展示会出展のメリット4つを解説|出展におすすめな企業の特徴も紹介

「展示会の出展を検討しているけれど、自社にはメリットがあるのかな?」
「展示会で製品を広められるから、自社としてメリットが多いのかな?」

こんなお悩みはありませんか?

展示会出展のメリットを知って、本当に成果を出せるのかどうか検討したいですよね。

結論からいうと、展示会出展のメリットは以下の4つです。

展示会は、見込み顧客に直接アピールできる場であり、サービスや製品を体験してもらえるメリットがあります。

しかし、展示会の出展には、以下のデメリットもあります。

費用や時間などのコストなどがあるため、本当に自社が上手く成果を出せるのか気になりますよね。

本記事では、このメリットとデメリットを踏まえて、自社が展示会出展に合うかどうか判断できるようにするために、展示会出展がおすすめな企業やあまりおすすめしない企業もご紹介します。

さらに、展示会出展を成功させるためのプロセスについても解説します。

本記事でわかること

  • 展示会のメリット・デメリットがわかる
  • 展示会の出展がおすすめな企業とあまりおすすめではない企業の特徴がわかる
  • 展示会出展の具体的なプロセスがわかる

読み終わるころには、展示会のメリットが分かり、自社が出展に向いているかどうか判断でき、出展方法までわかります。

最後までじっくりとご覧になってくださいね。

目次

1. 展示会に出展するメリット4つ

展示会に出展することで「なんとなくメリットがありそう」、「製品を広められるから、売上につながりそう」と思っていても、どんなメリットがあるのか具体的に知りたい方も多いと思います。

展示会出展のメリットを知ることで、実際に成果が出せる場なのかどうか判断することができます。

冒頭でもお話しした通り、展示会に出展するメリットは、以下の4つがあります。

まずは、どういったメリットがあるのか、順番に詳しく見ていきましょう。

1-1. 自社製品の宣伝や認知拡大につながる

展示会出展には、まだ自社を知らない企業や消費者などの潜在層に、自社製品の宣伝や認知拡大をするメリットがあります。

先ほども述べたように、展示会には数千人~数万人と多くの来場者が訪れます。

自社のブースへの呼び込みをするのはもちろんですが、たとえブースに来てもらえなかった来場者の方でも、ブースやパンフレット、マップなどで会社名や自社の製品名を目にしています。

展示会をきっかけに、自社の会社名や商材名などを認知してもらえます。名前を覚えてもらうことで、今後の営業活動がしやすくなります。

ただし1回の展示会出展で多くの人の記憶に残ることは簡単ではありません。多くの人に覚えてもらうためには、以下のような工夫を行うことで、より大きな効果を得られます。

自社を覚えてもらう工夫

  • 同じまたは同様のテーマの展示会に2~4回と複数回出展する
  • 自社製品のパンフレットや資料、ノベルティを配布する
  • 遠くからでも読める看板にする
  • 通りがかった人に気づいてもらえる場所にモニターやデモ機など体験できるものを設置する

1-2. 特定のテーマに興味がある「見込み顧客」に直接会える

展示会では、特定のテーマに興味がある見込み顧客に直接会えます。

展示会は、特定のテーマに絞って開催されるため、そのテーマに興味・関心がある企業の担当者が来場する場合がほとんどです。

つまり、自社のテーマと展示会主催のテーマが一致する展示会に出展する時点で、ある程度ターゲティングができている状態だということです。

例えば、展示会は以下のようにテーマが決められており、出展対象品もある程度決められています。

開催名テーマ・特徴出展対象品
プレミアム・フードショー2023食に関わる多様なライフスタイルを提案する専門展ヴィーガン・プラントベース、ハラール、グルテンフリー、オーガニック食品・食材
第21回 国際オートアフターマーケットEXPO 2024自動車の売買、整備、メンテナンスをはじめ自動車を取り巻く環境・インフラなど
様々な自動車アフターマーケットに関する最新情報・業界動向を、展示・実演セミナーなど
分解整備機器、補修部品・用品関連、電子部品、自動車修理、診断・洗車・保険など
第7回 【次世代】 介護テクノロジー展(Careテクノロジー ’24)介護に役立つ最先端テクノロジーが一堂に集結介護システム・見守りシステム、介護のためのAI・ビッグデータ・IoT、介護ロボット、介護のためのVR

参考:JETRO『世界の見本市・展示会情報(J-messe) 日本 これから開催される見本市・展示会』

展示会の主催者側が出展企業のテーマや特徴など大きく宣伝をしてくれているため、自社だけでセミナーやイベントを開催するよりも幅広くターゲットとなる方を集めることが可能です。

自社でセミナーを行う場合、1からターゲットを選定して、Webコンテンツなどで集客を行わなければいけません。

難しくターゲットを選定せずに、自社製品・サービスのテーマに興味がある見込み顧客に直接会える点も大きなメリットの1つです。

※ある程度ターゲティングができる反面、出展する展示会の選定が重要になります。

上記の例でいうと『プレミアム・フードショー2023』では、食品や食材を扱った展示会です。ただの食品ではなく、「多様なライフスタイルを提案する専門展」です。

自社が野菜や大豆などテーマに合いそうなものを取り扱っていたとしても、ヴィ―ガンやグルテンフリーなど「多様性を提案できる食品」ということを売りにしていない場合は、来場者には刺さらず、集客が上手くいきません。

各展示会のホームページの概要欄などを見て、自社の製品やコンセプトと展示会のテーマが一致しているものを選ぶことが重要です。

1-3. 1度に多くの「見込み顧客」と直接話せて自社製品を直接体験してもらえる

展示会に出展すると、1度にたくさんの見込み客と話ができ、自社の製品を直接体験してもらえるメリットがあります。

展示会の規模にもよりますが、数千人から数万人と多くの来場者が訪れます。

例えば、日本経済新聞社が2022年に開催した『日経メッセ 街づくり・店づくり総合展』では以下の人数の方が来場されています。

開催名来場者数(3日間の合計)
JAPAN SHOP 2022 / 建築・建材展 202240,676人
リテールテックJAPAN 2022 / SECURITY SHOW 202250,029人
フランチャイズ・ショー 202217,831人

参考:日経メッセ『日経メッセ 街づくり・店づくり総合展 2022年 来場者数』

他の集客と比較してみると、自社セミナーであれば、1回あたり300名くらいが定員の目安となります。参加率も申し込みに対して約70%程度になることを考えると、展示会に出展する方が、多くの見込み顧客とコミュニケーションが取れます。

ブースに来てもらった来場者と直接コミュニケーションを取ったり、製品を体験してもらったりすることで、自社や商品の良さを実感してもらえます。

また、見込み顧客の来場理由が他社のブースへの訪問だったとしても、呼び込みや声掛けなどで自社製品をアピールできるということは、販売のチャンスを広げることにもつながります。

大企業の担当者や地方からの来場者など、普段はあまり関わりのない見込み顧客に直接アピールできる所が大きなメリットの1つです。

1-4. 既存顧客との関係性が向上し新しいサービスを紹介できる

展示会は、既存顧客との関係性を向上し新しいサービスや製品を紹介できるメリットもあります。

事前に、メールで告知したり招待状を送付したりするなどをして、展示会に足を運んでもらいましょう。

展示会に出展することで得られる、既存顧客とのメリットは以下の2つです。

  • 既存顧客に新しい製品を直接見てもらって紹介できる
  • 既存顧客と関係性を深められる

①既存顧客に新しい製品を直接見てもらって紹介できる
既存顧客に対して、新しい製品を直接紹介することができます。

普段の営業活動でも紹介することはできますが、じっくりと直接見て触ってもらって紹介する機会は多く作れないですよね。

特に、車や建築材料など製品サイズが大きい場合はなかなか実物を見てもらう機会を作れません。

気軽に実物を見て触ってもらい、新製品を知ってもらえるという点でメリットがあります。

②既存顧客と関係性を深められる
展示会の場で、既存顧客としっかりとコミュニケーションを取ることで、関係性を深めることができるのも出展のメリットの1つです。

例えば、

  • 現在使っている製品の現状の様子を聞く
  • 改善してほしいところを聞く
  • 新機能の使い方を紹介する

ということをじっくりと直接行うことができます。

改善方法や課題解決などを提案することによって、関係性をじっくりと深められます。今後も、長期的に自社製品やサービスを使ってもらうことが期待できます。

2. 展示会に出展するデメリット3つ

展示会は、自社や自社製品を多くの人に知ってもらい、見込み顧客につなげるメリットがあります。しかし、費用面や作業面など、デメリットとなる部分も気になるかと思います。

ここでは、具体的にどんなデメリットがあるか確認していきましょう。

こちらも順番に詳しく解説していきます。

2-1. 出展料・ブースの装飾・運搬費などの費用がかかる

展示会出展には、多くの費用がかかる点がデメリットの1つです。

展示会の規模や種類。出展スペースの設営場所などにもよりますが、目安として以下の費用が相場となります。

【展示会にかかる費用一覧】

内容費用
出展スペース(3m×3mあたり)約30万円~約50万円
ブースの装飾費用約50万円~約90万円
運搬費など約20万円
MC(1人につき)約6万円/1日
コンパニオン(1人につき)約3万円/1日
合計約110万円~約160万円以上

最低でも、約110万円以上の費用が必要です。

それだけでなく、当日の社員やMC、コンパニオンの交通費や旅費、昼食代などもかかります。

さらに、自社のブースへの来場者を増やすためには、事前に告知をする必要もあります。宣伝の方法によって異なりますが、Web広告など打つ場合は宣伝広告費もかかります。

2-3. 必ずしも商談につながるというわけではない」でも説明しますが、展示会に出展したとしても、必ずしも商談につながるというわけではありません。

展示会に出展して商談や受注、認知拡大などの効果よりも、費用の方が高くつくケースがあることを覚えておきましょう。

2-2. 展示会出展までの準備に時間がかかる

展示会出展には、当日の運営だけでなく出展までの準備に時間がかかります。

ざっくりとスケジュールを見てみると、以下の通りです。

【展示会出展までのスケジュールの例】

①展示会の企画を立てる【1年前~6ヶ月前】
・出展目標の設定
・企画立案
・展示会申し込みや下見
など

②展示ブースやノベルティなどの依頼やスタッフの割り当てを決める【6ヶ月前~3ヶ月前】

③集客を行う【3ヶ月前~1ヶ月前】

④最終確認と展示ブースの設営【1ヶ月前~展示会前日】

短く見積もっても半年ほど準備に時間がかかります。

自社で行うセミナーであれば、企画から運営当日までの準備期間が約3ヶ月。Web広告を出すのであれば数日で入稿ができます。

他の集客方法と比べてみても、準備期間が長いことがデメリットです。

2-3. 必ずしも商談につながるというわけではない

展示会に出展するだけで、必ず商談につながるわけではないというデメリットもあります。

なぜなら、展示会の来場者の多くが特定のテーマの情報収集や、新製品や新技術などの状況を見るためなど情報収集や市場調査を目的としているからです。

例えば『2022中部パックの来場者アンケート調査』の「Q5 どんな目的で来場されましたか」では、「情報収集のためが53%」、「新製品、新技術の状況を見るためが26%」と8割近くの方が情報収集や市場調査を目的としています。


参考:2022年中部パック『来場者アンケート調査』

反対に「機械や資材の購入のため」と、もう購入を検討している方は1割~2割ほどです。

また、同アンケート『2022中部パックの来場者アンケート調査』で来場者の47%が一般職員なので、製品購入の決定権を持っていない方も来場します。

そういった理由から、展示会の会場で商談が決まる可能性はあまり高くありません。

展示会出展から商談につなげるためには、来場してくれた見込み顧客にお礼メールなどを送るなどフォロー施策をして、営業をしていく必要があります。

3. 展示会出展がおすすめな企業

ここまで、展示会のメリットとデメリットをご紹介してきました。

「展示会出展が向いていそう」「出展してみたい」と検討が進んだ方もいらっしゃると思います。

そこでこの章では、展示会出展がおすすめな企業はどんな企業なのかを詳しく解説していきます。

実際に企業がどういう風に成果を出しているのか、出展社や来場者の評判など事例も併せてご紹介します。出展の参考にしてみてくださいね。

3-1. 直接体験してもらうことで効果が出る商材を持っている企業

直接体験してもらうことで効果が出る製品を持っている企業は、展示会に出展するのがおすすめです。

展示会出展のメリットでもお話ししましたが、自社の製品を直接体験してもらえることです。展示会の代替案となるWeb広告やSNS、自社サイト内の資料配布などでは、直接商品を見たり触ったりすることができません。

実際に実機やサンプル、デモなどで直接見て触って体験してもらうことで、製品やサービスの良さが分かる商材を持っている企業におすすめです。

【直接体験できる商材の例】

食品

・食品の味やにおいを体験できる

アパレル

・着心地やサイズ感は実物を手に取り試着して良さが判断できる

化粧品

・使い心地や肌の相性など良さを直接確認できる

自動車やカメラ、ゴルフ用品、機械などの実機

・実際に動いているところや使い心地を体験できる

上記の例のように、味覚や触覚、嗅覚など五感で体験できる商材かどうかで判断してみましょう。

具体的に直接体験できる商材を用いて成功したのか、2つご紹介します。

【成功事例①】

株式会社あかりカンパニー
出展した展示会名第6回 働き方改革 EXPO
出展商材採光ブラインド「アカリナ」
体験できる内容明るさや素材を見て触ってもらう
成果年々来場者が増えている
売上拡大に成功

株式会社あかりカンパニーは、採光ブラインド「アカリナ」という商材を取り扱う会社です。
「アカリナ」は、閉めても暗くならない特殊なブラインドで、自然光を優しくとり込み、明るく快適な職場環境を実現する製品です。

この会社は展示会を通じて、実際の製品を体感できる場を作り、認知拡大、新規顧客の獲得に成功しました。

展示会では、ブラインドを使ったときの実際の明るさや素材を見て触って体験してもらいました。アカリナの良さを知ってもらい、それぞれの環境に合わせたオフィス改革の提案につなげています。

体験してもらうことで、年々出展ブースの来場者も増え、売上の拡大に成功しました。

参考:総務・人事・経理 Week:出展社インタビュー『普段営業できないエリアに進出できる絶好の場!』
参考:株式会社あかりカンパニー

【成果事例②】

こちらは、来場者視点の投稿です。

実際に展示会の来場者に試食をしてもらい、良さをわかってもらうことで、受注につながっています。

食品業界のBtoB展示会には、飲食店やホテル・旅館、スーパーなどのバイヤーや食品管理を担当する栄養士・調理師が多く訪れます。

食品を取り扱うプロに、自社の食品の美味しさを伝えられる点が大きなメリットです。

3-2. 自社での集客が難しい企業

自社での集客が難しい企業にも、展示会出展をおすすめします。

特に、BtoBを取り扱う多くの企業は、メディア露出が少ないことから、認知度が低い場合も少なくありません。そういった場合、自社のセミナーやSNS、オウンドメディアなどだけでは集客ができず、見込み顧客の獲得が難しいです。

メリットでも述べましたが、展示会では特定のテーマに興味がある方が来場します。自社でも集客をする必要はありますが、ある程度ターゲティングができています。

見込み顧客となりうる多くの来場者と接点を持ち、自社製品をアピールすることが可能です。

ここでは、展示会出展で集客に成功した事例を見てみましょう。

【成功事例】

ヤマコー株式会社
出展した展示会名中小企業総合展 in Gift Show
出展商材調理道具や器など
出展理由新規のルート開拓のため
成果ブースの大きさ以上の集客に成功
新規ルートを獲得した

ヤマコー株式会社は、天然素材を生かした調理道具や器、什器などの商材を扱っています。
ヤマコー株式会社は、ホテル・レストラン向けの業務用の販売ルートのみでしたが、ホテルやレストランで「商品を購入したい」と一般顧客のニーズが高まり、小売卸の新規ルート開拓のために出展しました。

展示会に出展することで、ブースの大きさ以上の集客に成功し、新規ルートの獲得に成功しています。

展示会に出展する前は、単独でギフトショーを開催。しかし、小売卸へのコネクションや認知が弱い状況では、十分な費用対効果が得られませんでした。

展示会に出展することで、新しくかつ面白いものにアンテナを張るバイヤーが立ち寄り、自社だけでの集客をはるかに上回る集客に成功。出展ごとに未開拓であった小売の新規ルートの獲得にも成功しています。

参考:中小企業総合展 in Gift Show『天然の木製品を中心にエンドユーザーの暮らしを彩る「ようび」。来場者の注目を集める中小企業総合展で新規ルート開拓を実現!』
参考:ヤマコー株式会社

4. 展示会出展をあまりおすすめしない企業

ここでは、反対にあまりおすすめしない企業についてご紹介します。

展示会以外の代替案も併せてご紹介するので、自社が成果を出せるのかイメージするための参考にしてください。

4-1. 費用や時間をかけられない企業

費用や時間をかけられない企業は展示会の出展をあまりおすすめしません。

2-1. 出展料・ブースの装飾・運搬費などの費用がかかる」でも説明しましたが、展示会出展には、最低でも110万円以上の費用が必要です。

また、展示会を出展するには、半年から1年ほど準備する時間がかかります。

特に中小企業で集客のための経費をあまりかけられない企業や、準備に割く時間や人員を集められない場合は、出展をしたとしても、最低限の小さなブースになったり、メイン通りから外れた来場者が通りにくい場所への設営になったりと不利な状況にもなります。

そんな中、展示会にくる来場者の約8割は、情報収集や市場調査を目当てに来場するため、商談を成立させるなど成果を出すことが難しくなってしまいます。

もし、コストや労力に見合った成果を上げるのが難しいと感じるのであれば、費用や手間が抑えられるオンライン展示会に出展する方法がおすすめです。

費用が気になるのであればオンライン展示会が代替案となる

展示会出展のための費用や時間などのコスト面に課題があるのであれば、オンライン展示会に出展する方法がおすすめです。

オンライン展示会であれば、出展ブースを作成するコストや運搬費、人件費、旅費などのコストがかかりません。

従来の展示会に出展するコストに比べると費用が半分以下に抑えられる場合もあります。

展示会出展の費用や時間をかけられない場合は、オンライン展示会に出展することを検討してみましょう。

オンライン展示会の詳細が気になる方は記事の最後に説明します。今すぐ知りたい方は「6. 費用や手間をかけたくないのならオンライン展示会の出展を検討してみよう【リアル展示会との比較】」をご覧ください。

4-2. すでに集客力があり、商談や受注を目的とした企業

すでに、集客力がある大手の企業は、展示会の出展をあまりおすすめしません。

繰り返しになりますが、展示会に訪れる来場者の8割ほどは、情報収集などが目的です。

展示会出展の目的が「商談や受注」であれば、自社で集客をしてセミナーやイベントをする方が、初めから製品やサービスに興味がある顧客だけにアプローチができます。

展示会出展にかかる費用が、最低でも約110万円。イベントホールやセミナールームを1日レンタルする場合の費用は約30万円です。自社で集客できるのであれば、出展費用をかけずに見込み顧客だけにアプローチできるため、費用は安く済みます。

したがって、集客力のある企業の場合は、費用対効果の面であまりメリットがありません。

もちろん、展示会に出展することで「自社の製品化前の新商品をよりたくさんの方に広めたい」、「新しいサービスを知ってもらいたい」などの目的がある場合は、認知拡大を狙えるため出展する意味があります。

展示会出展の目的が「商談や受注」であり、自社で集客できる場合は、セミナーや自社イベントなど別の方法を検討してみましょう。

展示会の代替案

  • 自社製品・サービスのセミナーやイベントを開催する
  • 商談会に参加する

5. 展示会に出展するためのプロセス

この章では、展示会に出展するためのプロセスを解説します。

特に初めて展示会に出展する場合は、具体的にどのようなプロセスを経て出展するのかイメージできませんよね。

展示会出展のデメリットでも見た通り、展示会の出展はお金や時間のコストがかかるため、出展するためにしっかりと準備をする必要があります。

展示会出展のプロセスは以下の通りです。

順番に解説していきます。

5-1. 展示会に出展する目的を明確にして出展内容を決める

まずは、展示会に出展する目的を明確にして出展内容を決めましょう。

展示会の規模にもよりますが、1万人~3万人以上が来場します。限られた時間を無駄にしないためにも、展示会のメリットを活かせるプランを立てる必要があります。

目的が明確になれば、出展内容で重要な「ターゲット像」や「何を準備すべきか」など、やるべきことが見えてきます。

展示会出展の目的ターゲット像や準備すること
新規の商談や受注

・自社製品を使ってくれそうな担当者(購買や意思決定をする責任者)
→ブース内に商談スペースを作り商談担当者を配置する
→他社との比較検討できる資料を用意する
など

会社や製品の認知向上

・自社製品を使ってくれそうな企業の社員全般
→自社製品を体験できるスペースを作りスタッフを配置する
→自社製品の印象が残るようなブースづくりをする
→パンフレットやノベルティを用意する
など

既存顧客との関係性を深める

・新製品やサービスをアピールしたい企業
→企業ロゴや定番商品などを目立たせるブースを作る
→展示会の招待状を送る
→メールや電話で展示会に出展することを伝える
など

目的を1つに絞ることは難しいと思います。その場合は、特に今回の展示会で強調したいものを目的としましょう。

目的によって、ブースやキービジュアルも変わってきます。

例えば、認知を向上させたいのなら、自社製品をアピールできるように実機を体験できるブースを作る他、印象に残してもらう工夫をする必要があります。

夏場快適に過ごせる新製品の携帯用扇風機をアピールしたいとします。そういった場合、ブースを涼しげな雰囲気の水色で統一したり、スタッフが涼しげなアロハシャツを着用したり、工夫をすることで、製品のアピールしたいポイントを印象付けることができます。

上記のように、目的を明確にして、どういう展示内容で出展するのか方向性を考えておきましょう。

5-2. 出展する展示会を決める

出展内容が決まったら、出展する展示会を決めます。

当たり前のことですが、ターゲット(自社の製品について情報発信や営業をしたい相手)が多く来場する展示会を選ぶ必要があります。

どの展示会に出展すれば、多くのターゲットが来ているか判断するためには、展示会主催の公式ホームページの「展示会の概要や出展社情報」を確認しましょう。

例えば、『第7回 【次世代】 介護テクノロジー展(Careテクノロジー ’24)』では、「介護に役立つ最先端テクノロジーが一堂に集結」と掲げています。

こちらの展示会では、介護システムやAIを用いた製品や新しい情報を探している来場者が多く訪れます。自社製品が、介護システムやAIを使った介護製品であれば、来場者に興味を持ってもらえる確率が高くなります。

展示会の場所はJETRO『世界の見本市・展示会情報(J-messe)』で探すことができます。

開催都市や業種で絞り込んで検索することも可能です。こちらを活用して出展する展示会を決めてみましょう。

5-3. 展示会の企画や準備をする

展示会の場所が決まったら、展示会の企画・準備を行います。

具体的には、以下のことを決めていかなければなりません。

展示会の企画や準備すること

〇目標を設定する
・目的を達成するための具体的な数値(名刺獲得数500枚・商談数10件など)

〇外部に依頼するものの準備
・展示ブースや出展スペース
・陳列什器
・パンフレットや資料
・ノベルティ
・コスチューム(スタッフだと分かる衣装)
・交通・宿泊・運搬の手配

〇参加スタッフの任命
・当日の役割を決める
・運営マニュアル(トークスクリプトやタイムテーブルなど)の作成
・当日の動きの打ち合わせ・リハーサル

〇その他
・アンケート作成
・集客方法

など

展示会を出展するためには、上記のように決めなければならないことや準備するものが多く時間やコストがかかります。

展示会出展を成功させるためには、入念に企画し準備をしなければなりません。

例えば「他社も配っているし、うちもノベルティを作ろう」と理由なくノベルティを作ろうと思っていませんか?
なんとなく作ったノベルティは、ありきたりなものにしかならず、すぐに捨てられてしまいます。

ノベルティは、見込み顧客の獲得というメリットを活かすために作らなければなりません。

名刺をいただいた方やアンケートに回答していただいた方など、見込み度の高い方だけと決めて配ることで、単価が高く喜ばれるいいものを作ることができます。

しっかりと企画を考えるためや準備漏れを防ぐためにも、少なくとも6ヶ月前から企画を練り準備を行いましょう。

展示会の準備は「【図解】展示会の成功は準備で決まる!準備の流れと成功に導く方法」で詳しく説明しています。詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

5-4. 事前に展示会の集客をする

事前に展示会の集客を行いましょう。

展示会は期間が決められていて、開催中の出展だけで、集客できると考えがちです。

しかし、事前に集客をすることによって、既存顧客に事前にアプローチできたり、自社に興味のある方へ来場してもらえる可能性を高めたりすることができます。

事前にできる集客の方法は、大きく分けると以下の3つです。

事前にできる集客一覧

〇既存顧客に案内状(DM)や入場券入りの招待状を送る
→出展するテーマに興味がある企業に絞り込んで送付する

〇自社サイトやオウンドメディアでの告知
→サイト内に展示会の特設サイトを用意し、リターゲティングタグを埋め込むことで、見込み顧客の行動を追跡してWeb広告を配信できる

〇SNSを使った告知
→シェア機能で拡散されることもあるため、見込み顧客へ情報が届く可能性も期待できる

特に、既存顧客や見込み顧客は、商談につながる可能性が高いです。

来場を促すために、開催の2週間前には、電話や対面で「招待状をお送りしましたが、ご覧いただけましたか?」と確認し、足を運んでもらうためにアポ取りをして、来訪をスケジュールに組み込んでもらいましょう。

展示会の集客に関する情報は「展示会の集客を成功させるポイントと具体的な集客方法17つを紹介」で詳しく説明しています。詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

6. 費用や手間をかけたくないのならオンライン展示会の出展を検討してみよう

展示会のメリットやプロセスなどがわかり、展示会に出展してみたいけど、費用や手間などのコストが気になる方もいらっしゃると思います。

そういった方は、オンライン展示会に出展する方法もあります。

オンライン展示会とは簡単に説明すると、オンライン上のバーチャル空間で開催される展示会です。「ウェブ展示会」、「バーチャル展示会」といわれることもあります。

オンライン展示会は、費用を抑えられるメリットもありますが、デメリットもあります。

リアル展示会と比較してみて、オンライン展示会に出展することを検討してみましょう。

順番に解説していきます。

6-1. リアル展示会に出展するよりもコストを抑えられる

オンライン展示会は、リアル展示会よりもコストを抑えて出展ができます。

リアル展示会であれば、出展スペースの費用やブースの装飾費用、機材の搬入費用やその他人件費、旅費など多くの費用がかかります。

オンライン展示会では、出展スペースの費用やブースの費用などが抑えられるうえ、旅費や機材の搬入にかかる費用が要らないため、リアル展示会に出展するコストよりも半分以下に抑えられます。

会場費やブースの装飾費が抑えられ、旅費や交通費などの費用がかかりません。機材の搬入や移動などがなくなるため、その手間とコストも抑えられます。

6-2. リアル展示会よりも商談率のアップが見込める

オンライン展示会では、リアル展示会よりも商談率のアップが見込めます。

リアル展示会では、情報収集や市場調査など勉強のために展示会に訪れる方も多いです。ノベルティやパンフレット目当てで訪れる来場者も中には存在します。

また、製品に興味を持っていても、他に多くの来場者がいると「今度でいいか」と話を聞くことを諦めてしまう場合もあります。

一方で、オンライン展示会では「この商材が気になる」、「この製品を使ってみたい」と明確な目的意識をもって訪れる方が多いため、商談率の高いビジネスマッチングを行えます。

オンライン展示会では、展示会のページに、商談予約機能や相談予約機能などがあり、参加者がいつでも時間や他の参加者を気にせず相談ができます。

自社に興味を持ってくれている方だけに注力してアプローチが可能です。

6-3. オンライン展示会の方が業務効率を上げられる


リアル展示会に比べてオンライン展示会では、業務効率も上がります。

リアルの展示会の場合は、名刺をたくさん獲得したはいいけど、どの顧客が見込み顧客なのか仕分けをしなければなりません。

名刺を読み込み、来場者アンケートと照らし合わせながら確認していく必要があります。

しかしオンライン展示会では、展示会で貰った名刺やアンケートなどの情報を展示会中にデータ化できるため、展示会終了後すぐにお礼メールを送るなどスムーズなフォローが可能です。

さらに、1度オンライン展示会をやればブースのデータは残るため、労力をかけずに2回目以降も開催ができ、認知拡大にも務められます。

6-4. オンライン展示会ではリアルならではの営業や体験は難しい


オンライン展示会ではリアルならではの営業や体験は難しいです。

ネット上での開催になるため、呼び込みや声掛けをしてブースへと訪問してもらうプッシュ型の営業ができません。見込み顧客との偶然の出会いができないのが特徴です。

リアル展示会では、実際に実機や商品を見て触って性能を確認することができますが、オンライン展示会では、実物に触れることはできません。

デモや体験など実際の製品を体感しにくいデメリットもあります。プッシュ型の営業や製品の体感のしやすさは、リアル展示会に軍配が上がります。

しかし近年は、VRなどを利用して360°製品を見て体験できたり、Zoomなどのオンライン会議を利用して、Web上で工場見学などを行ったりと、オンライン展示会のデメリットを払拭できるプラットフォームも登場しています。

オンライン展示会のデメリットが気になる場合は、VRやオンライン会議などを利用できるサービスを使ってみましょう。

オンライン展示会ならバーチャル展示会プラットフォーム「WONDERLINE」がおすすめ!

「オンライン展示会に興味があるけど、体験型の出展はやっぱり難しそう」
「オンライン展示会は費用がかからないし、商談率が高くなりそうだけど、操作が難しそう」

こんなお悩みはありませんか?

実際に製品を使っているところをアピールして良さを知ってもらいたい企業も多いと思います。弊社の「WONDERLINE」であれば、実物のショールームのような展示会が実現可能です。

〇実物のショールームのようなバーチャル体験も可能!
WONDERLINEでは、リアル展示化のような展示ブースが作成でき、動画や静止画を含めて最大2000点までの商品やサービス、技術の展示が可能です。

実際に製品を使っている様子や工場で機械を動かしている様子など動画や画像を使って、アピールできます。

さらに、360°VRウォークスルーができるため、実物のショールームに入っているかのようなバーチャル体験で訴求も可能です。

〇コンテンツ制作もお任せください!
「うちは、コンテンツ制作の技術がないからオンライン展示会は出展できない」と不安に感じる方もいると思います。

弊社は印刷事業に関連してWebデザインやパンフレットデザイン、動画制作などを行っているため、これらのコンテンツ制作のノウハウも持っています。

コンテンツ作りでお困りの場合も、弊社がまとめて制作することも可能です。

〇運営スタッフが手厚くサポート!
オンラインイベントに不慣れな場合、分からないことやトラブルがないか心配ですよね。

WONDERLINEの運営スタッフが、展示会のスムーズな運用やトラブルの対応などしっかりと寄り添って手厚くサポートします。

バーチャル展示会プラットフォーム「WONDERLINE」の詳細をもっと詳しく知りたい方に向けて、資料をお配りしています。

以下からチェックしてみてくださいね。

7. まとめ

いかがでしたでしょうか。

展示会出展のメリットがわかり、自社に効果があるかどうか判断できるようになっているはずです。

最後にこの記事の内容についてまとめておきますので、おさらいしておきましょう。

展示会出展のメリットは以下の4つです。

展示会出展のデメリットは以下の3つです。

展示会出展がおすすめな企業は以下のとおりです。

反対に、展示会出展をあまりおすすめしない企業は以下の通りです。

上記を判断の材料にしてみてくださいね。

展示会に出展するためのプロセスもまとめておきます。

展示会のメリットやプロセスなどがわかり、展示会に出展してみたいけれど費用や手間などのコストが気になる方は、オンライン展示会に出展する方法もあります。

リアル展示会と比較してみて、オンライン展示会に出展することも検討してみましょう。

この記事を参考に、展示会の出展を成功させ、商談や受注などの成果につながることを願っております。

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