受発注業務の効率化手順5step!課題の洗い出しから検証まで解説

「日々の膨大な受発注業務の見直しを図りたい!もっとほかの業務に従業員が時間を費やせるようにしたい…」

「コストが厳しいし、受発注業務を効率化させて人件費を減らしたいな…となると、やっぱりツールとかシステムとかが必要?効率化を図るには何を導入すればいいのだろう」

紙やFAX・メールなど、受発注業務は取引先ごとに異なる方法でおこなわれることが多く、煩雑な作業に時間を取られる企業は多いでしょう。

手間取ってしまえばほかの業務に支障をきたすこととなり、時間が押した結果、残業や人員追加による人件費に頭を悩ますことにもなりかねません。

そこでぜひ知っていただきたい、本記事がお伝えする受発注業務を効率化させる方法は、以下5つのstepです。

この5つのstepを手順どおりに踏むだけで、これまで受発注業務にかけていた手間や労力の削減が可能です。

現場の従業員のだれもが、どこにいても、業務内容を把握できる仕組みづくりができるので、

「あの人がいないとわからない!」

「ここから先の作業を進められない…」

ということもありません。

さらには効率化することで人的エラーを減らせるので、取引先からのクレームまでもが発生しにくくなるのです。

ただし、受発注業務の効率化を進めるときは段階を踏まなければ、失敗に終わってしまう可能性が高まります。

一気に進めてしまえば効率化を図ったところで、社内全体の混乱を招きかねません。

そこで本記事では、受発注業務を効率化させる手順だけでなく、どのように効率化を進めるべきかまで着目してお解説します

本記事を読んでわかること

・受発注業務を効率化する手順がわかる
・受発注業務を効率化するにあたってどのようなツールが必要なのかわかる
・受発注業務の現状の課題や問題点の認識方法がわかる
・受発注業務を効率化させるときの注意点がわかる

ぜひ本記事をこのまま読み進めて効率化を目指し、あなたの企業が受発注業務で抱える負担を減らしましょう。

1. 受発注業務を効率化させる手順5step

発注業務を効率化させる手順、5stepは以下です。

step1|業務フローを見直して課題を洗い出す
step2|短縮できる業務を洗い出す
step3|自社にあった受発注業務で効率化を狙う
step4|変更した業務やルールについて従業員に研修を実施する
step5|効率化が進んだか検証する

受発注業務を効率化させるときは、やみくもにやってもうまくいきません。

今回紹介する5つのstepを一つひとつ、確実におこなっていくことで、受発注業務の効率化が可能となります。

さっそく次の章から各stepの詳細を見ていきましょう。

2. step1|業務フローを見直して課題を洗い出す

受発注業務を効率化させるためにはまず、業務フローを見直して課題を洗い出しましょう。

この段階では、以下の2つをおこないます。

・現場の声を積極的に拾い上げる
・既存業務を可視化して改善点を見つける

順番に解説します。

2-1.現場の声を積極的に拾い上げる

課題を洗い出すためには、実際に業務へ携わっている現場の声を積極的に拾い上げてください。

現場の声を聞くには、以下のような方法があります。

・1対1のミーティング
・アンケート

現場の意見を聞かずに効率化を図ってしまえば、方向性の違いや「ここは変更しないでほしかった」という反発が生まれる可能性があります。

的確に課題点を把握しながら反発も招きにくくするには、受発注業務をおこなう現場の意見を取り入れながら効率化を進めることが大切です。

2-2.既存業務を可視化して改善点を見つける

現場の声を拾い上げると、「現場ではこんなことに困っているのか」「こんな風に改善してほしいと感じているのか」などと課題を把握できると思います。

そこで次の段階では洗い出した課題が事実なのか検証していく必要があり、既存業務を可視化して改善点を見つけていきましょう。

たとえば支店ごとに、業務の取り組み方が異なるケースもあるかもしれません。

業務フロー図を全支店の現場に携わる人に書かせることで、各支店がどのように取り組んでいるのか比較でき、改善点を把握しやすくなります。

以下は、フローチャートで使用する代表的な記号です。

フローチャートの記号

詳細

業務フローの開始と終了に配置する。

どのような作業をおこなうのかを表す、処理やステップの段階に配置する。

処理の方法が分かれる箇所に配置する。

データを出力したり、別のシステムに入力したりするときに使用する。

実際に記号を使って、業務フローを表した例が以下です。

業務フローを可視化したとき、改めて見直してみると無駄な手順や、ミスをしやすい手順を踏んでいるケースが見つかるはずです。

たとえば、電話なのか記録の残る方法で受注しているのかによって、業務の効率度合いやミスの発生頻度が変わり、改善点として挙げられます。

全支店で業務フローを書き出し、以下のような項目を確認しながら、課題を書き出してまとめていきましょう。

・取引先との連絡回数は適切か
・部署内で情報共有がスムーズに取りやすいか
・ミスの発生しやすい業務は何か
・属人化していないか
・コストがかかりすぎていないか
・負荷がかかりすぎているフローはないか

3.step2|短縮できる業務を洗い出す

受発注業務の課題点をまとめたら、その中から短縮できる業務を洗い出しましょう。

たとえば、以下のような業務が挙げられます。

短縮できる業務

詳細

見積書・注文書の作成

・テンプレートの活用
ソフトウェアで文書を一元管理

請求書発行・支払処理

・電子請求書の導入(印刷・郵送をなくす)
・請求書作成ツールの導入(受注データから請求書を生成・指定日に自動送信するシステム)

承認プロセス

・電子システム上で承認
・承認権限の見直し(適切な権限を持つ人員だけにする)

問い合わせ対応

FAQの整備(よくある質問と回答をFAQにする)
・チャットボットの活用

発送ルートの見直し

・AI活用の専用ツール導入

とくに、上記の赤字で示した紙ベースの作業を電子化させられると、業務の時間を大幅に短縮できます。

承認権限をもつ人材が社内に不在のとき、紙ベースの書類であれば印鑑をもらわない限り、その後の作業に取りかかれないこともあるでしょう。

しかし承認プロセスを電子化すればインターネット上でおこなえるので、承認権限のある人材がその場にいなくても次の作業に進めるようになります。

紙ベースの書類とは違い郵送費がかからなくなるため、コスト削減につながる点もメリットです。

自社の受発注業務のなかで、短縮できる作業を洗い出してみてください。

4.step3|自社にあった受発注業務で効率化を狙う

どのような作業を短縮できそうか洗い出したところで、実際に自社にあった受発注業務で効率化を狙っていきます。

具体的には、以下のような方法があります。

・デジタル技術で一部の業務を自動化する:数十万円~数百万円くらい
・アウトソーシングを導入する:月1〜10万円程度もしくは売上高の5〜10%程度
・受発注システムを導入する:数百万円から数億円くらい

アナログな受発注業務をおこなっている場合や膨大な作業量を抱えてい場合、各方法を取り入れることで効率化だけでなく、以下のようなメリットが得られます。

各方法を取り入れるメリット

・属人化の解消
・人的ミスの削減
・ランニングコストの削減
・リアルタイムの情報把握が可能

詳細を見ていきましょう。

4-1. デジタル技術で一部の業務を自動化する:数十万円~数百万円くらい

デジタル技術を用いると一部の業務の効率化が可能となり、導入コストの目安としては数十万円~数百万円くらいです。

受発注業務のデジタル化によって24時間作業を進められたり、定型的な作業を自動でおこなえたりするため、作業の効率化が図れます。

たとえば受発注業務に活用できるデジタル技術には、以下があります。

技術名

詳細

マクロ・VBA

受注データの自動入力など、定型的な受発注作業を自動化できる。

OCR

印字や手書き文字を読み取り、テキストデータに変換できる。

RPA

RPAツールを利用して、定型的な受発注作業を自動化できる。
マクロ・VBAはExcel上の作業に限られる一方で、RPAはPC上の作業のほぼすべてに対応。

EDIシステム

発注書や請求書などの商取引データを紙やFAXではなく、WEBや専用回線を利用して電子的にやりとりするシステム。

WONDERCART

カタログ制作データを商品リストやミニカタログ、見積書などに活用できるシステム。

各デジタル技術は自動化が得意なものや、入力作業が得意なものなど特徴が異なります。

1つ導入するだけでももちろん効率化を図れますが、複数取り入れ足りないところを補えるとより理想的です。

デジタル技術の導入によって幅広い業務をカバーできるようになるので、積極的に検討しましょう。

電子商取引への移行は長期的には避けられない課題

今後自社が成長していく過程において、電子商取引への移行は避けては通れない課題です。

現状の受発注方法からデジタル化に踏み切るには、躊躇するかもしれません。

顧客や従業員の年齢層が高かったり、デジタル技術に抵抗感のある人ばかりだったりしても、デジタル技術の導入は容易ではないでしょう。

しかし、経済産業省の「令和4年度電子商取引に関する市場調査」からおわかりいただけるように、企業間、消費者間ともに電子商取引における市場規模は年々増加傾向です。

今後も増加傾向となることが予測でき、多くの企業にとって電子商取引への移行は長期的には避けられない流れといえます。

克服すべき課題も踏まえたうえで、各企業の状況に応じてタイミングを見計らって、一部の業務から少しずつデジタル技術で自動化するといいでしょう。

業務の効率化や従業員の負担軽減、受発注業務のミス削減をお考えの企業は、ぜひ私たちにご相談ください。

4-2. アウトソーシングを導入する:月1〜10万円程度もしくは売上高の5〜10%程度

受発注業務の作業量が多い場合は、アウトソーシング(外部委託)の導入を検討してもいいでしょう。

ノウハウがあるプロに、ミスもなく作業も早い受発注業務をおこなってもらえます。
月1〜10万円程度もしくは売上高の5〜10%程度が導入費用の目安です。

アウトソーシングを導入するメリットは、以下です。

・コア業務に集中できる
・クレームが減り高品質なサービスや商品の提供につなげられる

煩雑な受発注業務に追われている場合、売上に直接影響するような重要度の高い、コア業務にまで影響が出てしまうケースも少なくありません。

アウトソーシングすることで、事業戦略を効率的に進められるようになります。

結果的に、顧客満足度が高まり企業価値の向上や事業拡大にもつながります。

ただしアウトソーシングすることによって、社内にノウハウがたまらない点には注意が必要です。

いずれ自社で受発注業務をおこないたい場合は、デジタル技術や次に紹介する受発注システムの検討がいいでしょう。

4-3. 受発注システムを導入する:数百万円から数億円くらい

受発注システムを導入すると受発注業務の自動化による効率化を狙え、コストの目安は数百万から数億です。

紙やファックスといったアナログな業務を、受発注システムの導入によってペーパーレス化させ、WEBを活用した方法で受発注業務をおこないます。

受発注システムを導入すると、以下のようなメリットがあります。

・受発注業務にかかっていた時間を大幅短縮できる
・書類の保管場所がいらない

ただし受発注システムは導入コストが高く、資金力が必要です。

自社だけでなく取引先にも導入してもらう必要があり、相手の合意を得なければならない点にも注意が必要です。

受発注システムの導入が難しい場合は、デジタル技術やアウトソーシングといった方法を検討することとなるでしょう。

5.step4|変更した業務やルールについて従業員に研修を実施する

自社にあった受発注業務を導入後は、現場担当者が問題なく活用できるよう、変更した業務やルールについて従業員に研修を実施します。

たとえば、以下のような研修方法があります。

研修方法

詳細

集合研修

従業員を1度に集めて説明をおこない、質疑応答の時間を設ける。
グループワークの時間を取り入れて実践してもらうと、より理解を深めやすい。

オンライン研修

Zoomのようなツールを活用して研修する。
実践はしにくいが、ルールの理解には活用でき、質疑応答もできる。

eラーニング

オンラインで変更点の説明動画を見てもらい、確認テストを含めるとなおよい。
対面でのコミュニケーションは不可だが、自分のペースで学習しやすく、時間や場所の制約がない。

OJT

新ルールを適用して実際の業務をおこないながら、指導役から学ぶ。
実践的なスキルを習得でき、個別の状況に応じたフォローまでできる。

集合研修は1度に多くの人数に説明するときに向いている一方、そのほかの研修方法は少人数向きです。

困ったときは各支店から1人ずつ集めて集合研修したり、オンライン研修したりしましょう。

研修を受けた人が自身の支店先で、さらにほかの社員へやり方を指導することで手間や時間を省けます。

企業の規模や導入した受発注業務によって、どの方法が適しているのか考慮しながら研修を実施しましょう。

6.step5|効率化が進んだか検証する

変更した業務やルールについて従業員に研修を実施し、1、2か月経過した頃に効率化が進んだか検証します。

検証方法

検証内容

効率化を図った前後の指標測定

・業務にかかる時間
・残業時間
・処理件数
・商品の生産量
・人的ミスの件数
・コストの削減額

従業員へのアンケート・ヒアリング

・実際の体感を調査

顧客満足度調査

・受発注の迅速化や正確性の向上につながったか調査

指標の測定では効率化を図る前後で、受発注業務がどのように変化したか、数値をもとに検証していきます。

各支店ごとに調査して結果をまとめ、残業時間は減ったのか、ミスを削減できているのか改善の有無を評価しましょう。

また従業員へアンケートやヒアリングをおこない体感を調査すると、現場の生きた意見を把握できるので、さらなる改善点を見いだせます。

顧客満足度調査もおこない、自社だけでなく取引先の意見も取り入れながら、複数の方法で効果検証をおこない、受発注業務を効率化できたか確かめてください。

7. 効率化は全ての業務を一度に変更せず段階を踏んでやろう

ここまで、受発注業務を効率化する方法をお伝えしました。

実際に効率化を進めるにあたって、成果を急ぐために「一気に進めてしまおう!」と考える方もいるかもしれません。

しかし、受発注業務の効率化をおこなうときは全ての業務を一度に変更せず、段階を踏んでやることが大切です。

なぜなら、一度にさまざまな業務を変更してしまうと変わりすぎてわからなくなってしまい、効率化どころではなくなるからです。

たとえばひとつの手段として、支店すべてで一気にペーパーレス化するのではなく、モデルとしてひとつの支店を試験的に実施することが挙げられます。

新たなことを始めるときは必ず課題が出てくるので、一通り解決して軌道に乗り始めたところで、あらためて全支店でペーパーレス化しましょう。

こうすることでトラブルが起きても、モデル支店で経験したものであれば早期解決でき、大規模な混乱を防止できます。

必要な人材やコストに関しても、どこを手厚くすべきかがモデル支店で実施した段階で把握できていれば、あらかじめ全支店で効果的に配分できます。

段階を踏むことで効率化する過程をより計画的に進められるので、軌道修正しながら少しずつ受発注業務を変更していきましょう。

8. まとめ

受発注業務を効率化させる方法について、おわかりいただけましたでしょうか。

最後に、記事の要点をまとめていきます。

◎受発注業務を効率化させる手順5step配下です。

◎step1の業務フローを見直して課題を洗い出す段階では、以下の2つをおこないます。

・現場の声を積極的に拾い上げる
・既存業務を可視化して改善点を見つける

◎受発注業務の課題点をまとめたら、step2でその中から短縮できる業務を洗い出しましょう。

◎どのような作業を短縮できそうか洗い出したところで、step3では実際に自社にあった受発注業務で効率化を狙っていきます。

・デジタル技術で一部の業務を自動化する:数十万円~数百万円くらい
・アウトソーシングを導入する:月1〜10万円程度もしくは売上高の5〜10%程度
・受発注システムを導入する:数百万円から数億円くらい

◎step4では変更した業務やルールについて従業員に研修を実施してください。

◎step5では1、2か月経過した頃に効率化が進んだか検証します。

◎受発注業務の効率化をおこなうときは全ての業務を一度に変更せず、段階を踏んでやることが大切です。

本記事があなたの企業の受発注業務を効率化させるお役に立てば幸いです。

コメント

WONDERLINEは、商品展示・名刺交換・商談・来場者分析がひとつにつながったオールインワンの展示会プラットフォームです。
専任担当が手厚くサポート致しますので、初めてのオンライン展示会でも安心してご利用できます。
初めての開催でも安心!WONDERLINEは商品展示や商談機能が
ひとまとめになった、オンライン展示会プラットフォームです