オンライン展示会とは?概要から実施手順までを細かく解説!

「オンライン展示会とはどのようなものなのだろう?」
「最近はオンライン展示会も珍しくないようだけど、一般的な展示会と比べてどうなんだろう?」

そのように、オンライン展示会の実態をお知りになりたいのではありませんか?

先にお伝えしておくと、オンライン展示会とは、その名の通りインターネット上で行われる展示会のことで、「バーチャル展示会」、「Web展示会」とも呼ばれています。

インターネット上で商品やサービスをPRすることで、来場者(アクセスしてくれた人)とのオンラインでのビジネスマッチングが見込めるというのが大きな特徴です。
「ビジネスマッチングが見込める」という点は、従来のリアル展示会とも共通するところですよね。

ただ実は、オンライン「展示会」という名称ではあっても、以下の通り、リアル展示会とは異なる点も多いのです。

【リアル展示会とオンライン展示会の違い】

違うところ

リアル展示会

オンライン展示会

ブース

物理的なブースを製作

オンライン上のブース

特有のコンテンツ

・商材の実物展示
・サンプル配布

AR
3DCG画像

来場者の目的

・情報収集
・会場周辺に出向いたついで

・情報収集
・商品・サービスの検討

集客の仕方

事前の宣伝や案内+
会場での声掛け

事前の宣伝や案内のみ

コスト

70〜280万円(12小間の場合)

25〜350万円

労力負担

比較的大きい

比較的小さい

会期

2〜3

数ヶ月〜常設

このようにさまざまな違いがあるため、リアル展示会と同じような感覚で実施すると、思うような成果が得られません。

一方で、オンライン展示会がどのようなもので、リアル展示会とはどう違うのかをしっかりと把握したうえで取り組めば、コストを抑えながらビジネスマッチングが叶う素晴らしいマーケティング手段となるはずです。

そのように、費用対効果が高いと言えるオンライン展示会の実現には欠かせない情報を、この記事ではもれなくご紹介します。

本記事の内容

・オンライン展示会とは
・オンライン展示会のタイプ
・オンライン展示会でできること
・リアル展示会との違い
・オンライン展示会で期待できる効果
・オンライン展示会のメリット・デメリット
・オンライン展示会の費用相場
・オンライン展示会を実施する手順
・オンライン展示会を成功させるポイント

最後までお読みいただければ、オンライン展示会の利点も弱点も理解したうえで実施を決断できるはずです。
早速読み進めていきましょう。

目次

1. オンライン展示会とは

オンライン展示会がどういったものかを理解するため、まずはオンライン展示会の意味合いや、必要とされている背景を知っておきましょう。

1-1. オンライン展示会とはインターネット上で開催される展示会のこと

冒頭でもお伝えした通り、オンライン展示会とは、「インターネット上で開催される展示会」です。

「バーチャル展示会」、「Web展示会」と呼ばれることもあり、基本的には必要な機能が搭載された専用のプラットフォーム(ツール)を用いて実施されます。

企業はインターネット上のブースで商品やサービスをPRし、来場者とオンラインでコミュニケーションを取ったり、名刺交換を行います。

オンライン展示会は、そのように「来場者のアクションやコミュニケーションを伴う接点獲得」を目指して、実施されるものです。

1-1-1. オンライン展示会とWebサイトの違い

オンライン展示会とWebサイトは似ているようですが、この二つでは目的が異なります。

オンライン展示会においても、Webサイトでも、商品・サービスを紹介しますが、WebサイトではPRやブランディングを主要な目的としていることが多いです。

一方で、オンライン展示会では、来場者のアクションやコミュニケーションを伴う「接点」に重きを置いています。

このように目的が異なるため、オンライン展示会には、Webサイトには無いユーザーとの双方向性がある仕組みが備わっています。

オンライン展示会に備わる仕組み

・オンラインでの名刺(データ)交換
・資料をダウンロードしてもらうことによる名刺情報の獲得
・オンライン商談・ウェビナー(Webセミナー)内での交流
・チャットでの質疑応答

など

来場者のアクションやコミュニケーションを伴う「接点」を目的とするオンライン展示会には、こうした仕組みが欠かせないのです。

1-1-2. オンライン展示会とウェビナーの違い

オンライン展示会と、ウェビナー(Webセミナー)についても、違いが分かりづらいですよね。

ウェビナーに関しては、目的はオンライン展示会と同じく、「参加者のアクションやコミュニケーションを伴う接点獲得」と捉えることができます。ただ、参加者(来場者)側へのアプローチの手段は、オンライン展示会の方が豊富と言えます。

ウェビナーでは、企業の有する専門知識やノウハウなどの情報提供をフックに、ビジネスマッチングを目指します。

一方オンライン展示会では、ウェビナーを含めた以下のようなコンテンツを用意して、来場者にアプローチします。

【オンライン展示会での来場者へのアプローチ手段】

・プレゼン
・商材や企業紹介の動画
ARを使った仕掛け
・ダウンロード用資料(事例集、カタログ、ノウハウなど)
・商品画像(2D画像、3DCG画像)
・無料トライアル(商材がWeb上で提供できるサービスの場合)

このように、来場者に対して多角的なアプローチを行える点で、オンライン展示会はウェビナーとは大きく異なっているのです。

1-2. オンライン展示会が必要とされる背景

オンライン展示会は、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、急激に開催件数や取り組む企業が増加しました。

感染予防の観点から、非対面でも行える展示会が求められたからです。

しかし、オンライン展示会が必要とされている理由は、実はそれだけではありません。

そもそも、マーケティングや宣伝の領域におけるWebの活用は、コロナ禍以前から拡大傾向にありました
例えば、消費者庁の資料『近年の広告市場の動きについて』でも分かる通り、Web広告の市場規模は10年以上前から右肩上がりで推移しています。

Webを活用したマーケティング・宣伝手段の必要性が高まり続ける中で発生した、新型コロナウイルスの流行は、オンライン展示会の需要が高まるきっかけの一つに過ぎないのです。

つまり、コロナ禍が収束した後も、Webが重視される状況は変わらず、マーケティングの一手段として今後もオンライン展示会は一般的に用いられると考えられます。

2. オンライン展示会の2つのタイプ

オンライン展示会には、大きく以下2つのタイプがあります。

・合同出展型
▶︎合同展示会に一出展社として出展するタイプ。東京ビッグサイトなどの会場で行われるリアル展示会のオンライン版に近いイメージ。

・単独開催型
▶︎オンライン展示会用のプラットフォーム(ツール)を利用して、自社やグループで独自に開催するタイプ。

ここでは、それぞれのタイプについてご紹介します。

2-1. 合同出展型

合同出展型のオンライン展示会は、リアル展示会のオンライン版というイメージで捉えていただくと分かりやすいです。

主催者が事前に出展企業を募るので、出展したい場合は主催者に対して申し込みを行います。
例を挙げると、「MONTAGE ONLINE 32nd – Lifestyle Design Products Show」がこのタイプです。

また合同出展型では、リアル展示会をやりつつオンライン展示も行う「ハイブリッド展示会」も増えてきています。

ハイブリッド展示会については、「ハイブリッド展示会とは?リアルとオンラインを融合する新たな展示会」で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

2-1-1. 合同出展型のメリット

合同出展型のオンライン展示会は、単独開催型と比べて以下のような点がメリットと言えます。

・主催者が大々的に宣伝するため、自社では宣伝を行わなくても展示会に来場者が集まる
・展示会の運営は主催者が行うため、コンテンツの準備に集中できる

運営まわりの実務を主催者側で行ってくれることが、こういったメリットに繋がっているのです。

2-1-2. 合同出展型のデメリット

一方、合同出展型のオンライン展示会には、以下のようなデメリットもあります。

・主催者に出展料を支払う必要がある(目安:30100万円)
・主催者側でプラットフォームが選定されるため、自社で任意のプラットフォームを選べない

運営を主催者に任せられる分、こういったデメリットも出てくるのです。

2-2. 単独開催型

単独開催型のオンライン展示会は、プラットフォームを利用して自社やグループ企業が、単独で開催するタイプです。

自社が主催者の立場でもあるので、大変そうなイメージを持たれるかもしれませんが、案外そんなこともありません。

というのも、最近では多様なオンライン展示会プラットフォームが提供されており、スムーズなオンライン展示会の実施を強力にサポートしてくれるからです。

【オンライン展示会プラットフォームの例】

プラットフォーム名

提供企業

特徴

WONDERLINE

新日本印刷

・商品展示・名刺交換・商談・来場者分析がひとつにつながったオールインワンの展示会プラットフォーム
・サポートが充実している

META BOOTH

アイデアクラウド

XR開発会社によるバーチャル展示会プラットフォーム

ネクシビ

フジヤ

・ライブ配信やオンラインセミナーにも対応

そのまま展示会

SoVeC

・ソニーグループの技術が活用されたメタバース会場

こうしたプラットフォームは、提供会社が使い方も説明してくれるはずなので、初めて利用するツールだからといって身構える必要はないでしょう。

2-2-1. 単独開催型のメリット

合同出展型と比べると、単独開催型のオンライン展示会には、以下のようなメリットがあります。

・必要な機能やコストに応じて自社でプラットフォームを選べる
・会期を自由に設定できる

単独開催型では、自社が主催者の立場であるため、このように自由度の高いことがメリットとなります。

2-2-2. 単独開催型のデメリット

一方で、単独開催型には以下のようなデメリットもあります。

・自社で宣伝を行い、来場者を集める必要がある
・運営を自社で行う必要がある

このように、自社が主催するため、集客や運営にも労力を割かなければならない点が、単独開催型のデメリットと言えます。

ただ、こうしたデメリットは、集客や運営までサポートしてくれるプラットフォームを選ぶことである程度解消されます。

3. 【事例を交えて紹介】オンライン展示会でできること8

続いて、オンライン展示会において、企業が来場者との接点を獲得するために、具体的にどういったことを行えるかご紹介します。

それが以下の8つです。

オンライン展示会でできること

・商材の紹介
・セミナー/プレゼン
・ダウンロード資料の設置
・アンケート
・ノベルティ配布
・オンライン名刺交換
・オンライン商談
・来場者分析

オンライン展示会では、こういったことが全てオンライン上で行えます。

それぞれ、実例を紹介しながら詳しく説明しますね。

3-1. 商材の紹介

まず、当然のことながらオンライン展示会では商材の紹介を行うことができます。

紹介の仕方は、展示会やプラットフォームによって異なりますが、一般的には以下のようなコンテンツがよく用いられます。

・動画
・画像とテキスト(カタログ、リーフレットを含む)
・既存の商材紹介ページへのリンク
・商材の設置シミュレーション用AR
▶︎サンプル(スマホ用):40inch TVモニター設置シミュレーション(田中印刷所)

例えば、「モリコーの森の展示会」では、動画・カタログ・既存の商品紹介ページへのリンクを活用して商品を紹介しています。

このように、オンライン展示会ではさまざまなコンテンツにより、自社の商材をPRすることができるのです。

※こうしたコンテンツ類の詳細については以下の記事も参考にしてみてください。

・「オンライン展示会の動画はクオリティ命!特徴メリット、注意点を解説
・「オンライン展示会でARを使うメリットは?VR・MRの違いから解説

3-2. セミナー/プレゼン

オンライン展示会では、セミナー(ウェビナー)やプレゼンを実施できるケースも多いです。

基本的に、オンライン展示会上で行われるセミナーやプレゼンは、視聴のために氏名や連絡先を登録する仕組みとなっています。

つまり、視聴されること自体が来場者との接点となります。

そのため、オンライン展示会でセミナーを実施する企業は、セミナーやプレゼンでは商材を紹介するよりも、より関心を引きやすい内容で多くの視聴者を獲得することを目指します。

この「より関心を引きやすい内容」とは、例えば以下のようなものを指します。

・著名人の講演/対談
・導入事例紹介
・ノウハウ紹介
・最新技術紹介
・バズワード(DXSDGsChatGPTなど)を絡めた講演

ブラザー工業株式会社の常設オンライン展示会「小売・店舗のお悩みを解決!オンライン展示会 |ブラザー ビジネスNAVI」では、実施予定のウェビナーや過去のウェビナーが紹介されているので、そちらも参考にしてみてください。(赤い吹き出しの「オンラインセミナー情報」をクリック)

3-3. ダウンロード資料の設置

オンライン展示会では、ダウンロード資料を設置できることが多いです。

基本的に、来場者は資料をダウンロードするために氏名や連絡先を登録することになり、ダウンロード用の資料の設置は、接点獲得のために重要な役割を果たすと言えます。

そのため、セミナーと同じく、より関心を引きやすい資料をダウンロード用に設置するのが一般的です。

セミナーと重複するところもありますが、その内容例は以下の通りです。

・導入事例紹介
・ノウハウ紹介
・最新技術紹介
・バズワード(DXSDGsChatGPTなど)を絡めたお役立ち資料

ダウンロード資料についても、ブラザー工業株式会社の常設オンライン展示会「小売・店舗のお悩みを解決!オンライン展示会 |ブラザー ビジネスNAVI」を見ていただくと、よりイメージがつかみやすくなるかと思います。(「一元管理システム」横の+ボタンをクリック)

3-4. アンケート

オンライン展示会では、アンケートを実施することもできます。

回答してもらうことで、来場者のニーズを把握できたり、連絡先を入手することができるので、アンケートも来場者との接点獲得のために重要な役割を果たしてくれるのです。

また、オンライン展示会自体の感想を訊くこともできるので、次回に向けた有益なフィードバックを得ることもできます

例えば、アクアシステム株式会社の常設オンライン展示会「AQUA SYSTEM ONLINE EXPO」では、ページ下部にノベルティ付きのアンケートを設置しています。

そのように、回答のインセンティブも合わせて用意すれば、より多くの接点獲得が期待できるはずです。

アンケートの設問内容や、作成方法については「オンライン展示会アンケートの作り方【テンプレート例文と集計方法】」で詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧になってみてください。

3-5. ノベルティ配布

オンライン展示会では、ノベルティを配布できる場合もあります。

オンライン展示会のプラットフォームによっては、ノベルティ配布機能を備えていることがあります。
そのようなプラットフォームを使ってオンライン展示会を実施した場合は、来場者にノベルティを配布することが可能です。

例えば、弊社が提供するオンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」では、デジタルギフトサービス「giftee Box」によるノベルティ配布機能をオプションとして提供しています。

また、先ほどもご紹介したアクアシステム株式会社の常設オンライン展示会「AQUA SYSTEM ONLINE EXPO」では、アンケートの回答と引き換えに、社名入りのウェットティッシュやスマートフォンフィンガーリングを進呈しています。

リアル展示会でよく見かけるノベルティですが、オンライン展示会でも、来場者の連絡先の登録や、アンケート回答のインセンティブとして用いられることがあるのです。

ノベルティについては、「ノベルティ配布はオンライン展示会でも必要!理由4つと活用法を解説」でも詳しく説明していますので、ぜひ目を通してみてください。

3-6. オンライン名刺交換

オンライン展示会では、来場者の連絡先を獲得するためにオンライン名刺交換が行えることも多いです。

来場者と接点を持つにあたり、名刺交換が重要であることはお分かりですよね。

そのため、オンライン展示会でも、商材に興味を持った来場者が名刺交換を希望した場合に、

・来場者の名刺情報が企業側に提供される
・企業の担当者の名刺情報が来場者に提供される

という形で連絡先の交換が可能となっています。

イメージの参考としてオンライン展示会プラットフォームWONDERLINE」の「オンライン名刺交換」部分もご覧になってみてください。

3-7. オンライン商談

来場者からの希望があった場合には、オンライン商談も行えます。

リアル展示会でも、商材を具体的に検討する来場者とその場で商談を行う場合がありますよね。

それと同じように、オンライン展示会では、プラットフォームがWeb会議機能を搭載していることで、インターネット上のブースからシームレスにオンライン商談が行えるようになっているのです。

イメージの参考として、オンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」の「オンラインミーティング」部分もご覧になってみてください。

また、オンライン商談の詳細を詳しく知りたい場合は、「オンライン商談会とは?対面との違い・メリット・デメリットを解説」の記事も役立つはずです。

3-8. 来場者分析

オンライン展示会では、来場者分析が行える場合もあります。

来場者分析とは、簡単に言えば「どのような来場者が、何に関心を持っているか」をデータで把握し、来場者のニーズを分析することです。

これは、来場者と接点を持った後、より的確なフォローを行って着実に売り上げに繋げていくためには非常に重要です。

来場者のニーズや、その熱量(すぐに商材が必要なのか、今後必要となりそうなのか)によって、効果的なフォローは異なってきますよね。

「どの来場者にどのようなフォローを行うか」を的確に判断しやすいように、オンライン展示会では来場者分析が行えるようになっているのです。

4. オンライン展示会とリアル展示会の違い

ここまでお読みいただいて、オンライン展示会には、リアル展示会と共通する部分も多数あることにお気付きかと思います。

そこで気になるのが、

「結局オンライン展示会は、リアル展示会と何が違うのか?」

というところですよね。

冒頭でもお見せしましたが、両者の違いは以下のようなところにあります。

【リアル展示会とオンライン展示会の違い】

違うところ

リアル展示会

オンライン展示会

ブース

物理的なブースを製作

オンライン上のブース

特有のコンテンツ

・商材の実物展示
・サンプル配布

AR
3DCG画像

来場者の目的

・情報収集
・会場周辺に出向いたついで

・情報収集
・商品・サービスの検討

集客の仕方

事前の宣伝や案内+
会場での声掛け

事前の宣伝や案内のみ

コスト

70〜280万円(12小間の場合)

25〜350万円

労力負担

比較的大きい

比較的小さい

会期

2〜3

数ヶ月〜常設

ここでは、こうしたリアルとオンラインの展示会の違いについて、一つずつ説明します。

4-1. ブースの違い

違うところ

リアル展示会

オンライン展示会

ブース

物理的なブースを製作

オンライン上のブース

リアル展示会とオンライン展示会では、ブースに大きな違いがあります。

ご存知の通り、リアル展示会では物理的なブースを製作しなければなりません。
このため、デザインから設計、製作、施工、撤収という一連の作業にかなりの工数やコストを要します。

一方、オンライン展示会で必要なのはオンライン上のブースです。
オンライン上のブースでは、製作や施工、撤収という作業が不要なことはもちろん、基本的にはプラットフォーム側でブースのテンプレートが用意されているので、細かいデザインや設計も必要ありません

材料費がかからないため、コストも小さく済みます。

このように、ブースが物理的なものかオンライン上のものかが違うため、ブースに必要な工数・コストも大きく異なります

4-2. 特有のコンテンツの違い

違うところ

リアル展示会

オンライン展示会

特有のコンテンツ

・商材の実物展示
・サンプル配布

AR
3DCG画像

リアル展示会特有のコンテンツとオンライン展示会特有のコンテンツは、それぞれ別のものです。

来場者に直接PRを行うリアル展示会でしか用意できないコンテンツとして、商材の実物展示やサンプル配布が挙げられます。

展示会上に持ち込めるサイズの商材を扱う場合や、食品など配布して試してもらえる商材を扱っている場合は、リアル展示会特有のコンテンツを効果的に活用しやすいです。

一方で、オンライン上でしか用意できないコンテンツとして、AR3DCG画像があります。

商材が大きめの機器類である場合は、ARを活用することで設置シミュレーションをしてもらえたり、3DCG画像によって普段は見ることのできない機器の裏側や細部を手軽に確認してもらえます。

※3DCG画像サンプル:Canon AT-1 Retro Camera – Download Free 3D model by AleixoAlonso

このように、リアル展示会もオンライン展示会も、特有のコンテンツは、それぞれの環境を活かしたものとなっています。

もしリアル展示会とオンライン展示会で、どちらに取り組むべきかお悩みなら、「自社の商材をPRするのにどちらのコンテンツが適しているか」という点を、判断指標の一つとすると良いでしょう。

4-3. 来場者の目的の違い

違うところ

リアル展示会

オンライン展示会

来場者の目的

・情報収集
・会場周辺に出向いたついで

・情報収集
・商品・サービスの検討

リアル展示会とオンライン展示会では、来場者の主な目的にも違いがあります。

とはいえ、どちらの場合も情報収集を目的としている来場者が多いのは確かです。

ただ、リアル展示会では会場周辺に出向いたついでに訪れている来場者も多く存在します。
イベントのような雰囲気につられて、なんとなく出向いてみたという人も多いのです。

一方、オンライン展示会では、そういった「なんとなく」で訪れる人は少なく、商品・サービスの検討をしたい比較的目的意識の高い来場者が多いです。

イベント感のあるリアル展示会とは違い、商材に興味を持っていないのにオンライン展示会を閲覧する理由は無いからでしょう。

もちろん、リアルでもオンラインでも、突き詰めれば来場者の目的は「人それぞれ」と言えます。
ただ、傾向として、オンライン展示会の方が目的意識の高い来場者の割合が高いということは留意しておきましょう。

4-4. 集客の仕方の違い

違うところ

リアル展示会

オンライン展示会

集客の仕方

事前の宣伝や案内+
会場での声掛け

事前の宣伝や案内のみ

リアル展示会とオンライン展示会では、自社ブースへの集客の仕方に違いがあります。

リアル展示会では、事前に自社が出展することを宣伝したり、既存顧客に案内する他、会場を行き交う来場者に声を掛けてブースに訪れてもらうことができます。

一方、オンライン展示会では、リアル展示会のように「通りがかった来場者に声を掛ける」ということができないため、集客は事前の宣伝・案内にかかっています

このため、集客のハードルはリアル展示会の方が低いと言えます。
オンライン展示会では、事前の宣伝・案内を怠ると、全く来場者が居ないという事態も起こりかねない点に注意が必要です。

オンライン展示会の集客について、やり方などを詳しく知りたいという場合は「オンライン展示会9つの集客方法|それぞれの期待できる集客効果とは」もあわせてご覧ください。

4-5. コストの違い

違うところ

リアル展示会

オンライン展示会

コスト

70〜280万円(12小間の場合)

25〜350万円

リアル展示会とオンライン展示会では、必要なコストも異なります。

表に示した通り、どちらも出展の仕方によって費用相場に幅があるのですが、金額をより抑えやすいのはオンライン展示会なのです。

リアル展示会では、必ず出展料がかかるうえ、ブース製作にもそれなりの費用が必要なため、費用を抑えるにも限界があります。

しかし、オンライン展示会では、単独開催の場合は出展料がかかりませんし、ブースにも大きなコストはかかりません。資料もデータで配布できるので、印刷費も不要です。

このように、リアル展示会と比べると不要な費用項目が多いため、オンライン展示会では費用を限りなく抑えた出展も可能なのです。

それぞれの費用について、より詳しく知りたい場合は、以下の記事にも目を通してみてください。

・「展示会の出展にかかる費用を徹底解説!費用を決める3つのステップ
・「オンライン展示会の費用は?出展パターン別にシミュレーションで解説

4-6. 労力負担の違い

違うところ

リアル展示会

オンライン展示会

労力負担

比較的大きい

比較的小さい

実施にかかる労力負担は、リアル展示会の方が大きいです。

リアル展示会で必要な以下の作業・業務が、オンライン展示会では不要となるからです。

・ブース製作
・ブース施工の立ち会い
・機材の送付・搬入
・会期中のブースでの呼び込みや来場者対応(張り付き)
・交換した名刺のデータ化
・撤収作業
・機材の返送・搬出

オンライン展示会は、これらに対する人的コストをかけることなく実施できるので、労力負担が小さく済むのです。

※会期中の来場者対応は必要ですが、来場者からコンタクトのあった時のみ対応にあたれば良いので、張り付きでなくても構いません。

4-7. 会期の違い

違うところ

リアル展示会

オンライン展示会

会期

2〜3

数ヶ月〜常設

リアル展示会とオンライン展示会では、会期が大きく異なります。

基本的にリアル展示会の会期は23日と短期であるのに対し、オンライン展示会は数ヶ月、あるいは常設である場合が多いです。

リアル展示会は会場を押さえて実施するうえ、ブースで対応を行う従業員は、その間本来の業務を行うことができません。そのため、長期に渡って実施するのは現実的に不可能と言えます。

一方オンライン展示会は、そのように会期の長期化を妨げる要素が、ほぼありません。
であれば、できるだけ長く会期を設けて、より多くの人に来場してもらうのがベターですよね。

こうした観点から、オンライン展示会は数ヶ月以上の会期が設定されるケースが多いのです。

5. オンライン展示会で期待できる主な効果3

オンライン展示会で、どのような効果が得られるのかも気になるところですよね。

ここでは、オンライン展示会で得られる以下3つの効果について、詳しくご説明します。

・リードを獲得できる
・アップセル・クロスセルのきっかけとなる
・商材や自社の認知拡大にも効果が期待できる

5-1. リードを獲得できる

オンライン展示会を実施することで、リード、つまり見込み顧客を獲得することができます。

これはリアル展示会とも共通するところですが、商材のPRを通して、関心を持ってくれた企業と接点を持てるからです。

特にオンライン展示会は、インターネットさえあればどこからでも来場(アクセス)してもらえるため、普段はなかなか関われないような以下のような相手とも接点が得られる可能性があります。

・商談の場やリアル展示会に訪れることが難しい多忙な決裁権者
・海外を含む遠距離圏の企業

このような、オンライン展示会だからこそ出会える相手を含め、幅広い層のリードを獲得していけるのがオンライン展示会の最たる効果と言えます。

オンライン展示会におけるリード獲得については「良質なリードをたくさん獲得するオンライン展示会の活用方法」で詳しく説明しているので、こちらも参考にしてみてください。

5-2. アップセル・クロスセルのきっかけとなる

オンライン展示会は、既存顧客に来場してもらうことで、アップセルやクロスセルのきっかけとなります。

会場までの移動も必要無く、顧客の都合の良いタイミングでいつでも来場できるオンライン展示会は、気兼ねなく既存顧客に案内できますし、来場ハードルも低いです。

また、挨拶や打ち合わせの場で直接オンライン展示会を見てもらうこともできます。

このように、来場ハードルの低いオンライン展示会を営業活動に取り入れて、うまく顧客のニーズを引き出せれば、アップセルやクロスセルが実現しやすくなるのです。

5-3. 商材や自社の認知拡大にも効果が期待できる

オンライン展示会は、商材や自社の認知拡大にも効果が期待できます。

オンライン展示会は、極端な話、世界のどこからでも閲覧してもらえるため、これまで自社のことを知らなかった多数の相手に認知してもらう絶好のチャンスとなるのです。

リード獲得やアップセル・クロスセルに対する効果に比べると、利益には繋がりづらいと思われるかもしれませんが、認知されていない状態からでは、どんな成約も購買も起こり得ません。

認知の拡大効果があることは、成約や購買に至るまでの最初の一歩を踏み出せるという意味で、非常に重要なことと言えるのです。

6. オンライン展示会のメリット

ここまでで、オンライン展示会のメリットがなんとなく見えてきているかと思います。

ここで改めて、そのメリットを整理し、詳しく見ていきましょう。

オンライン展示会のメリット

・幅広い層へPRできる
・費用を調整しやすい
・労力負担が小さくて済む
・質の高いビジネスマッチングが見込める
・効率良くマーケティングが行える
・イレギュラーな事態に影響されづらい

順番に説明しますね。

6-1. 幅広い層へPRできる

オンライン展示会の一つ目のメリットは、幅広い層に向けて自社商材をPRできることです。

先ほどもお伝えしましたが、オンラインという特性上、世界中の企業に来場してもらうことが可能だからです。

現実的な例を挙げれば、以下のような相手がオンライン展示会に来場してもらえる範疇と言えます。

・既存顧客
・既に接点のある見込み顧客
・遠距離圏の企業
・ターゲット企業の決裁権者

このようにオンライン展示会なら、既存顧客はもちろん、リアル展示会や日頃の営業活動では出会えない層にもPRを行えるのです。

ただし、このメリットを得るためには、自社でしっかりと集客を実施する必要があることを念頭に置いておきましょう。

6-2. 費用を調整しやすい

2つ目にご紹介するオンライン展示会のメリットは、費用を調整しやすいことです。

既にお伝えしてある通り、オンライン展示会に必要な費用相場は25350万円。非常に幅が大きいことがお分かりですね。

費用に幅があるということは、以下のように費用を抑えることも、逆に大きく投資することも可能です。

・コンテンツに既存の資料や動画を活用して、ミニマムに単独開催する場合
▶︎30万円前後で実施

10社ほどのグループで単独開催し、バーチャル仕様のブースでリッチに実施する場合
▶︎300万円前後で実施

このようにオンライン展示会は、自社の予算に応じて、費用を調整しながら取り組むことができるのです。

6-3. 労力負担が小さくて済む

オンライン展示会の3つ目のメリットは、労力負担が小さくて済むことです。

リアルであろうとオンラインであろうと、動画や資料などのコンテンツは準備する必要がありますが、オンライン展示会のコンテンツはデータで完結します。
そのため、コンテンツ制作において、資料の印刷や、パネル製作などの作業は省くことができるのです。

また先述の通り、リアル展示会では必要な物理的なブースの製作や、会期前・会期中に会場で行う業務が、オンライン展示会では発生しません。

こういったことから、オンライン展示会ではリアル展示会よりも、圧倒的に労力を抑えることができるのです。

6-4. 質の高いビジネスマッチングが見込める

オンライン展示会の4つ目のメリットは、質の高いビジネスマッチングが見込めるという点です。

既にお伝えした通り、リアル展示会にはお祭りにも似た独特の賑わいがあることから

「会場の近くで行った商談のついでに」
「軽い情報収集で」

といった、成約見込みの非常に低い来場者も多く訪れています。

一方で、オンライン展示会では、そういったなんとなくで訪れる来場者よりも、展示会のテーマや紹介されている商材に元々関心を寄せている来場者の方が多いです。

このため、より見込み度の高い来場者とのビジネスマッチングが見込めるのです。

6-5. 効率良くマーケティングが行える

オンライン展示会の5つ目のメリットは、効率良くマーケティングが行えるという点です。

オンライン展示会はデータで完結する施策であるため、以下のようなことが可能なのです。

・来場者の名刺情報をデータで獲得し、CSVなどで取り込める
→リード獲得〜フォローをシームレスに行える。

・来場者の行動履歴をデータで可視化、分析できる
→獲得したリードの興味や、ニーズの高さに応じた的確なフォローがしやすくなる。また、次回開催時に改善すべき点が分かりやすくなる。

名刺をデータ化したり、アンケートを集計する手間が必要なリアル展示会に比べると、マーケティング活動全体での業務効率が非常に良いことがお分かりいただけるかと思います。

6-6. イレギュラーな事態に影響されづらい

オンライン展示会の6つ目のメリットは、イレギュラーな事態に影響されづらいことです。

イレギュラーな事態とは、例えば以下のようなものを指します。

・感染症の流行
・災害
・公共交通機関の遅延・不通
・天候不良

インターネット回線が不通になるほどの災害は例外ですが、ほとんどのイレギュラーは、Web上で開催されるオンライン展示会に何の影響も及ぼしません。

リアル展示会が、こうしたイレギュラーな事態によって延期・中止されたり、来場者の数が減少してしまうことを思えば、安定的な開催ができる点はオンライン展示会のメリットと言えますよね。

7. オンライン展示会のデメリット

オンライン展示会には、ご紹介したようなメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

オンライン展示会のデメリット

・自社で宣伝を行う必要がある
・プル型の営業になる
・来場者が簡単に離脱できてしまう
・商材を直接紹介できない

それぞれ詳しく把握しておきましょう。

7-1. 自社で宣伝を行う必要がある

オンライン展示会では、自社で宣伝を行う必要があります。

リアル展示会のように、通りがかった人に声を掛けて自社ブースへ誘導するということができず、事前に宣伝しておかなければブースに人が来てくれないからです。

このデメリットは、自社が主催者である単独開催型においては、より顕著になります。

主催者が展示会の宣伝を大々的に行う合同出展型では、自社での宣伝を行わなかったとしても、展示会自体には来場者が集まります。そのため、ある程度の人数は自社のブースにも流れてくる可能性が高いです。

しかし単独開催型においては、自社で宣伝しない限り、そもそもオンライン展示会の存在が知られることもありません。

そのため、単独開催型のオンライン展示会では、以下のような方法で自らしっかりと宣伝を実施することが、より重要です。

・自社のWebサイトで告知
SNSの自社アカウントで告知
・既存顧客への個別の案内(メール、電話など)
Web広告配信(リスティング広告、SNS広告など)
・宣伝メルマガ配信
・特設LP制作(メルマガや広告の飛び先として)
・プレスリリース配信

※具体的な宣伝のやり方については「オンライン展示会9つの集客方法|それぞれの期待できる集客効果とは」を参考にしてみてください。

こうした宣伝活動に不慣れで、デメリットが大きいと感じられる場合は、集客面でもサポートを行ってくれるプラットフォームを選ぶのがおすすめです。

7-2. プル型の営業になる

オンライン展示会では、営業スタイルがプル型になってしまいます。

というのも、ほとんどのオンライン展示会プラットフォームが、来場者側の要望があってはじめて、名刺交換や商談を行える仕様となっているからです。

自ら声を掛けて、顧客を獲得していくスタイルが得意な企業では、この点はデメリットとなりますよね。

そこで重要になるのが、以下のような、直接のやり取りが無くても来場者の名刺情報を獲得できるコンテンツを用意しておくことです。

・ダウンロード資料
連絡先を入力してもらうことでダウンロードが可能になる事例集やノウハウ集などのお役立ち資料。

・ウェビナー
連絡先を入力してもらうことで、視聴や参加予約が可能になるWebセミナー。

・無料トライアル
連絡先を入力してもらうことで、利用可能になるサービスの無料トライアル。
※商材がWeb上で利用できるサービスである場合

・ノベルティ付きのアンケート
アンケートの回答とあわせて連絡先も入力してもらうことで、ノベルティを進呈。

プル型の営業となるからには、こうしたコンテンツを用意して、間口を広げて来場者のアクションを待ちましょう。

7-3. 来場者が簡単に離脱できてしまう

オンライン展示会では、来場者が簡単にブースを離脱できてしまいます。

オンラインの特性上、クリック一つで画面を閉じたり、別のサイトに遷移したりできるからです。

またリアル展示会なら、来場者に話しかけることで、再度関心をこちらに向けることもできますが、オンライン展示会では、そのように引き止める術もありません。

このような離脱の容易さは、企業側からすればデメリットに他なりませんよね。

こうしたデメリットを軽減するためには、離脱の要因をできる限り排除することが重要です。
以下のことに配慮し、来場者が高い関心をキープしながら快適に閲覧できるようにしておきましょう。

・最後まで閲覧したくなるコンテンツを用意する
・ストレス無く使えるプラットフォームを選ぶ

7-4. 商材を直接紹介できない

商材を直接紹介できないという点も、オンライン展示会のデメリットです。

商材を見る・触れるという「体験」は、商材への関心を引くためのフックとして非常に効果的ですが、オンライン展示会ではその手段を封じられてしまいます。

そのため、代わりに「オンラインならではの体験」を提供することが大切です。

オンラインならではの体験

AR
展示資料などにARを設定し、来場者のスマートフォンなどのカメラ画面上に、自社の商材を出現させる。
これにより、例えば以下のような体験を来場者に提供できる。

-作業着やユニフォームのバーチャル試着
-機器類の設置イメージ確認

3DCG画像
機器類の内部構造やディティールを3DCG画像で見せる。
これにより来場者は、なかなか目にすることのできない機器類の内部や、そもそも購入前に実物を確認することが難しい大型機器を細部まで確認できる。

・商材の無料トライアル
Web上で提供できる商材(サービス、Webツールなど)をブース内、あるいはブースに設定したリンク先で試してもらう。
これにより来場者は、商材の使用感を確かめられる。

こうしたオンラインならではの体験を提供することで、画面を介していても来場者の好奇心を刺激することができ、商材への関心を引くフックとして十分な役割を果たしてくれるはずです。

こちらでご紹介したデメリットを軽減・解消するための方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
こちらも合わせてご覧ください。

・「オンライン展示会の課題6つ|出揃った今こそ対策しながら取り組もう
・「オンライン展示会の3つの失敗例と反省から見えてきた打つべき対策

8. オンライン展示会にかかる費用

オンライン展示会が、費用を調整しやすいということは既にお伝えしましたが、具体的に「どこに、どれくらい」費用がかかるか、改めて見ていきましょう。

8-1. オンライン展示会の費用相場

まず、オンライン展示会を実施するのに必要な費用の相場は、25350万円です。

その主な費用項目は以下の通りです。

・オンライン上の場所代
…合同出展型の場合は「出展料」として主催者に支払う。オンライン展示会用のプラットフォーム(ツール)を用いて自社やグループで単独開催する場合は「プラットフォーム利用料」としてプラットフォーム提供企業に支払う。

・コンテンツ制作費
…PDF資料や動画、場合によっては3DCG画像など、公開するコンテンツの制作に必要な費用。新規に制作する場合に、発注先の制作会社に支払う。

・宣伝費
…オンライン展示会に集客するための宣伝費用。
広告を掲載する媒体(SNS、検索エンジン、プレスリリースメディア等)や広告運用を代行してくれる業者、Web制作会社に支払う。

これら3つの項目にかかる費用の合計額が、25350万円となります。

8-2. オンライン展示会の費用内訳

続いて費用内訳についてもご紹介します。
以下の表をご覧ください。

【オンライン展示会の費用内訳】※自社調べ

項目

費用の相場

オンライン上の場所代
(合同展示会への出展料/プラットフォーム利用料)

5万〜200万円

コンテンツ制作費

0〜100万円

宣伝費

20万〜50万円

合計

25万〜350万円

※自社調べ

見ていただくと分かる通り、各項目で費用相場に幅がありますよね。

これは、それぞれ以下の理由によるものです。

・オンライン上の場所代に幅がある理由
…出展料は、主催者の設定により異なるため。またプラットフォーム利用料は、搭載する機能や処理能力、サポートの手厚さによって異なるため。

・コンテンツ制作費に幅がある理由
…オンライン展示会で活用できる資料や動画が既に社内にある場合は、新たに制作する費用を抑えられるため。

・宣伝費に幅がある理由
…どの宣伝手段を選択するかによって、必要な費用が異なるため。

こういった理由から、各項目の費用相場に幅が出てくるのですが、このことでオンライン展示会の費用は、予算に応じて調整がしやすくなっています

こうした費用の詳細については、「オンライン展示会の費用は?出展パターン別にシミュレーションで解説」でより詳しく説明しています。

また、「【2023年】オンライン展示会の補助金・助成金9選!申請条件を徹底解説」では、オンライン展示会で活用できる補助金についてご紹介しているので、より費用を抑えたい場合は参考にしてみてください。

9. オンライン展示会は中小企業にこそおすすめ

もしかするとこれまで、オンライン展示会に対して「最新技術を使った、費用のかかる大企業向けの施策」と考えられていたかもしれませんが、実はそうではないことがお分かりいただけたのではありませんか?

ここまでで説明した通り、オンライン展示会は、コストや労力負担を抑えて実施でき、取り組むハードルは決して高くはありません

そのためオンライン展示会は、

・マーケティングや販促活動に大きな予算を割きづらい
・従業員が本来業務で手一杯

といった状況であっても十分に取り組める、大企業よりもむしろ中小企業こそ積極的に活用してほしい施策なのです。

「新規顧客の開拓に必要性は感じているけど、そのための施策に大きなコストや労力は割けない

そのようにお悩みの中小企業さまは、ぜひ一度オンライン展示会を実施してみることをおすすめします。

以下の記事では、オンライン展示会について、業種や商材ごとに紹介しています。あなたの会社に当てはまる記事を参考に、ぜひオンライン展示会に取り組んでみてくださいね。

業種・商材

参考記事

アパレル

アパレル企業はオンライン展示会を積極的に開催してOK!4つの理由を解説

製造業

【2023最新】製造業のオンライン展示会|日程・おすすめ理由・注意点

食品

食品企業があえてオンライン展示会に出展するメリットと事例を解説

医療

【2023最新】医療のオンライン展示会|日程・おすすめ理由・注意点

自動車

自動車のオンライン展示会を全解説|取引拡大に効果的である理由とは

BtoB全般

BtoB向けオンライン展示会に効果がある理由4つと成功ポイント

10. オンライン展示会を実施する手順

オンライン展示会を実施するとなった場合、その手順は以下の7ステップです。

【オンライン展示会の実施手順】

展示会の目的と目標を明確にする

何を目的として展示会に出展し、具体的にどれほどの収益を目指すのか、クリアにする。

※以下の記事もご参考ください。
展示会に出展する目的は大きく3つ|目的別の成功事例も解説

出展する展示会を決める

・合同出展型の場合
J-messeの「オンライン開催の見本市・展示会」のデータベースや、業界のWebサイト・地元商工会のWebサイトなどから探す。

・単独開催型の場合
利用するオンライン展示会プラットフォームを選定する。

出展契約をする

・合同出展型の場合
主催者(運営事務局)に出展を申し込む。

・単独開催型の場合
オンライン展示会プラットフォームの担当営業に契約を申し込む。

オンラインブースを制作する

ブース内で展示するコンテンツも含め、オンラインブースを公開できる状態に構築する。
※プログラミングが伴う作業は不要です。

展示会の開催をプロモーションする

オンラインブースの制作と並行して、集客のための宣伝を開始する。

※以下の記事もご参考ください。
・「オンライン展示会9つの集客方法|それぞれの期待できる集客効果とは
・「展示会の事前の広告施策4つ!集客に成功する効果的なPR方法を解説
・「【選べる7つの文例付き】展示会の招待状の書き方を基本から徹底解説

オンライン展示会を開催する

会期中に商談に応じる担当者、オンラインブースの修正やトラブルに対応する管理者に加え、サポート人員も確保する。

※各担当者は、オンライン展示会に張り付いている必要はないため、本来の業務も並行できます。

来場者のアフターフォローをする

オンライン展示会で獲得したリードをフォローし、育成・成約に繋げる。

※以下の記事もご参考ください。
オンライン展示会のフォローはどうやる?成約率を高める実践方法

この7ステップを一つずつクリアして、オンライン展示会の実施に漕ぎ着きましょう。

オンライン展示会のやり方はどうやる?わかりやすい基本と成功のコツ」では、こうした手順を具体的に解説しているので、実践していく際には、ぜひ参考にしてみてください。

11. オンライン展示会を成功させるために押さえておきたいポイント

オンライン展示会を実施するなら、しっかりと成果を得たいところですよね。

そんなあなたに向けて、オンライン展示会を成功させるために押さえておきたいポイントを4つご紹介しておきます。

オンライン展示会を成功させるためのポイント

・実際のオンライン展示会を閲覧する
・継続して取り組む
・獲得した見込み顧客の育成まで一貫して行う
・オンライン展示会をサポートしてくれる企業と協力する

11-1. 実際のオンライン展示会を閲覧する

オンライン展示会を成功に導くために、事前に多くのオンライン展示会を閲覧するようにしましょう。

この記事のような、オンライン展示会について解説したコンテンツもありますが、実際のオンライン展示会を閲覧することで得られる有益な発見が必ず出てくるはずです。

「どんなコンテンツだと来場者は関心を持てるのか?」
「連絡先を入力しても良いと思えるのはどんな時か?」
「自社の商材を紹介するならどんなブースが適しているか?」

などさまざまな視点を持って、まずはあなたの会社で目指したいオンライン展示会の輪郭をはっきりとさせることが重要です。

閲覧可能なオンライン展示会は、J-messeの「オンライン開催の見本市・展示会」や「ONLINE EXPO .WORLD」に掲載されています。

早速来場者として閲覧してみましょう。

11-2. 継続して取り組む

オンライン展示会は継続して取り組むことで、成果を得やすくなります。

というのも、2回目以降は、ノウハウが分かっていることに加えて、初回で使ったオンラインブースやコンテンツを再利用できるからです。

また、回数を重ねるほど来場者のツボも把握できるようになるはずです。

こういったことから、オンライン展示会は継続して何度も実施することで、以下のような状況で取り組めるようになるのです。

・分からないことが減って労力負担が小さくなる
・ブースやコンテンツの制作費と労力負担を削減できる
・来場者と接点を持つために効果的なコンテンツが用意できるようになる

このように、オンライン展示会は継続的に取り組むことで、コストと労力負担を抑えつつ、来場者との接点を持ちやすくなるのです。

11-3. 獲得した見込み顧客の育成まで一貫して行う

オンライン展示会で実利を伴う成果を上げるためには、獲得した見込み顧客(リード)の育成まで一貫して行う必要があります。

マーケティングや営業に携わる方ならお分かりかと思いますが、成約に至るためには、フォローや定期的なアプローチを通して、見込み顧客を「育成」する段階が欠かせませんよね。

オンライン展示会でも、それは変わりません。

オンライン展示会で見込み顧客と接点を持てたら、まずはアフターフォローを行い、さらにそこから、関心やニーズの高さに応じたアプローチを行うことで、成約に繋げていってください。

11-4. オンライン展示会をサポートしてくれる企業と協力する

オンライン展示会を成功させるためには、オンライン展示会に慣れた企業からサポートを得るのが一番心強いです。

そういったサポートを行ってくれるのが、主に以下の2タイプの企業です。

・オンラインにも対応してくれる展示会のコンサルティング企業
・オンライン展示会プラットフォームの提供企業

特に初めて実施する際は、どれだけ情報を集めても分からないことも多いはず。

初回から効率良く安心してオンライン展示会を実施し、成果を得たいなら、外部企業のサポートを得ることを強くおすすめします。

なお、単独開催型のオンライン展示会を実施するなら、サポートの手厚いプラットフォームを選ぶことで、別途サポートを依頼する手間が省けますよ。

\オンライン展示会を成功させるなら/
オンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」がおすすめ

「初めてのオンライン展示会でもしっかり成果を得たい」という場合は、オンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」を利用してオンライン展示会を開催してみませんか?

WONDERLINEは、オンライン展示会がはじめてのお客様にも使っていただきやすい「お客様に寄り添ったオンライン展示会プラットフォーム」です。

そんなお客様に寄り添うWONDERLINEだからこそ、本当に効果の得られるオンライン展示会の開催が実現します。

WONDERLINEの成果を得やすい3つのポイント

運営事務局が手厚くサポート
WONDERLINEの運営事務局は、「はじめてのオンライン展示会でも効果を出せる」サポートを徹底します。具体的なサポート内容としては次のようなものがあります。(一例)

・利用方法のレクチャー
・ブース内に展示するコンテンツ作成のサポート
・展示会への集客サポート
・展示会の運営事務局としてのお問い合わせ対応

この他、ご不明点や疑問がある場合はその都度対応させていただきます。

成果を出すために必要な機能をオールインワンでご提供
WONDERLINEでは、リード獲得から育成において、より大きな効果を得ていただくために「オンライン展示ブース」に加えて以下の基本機能をご用意しています。

・オンライン名刺交換
・オンライン商談
・来場者分析

もちろんこの他にも多彩な機能のご提供が可能です。

来場者に「刺さる」コンテンツ作成
WONDERLINEを運営する新日本印刷株式会社は、デザイン事業も手がける販促物制作のプロ。
ご要望があれば、そんな私たちがオンライン展示会用のコンテンツの作成も請け負います。

・来場者に伝わるコピーライティング
CG作成
・プロモーション動画作成
・商品画像撮影

など、幅広くご相談いただけます。

WONDERLINEはあなたの会社の効果のあるオンライン展示会開催に徹底的に寄り添います。

オンライン展示会を検討されているなら、ぜひ下記よりWONDERLINEについて詳しくご覧になってみてください。

12. まとめ

オンライン展示会がどのようなものか、お分かりいただけたでしょうか?

最後に今回の内容をまとめておきます。

オンライン展示会とは、「インターネット上で開催される展示会」のことで、大きく以下2つのタイプがあります。

・合同出展型
・単独開催型

オンライン展示会において、企業が行えることは、以下の通りです。

オンライン展示会でできること

・商材の紹介
・セミナー/プレゼン
・ダウンロード資料の設置
・アンケート
・ノベルティ配布
・オンライン名刺交換
・オンライン商談
・来場者分析

期待できる効果は、以下の通りです。

・リードを獲得できる
・アップセル・クロスセルのきっかけとなる
・商材や自社の認知拡大にも効果が期待できる

メリット・デメリットには、次のようなものがあります。

オンライン展示会のメリット

・幅広い層へPRできる
・費用を調整しやすい
・労力負担が小さくて済む
・質の高いビジネスマッチングが見込める
・効率良くマーケティングが行える
・イレギュラーな事態に影響されづらい

オンライン展示会のデメリット

・自社で宣伝を行う必要がある
・プル型の営業になる
・来場者が簡単に離脱できてしまう
・商材を直接紹介できない

実施にあたり、以下のポイントを押さえておきましょう。

オンライン展示会を成功させるためのポイント

・実際のオンライン展示会を閲覧する
・継続して取り組む
・獲得した見込み顧客の育成まで一貫して行う
・オンライン展示会をサポートしてくれる企業と協力する

オンライン展示会は、コストや労力負担を抑えながらビジネスマッチングが叶う、素晴らしいマーケティング手段です。

あなたの会社でも、ぜひ取り組んでみてくださいね。

#オンライン展示会とは

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