オンライン展示会のフォローはどうやる?成約率を高める実践方法

「オンライン展示会のフォローは、どうやればいいか?」
と調べている方へ結論からお伝えすると、以下が流れとなります。

  1. お礼メールを送る
  2. SNS上でつながる
  3. 無料サンプルやトライアルサービスを提供する
  4. 追加資料を送付する
  5. 電話する
  6. 商談のアポを取る
  7. 限定オファーを提供する

これらを単純にこなすのではなく、重要ポイントに意識を向けながら実践することで、ビジネス成果を高められます。

この記事をお読みいただくと、オンライン展示会のフォローをするうえで必要な考え方から実践法まで、インプットできます。

オンライン展示会で望ましい結果を出すために、お役立てください。

1. オンライン展示会後の優れたフォローが生み出す4つの効果

最初に、オンライン展示会のフォローの意義を確認するために、
「優れたフォローを実現すると、どのような効果を得られるのか?」
について、確認しておきましょう。

4つの効果が期待できます。

  1. リードナーチャリングの促進
  2. 顧客エンゲージメントの向上
  3. リードクオリフィケーションの最適化
  4. レピュテーションの向上

1-1. リードナーチャリングの促進

1つめの効果は「リードナーチャリングの促進」です。

リードナーチャリングとは、見込顧客(リード)を育成するプロセスのことで、オンライン展示会では大量のリードを獲得します。

出展者によるフォローがあって初めて、リードを売上につなげることが可能です。

オフライン(リアル)展示会のような対面交流ができないオンライン展示会は、フォローのあり方次第で成果が変わるといっても、過言ではありません。

1-2. 顧客エンゲージメントの向上

2つめの効果は「顧客エンゲージメントの向上」です。

来場者にとって、オンライン展示会は「労力をかけずに参加できる」という大きなメリットがあります。

しかし、裏を返すと「関わりが薄くなりやすい」といえる点を、押さえておきましょう。

人間の心理として、労力をかけるほど「労力に見合う対価を得たい(元を取りたい)」と考えるため、積極性が増します。

オンライン展示会は、労力を省いて来場の障壁が下がっているため、積極的な関わりを出展者のフォローによって、補強しなければなりません。

1-3. リードクオリフィケーションの最適化

3つめの効果は「リードクオリフィケーションの最適化」です。

リードクオリフィケーションとは、リードの優先順位を特定するプロセスです。

購入意向の度合いや、予算感、スケジュールなどの情報を収集し、顧客化する可能性の高いリードを見極めます。

フォロープロセスを通じて、リードクオリフィケーションの精度が高まれば、営業チームのリソースを効率的に配分できます。

「今、最も注力するべきリード」に集中できるので、結果として成約率が高まるのです。

1-4. レピュテーションの向上

4つめの効果は「レピュテーションの向上」です。

レピュテーションとは「評判」のことです。

リードが顧客化する・しないに関わらず、来場してくれた方々にポジティブな印象を持ってもらうことは、自社の評判を高めるために不可欠といえます。

感謝の気持ちを伝えるとともに、心のこもったアフターケアをすることが、レピュテーションの向上に寄与します。

レピュテーションは、間接的に将来の売上へつながるため、軽視できないポイントです。

2. オンライン展示会のフォローを成功させる3つのカギ

次に、フォローの効果をしっかり出すために、重要なポイントを見ていきましょう。

  1. ニーズ適合度
  2. タイミング
  3. バリュープロポジション

2-1. ニーズ適合度

1つめは「ニーズ適合度」です。

「どのようなフォローが、最も効果を高めるか?」という問いの答えは、「相手のニーズに、最もフィットしているフォロー」となります。

どのリードにも適用できる、1つの最適解があるわけではありません。

出展者は、オンライン展示会の前後に収集したデータ・情報に基づき、個々の来場者のニーズに合わせて、フォロー内容を最適化する必要があるのです。

2-1-1. パーソナライズ

アプローチの手法やメッセージの内容を、一人ひとりに合わせて変更することを「パーソナライズ」といいます。

パーソナライズは、オンライン展示会のフォローを成功させる重要なカギです。

来場者全員に対して同じフォローをするのではなく、それぞれの企業や担当者のニーズに合わせてパーソナライズすることを意識しましょう。

【パーソナライズの実践例】

  • オンライン展示会中にやり取りした内容を、お礼メールに反映する
  • アンケートで得られた情報をもとに、相手の状況に合う資料を選んで送付する
  • 相手と交わした雑談もメモしておき、必要なときに思い出せるようにしておく

2-1-2. リスト管理

パーソナライズ運用を行ううえで欠かせないのが、リスト管理です。

【収集するデータ・情報の例】

  1. 来場申込みの登録フォーム
  2. 展示会後のアンケート
  3. 来場者のWebサイト
  4. 来場者のSNS投稿
  5. その他(市場調査レポートや業界データベースなど)

上記のようなデータ・情報を収集したら、自社の顧客データベースに取り込んで、一元管理することでフォローを効率化しましょう。

※弊社のオンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」では、名刺情報のCSVダウンロードが可能です。

2-2. タイミング

2つめは「タイミング」です。

オンライン展示会のフォローでは、タイミングが重要です。

オンライン展示会の終了後、来場者の関心と記憶がまだ新しいうちに、速やかにフォローを行う必要があります。

最初のフォローは、理想的には「24時間以内」です。

24時間以内のスピーディーなフォローでありながら、前項でふれた「パーソナライズ」ができている内容であれば、来場者の印象はポジティブに振れやすくなります。

2回目以降のフォローは、相手のニーズに合っているベストタイミングを見計らう必要があります。

「すぐに来てほしい」と思っているのか、「今はまだ検討段階ではない」と思っているのかによって、まったく同じフォローでも、受け手の評価は大きく変わるからです。

2-3. バリュープロポジション

3つめは「バリュープロポジション」です。

バリュープロポジションは直訳すると「提供価値」という意味ですが、
「自社の商品やサービスだけが顧客に提供できる、独自の価値を定義した文言」
と捉えると、わかりやすいでしょう。

言い換えると、以下の問いに答えるものです。

「なぜ、この商品やサービスを使うべきなのか?」
「(競合他社ではなく)この商品やサービスを選択する合理性は、どこにあるのか?」

明確で説得力のあるバリュープロポジションがなければ、フォローに労力をかけても成果が出ません。

逆に、強力なバリュープロポジションがあれば、セールストークがうまくなかったとしても、成約率は高まっていきます。

展示会のフォローに着手する前に、自社のバリュープロポジションを確認しておきましょう。

3. オンライン展示会後のフォローの流れ 7ステップ

続いて、オンライン展示会のフォローの流れを7つのステップでご紹介します。

  1. お礼メールを送る
  2. SNS上でつながる
  3. 無料サンプルやトライアルサービスを提供する
  4. 追加資料を送付する
  5. 電話する
  6. 商談のアポを取る
  7. 限定オファーを提供する

なお、商品・サービスの種類や、自社および顧客の状況によって、カスタマイズが必要なケースもあります(一部のステップを削除する、順番を入れ替える、など)。

ひとつのモデルとして、参考にしていただければと思います。

3-1. お礼メールを送る

1つめのステップは「お礼メールを送る」です。

当日または翌日(24時間以内を目安)に、来場者へメールを送信します。

お礼メールのポイントは、「自動送信のテンプレメール」と思わせないことです。

たとえば、よく見かける「お礼文+セールス文+商談アポの催促」で構成されたメールは、回避しましょう。

こちらの熱量や真心が伝わりにくく、スルーされてしまうからです。

まずは相手方と良好な関係を築く第一歩として、セールスよりもパーソナライズを優先します。

【お礼メールの文例】

件名:**様【●●展示会】○○ブースへご来場ありがとうございました

{来場者の企業名}
{来場者名}様

お世話になっております。
{自社名}{氏名}と申します。

昨日はご多用の中、{●●展示会 ○○ブース}へご来場くださいまして
誠にありがとうございました。

{パーソナライズメッセージを記入}
– – – –
例:{来場者名}様は現在、××業務の効率化に取り組んでいらっしゃるとのことでしたが、
以下のデータがお役に立てるかもしれません。

▼ 業務効率化を実践するための7つのメソッド
https://example.com/000111.html
– – – –

ご不明な点などございましたら、お気軽にご相談くださいませ。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

{署名}

【参考記事】
【例文付】展示会お礼メールでリードを育てるための効果的な書き方

3-2. SNS上でつながる

2つめのステップは「SNS上でつながる」です。

来場者の企業アカウント(Twitter、Facebook、Instagram)があれば、フォローしてつながりを作りましょう。

「いいね」や「コメント」などを通じて、長く関係性を継続できるため、SNSのつながりは積極的に作って活用します。

先方企業の最新情報をキャッチアップする情報源としても、有用です。

フォローするタイミングは、展示会の直後(お礼メールを送るのと同時程度)が適しています。

展示会に参加したばかりの来場者の記憶に、残りやすくなるからです。

3-3. 無料サンプルやトライアルサービスを提供する

3つめのステップは「無料サンプルやトライアルサービスを提供する」です。

お礼メールやSNSのやり取りのあと、相手方からアクションがあって会話のラリーができれば、そのタイミングで、試用できる機会を作ります。

たとえば、無料サンプルや試供品の送付、トライアルデモの提供などです。

目的は、バリュープロポジションの“体験”を通じて、その価値を実感してもらうことです。

会話のラリーが自然に発生しなかった場合は、展示会から1週間以内を目安に、こちらから連絡するとよいでしょう。

3-4. 追加資料を送付する

4つめのステップは「追加資料を送付する」です。

追加資料の役割は、バリュープロポジションの説得力を強めることです。

サイト上などで一般公開している情報とは別に、特別な顧客だけに渡すクローズの資料を準備しておくとよいでしょう。

一般公開はしにくい、深くコアな情報を含めて資料を作ることで、より明確に自社の優位性や価値を訴求できます。

【追加資料の例】

  • 競合他社の商品・サービスを網羅したポジショニングマップ
  • 価格・機能の比較表
  • 導入事例(詳細版)
  • 有料情報を含んだホワイトペーパー

顧客に送付する際に、「特別な顧客にしか渡していない社外秘資料」と伝えれば、特別感や優待感を創出できるメリットもあります。

3-5. 電話する

5つめのステップは「電話する」です。

電話を使うか(メールのみのやり取りで済ませるか)、あるいは電話を優先とするかは、業界の慣習によって異なります。

ただひとついえるのは、関係性ができる前のタイミングで、突撃のように電話しても、電話を取り次いでもらえないケースが多いことです。

電話する前に、メールや資料送付などのやり取りで「相手の役に立つ」ことを、意識してみましょう。

自社のセールスだけでなく、相手の悩み解決につながりそうなニュースや業界紙の記事の共有など、関係が温まるアクションを行います。

相手にポジティブな印象を残すことで、電話に出てもらえる可能性が高まります。

3-6. 商談のアポを取る

6つめのステップは「商談のアポを取る」です。

商談のアポを取るベストタイミングは、来場者のニーズによって前後しますので、見極めが肝心です。

「すぐにでも、取引開始を検討したい」
と意欲の高い顧客であれば、最初のお礼メールの時点で商談のアポを取る必要があります。

「鉄は熱いうちに打て」という鉄則どおり、温まっている意欲が冷める前のタイミングが重要だからです。

一方、それ以外の場合では、相手方の価値観も見極めつつ、タイミングを図ります。

【相手方の価値観の例】

  • 「ビジネスは直接会って話すことが大事。すぐに飛んできてくれるのが、よい営業担当者。そういう人と、取引したい」
  • 「会議や商談、打ち合わせには合理性を求めている。あいさつだけのムダな時間なら、メールでやり取りしたほうが効率的だ」
  • 「メールで何度もやり取りするより、電話で話したほうが早い」

3-7. 限定オファーを提供する

7つめのステップは「限定オファーを提供する」です。

オンライン展示会の来場者だけに提供する特典を準備しておくと、成約のきっかけを作りやすくなります。

とくに、期間限定のオファーは、意思決定の有効な機会となり得ます。

【限定オファーの例】

  • ●●展示会のご来場者限定で、初期費用が無料
  • ご来場から1ヶ月以内の申込みで、○○サービスを付与

ただし、過剰な割引やサービスは、商品・サービスの価値を下げたり、既存顧客の離反の原因となったりするリスクがあります。

自社の商品・サービスの性質、ターゲット層、価格戦略など、包括的な視点のうえで、限定オファーを設定しましょう。

4. オンライン展示会の成約率を高めるフォローのポイント

最後に、オンライン展示会の成約率を高めるフォローのポイントを3つ、お伝えします。

  1. ベストタイミングに居合わせるための継続性
  2. オフラインとは異なる距離感
  3. 定期的なオンライン展示会の開催

4-1. ベストタイミングに居合わせるための継続性

1つめのポイントは「ベストタイミングに居合わせるための継続性」です。

オンライン展示会は、リアル展示会よりも来場者の障壁が低くなるため、潜在顧客を幅広く獲得できます。

潜在顧客の購買意欲が高まるタイミングは、さまざまです。そのベストタイミングに居合わせた企業が、契約を勝ち取ることになります。

自社がベストタイミングに居合わせるためには、継続的に接触し続けることが重要です。

メール、SNS、電話、来訪など、相手方にとって快適なコミュニケーションチャネルを選択しながら、「意思決定の瞬間」に立ち会えるよう、フォローしていきましょう。

4-2. オフラインとは異なる距離感

2つめのポイントは「オフラインとは異なる距離感」です。

オンライン展示会は、世界中どこからでも、インターネットさえあれば来場可能です。

来場者の意識が、オフラインとは異なる点に注意しておきましょう。

リアル展示会の来場者と同じ感覚の営業攻勢では、一部の来場者は、ネガティブに受け取るかもしれません。

基本的には、オンラインでのコミュニケーション(メールなど)から、徐々にオフラインへ展開していく、段階的な営業活動が推奨されます。

4-3. 定期的なオンライン展示会の開催

3つめのポイントは「定期的なオンライン展示会の開催」です。

一度、オンライン展示会に来場した方への再度のアプローチとして、定期的なオンライン展示会は好適です。

新しい商品・サービスの発表時など、新鮮なニュースを提供できるタイミングごとに、オンライン展示会を継続しましょう。

来場者の方にとっても、展示会が習慣化するので、関係性の継続に有効にはたらきます。

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5. まとめ

本記事では「オンライン展示会のフォロー」をテーマに解説しました。要点を簡単にまとめます。

オンライン展示会後の優れたフォローが生み出す効果として、以下が挙げられます。

  1. リードナーチャリングの促進
  2. 顧客エンゲージメントの向上
  3. リードクオリフィケーションの最適化
  4. レピュテーションの向上

オンライン展示会のフォローを成功させる3つのカギはこちらです。

  1. ニーズ適合度
  2. タイミング
  3. バリュープロポジション

オンライン展示会後のフォローの流れを、7つのステップでご紹介しました。

  1. お礼メールを送る
  2. SNS上でつながる
  3. 無料サンプルやトライアルサービスを提供する
  4. 追加資料を送付する
  5. 電話する
  6. 商談のアポを取る
  7. 限定オファーを提供する

オンライン展示会の成約率を高めるフォローのポイントとして、以下を意識してみてください。

  1. ベストタイミングに居合わせるための継続性
  2. オフラインとは異なる距離感
  3. 定期的なオンライン展示会の開催

オンライン展示会のフォローの精度を上げて、ビジネス成果に直結させていきましょう。

コメント

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