきましょう。
目次
1. デジタルカタログとはWeb上で見られるカタログのこと
パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを使用して、Web上で見られるカタログをデジタルカタログといいます。
以下のように呼ばれることもありますが、すべてデジタルカタログと同じ意味です。
ebook |
ここからはデジタルカタログの基本について、次の内容をお伝えしていきます。
・デジタルカタログのもつ基本的な機能 |
順番に見ていきましょう。
1-1. デジタルカタログのもつ基本的な機能
デジタルカタログには一般的に、以下のような機能があります。
デジタルカタログの基本機能 | 詳細 |
ページめくり | フリックすると紙カタログのようにめくれる |
ページ拡大・縮小 | 見たい箇所を拡大・縮小できる |
目次表示 | コンテンツの目次を作成し、タップすると遷移できる |
しおり(ブックマーク) | ブックマークすることでそのページにすぐ遷移できる |
画面印刷 | 指定ページの印刷ができる |
PDFダウンロード | 指定ページをPDF化できる |
検索 | 文字や商品・価格などを絞り込んで検索できる |
切り抜き | 特定の商品画像や仕様情報を切り抜いて保存できる |
音声・動画挿入※ | デジタルカタログに音声や動画を挿入できる |
リンク設定※ | デジタルカタログ上から指定したリンク先に遷移できる |
※デジタルカタログ作成代行サービスを利用する場合は基本的に有料
デジタルカタログを作るには、自社でツールを使って自作するか、代行サービスに依頼する方法の2パターンです。
そのため、搭載したい機能によってはツールを高いグレードのプランで利用する必要があったり、代行サービスでは以下のような有料オプションを追加するケースもあります。
デジタルカタログのオプション一例 | 詳細 |
SNS投稿機能 | 顧客が共有したいと感じたコンテンツをSNSに送れる |
外国語スキン | 英語や中国語といった外国語でコンテンツを表示できる |
アクセス解析 | 見られているページや流入キーワードなどの解析ができる |
全文検索機能 | コンテンツ全体から指定キーワードの検索ができる |
音声・動画を挿入すれば商品の魅力を具体的に伝えやすく、リンク設定すると該当の商品へ遷移させ、売上の向上を見込むこともできます。
顧客が何を求めているのか、どのような情報を得たいのかについてアクセスログを分析し、マーケティングに活用できる点も大きな魅力でしょう。
従来の紙カタログにはこのような機能はもちろんなく、デジタルカタログだからこそできることです。
デジタルカタログの導入によって
「作業効率が2倍以上になった」
「必要なページだけダウンロードや印刷ができる」
といったユーザーの声もあり、営業や受発注といったあらゆる場面で、効率的に業務をおこなえるようになります。
1-2. デジタルカタログとPDFとの違い
「デジタルカタログとPDFってWeb上のコンテンツだし、同じような気がするけど何が違うの?」と感じている方もいるのではないでしょうか。
PDFと比較すると、デジタルカタログのほうが断然利便性が高いです。
なぜならカタログ機能に特化したデジタルカタログとPDFでは、機能性に違いがあるからです。
具体的なデジタルカタログとPDFとの違いについては、以下にまとめました。
違い | デジタルカタログ | PDFカタログ |
閲覧環境 | Webブラウザで閲覧できる | 専用リーダーをダウンロードする |
閲覧方法 | 紙カタログのようにめくる | 縦にスクロールする |
表示速度 | 早い(100ページで1秒ほど) | 遅い(100ページあれば30秒ほど) |
表現 | テキスト、画像、動画、音声、 | テキスト、画像 |
アクセス解析 | できる | できない |
更新 | 該当箇所の情報を差し替え、更新をかけるだけでOK | ファイル自体を修正後アップロードする |
デジタルカタログは専用リーダーを使うことなく、URLをクリックするだけですぐに表示されます。
紙カタログのようにパラパラとめくれ、動画や音声などさまざまな方法を使って商品の魅力をコンテンツ上で伝えることができるので表現力が高いです。
アクセス解析をすれば顧客がどのような商品に興味をもっているのかがわかるので、コンテンツを改善しながら売上の向上も狙えるでしょう。
一方PDFがデジタルカタログよりも優れているところは限定的で、インターネット環境がなくても閲覧できるという程度にとどまります。
こういったことから、紙カタログをWeb上で閲覧できるようにするのであれば、PDFで保管するのではなく、デジタルカタログ一択です。
2. デジタルカタログの活用方法を事例で紹介
ここまで、デジタルカタログとはどのようなものなのか、基本的な機能やPDFとの違いについておわかりいただけたかと思います。
つづいては実際にデジタルカタログが使われている事例を見ながら、活用方法について理解を深めてみましょう。
・【活用方法1】紙カタログをWeb化させ、顧客のタイミングで閲覧してもらう |
順番に解説します。
2-1. 【活用方法1】紙カタログをWeb化させ、顧客のタイミングで閲覧してもらう
デジタルカタログでもっとも一般的ともいえる、これまで使用していた紙カタログをWeb化させ、顧客が好きなタイミングで閲覧してもらう活用法です。
紙カタログをWeb化させたデジタルカタログの活用シーン |
ホームページ上や自社のECサイトの商品概要欄などに、デジタルカタログのURLを掲載。 |
実際に使用感を見るなら、デジタルカタログのサンプルとして株式会社デジタルベリーが提供しているサンプルがわかりやすいです。
以下をクリックしていただくと、サンプルのデジタルカタログを開けます。
いかがでしょうか?
デジタルカタログを実際に触ってみて体感していただいたように、「進む」や「戻る」で紙のようにページをめくれ、詳しく知りたい箇所の拡大もできます。
起動の速さから、見たいときにぱっと開けるので顧客がストレスを感じにくく、気になるページの印刷も簡単です。
紙カタログの場合は直接渡したり、郵送したりしなければならないため、ほしいタイミングで情報を手にしづらいです。
デジタルカタログならURLだけで閲覧できるので、時や場所を選ばず、商品について知ってもらう機会を逃しにくいでしょう。
2-2. 【活用方法2】ECサイトとの連携で売上向上を狙う
デジタルカタログではそのまま顧客が購入できるようリンクからECサイトと連携させ、売上向上を狙う活用法ができます。
以下は、インターネット通販サイトで衣類や日用品を幅広く手がける、ベルメゾンのデジタルカタログです。
出典:ベルメゾン「花笑むとき」
※出典元よりデジタルカタログを閲覧できます。
デジタルカタログを見ていただくとわかるように、以下赤マルの部分をクリックすると、指定のECサイトへ遷移します。
出典:ベルメゾン「花笑むとき」
ECサイトの購入画面に遷移するので、そのまま購入してもらえるシステムです。
出典:通販カタログ・通信販売のベルメゾンネット「綿混コーデュロイワイドパンツ(丈が選べる)」
デジタルカタログから直接ECサイトへ遷移できるようにすると、「この商品いいな、気になるな」という顧客の購入意欲が高まった状態の後押しにつながります。
欲しい商品があっても、自分でECサイトを検索する作業があると、手間が増えることからそのまま離脱されてしまうケースも少なくありません。
デジタルカタログとECサイトを連携させると、顧客の購入意欲が高まったタイミングを逃さないので、売上向上を狙えます。
2-3. 【活用方法3】カタログ機能+αで業務を効率化させる
デジタルカタログのツールのなかには+αの機能をもつものがあり、業務の効率化を図れます。
ここでは一般的なデジタルカタログ機能とともに「見積書・提案書作成機能」をもつ、WONDERCART(ワンダーカート)を紹介します。
以下は、WONDERCART(ワンダーカート)を利用しているMIYABI KAIDOU(みやび街道)のデジタルカタログです。
出典:MIYABI KAIDOU(みやび街道)
※出典元よりデジタルカタログページをご覧いただけます。
WONDERCART(ワンダーカート)では、商品の写真付きで、以下3つの書類作成ができます。
サイズや重量・写真などを記載した書類作成ができる |
一覧表作成 |
たとえば見積書作成画面では、以下の項目を反映させて、商品画像付きの見積書をExcelで簡単に作成できます。
WONDERCART(ワンダーカート)で見積書に表示できる項目 | |
会社名 | 納品期日 |
担当者名 | 取引方法 |
住所 | 有効期限 |
電話・FAX | 消費税率 |
お客様名 | 入数表示 |
掛率表示 | 商品画像 |
サイズ表示 | 重量表示 |
材質表示 | – |
【見積書一例】
このような各項目を反映した見積書が5分かからず作れ、画像付きなので顧客にとっても見間違いがなくなり、受発注ミスを減らせるメリットがあります。
デジタルカタログを活用するとコストカットや持ち運びの楽さ、どこでも見られるところに目が行きがちです。
しかしなかにはこのような+αの機能が付帯しているツールもあるので、業務効率化に役立てられることも知っておきましょう。
3. デジタルカタログの11のメリット
さて、デジタルカタログの活用法についてご理解いただいたところで、ここからはより魅力を知っていただくためにメリットをお伝えしていきます。
デジタルカタログには、以下11のメリットがあります。
デジタルカタログのメリット |
・顧客にすぐ届けられる |
・コストを削減できる |
・修正・更新など編集が容易である |
・顧客への認知の機会を増やせる |
・データ分析ができる |
・音声や動画を入れられる |
・いつでもどこでも閲覧できる |
・検索機能で必要な情報をすぐに見つけられる |
・実際の在庫状況とリンクさせられる場合もある |
・閲覧するときのストレスが少ない |
・顧客からの電話対応の削減・効率化ができる |
さっそく一つひとつ見ていきましょう。
より興味のあるメリットがあれば、上記表の項目をクリックして先に確認することもできます。
3-1. 顧客にすぐ届けられる
デジタルカタログの大きなメリットとして、URLさえ伝えてしまえばすぐに手元に届けられることが挙げられます。
Web上のコンテンツなので、顧客からデジタルカタログを見たいと話があれば、メールやチャットなどでURLを送ってすぐに閲覧してもらえます。
また、ホームページの製品案内ページにデジタルカタログを載せておけば、商品の問合せを減らして業務効率化を図ることもできるでしょう。
デジタルカタログなら顧客ファーストで情報を提供でき、企業側も手間の削減をしやすくなります。
3-2. コストを削減できる
PDFもそうですが、デジタルカタログを導入すると、紙カタログでかかってしまうようなコストを削減できます。
デジタルカタログのコスト削減効果 |
・印刷費用:必要な分だけ印刷すれば良い |
紙カタログの場合はどうしても印刷や顧客に届けるときに以下のような費用がかかります。
紙カタログの仕様例 | 印刷費用目安(1,000部の場合) |
A5×8ページ中綴じ | 80,000円前後 |
A4×36ページ中綴じ | 230,000円前後 |
日本郵便による郵送方法 | 郵送料 |
定形外郵便物 | 140~750円 |
レターパック | 430~600円 |
参考:郵便局「手紙・はがき」
保管場所も取りますし、資源ゴミで捨てられない内容であれば、場合によっては廃棄費用も発生します。
コスト面を考えると、デジタルカタログは大きな導入効果があるといえるでしょう。
3-3. 修正・更新など編集が容易である
デジタルカタログは、修正や更新が必要になったときに編集を簡単におこなえます。
商品情報や価格、新たな商品の追加など、カタログを更新したいと感じる機会は多いでしょう。
デジタルカタログなら編集画面から修正し、更新するだけで新たな情報に変えられるので、非常に便利です。
一方紙の場合は訂正シールや訂正表を挟むほか、刷り直しなど、手間やコストがかかりますし、PDFは原本データを修正してアップロードし、さらに顧客がダウンロードし直す手間があります。
デジタルカタログなら、こういった対応は必要なく、スムーズに修正・更新が可能です。
3-4. 顧客への認知の機会を増やせる
デジタルカタログはWeb上のコンテンツなので、顧客への認知向上の機会を増やせます。
なぜなら顧客がインターネットで検索をしているなかで、自社商品にたどり着く可能性があるからです。
たとえば自社がアパレル事業を展開しているとしましょう。
顧客が仕事で使う機器や備品を探しているときに、
「飲食店 厨房機器」
「飲食店 食器」
といったキーワードで検索するなかで、自社商品が表示されるケースがあります。
まったくこれまで自社のことを知らなかった顧客に商品が認知され、気に入ってもらえれば購入に至る可能性が生じるのです。
一方で紙カタログの場合、顧客側では
・一度店頭に出向いて手に取る
・一度問い合わせをして郵送してもらう(あるいは商談の場で渡してもらう)
という一手間が発生します。
デジタルカタログなら、「ちょっとこういう商品が気になる、検討している」という段階でインターネット検索をしているときに見てもらえるので、自社商品の認知に至るための間口が広くなります。
3-5. データ分析ができる
デジタルカタログのなかにはデータ分析ができるツールがあるため、マーケティングに活用できます。
データ分析では、以下のようなことがわかります。
デジタルカタログのデータ分析でわかること |
訪問人数:設定期間にデジタルカタログを訪れた人数 |
これらがわかれば、自社商品の何が注目されているのか、もしくは興味をもたれていないのかといったことがわかり、改善に役立てられます。
紙カタログにもPDFにもデータ解析はできないので、デジタルカタログならではメリットといえます。
3-6. 音声や動画を入れられる
デジタルカタログは音声や動画を入れられるので、顧客が製品について理解度を高めやすくなります。
以下はトヨタ自動車株式会社のデジタルカタログです。
出典:トヨタ WEBカタログ | トヨタ自動車WEBサイト「シエンタ WEBカタログ」
※出典元のクリックでデジタルカタログを開けます。
出典:トヨタ YouTubeショールーム「【SIENTA】商品紹介「デザイン」篇_2405」
デジタルカタログ内には上記のような自動車の紹介動画の数々が埋め込まれているので、テキストだけのカタログよりも、エンジン音や走り方の雰囲気などがわかりやすくなっています。
紙カタログにもPDFにも動画や音声の挿入はできないので、デジタルカタログだけが可能な表現方法です。
3-7. いつでもどこでも閲覧できる
デジタルカタログはいつでもどこでも、パソコンやタブレット・スマートフォンなどさまざまな端末から閲覧できるので、場所を選びません。
またインターネット環境下でないところでも、事前にダウンロードしておけば見られるデジタルカタログも多いです。
いつでもどこでも閲覧できるデジタルカタログは利便性が高い |
・顧客へ営業に行くときはノートパソコンやタブレットで |
紙カタログは持ち運びにかさばりますし、PDFは事前に専用リーダーのダウンロードが必要なため、デジタルカタログの利便性の高さは大きなメリットです。
3-8. 検索機能で必要な情報をすぐに見つけられる
デジタルカタログには検索機能があるため、必要な情報を見つけやすいです。
たとえば、以下は新日本印刷株式会社のWONDERCART(ワンダーカート)の機能一覧です。
見ていただくとおわかりいただけるように、検索機能が充実しているほか、お気に入りやコレクション機能によって、商品をフォルダ分けすることができるのです。
紙カタログの場合は、目次の中から目当ての商品を探し出したり、目印をつけるために付箋を貼ったり、といった一手間が必要になります。
しかしデジタルカタログなら、この一手間がなくなり、顧客がストレスなくスムーズにカタログを閲覧できるのです。
デジタルカタログの検索機能を活用すれば、効率よく情報を探せるので、書類作成や営業時の顧客への提案など、一つひとつの作業にかかる時間を減らせるでしょう。
3-9. 実際の在庫状況とリンクさせられる場合もある
デジタルカタログのなかには実際の在庫状況とリンクさせられるものもあるので、導入すると受発注業務がスムーズになります。
在庫がデジタルカタログ上でわかれば今受注できるのか判断しやすく、納品日も顧客にすぐ伝えられるでしょう。
紙カタログやPDFであれば在庫の有無を確認するにあたって、担当者への電話連絡や在庫管理ツールからの検索などが必要になってしまい、時間や手間が発生します。
在庫確認に時間がかかればそのまま「やっぱり今回はもういいかな」と、受注のチャンスを逃してしまうケースもあるでしょう。
それゆえ、実際の在庫状況とリンクさせられるデジタルカタログを導入できれば、受注効率を大いに上げられます。
3-10. 閲覧するときのストレスが少ない
デジタルカタログは表示までのスピードが速く、紙カタログのように自分のペースで閲覧できるので、見る側のストレスが少ないです。
以下はデジタルカタログ「ebook5」のデジタルカタログと、PDFの表示速度を比較した検証結果です。
出典:ebook5「ebook5の特徴」
※出典元をクリックすると実際の表示スピードの比較動画を見られます
デジタルカタログとPDFでは、約3倍の表示速度の違いがあることをおわかりいただけるでしょう。
どれだけ中身の良いカタログであっても、表示スピードが遅ければ待っている間に離脱されてしまい、閲覧すらしてもらえない可能性も否定できません。
デジタルカタログの表示速度はページ数に左右されないので、顧客側に待つストレスをかけにくいカタログといえるのです。
3-11. 顧客からの電話対応の削減・効率化ができる
デジタルカタログなら、顧客からの電話対応の削減・効率化ができます。
公式サイトに商品のデジタルカタログを掲載してあれば、好きなときに閲覧して自身で疑問点を解決してもらえるからです。
たとえばある商品に興味をもっている顧客がいると仮定し、仕様や価格などを知りたいとしましょう。
このような場合は電話で問い合わせるケースも多いですが、基本的にデジタルカタログには細かい仕様や料金等も記載するため、問い合わせるまでもなくなるはずです。
よくある疑問点なども合わせて掲載しておけば、電話対応の頻度をぐっと減らせるでしょう。
また電話対応をするにしても、顧客側にもデジタルカタログを閲覧してもらいながら話をすれば、よりスムーズに理解してもらえます。
紙カタログやPDFにはこのような業務効率化は難しいため、デジタルカタログならではのメリットといえます。
4. デジタルカタログのデメリット
デジタルカタログには多くのメリットがあることをおわかりいただけたかと思いますが、デメリットについても理解しておきましょう。
ただしデジタルカタログのデメリットは少なく、以下3つです。
・アクセスできる環境にない顧客へのアプローチはできない |
順番に見ていきましょう。
4-1. アクセスできる環境にない顧客へのアプローチはできない
デジタルカタログはインターネットを使用する必要があるため、アクセスできる環境にない顧客へのアプローチはできません。
自宅にインターネットがない顧客に対してはデジタルカタログを提供できないため、紙カタログを使う必要があります。
とはいえ、総務省の調査によると、2022年の日本のインターネット利用率(個人)は84.9%です。
(出典:総務省「第2部 情報通信分野の現状と課題」)
ほとんどの人がインターネットを使用していることから、アプローチできない顧客は少数であることをおわかりいただけるかと思います。
またインターネットを使用しない人といえば、高齢層を思い浮かべる方が多いでしょう。
実は現在では、高齢層のインターネットの使用率も高まっています。
2024年1月のモバイル社会研究所の調査によると、高齢者のスマートフォン所有率は以下の割合となっており、60%を超えています。
60代:91% |
参考:モバイル社会研究所「【シニア】70代のスマホ所有率さらに増加し8割を超える」
そのため、デジタルカタログはインターネットができる環境下にない顧客へのアプローチはできないものの、ごく少数であるといえるでしょう。
4-2. 端末によって見え方が変わる
デジタルカタログのデメリットとして、デバイスによって見え方が変わってしまうことが挙げられます。
イメージとしては以下のような見え方です。
パソコンでは大きく一面で表示できていても、スマートフォンでは一部の画面表示になってしまったり、文字の大きさが小さくなってしまったりしてしまうケースがあります。
そのため、デジタルカタログではレイアウトや文字の大きさに気を配りながら、作成する必要があります。
パソコンやスマートフォン・タブレットなど、各端末でどのような表示になっているのかを細かく確認し、顧客の使いやすさや見やすさへの配慮を欠かさないようにしましょう。
4-3. ページをめくる手触りがなく期待感がうすい
デジタルカタログでは紙カタログならではのページをめくる手触りがなく、次ページへの期待感がうすいというデメリットがあります。
マウスをクリックするだけで、デジタルカタログはサクサク表示が切り替わっていきます。
もちろんそれがデジタルカタログの良さではあるのですが、以下のような紙カタログのもつ手触りや期待感を得ることは難しいでしょう。
紙カタログならではの手触りや期待感 |
・ページを自分の早さでゆっくりとめくり、次のページへの期待を高められる |
紙カタログは商品の再現性を高めるため、試し刷りをしながら色の校正や紙選びなどにこだわって作られています。
そのためどうしてもデジタルカタログでは、ページをめくる期待感が劣ってしまいます。
5. デジタルカタログの費用
ここまででデジタルカタログのメリット・デメリットについてご理解いただけたかと思います。
つづいては導入するにあたって、どのくらいの費用がかかるのかについて解説していきます。
デジタルカタログの費用は、デジタルカタログ作成ツールと作成代行サービスのどちらを利用するのかで相場が異なります。
デジタルカタログの費用相場 | |
デジタルカタログ作成ツール | デジタルカタログ作成代行サービス |
無料もしくは月額10,000円前後~運用できる | 数万円~数十万円以上 |
相場観の違いは自社の手間を減らした分、代わりに作成してもらうことによる代行会社の人件費がどうしてもかかるので、代行サービスのほうが高いと考えてください。
デジタルカタログ作成ツールは無料や月額10,000円~が一般的で、テンプレートを使用しながら自社で作ります。
ただし費用の幅は広く、10万円前後になるツールもあるので一概にはいえません。
またデジタルカタログ作成代行サービスは企業によってまったく費用が異なり、作りたいデジタルカタログの内容によっても変わってきます。
そのため、問い合せをして相談しながら費用を見積もってもらうことになるでしょう。
6. デジタルカタログを導入しない手はない!基本的にはどの企業でも導入すべき
デジタルカタログの費用について、おわかりいただけましたでしょうか。
ここでいえることは、たとえ費用がかかったとしてもデジタルカタログを導入しない手はなく、基本的にはどの企業でも導入すべきということです。
以下のような、デジタルカタログの導入が向かない企業には、ほとんど該当しないでしょう。
デジタルカタログの導入がおすすめできない企業 |
・インターネット環境にない顧客が中心である |
「3. デジタルカタログの11のメリット」でお伝えしたように、デジタルカタログはメリットが非常に多いです。
それゆえ、導入すれば以下のような数々の効果を期待できます。
物価が値上がっている近年、紙カタログの印刷費用や郵送費用に頭を抱えている企業は多いのではないでしょうか?
人件費も増加しているなかで、印刷の発注や発送準備などできる限り人の手がかかる作業を削減し、コストカットや作業効率を上げていきたいと考える企業も多いでしょう。
デジタルカタログはコストや作業の手間の削減に大いに役立ち、あなたが現状抱えている悩みや課題の解決に貢献できるツールです。
そのため、企業の業種や規模を問わず、積極的な導入をおすすめします。
7. デジタルカタログへ一本化はせず紙カタログとの併用がおすすめ
ここまでデジタルカタログの魅力についてお伝えしてきました。
重要なことととして知っておいていただきたいことに、デジタルカタログを導入したからといって紙カタログを廃止すべきではありません。
ぜひ、デジタルカタログと紙カタログは併用してください。
併用をおすすめする大きな理由としては、以下のようにデジタルカタログと紙カタログはメリット・デメリットを補い合えるからです。
デジタルカタログと紙カタログはそれぞれのメリット・デメリットをうまく補える! | ||
| デジタルカタログ | 紙カタログ |
保管や印刷のコストを削減できる | 〇 | × |
更新性が高い | 〇 | × |
商品検索しやすい | 〇 | × |
URLで共有できる | 〇 | × |
さまざまな端末で開け、持ち運びしやすい | 〇 | × |
ネット環境に左右されない | × | 〇 |
年齢を問わず視認性が高い | × | 〇 |
質感でブランドイメージ向上を狙える | × | 〇 |
商品の再現度が高い | × | 〇 |
たとえば、デジタルカタログはどうしても高齢層にとっては視認性が悪く、見づらいデメリットがあります。
このような場合に紙カタログがあれば、対面で広げてマーカーで印をつけながら、わかりやすく商品紹介をできるでしょう。
いくら自社が質感にこだわった商品を作っていても、デジタルカタログでは紙カタログのような再現性は出せません。
だからこそ紙カタログの必要性は高く、決して廃止すべきではないのです。
デジタルカタログを導入しても、一本化はせずに紙カタログと併用しましょう。
8. デジタルカタログの導入手順
最後に、デジタルカタログをどのようにして導入したらいいのか、手順を解説します。
デジタルカタログの導入手順には、以下2通りがあります。
・デジタルカタログ作成ツールを使って自社で作る |
順番に見ていきましょう。
8-1. デジタルカタログ作成ツールを使って自社で作る
デジタルカタログの作成ツールを使って自社で作る場合は、以下の流れでおこないます。
デジタルカタログの作り方5STEP | |
STEP1 | 無料もしくは有料のデジタルカタログ作成ツールから選択する |
STEP2 | デジタルカタログにする商品画像や商品説明などの原本データを用意する |
STEP3 | 原本データを用意できたら、デジタルカタログにするためにPDF化する |
STEP4 | インストールした作成ソフトやクラウド上の作成画面へアップロードする |
STEP5 | 商品の仕様や価格、画像などに変更が生じたら変更・加筆する |
デジタルカタログを自社で作るには、無料もしくは有料の作成ツールを利用します。
まず試しに作ってみたいのなら無料で十分ですし、デザイナーのように自社に精通している人がいるなら有料の充実しているツールを使用するといいでしょう。
次にデジタルカタログのもととなる商品情報や、価格情報などの原本データを用意します。
紙カタログの作成実績があればデジタルカタログ作成に利用でき、なければ制作会社に依頼したり、Adobe社のInDesignや、Illustratorといったソフトで作成しましょう。
あとは原本データをPDFとして変換し、デジタルカタログ作成ツールにアップロードするだけです。
デジタルカタログに掲載している内容が変われば都度更新するだけなので、修正の手間はほとんどありません。
デジタルカタログをツールを使って自社で作成する場合の作り方は、以下の記事にて一つひとつの工程を詳しくお伝えしています。
ぜひご覧ください。
デジタルカタログの作り方5STEP|誰でもできる作り方を徹底解説
8-2. デジタルカタログ代行サービスに依頼する
デジタルカタログを自社で作るのが難しい場合は、デジタルカタログ代行サービスに依頼する方法があります。
一般的にデジタルカタログ代行サービスには、以下の流れで依頼します。
デジタルカタログの作り方3STEP | |
STEP1 | 3~4社ほどデジタルカタログ代行サービスをピックアップして、見積もりを取る。 |
STEP2 | デジタルカタログにする商品画像や商品説明などの原本データを用意する。 |
STEP3 | デジタルカタログ代行サービスと打ち合わせをする。 |
まずはどのデジタルカタログ代行サービスにするかを決めなければならないので、数社ピックアップして見積もりを依頼します。
「デジタルカタログ 代行」「デジタルカタログ 代行サービス」といったキーワードで検索するとデジタルカタログ代行サービスが複数検索できます。
サービスの範囲や費用、サポートなどがデジタルカタログ代行サービスによって異なるので、比較検討しながら決めましょう。
デジタルカタログ作成代行サービスの比較ポイント |
・ツールはわかりやすく操作性がよいか |
つづいてデジタルカタログにしたい商品情報や、価格情報などの原本データを用意します。
紙カタログの作成実績があればデジタルカタログ作成に利用できますし、Adobe社のInDesignや、Illustratorといったソフトで作成することもできます。
とにかく手間を省きたいなら、代行会社に有料で依頼するといいでしょう。
あとは打ち合わせをしながら、デジタルカタログを作成してもらうだけです。
どのような目的でデジタルカタログを作りたいのかをはっきりさせておくと、より効果的に運用できるデジタルカタログに仕上げてもらいやすいでしょう。
忙しい場合やインターネットが得意ではない場合はもちろん、
「もっとアクセス数をUPさせるにはどうしたらいい?」
「できるだけ顧客が見やすいレイアウトにしたいな」
このようなデジタルカタログに対する要望があるなら、デジタルカタログ代行サービスに委託すれば、専門的なプロの力で理想のデジタルカタログを作成してもらえます。
デジタルカタログ代行サービスに依頼するならWONDERCART(ワンダーカート) |
デジタルカタログ代行サービスに依頼をお考えなら、新日本印刷株式会社のWONDERCART(ワンダーカート)がおすすめです。 WONDERCART(ワンダーカート)はデジタルカタログとしての機能ももちながら、見積書・提案書作成機能も兼ね備えている点が大きな特徴です。 紙カタログの製作時のデータを使うことで、以下のようなさまざまな書類に写真付きでダウンロードできます。 ダウンロードは数秒かつ、書類作成では商品のサイズや重量の表示も「あり・なし」を選ぶだけなので作業がサクサク進み、業務効率化を図れます。 見積書や提案書に商品の写真が入るので、顧客が一目で何を発注したのかがわかり、受発注ミスの削減にもつながります。 デジタルカタログ代行サービスをお探しなら、新日本印刷株式会社へご相談ください。
|
9. まとめ
デジタルカタログについてどのようなものなのか、ご理解いただけましたでしょうか。
最後に本記事の要点をまとめていきます。
◎デジタルカタログとはWeb上で見られるカタログのことです。
◎デジタルカタログには、以下11のメリットがあります。
デジタルカタログのメリット |
・顧客にすぐ届けられる |
・コストを削減できる |
・修正・更新など編集が容易である |
・顧客への認知の機会を増やせる |
・データ分析ができる |
・音声や動画を入れられる |
・いつでもどこでも閲覧できる |
・検索機能で必要な情報をすぐに見つけられる |
・実際の在庫状況とリンクさせられる場合もある |
・閲覧するときのストレスが少ない |
・顧客からの電話対応の削減・効率化ができる |
◎デジタルカタログのデメリットは少なく、以下3つです。
・アクセスできる環境にない顧客へのアプローチはできない |
◎デジタルカタログの費用は、デジタルカタログ作成ツールと作成代行サービスのどちらを利用するのかで相場が異なります。
デジタルカタログの費用相場 | |
デジタルカタログ作成ツール | デジタルカタログ作成代行サービス |
無料もしくは月額10,000円前後~運用できる | 数万円~数十万円以上 |
◎デジタルカタログを導入しない手はなく、基本的にはどの企業でも導入すべきです。
◎デジタルカタログの導入手順には、以下2通りがあります。
・デジタルカタログ作成ツールを使って自社で作る |
ぜひ本記事を参考に、デジタルカタログについて理解を深めていただけたら幸いです。
#デジタルカタログ
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