「受発注業務とは、そもそも何をやればいい?」
「受発注業務の流れをあらためて理解して、効率化に役立てたい」
このような疑問を調べているところかもしれません。
企業間取引が複雑化するなか、スムーズな受発注業務は、ビジネスの成功に直結します。
受発注トラブルによる機会損失や信用低下を避けるためにも、受発注業務の基本を理解し、業務改善・効率化に取り組むことが大切です。
この記事では、受発注業務の流れを解説したうえで、起こりやすい問題点や注意点などを説明します。
最後までお読みいただくと、受発注業務の全体像が把握でき、業務の質を高めるための実践的なノウハウが身につきます。
受発注の基礎知識から効率化のコツまで、受発注業務の改善にお役立てください。
1. 受発注業務とは?基本の知識
受発注業務は、ビジネス取引の根幹をなす重要な業務です。
まずは、受発注業務の基本的な意味を理解するところから始めましょう。以下のポイントを解説します。
- 受発注業務の意味
- 受注業務とは?
- 発注業務とは?
- 受発注業務はビジネスの生命線
1-1. 受発注業務の意味
受発注業務とは、企業が事業活動を行ううえで必要となる原材料や製品などを調達したり、顧客からの注文に応じて製品を販売したりする、一連の業務プロセスを指します。
これらの受発注業務の目的を一言でいうなら、「需要と供給を効率的に結び付ける」ことです。
受注業務では、顧客の要求に応じた製品・サービスを期日までに提供し、発注業務では、適切なサプライヤーから必要な資材・製品を調達します。
1-2. 受注業務とは?
続いて、もう少し掘り下げて、受注業務と発注業務を分けて見てみましょう。企業によって詳細は異なるものの、一般的な業務内容を解説します。
まず「受注業務」とは、顧客からの注文に関連して行う業務を指します。
具体的には、顧客からの問い合わせに対応したり、見積書を作成して提案したりする営業活動から始まります。その後、注文内容を確認し、社内の関連部署と連携して、確実に納品できる体制を整える一連のプロセスが含まれます。
【受注業務の例】
・問い合わせ対応:顧客からの問い合わせに対して、商品の詳細な情報を提供します。商品の特徴や利点、価格、納期などを説明し、顧客の疑問や不安を解消します。
・見積書作成:顧客のニーズに合わせて見積書を作成し、提案します。顧客の予算や要望を踏まえ、最適な商品選定や価格設定を行います。
・在庫確認と発注:注文を受けた商品について、社内在庫を確認し、必要に応じて仕入れ先に発注します。在庫管理を通じて適正な在庫量を維持することが効率的な受注業務につながります。
・納期管理:顧客に約束した納期を確実に守るため、生産スケジュールや物流の手配など、納期管理を徹底します。納期遅延のリスクを早期に察知し、対策を講じることが重要です。
・顧客対応:注文内容の確認や、納期のアナウンスなど、受注後も顧客とのコミュニケーションを密に取ります。顧客の要望や問い合わせに丁寧に対応し、信頼関係を構築することが、リピート注文や追加注文につながります。
このように、受注業務は、顧客満足度を高め、リピート注文や追加注文につなげるための重要な役割を担っています。
1-3. 発注業務とは?
一方、「発注業務」とは、必要な製品やサービスを外部に注文することを指します。
具体的には、自社の事業に必要な原材料や設備、サービスなどについて、仕入先を選定し、見積もりを取得したうえで、発注書を送付し、納品物を受け取るまでの一連のプロセスが含まれます。
【発注業務の例】
・仕入先選定:複数の仕入先から見積書を取り寄せ、価格や品質、納期などを比較検討します。自社の要求条件に最も合致する仕入先を選定することが重要です。
・発注量の算出:需要予測に基づき、適正な発注量を算出します。過剰在庫や欠品を防ぐため、販売動向や生産計画を考慮しながら、最適な発注量を決定します。
・発注書の作成:社内の承認フローに従って、発注書を作成して承認を受け、発注先へ送付します。発注内容や納期、支払条件などを明確に記載し、トラブルを防止することが大切です。
・納品・検収:納品された商品が注文通りかどうかを確認し、品質や数量に問題がないかをチェックします。不良品や不足分があれば、速やかに発注先に連絡します。
的確な発注業務は、高品質な商品やサービスを、適正価格で、必要なタイミングで調達することにつながります。
1-4. 受発注業務はビジネスの生命線
以上が受発注業務の概要です。
受発注業務は、販売と調達の両面から企業活動を支える重要な役割を果たしています。
受注業務は売上アップに直結し、発注業務はコスト管理に貢献します。取引先との信頼関係の構築や、ブランドイメージの向上にもつながるため、受発注業務の質は、会社の将来を決めるといっても過言ではありません。
だからこそ、スピーディかつ正確で、無駄のない受発注業務の実現は、あらゆる企業が目指すべき経営課題だといえるのです。
2. 受発注業務の流れ
受発注業務は、一般的に、見積もりから始まり、発注、在庫確認、納品、請求書発行までのプロセスで進められます。
ここでは、典型的なBtoBの受発注業務の流れを、以下で追ってみましょう。
- 見積もり
- 発注書(注文書)
- 在庫確認
- 出荷・納品
- 請求書
2-1. 見積もり
受発注業務の第一歩は、通常、見積もりから始まります。
・発注側企業:発注側企業が仕様書を作成し、受注側企業に見積書の提出を依頼します。口頭のみで簡易的に行われることも多くあります。
・受注側企業:受注側企業は、発注側の要求事項を確認し、価格や納期などの条件を検討したうえで、見積書を発注側に送付します。
ここでのポイントは、発注側企業は要求事項を明確に伝えること、受注側企業は相手方の要望に添って、できるだけ詳細で具体的な見積書を作成することです。
なお、同条件でのリピート注文の場合は、この見積もりのプロセスは省略され、次の発注のフェーズから流れが始まります。
2-2. 発注書(注文書)
見積書の内容を双方で確認し、合意に至れば発注となります。
・発注側企業:正式な発注書(注文書)を作成し、受注側企業に送付します。発注書には、注文内容(商品名・型番・数量など)、納期、支払条件などを明記します。
・受注側企業:発注書を受け取ったら、速やかに注文請けの確認をします。発注内容に不明点があれば、この段階で発注側に問い合わせをして、解決しておきましょう。
発注書は、法的効力を持つ重要な書類です。記載内容に間違いがないか、双方が念入りに確認する必要があります。
2-3. 在庫確認
受注が確定したら、受注側企業は商品の在庫状況を確認します。現在庫で対応できる場合は、次の出荷準備のフェーズに進みます。
一方、在庫切れの場合は、仕入先への発注が必要です。在庫管理を徹底し、品切れ・欠品による納期遅延を防ぐことが、円滑な受発注業務の鍵となります。
2-4. 出荷・納品
商品の準備が整ったら、受注側企業は商品を出荷します。
・受注側企業:発注側企業の指定する納品先へ商品を出荷します。その際、納品書を同梱し、どのような商品が納品されたのかを明確にします。必要に応じて受領印の押印を発注側へ依頼することもあります。
・発注側企業:出荷された注文品を荷受けしたら、検品・検収をします。商品の数量や品質に問題がないかチェックし、不備があれば速やかに受注側企業に連絡します。
受注側企業は、納期を厳守し適切な梱包で配送すること、発注側企業は納品されたら放置せず、かならず検品することが大切です。
2-5. 請求書
商品の納品が完了したら、受注側企業は発注側企業に請求書を発行します。
・受注側企業:発行する請求書には、納品した商品の詳細と、合計金額、支払い条件などを記載します。
・発注側企業:請求書に記載された支払い条件に従って、代金を受注側企業に支払います。
ここで重要なのが、請求書の正確性です。請求書の金額や品目に間違いがあると、支払いが遅れる原因になります。受注側企業は、請求書発行前に、社内でしっかりとチェックする体制を整えましょう。
また、発注側企業も、請求書の内容を発注書や納品書と突き合わせて、間違いがないか確認することが大切です。
以上が、一般的な受発注業務の基本的な流れです。
個別の企業や業界特性によって、プロセスに違いはあるものの、基本的な考え方は共通しているといえるでしょう。
3. 受発注業務で起きやすい4つの問題
日常業務として行われている受発注業務ですが、実際の現場では、さまざまな問題が起きています。
受発注業務の改善を考える際は、どのような問題が潜んでいるのかを知ることが不可欠です。
ここでは、多くの企業が悩まされる4つの問題を取り上げます。
- 電話・FAX・メールなど対応が煩雑になっている
- 膨大な商品数による負荷が大きい
- 自作Excelなどで業務が属人化している
- 人為的ミスが生じている
3-1. 電話・FAX・メールなど対応が煩雑になっている
1つめの問題は「電話・FAX・メールなど対応が煩雑になっている」です。
業界や取引先によって、受発注業務のデジタル化の進み具合はさまざまです。
電話・FAX・メールなど、さまざまなチャネル(経路)での問い合わせ対応を受けざるを得ない企業も、まだまだ多いでしょう。
取引先からの電話に応対したかと思えば、FAXで注文書が届いたり、メールでの細かいやり取りもあれば、顧客が急に来訪して商談が行われることもあります。
このような状況下では、人手を介した非定型な業務プロセスが多岐にわたるため、現場は疲弊してしまいます。
業界の商慣習や取引先のITリテラシーを踏まえつつも、どうデジタル化していくか?が重要な課題といえます。
3-2. 膨大な商品数による負荷が大きい
2つめの問題は「膨大な商品数による負荷が大きい」です。
メーカーや商社など、多数の商品を取り扱う企業では、受発注業務がより複雑になる傾向があります。
大量の商品情報を管理し、注文ごとに細かい商品手配を行う必要があります。仕入先も多岐にわたるため、発注業務も煩雑です。
品目が多い分、受発注のミスも起きやすく、トラブル発生のリスクは高くなります。
こうした課題への対応としては、効率性の高い受発注管理システムの構築が鍵を握ります(後ほど詳しく解説します)。
3-3. 自作Excelなどで業務が属人化している
3つめの問題は「自作Excelなどで業務が属人化している」です。
受発注管理の仕組みが確立されていない企業では、担当者が独自のExcelファイルなどを使って、受発注業務を行っているケースがよく見られます。
個人の裁量に基づく属人的な業務運用は、ミスを誘発するだけでなく、ノウハウの蓄積や引き継ぎも難しくなります。担当者の異動や退職の際には、業務の停滞を招く恐れもあります。
属人化を避け、組織的な受発注オペレーションを実現するには、標準化された業務フローと、それをサポートするシステム環境の整備が不可欠です。
3-4. 人為的ミスが生じている
4つめの問題は「人為的ミスが生じている」です。
受発注業務は、人的要因によるエラーが起きやすい領域です。
【ミスの例】
・注文内容の聞き間違い:電話での注文受付の際、聞き手が注文内容を正しく理解できずに、誤った情報を記録してしまう。
・発注書への入力ミス:FAXなどの注文書をシステムに手入力する際に、商品コードや数量、納期などを誤って入力してしまう。
・在庫確認ミス:在庫がないにもかかわらず「在庫あり」と誤認して受注したり、逆に在庫があるのに受注キャンセルしたりしてしまう。
・請求書の発行漏れ:納品は完了したが、請求書の発行を失念し、代金回収が滞ってしまう。
受発注に関連するミスは、直接的な損失につながるだけでなく、信用の失墜をもたらし、取引関係の悪化を招く可能性があります。
4. 受発注業務を改善する3つの方法
それでは、受発注業務の改善に向けて、どのような取り組みが考えられるでしょうか。
ここでは、改善の3つの方向性を解説します。
- 受発注システムを導入する
- ダブルチェック体制を作る
- 既存の商品データの利活用で全体最適を図る
4-1. 受発注システムを導入する
1つめの方法は「受発注システムを導入する」です。
何よりもまず、受発注業務の専用システムの導入が強く推奨されます。
受発注システムとは、受発注業務をデジタル化し、自動化するためのソフトウェアやアプリケーションのことです。
見積書や発注書のやり取り、在庫管理、納品や請求までの一連の業務プロセスをシステム化すれば、業務の標準化と効率化を大きく前進できます。
自社の実態に即した最適なシステム選びが重要となりますが、受発注システムには、大きく3つの種類があります。
・EDIシステム(推奨例:大企業との取引)
・BtoB受発注システム(推奨例:商社・メーカー)
・ECサイト(推奨例:BtoC・DtoC)
詳しくは以下の記事にて解説していますので、あわせてご確認ください。
4-2. ダブルチェック体制を作る
2つめの方法は「ダブルチェック体制を作る」です。
受発注業務のミス防止には、ダブルチェック体制の構築も欠かせません。
発注書の作成や、納品の確認など、重要な業務プロセスには、常に別の担当者がチェックに入る仕組みを整えましょう。
【ダブルチェック体制の構築ステップ】
・重要業務の特定:受発注業務の中でも、とくにミスが起きやすく、影響が大きい業務プロセスを洗い出します。たとえば、発注書の作成、納品の検収、請求書の発行など、金銭や取引に直結する業務が該当します。
・チェック項目の標準化:特定した重要業務について、確認すべき項目を網羅したチェックリストを作成します。漏れや抜けがないよう、業務フローに沿って、詳細な着眼点を洗い出しましょう。
・担当者の設定:各プロセスに、チェック担当者を割り当てます。役割と責任を明確にし、確実なダブルチェックを実現します。
・徹底と改善:担当者は、確認作業を適切に遂行できるようトレーニングします。全体の運用状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて体制や手順を見直して、継続的な改善を図ります。
・効果の評価:ダブルチェック体制の導入効果を定量的に評価します。ミスの発生件数や業務効率の改善度合いなどの指標を設定し、定期的に測定・分析して、取り組みの成果を可視化します。
受発注業務は、取引先との重要なインターフェースであり、ミスは企業の信用を大きく損ねかねません。複数の目による確認作業が、トラブルの芽を早期に摘むことにつながります。
4-3. 既存の商品データの利活用で全体最適を図る
3つめの方法は「既存の商品データの利活用で全体最適を図る」です。
受発注業務の合理化を考えるうえでは、自社が保有する商品データの有効活用も見逃せません。
【商品データ活用のポイント】
・商品マスターの整備:商品マスター(商品に関する基本情報を集約したデータベース)に、必要なデータが漏れなく登録されている状態を常に維持します。
・正確な商品情報の提供:顧客に対して、最新の正確な商品情報を常に提供できるよう、商品情報をリアルタイムに一元管理します。
・需給バランスの可視化:販売データと在庫データを連携させ、需要と供給のバランスを可視化します。
・多角的な需要予測の実施:トレンド分析や季節要因など、さまざまな角度からデータを分析し、商品ごとの需要予測の精度を高めます。
とくに、メーカーや商社など、商品数が膨大な企業においては、カタログ制作データの有効活用をご検討ください。
カタログ制作データを二次活用し、商品情報の管理から提案書や見積書の作成まで一貫してサポートする、先進的なクラウドサービスとして「WONDERCART」があります。
「WONDERCART」の活用により、商品情報の管理と受発注業務の効率化を同時に推進できます。
5. 受発注業務の改善に取り組むうえでの注意点
最後に、受発注業務の改善の取り組みを着実に進めていくための注意点を押さえておきましょう。
- 業界の商慣習に配慮する
- 現場の負荷が軽くなることを優先する
- できる範囲から少しずつでもDXを進める
5-1. 業界の商慣習に配慮する
1つめの注意点は「業界の商慣習に配慮する」です。
受発注業務のやり方は、業界によって大きく異なるため、改善策を検討する際には、業界特性を十分に考慮することが重要です。
たとえば、製造業では部品表(BOM)に基づく発注が主流ですが、アパレル業界ではシーズン単位の予約発注が一般的です。また、建設業界のように、多数の下請け業者を取りまとめる必要がある業界もあります。
【業界特性を踏まえた改善策の検討ステップ】
・業界標準の確認:自社が属する業界において、一般的な受発注業務のやり方や商慣習をあらためて調べます。業界団体や同業他社の事例などを参考に、標準的なプロセスを理解しましょう。
・自社の立ち位置の明確化:業界内での自社の役割や強み、特殊性を再確認します。自社の業態やビジネスモデルに応じた、最適な受発注業務のあり方を見定めることが重要です。
・改善策の適合性検証:業界特性や自社の立ち位置を踏まえ、現実的で実現可能性の高い改善策を検討します。業界標準との整合性や、取引先の理解を得られるかどうかを慎重に吟味しましょう。
・取引先との調整:改善策の実施にあたって、取引先の理解と協力が必要なケースがあります。変更点やメリットを丁寧に説明し、円滑な移行に向けた調整を図ります。
業界特有の商慣習を十分に考慮しつつ、自社に最適な改善策を見出すことが、受発注業務の効率化と高度化につながるでしょう。画一的な方法論にとらわれることなく、自社の実情に即した柔軟な発想が必要です。
5-2. 現場の負荷が軽くなることを優先する
2つめの注意点は「現場の負荷が軽くなることを優先する」です。
受発注業務の改善においては、経営陣などの希望よりも、“実務を担う現場の声” に耳を傾けることが非常に重要です。
新しいシステムの導入が、かえって現場の作業負荷を増大させてしまっては本末転倒です。
【現場の負荷軽減を優先するためのポイント】
・現場の声に耳を傾ける:受発注業務の改善にあたっては、現場の担当者の意見や要望を丁寧にヒアリングします。彼ら彼女らが日々の業務で感じている課題や、本当に必要としている支援を的確に把握しましょう。
・業務知見の活用:現場の担当者は、受発注業務に関する豊富な知見を有しています。その知見を最大限に活用し、実践的な改善策を検討します。机上の空論ではなく、現場の実情に即した施策を目指しましょう。
・使いやすさの追求:新たなシステムやツールの導入にあたっては、現場の担当者にとっての使いやすさを重視します。直感的な操作性や、業務フローに沿った機能設計など、ユーザー目線でのインターフェース設計が鍵を握ります。
現場の担当者が、真に業務の効率化や負荷軽減を実感できることを最優先に取り組むと、受発注業務の改善は成功しやすくなります。
5-3. できる範囲から少しずつでもDXを進める
3つめの注意点は「できる範囲から少しずつでもDXを進める」です。
受発注業務の改善は、一気にデジタル化を進めるのではなく、できる範囲から少しずつしていくのが得策です。
全社的な業務改革には膨大な労力が必要となるため、一気に推し進めれば、現場の混乱や抵抗を招きかねません。
【段階的なDX推進のポイント】
・部分的な導入:まずは、受発注業務の一部をデジタル化することから始めます。たとえば、見積書や発注書の電子化、在庫管理のシステム化など、現場の負荷が少なく、効果が見込める領域から着手します。
・小さな成功体験の積み重ね:部分的な導入で得られた成果を、社内で共有し、デジタル化のメリットを実感してもらうことが重要です。小さな成功体験を積み重ねるにつれ、DXへの理解と賛同が社内に浸透します。
・段階的な拡大:初期の取り組みで得られた知見をもとに、徐々にデジタル化の対象を拡大していきます。業務フロー全体を見渡し、優先順位をつけながら、着実に改善の裾野を広げていきましょう。
デジタル化は目的ではなく、業務改善のための手段であることを念頭に、段階的な取り組みを進めていきましょう。
以上、受発注業務の改善を進めるうえでの3つの注意点をお伝えしました。
業界特性を踏まえつつ、現場の負荷軽減を最優先し、できることから一歩ずつ進めていきましょう。そうした着実な取り組みが、受発注業務の真の効率化とデジタル化につながります。
6. まとめ
本記事では「受発注業務」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
まず基礎知識として以下を解説しました。
・受発注業務は、企業の業績を左右する重要な役割を果たす
受発注業務のフローを以下の流れで解説しました。
- 見積もり
- 発注書(注文書)
- 在庫確認
- 出荷・納品
- 請求書
受発注業務で起きやすい問題として、以下が挙げられます。
- 電話・FAX・メールなど対応が煩雑になっている
- 膨大な商品数による負荷が大きい
- 自作Excelなどで業務が属人化している
- 人為的ミスが生じている
受発注業務を改善する方法を3つ、ご紹介しました。
- 受発注システムを導入する
- ダブルチェック体制を作る
- 既存の商品データの利活用で全体最適を図る
受発注業務の改善に取り組むうえでの注意点は以下のとおりです。
- 業界の商慣習に配慮する
- 現場の負荷が軽くなることを優先する
- できる範囲から少しずつでもDXを進める
受発注業務の改善は、企業の競争力強化につながる重要な取り組みです。本記事の内容を参考に、自社の実情に合わせた改善策を検討し、実行に移していただければ幸いです。
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