クリック1つで家具が消える!Matterportの家具除去機能とは?

Matterportは、2024年に「AIの三つの柱」として、デジタルツインへの生成AIの導入をリリースしました。 
物件を紹介するテキストの自動生成など、ベータ版として既に試せる機能も増えています。 

この記事では、デジタルツイン内の家具を自動で除去できる、家具除去機能(ベータ版)を紹介します。 
実際にスキャンしたデジタルツインの家具を除去してみたので、ビフォーアフターを比較してみてください3章で紹介しています) 
※家具除去機能はベータ版機能のため、変更される可能性があります。 

1.Matterportの家具除去機能とは

Matterportの家具除去機能(Defurnish)は、2024年にリリースされたベータ版の機能のひとつです。 
機能やしくみ、どういったものが除去されるのか紹介します。 

1-1. 家具除去機能の概要 

Matterportの家具除去機能は、その名の通りデジタルツインの空間から家具を取り除く機能です。 
バーチャルツアーのウォークスルー、ドールハウス、平面図、すべてのビューで自動的に家具が削除されます。 

家具除去機能を使っても、元のモデルはちゃんと残るのでご安心ください。 
また、家具を除去したモデルは、アクティブスペース内の別のビュー扱いになるため、新しいスペースとしてとしてカウントされません。 

ただし、家具除去したビューを作成後に削除することはできません。 
思い通りに家具除去ができなかった場合は、家具除去機能をオフにした状態でスキャンデータを再アップロードして、デジタルツインの処理からやり直す方法か、スペースへの訪問者に対して家具除去のビューを非表示にする方法があります。 
※再アップロードすると、元のスペースの編集内容は移行されないので、ご注意ください。 

1-2. 家具除去機能のしくみ 

そもそもMatterportは、AIによって自動でデジタルツインを作成しています。 
家具除去ツールにもAIが搭載されていて、 

「高度な画像認識技術を使用して、スキャンした家具を識別してマスキング」し、 
「家具が置かれていた空きスペースをインテリジェントに埋め 
背景の壁や床を復元」しているのだとか。 
(Matterport:スペース内の家具を撤去より引用) 

つまり、AIが識別・処理を自動で行っているわけです 
あらゆるタイプのデジタルツインを作成してきたMatterportならではの、膨大なデータを活かした機能といえるのではないでしょうか。 

1-3. 除去される家具について 

Matterportによると「家具除去機能は、住宅、アパート、ホテルの部屋などの生活空間で機能するように設計されています」とのこと。(2025年1月21日更新情報 (Matterport:スペース内の家具を撤去より引用) 

それ以外の空間や屋外では、うまく家具を除去できなかったり、消したくない部分が消えてしまう場合があります。 
本来、壁やカーペットなどは除去されないはずが、試したスペースの中には、壁が削除されてしまったものや、壁面の絵柄や文字が消えてしまったものもありました。3-2.で紹介しています) 

家具除去機能は、AIが自動で識別したスペース内の固定されていない家具すべてを削除するので、特定の家具を選んで消すことはできません。 
鏡などへのカメラの映り込みを消してくれることもありますが、こちらも消したいものを選んで消すことはできません。 

家具を除去した空間に別の家具を追加したり、壁の色を変えるなどのバーチャルステージングも、家具除去機能には搭載されていません。 

家具除去機能はベータ版の機能ということで、まだ完全ではありませんが、住宅などの最適化された屋内空間では、かなり精度の高い家具のないビューを作成できます。 
重い家具を移動させる労力なく、クリックするだけで家具のない空間を作成できるので、今後、この機能が本リリースされた際には、様々なビジネス利用や、業務効率化に活用できるのではないでしょうか。  

2.家具除去機能の使い方

家具除去機能はベータ版の機能なので、利用するには現在のMatterportのプランのいずれかが必要です。 
また、アーカイブされたスペースは家具除去機能を利用できませんので、家具除去機能を利用するには、スペースを再アクティブ化する必要があります。 

ここでは、家具除去機能を利用する2つの方法を紹介します。 

2-1. アップロード時に除去する方法 

スキャンデータをアップロードする時に家具を除去する方法では、デジタルツイン化の処理と同時に家具除去の処理が行われます。 
そのため、データをアップロードする前に、設定から「アップロード時にユーザーが家具を除去できるようにする」を選択しておきます。 

Matterportにログインしたら、「設定」(①)→「機能」(②)→「家具を撤去」をオン(③)にします。 
すると、アップロード時にユーザーが家具を除去できるようにする」にチェックが入ります。 

これでスキャンデータをアップロードした時に、家具除去の処理が行われるようになります。 

2-2. アップロード後に除去する方法 

すでにデジタルツイン化されたスペースでも、家具除去機能は利用できます。 

家具除去したいスペースの縦に3つの点が並んだメニューボタン(①)から、「スペースの家具を撤去」(②)をクリックします。 

すると、「このスペースの家具を撤去しますか?」(③)という確認画面が表示されるので、「家具を撤去」(④)をクリックします。 
※この処理は完了までに数時間かかる場合があります。 

3.家具除去機能を試してみました!

さて、ここまで機能や使い方を紹介してきましたが、実際にどのように家具除去されるのか気になりますよね。 
そこでMatterportが推奨する一般的な室内と、屋内ではあるものの、天井が高く壁面の少ない展示会のブースで、家具除去機能を比較してみました。 

3-1. 一般的な室内の例 

※上の画像をクリックすると360°バーチャルツアーをご覧いただけます。

一般的な室内の例は、こちらの応接室を撮影しました。 
固定していない家具としては、ソファやローテーブルなどが置かれています。 
2-1.で紹介したように、アップロード時に家具を除去する設定をしてから、室内をスキャンしたデータをアップロードしました。 

完成したスペースには、家具を非表示にするアイコンが表示されています。(上の画像の赤枠部分) 
このアイコンをクリックすると… 

家具が消えました! 
ソファやローテーブルがなくなった部分は、画像が合成されていて、合成された部分は、若干ぼかしをかけたような見え方になっています。 

「固定されていない家具」と認識されたのか、壁面の絵も消えていました。 
天井の照明やエアコン、窓のブラインドやコンセントは残っているので、AIが固定された設備をきちんと識別しているようです。 

3-2. 展示ブースの例 

展示ブースの例は、スキャンデータのアップロード後に家具除去のビューを作成しました。 
元の展示ブースはこちら。※Japan IT Week 関西に出展した時のブースです。詳しくは「展示会出展ノウハウ満載!「Japan IT Week 関西」出展レポート」をお読みください。 

※上の画像をクリックすると360°バーチャルツアーをご覧いただけます。(家具除去したビューは非表示)

以下が家具除去したものです。 

固定していない家具であるタッチパネルディスプレイや演台が消えたのは想定通りでしたが、イエローの壁面が一部なくなってしまいました。 
さらに、イエローの壁面に描かれていたイメージキャラクターのWONDERGIRLさん、キャッチコピー、サービス説明のイラストまで消えてしまいました。 

タッチパネルディスプレイを載せていた台の収納スペースも跡形もなくなっています。 
よく見ると、ブルーの壁面に残ったコピーや図は、不自然に合成されたように変わってしまっていました。 

別のビューポイントから見ると、イエローの壁面のキャッチコピーやサービス説明はある程度見えるようになりましたが、手前の白い台が消えています。 
やっぱり文字は不自然に歪んでしまい、読めません。 

あらゆるビューポイントから見てみましたが、WONDERGIRLさんのイラストはどこにも残っていませんでした…。 
展示ブースは、会場の天井高が高かったり、ブース自体も天井や壁で囲われていないので、MatterportのAIには屋外として認識されてしまったのかもしれません。 

家具除去機能を試してみた結果、一般的な室内空間では固定していない家具をきちんと認識して除去できましたが、一般的な室内とは異なる展示ブースではビューポイントごとに見え方が違うという結果になりました。 
まだベータ版なので、今後の本リリースに期待したいです。

4.家具除去機能の注意点

Matterportの家具除去機能はベータ版なので、予告なく変更される可能性があります。 
利用する際は、以下の注意点を踏まえておきましょう。 

4-1. 一般的な室内以外は未対応 

家具除去機能は、「屋内の画像に基づいてトレーニングされている」ので、屋外のスペースでは「期待どおりに機能しない場合があります」とのこと(「よくある質問」より)。 
3章で実際に家具除去機能を試したビューを紹介しましたが、屋内でも一般的な室内とは異なる空間だと、壁や文字まで消えてしまうこともあります。 

4-2. 除去したい家具は選べない 

除去する家具はAIが識別するので、消したいものを選んだり、修正することはできません。 
AIが「固定されていない家具」と認識した空間内のすべての家具が除去されます。 

家具除去をやり直すには、再アップロードで家具除去の処理をやり直せますが、その場合は新しいモデルになってしまうので、元のスペースですでに編集した内容は反映されません。 

4-3. 家具を除去したビューは削除できない 

家具除去したビューを作成した後で、スペースから削除することはできません。 
非表示にすることはできるので、そのスペースの編集画面から「設定」→「詳細」→「家具を撤去したバージョン」をオフにすれば、訪問者に対して非表示にできます。
3-2.で紹介しているモデルは、家具除去したビューを非表示にしています。 

5.まとめ

この記事では、Matterportの家具除去機能(ベータ版)を紹介しました。 
家具除去機能は、AIが空間内の固定されていない家具を識別して除去し、家具がなくなった空間を自動で合成する機能です。 

実際に試してみたところ、一般的な室内では固定されていない家具をきちんと識別して削除できましたが、四方の壁面が囲まれていない展示ブースでは、ビューポイントごとに見え方が違うという結果になりました。 

クリック1つで家具のあり・なしが比較できる家具除去機能は、重い家具を運び出す手間や労力をかけずに済むので、本リリースされたら業務効率改善に様々な活用ができるのではないでしょうか。 

Matterportに興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください 

#matterport #家具除去

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