「棚卸しのやり方を知りたい」
「棚卸しの正しいやり方はどうすればいいのだろうか」
棚卸しは、正しいやり方に沿って行えば、効率よく正確に実施することができます。
【棚卸しのやり方】
やみくもに在庫をカウントするやり方では、カウントミスが多くなり、二重計上や数え直しなどが起こりやすくなります。
小さなミスの訂正でも、余計な手間も時間もかかるので、できるだけ効率よく、ミス無く棚卸しを行いたいものですね。
そのためには、棚卸しの「事前準備」をいかにしっかりと行うかが重要です。事前準備を行うことで、当日のカウントがスムーズになり、棚卸しがスピードアップするでしょう。
そこで、この記事では、正しい棚卸しのやり方について、事前準備からしっかりと解説していきます。
この記事で分かること |
・棚卸しの正しいやり方をSTEPに沿って徹底解説 |
正しいやり方はもちろん、ミスを最小限に抑える方法もご紹介しています。
この通りに実施することで、もれなく、ダブりなく、正確に、ノーミスで棚卸しができるようになります。
ぜひ、あなたの会社の棚卸しに、この記事を活用してください。
目次
1. STEP1|棚卸しの前に事前準備をしっかり行う
棚卸しをスムーズに、ミスなく行うには、「事前準備」をしっかりと行う必要があります。
事前準備をしないと、カウントミスが起こりやすく、数え直しのために無駄な時間や労力がかかってしまいます。
棚卸しの約1ヶ月前から、手の空いているときに、少しずつ行うとよいでしょう。
行うべき事前準備は次のとおりです。
それぞれ解説していきます。
1-1. 在庫を事前に整理整頓しておく
まず、在庫がある倉庫や棚は、事前に整理整頓しておきましょう。
当日の行動がスムーズになり、重複や見落としなどによるカウントミスを減らすことができるためです。
特に、次のことに注意しながら整理整頓を行います。
・同じジャンル、種類のものを一箇所に固めておく |
整理整頓することで、長期間動いていない商品や、不良品などを発見することもできるでしょう。
棚降し当日だと手間や時間がかかるので、手の空いている時間に、すこしずつ行うことをおすすめします。
1-2. 同じ種類の商品は1つの段ボールにまとめる
次に、同じ種類の商品を、1つの段ボールにまとめておくことが大切です。
箱のよく見える位置に「品番+商品名+個数」を必ず書いておきましょう。
【同じ種類でまとめ、商品名・商品名・個数を箱に書いておく】
「棚卸しが終わるまで開封しない」と決めて、しっかりとガムテープなどで閉じておきます。
また、形が不揃いの品物や、ケースが無い在庫については、箱に入れる前に「3つで一袋」にまとめておくとカウントが楽になります。
【箱などに入っていない在庫は3つまとめてビニールなどに入れる】
このようにまとめておくことで、商品がバラバラになりにくいため、カウントミスを防げます。
1-3. 棚卸しまでの1ヶ月間で動きにくい在庫を事前カウントする
倉庫や棚が整理出来たら、棚卸しまでの1ヶ月間で、動きにくい在庫を事前カウントしておきましょう。
動かない在庫を把握しておくことで、当日のカウント数が減り、効率を上げることができます。
ただし、どうしても箱の中から在庫を出す必要があるときは、数の訂正と日にち、担当者をしっかり明記しておきます。
【訂正は、数、日にち、担当者をしっかり明記】
また、棚卸しの担当者に、事前カウントを済ました箱から出したことを報告しておきましょう。
1-4. 社内で統一した棚卸しルールを作る
棚卸しを行う前に、統一したルールを作っておきましょう。
それぞれのカウント方法が異なると、時間がかかり、カウントミスが起きやすくなります。
ルールには次のことを入れておきます。
【棚卸しのルール】
・棚卸しの責任者や作業スタッフを決めておく |
ルールを決めたあとは、棚卸しするスタッフにしっかりと共有しておきましょう。
なお、土日も稼働する店舗等の場合は、客足の少ない平日に棚卸しを行うようにします。
店頭からはじめて、最後に倉庫をカウントし、その間の品出しはストップしておきます。
実際の棚卸しのカウントルールについて、更に詳しく知りたい方は「棚卸しのミスを極限まで減らす7の対策と事前予防策を解説」の記事をご覧ください。
1-5. 責任者と担当する人・範囲をきちんと割り振る
棚卸しの担当者を1人決めましょう。さらに、担当するスタッフや範囲などを、きっちりと割り振ります。
誰がどこを担当するかを明確にしておくことで、重複カウントや、カウント忘れなどを防ぐ事ができます。
カウントするスタッフは、カウントミスを防ぐため、基本的に2人が1箇所を担当するようにします。
【担当を明確に決めておく】
担当をきっちりと決めることで、ミスが判明したときに、早期に原因を見つけることが可能になります。
2. STEP2|在庫のカウントを実施する
当日になったら、棚卸表の配布、カウントルールの確認を行ってから、カウントを実施しましょう。
カウントする際のポイントは次の通りです。
【カウントする際のポイント】
・必ず実在庫をカウントする |
カウントミスや横領を防ぐため、棚卸表への記入は「2名1組でダブルチェック」しながら行います。
カウントして、10個単位で在庫が無い場合は、たいてい見落としている可能性が高いです。
倉庫の中をくまなくチェックするようにしましょう。
棚卸しは、最低でも年に2回は行い、あまりにも差異が頻出する場合は、管理方法そのもの見直しをおすすめします。
ダブルチェックは横領を未然に防ぐ |
ダブルチェックは、横領を未然に防ぐために、必ず実施しましょう。 在庫管理の正確性を高めて、不正行為を起きにくくするからです。 たとえば、コンピューター上の在庫数が5個、実際の在庫が3個しかない場合を考えてみましょう。 棚卸しの際、実在庫を5個と偽って報告し、不足している2個分の売上を架空の伝票で計上する、ということが可能になります。 つまり、本当は在庫が狂っている分を、正しいとすることで、簡単に横領できてしまうのです。 ダブルチェックを行う際は、結託を避けるためにも、会社内で普段関わりのない人をペアで組ませることをおすすめします。 |
3. STEP3|パソコンに入力して集計する
棚卸しのカウントがすべて終了したら、パソコンに入力して集計します。
集計にエクセル(Excel)を利用する場合は、次の点に注意しながら入力していきましょう。
【棚卸し集計にエクセルを利用する際の注意】
・データの改ざんが容易なので、データの取り扱い |
エクセルは、あくまでも「表計算ソフト」です。
在庫数が多い場合や、拠点がたくさんある場合は、専用の「在庫管理システム」を利用しましょう。
データ量が多くなると、処理が遅くなり、集計作業や在庫の確認が遅くなります。
4. STEP4|集計の確認作業は必ず2人1組で実施する
最後に、パソコンに入力した集計データを出力し、集計の確認作業を行います。
この時、必ず2人1組で、数字を声に出して確認しながら行いましょう。
【集計の確認作業は2人1組で】
ミスを発見した場合、その場所の担当スタッフに確認し、すみやかに修正や対処をします。
5. ミスを最小限に抑えるポイント4つ
ここまでの解説で、棚卸しのやり方について、ご理解いただけたかと思います。
解説したとおりに、きっちりと行えば、効率よく棚卸しができるようになるでしょう。
とはいえ、棚卸しは人間がやるものですから、どんなに気をつけていても、ミスは起きてしまいます。
ミスが起きると、その箇所のカウントを1からやり直しする必要があり、手間も時間もかかってしまいます。
数字が大きい場合、担当者の責任問題に大きく発展するケースもあり、ミスを徹底的に抑える必要があるでしょう。
ミスを最小限に抑えるポイントは次の4つです。
それぞれ解説していきましょう。
5-1. 数字・アルファベットの書き方を統一する
棚卸表に記入する数字やアルファベットの書き方を統一します。
読み間違いが多くなることで、集計ミスや入力ミスの原因になります。
特に、次の数字、またはアルファベットは、注意が必要です。
【間違いやすい数字・アルファベット】
はっきりと、誰が見ても分かりやすく書くことを徹底しましょう。
なお、正の字を利用する場合も、全スタッフで統一しておきます。
5-2. 品物の位置を固定し分かりやすい在庫マップを作成する
普段から在庫である品物の位置を固定し、分かりやすい在庫マップを作成しましょう。
同じ在庫がバラバラに分散してしまうのを防ぎ、記入ミスやカウント漏れをなくすためです。
【カウントミスを防ぐための在庫の位置の決め方】
・品物の種類や型式ごとに棚に配置し、紙に表示 |
【品物の種類や型式ごとに棚を配置】
倉庫マップを作成することで、普段から在庫の管理や整理がしやすくなり、カウントもスムーズになります。
【分かりやすい倉庫マップを作成】
5-3. 棚卸しの頻度を上げる
棚卸しの頻度を上げると、ミスを最小限に抑えることができます。
細かくチェックすることで、実際の在庫と帳簿上の差異を、小さいうちに発見することができます。
差異が大きくなると、修正するのが大変となり、時間も手間もかかってしまうのです。
一つのミスの原因を調べるために、数カ月も遡って原因を調べることになるかもしれません。
一般的には、「期首(年度初め)」と「期末(年度末)」の年2回行う会社が多いでしょう。
ミスが多発する場合には、四半期ごとなど、こまめに行うことをおすすめします。
5-4. ミスが起きた原因を徹底究明する
実際にミスが起きた場合は、原因を徹底究明しましょう。
ミスを放置しておくことで、同じことが繰り返されることを防ぐためです。
小さなミスでも、積み重なると、大きな損害にもなりかねません。
多くの場合、カウントミスが起きるのは、次の原因が考えられます。
【ミスが起きる原因の例】
・倉庫内の照明が暗い |
このような原因を究明し、改善していくことで、ミスが起こりにくくなるでしょう。
6. 最新ITを導入することで作業効率がアップする
ここまでお読みになって、「棚卸しって、考えていた以上に大変だ」と思われた方も多いのではないでしょうか。
これまでの解説通り、ミスをしないように慎重に棚卸しをしようとすると、稼働日が1日潰れてしまいます。その分、売上げが減るだけではなく、人件費や、残業代も発生しかねません。
そこで、棚卸しの作業効率をアップし、最短で棚卸しをするために、最新ITを導入するという方法があります。
手作業によるカウントミスや記入ミスを、システムを利用して最小限に抑えることができるからです。
たとえば、ハンディターミナルを利用すれば、カウントが楽になります。データを記入する作業も不要で、データは直接、管理パソコンに送信されます。
【ハンディターミナル】
ただし、すべて自動化できるわけではなく、人が目で確認することには変わりはありません。
チェックミスや2重カウントにも、十分に気をつける必要があるでしょう。
棚卸しを効率化するならBtoB受発注システム「WONDERCART(ワンダーカート)」がおすすめ |
棚卸しを効率化し、ミスを最小限に抑えるなら、BtoB受発注システム「WONDERCART(ワンダーカート)」の導入がおすすめです。 WONDERCARTは、注文管理や在庫管理などの対応をオンラインで一元化します。FAXや電話といったアナログ対応を削減し、手動での在庫数の更新作業が不要になるため、誤発注やヒューマンエラーが極端に減るからです。 正確な在庫状況を、リアルタイムで確認できるので、在庫の差異をすぐに発見することができるでしょう。 エクセル管理と異なり、より正確な在庫の把握が可能になるため、棚卸しの集計作業が簡単になります。 「棚卸しをもっと簡単に、楽にしたい…」とお考えの方は、ぜひご検討ください。 |
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。
棚卸しのやり方について、ご理解いただけたでしょうか。
ここで、記事の内容を振り返ってみましょう。
◯棚卸しのやり方
◯棚卸しのミスを最小限に抑えるポイント
・数字、アルファベットの書き方を統一する |
棚卸しの作業効率をアップし、最短で棚卸しをするためには、ハンディーターミナルなどの最新ITの導入なども見当するとよいでしょう。
本記事で、正しい棚卸しのやり方を把握し、ミスなく短時間で実践できますことを願っています。
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