「オンライン展示会のフォローは、どうやればいいか?」
と調べている方へ結論からお伝えすると、以下が流れとなります。
- お礼メールを送る
- SNS上でつながる
- 無料サンプルやトライアルサービスを提供する
- 追加資料を送付する
- 電話する
- 商談のアポを取る
- 限定オファーを提供する
これらを単純にこなすのではなく、重要ポイントに意識を向けながら実践することで、ビジネス成果を高められます。
この記事をお読みいただくと、オンライン展示会のフォローをするうえで必要な考え方から実践法まで、インプットできます。
オンライン展示会で望ましい結果を出すために、お役立てください。
目次
1. オンライン展示会後の優れたフォローが生み出す4つの効果
最初に、オンライン展示会のフォローの意義を確認するために、
「優れたフォローを実現すると、どのような効果を得られるのか?」
について、確認しておきましょう。
4つの効果が期待できます。
- リードナーチャリングの促進
- 顧客エンゲージメントの向上
- リードクオリフィケーションの最適化
- レピュテーションの向上
1-1. リードナーチャリングの促進
1つめの効果は「リードナーチャリングの促進」です。
リードナーチャリングとは、見込顧客(リード)を育成するプロセスのことで、オンライン展示会では大量のリードを獲得します。
出展者によるフォローがあって初めて、リードを売上につなげることが可能です。
オフライン(リアル)展示会のような対面交流ができないオンライン展示会は、フォローのあり方次第で成果が変わるといっても、過言ではありません。
1-2. 顧客エンゲージメントの向上
2つめの効果は「顧客エンゲージメントの向上」です。
来場者にとって、オンライン展示会は「労力をかけずに参加できる」という大きなメリットがあります。
しかし、裏を返すと「関わりが薄くなりやすい」といえる点を、押さえておきましょう。
人間の心理として、労力をかけるほど「労力に見合う対価を得たい(元を取りたい)」と考えるため、積極性が増します。
オンライン展示会は、労力を省いて来場の障壁が下がっているため、積極的な関わりを出展者のフォローによって、補強しなければなりません。
1-3. リードクオリフィケーションの最適化
3つめの効果は「リードクオリフィケーションの最適化」です。
リードクオリフィケーションとは、リードの優先順位を特定するプロセスです。
購入意向の度合いや、予算感、スケジュールなどの情報を収集し、顧客化する可能性の高いリードを見極めます。
フォロープロセスを通じて、リードクオリフィケーションの精度が高まれば、営業チームのリソースを効率的に配分できます。
「今、最も注力するべきリード」に集中できるので、結果として成約率が高まるのです。
1-4. レピュテーションの向上
4つめの効果は「レピュテーションの向上」です。
レピュテーションとは「評判」のことです。
リードが顧客化する・しないに関わらず、来場してくれた方々にポジティブな印象を持ってもらうことは、自社の評判を高めるために不可欠といえます。
感謝の気持ちを伝えるとともに、心のこもったアフターケアをすることが、レピュテーションの向上に寄与します。
レピュテーションは、間接的に将来の売上へつながるため、軽視できないポイントです。
2. オンライン展示会のフォローを成功させる3つのカギ
次に、フォローの効果をしっかり出すために、重要なポイントを見ていきましょう。
- ニーズ適合度
- タイミング
- バリュープロポジション
2-1. ニーズ適合度
1つめは「ニーズ適合度」です。
「どのようなフォローが、最も効果を高めるか?」という問いの答えは、「相手のニーズに、最もフィットしているフォロー」となります。
どのリードにも適用できる、1つの最適解があるわけではありません。
出展者は、オンライン展示会の前後に収集したデータ・情報に基づき、個々の来場者のニーズに合わせて、フォロー内容を最適化する必要があるのです。
2-1-1. パーソナライズ
アプローチの手法やメッセージの内容を、一人ひとりに合わせて変更することを「パーソナライズ」といいます。
パーソナライズは、オンライン展示会のフォローを成功させる重要なカギです。
来場者全員に対して同じフォローをするのではなく、それぞれの企業や担当者のニーズに合わせてパーソナライズすることを意識しましょう。
【パーソナライズの実践例】
- オンライン展示会中にやり取りした内容を、お礼メールに反映する
- アンケートで得られた情報をもとに、相手の状況に合う資料を選んで送付する
- 相手と交わした雑談もメモしておき、必要なときに思い出せるようにしておく
2-1-2. リスト管理
パーソナライズ運用を行ううえで欠かせないのが、リスト管理です。
【収集するデータ・情報の例】
- 来場申込みの登録フォーム
- 展示会後のアンケート
- 来場者のWebサイト
- 来場者のSNS投稿
- その他(市場調査レポートや業界データベースなど)
上記のようなデータ・情報を収集したら、自社の顧客データベースに取り込んで、一元管理することでフォローを効率化しましょう。
※弊社のオンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」では、名刺情報のCSVダウンロードが可能です。
2-2. タイミング
2つめは「タイミング」です。
オンライン展示会のフォローでは、タイミングが重要です。
オンライン展示会の終了後、来場者の関心と記憶がまだ新しいうちに、速やかにフォローを行う必要があります。
最初のフォローは、理想的には「24時間以内」です。
24時間以内のスピーディーなフォローでありながら、前項でふれた「パーソナライズ」ができている内容であれば、来場者の印象はポジティブに振れやすくなります。
2回目以降のフォローは、相手のニーズに合っているベストタイミングを見計らう必要があります。
「すぐに来てほしい」と思っているのか、「今はまだ検討段階ではない」と思っているのかによって、まったく同じフォローでも、受け手の評価は大きく変わるからです。
2-3. バリュープロポジション
3つめは「バリュープロポジション」です。
バリュープロポジションは直訳すると「提供価値」という意味ですが、
「自社の商品やサービスだけが顧客に提供できる、独自の価値を定義した文言」
と捉えると、わかりやすいでしょう。
言い換えると、以下の問いに答えるものです。
「なぜ、この商品やサービスを使うべきなのか?」
「(競合他社ではなく)この商品やサービスを選択する合理性は、どこにあるのか?」
明確で説得力のあるバリュープロポジションがなければ、フォローに労力をかけても成果が出ません。
逆に、強力なバリュープロポジションがあれば、セールストークがうまくなかったとしても、成約率は高まっていきます。
展示会のフォローに着手する前に、自社のバリュープロポジションを確認しておきましょう。
3. オンライン展示会後のフォローの流れ 7ステップ
続いて、オンライン展示会のフォローの流れを7つのステップでご紹介します。
- お礼メールを送る
- SNS上でつながる
- 無料サンプルやトライアルサービスを提供する
- 追加資料を送付する
- 電話する
- 商談のアポを取る
- 限定オファーを提供する
なお、商品・サービスの種類や、自社および顧客の状況によって、カスタマイズが必要なケースもあります(一部のステップを削除する、順番を入れ替える、など)。
ひとつのモデルとして、参考にしていただければと思います。
3-1. お礼メールを送る
1つめのステップは「お礼メールを送る」です。
当日または翌日(24時間以内を目安)に、来場者へメールを送信します。
お礼メールのポイントは、「自動送信のテンプレメール」と思わせないことです。
たとえば、よく見かける「お礼文+セールス文+商談アポの催促」で構成されたメールは、回避しましょう。
こちらの熱量や真心が伝わりにくく、スルーされてしまうからです。
まずは相手方と良好な関係を築く第一歩として、セールスよりもパーソナライズを優先します。
【お礼メールの文例】
件名:**様【●●展示会】○○ブースへご来場ありがとうございました
{来場者の企業名}
{来場者名}様
お世話になっております。
{自社名}{氏名}と申します。
昨日はご多用の中、{●●展示会 ○○ブース}へご来場くださいまして
誠にありがとうございました。
{パーソナライズメッセージを記入}
– – – –
例:{来場者名}様は現在、××業務の効率化に取り組んでいらっしゃるとのことでしたが、
以下のデータがお役に立てるかもしれません。
▼ 業務効率化を実践するための7つのメソッド
https://example.com/000111.html
– – – –
ご不明な点などございましたら、お気軽にご相談くださいませ。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
{署名}
【参考記事】
・【例文付】展示会お礼メールでリードを育てるための効果的な書き方
3-2. SNS上でつながる
2つめのステップは「SNS上でつながる」です。
来場者の企業アカウント(Twitter、Facebook、Instagram)があれば、フォローしてつながりを作りましょう。
「いいね」や「コメント」などを通じて、長く関係性を継続できるため、SNSのつながりは積極的に作って活用します。
先方企業の最新情報をキャッチアップする情報源としても、有用です。
フォローするタイミングは、展示会の直後(お礼メールを送るのと同時程度)が適しています。
展示会に参加したばかりの来場者の記憶に、残りやすくなるからです。
3-3. 無料サンプルやトライアルサービスを提供する
3つめのステップは「無料サンプルやトライアルサービスを提供する」です。
お礼メールやSNSのやり取りのあと、相手方からアクションがあって会話のラリーができれば、そのタイミングで、試用できる機会を作ります。
たとえば、無料サンプルや試供品の送付、トライアルデモの提供などです。
目的は、バリュープロポジションの“体験”を通じて、その価値を実感してもらうことです。
会話のラリーが自然に発生しなかった場合は、展示会から1週間以内を目安に、こちらから連絡するとよいでしょう。
3-4. 追加資料を送付する
4つめのステップは「追加資料を送付する」です。
追加資料の役割は、バリュープロポジションの説得力を強めることです。
サイト上などで一般公開している情報とは別に、特別な顧客だけに渡すクローズの資料を準備しておくとよいでしょう。
一般公開はしにくい、深くコアな情報を含めて資料を作ることで、より明確に自社の優位性や価値を訴求できます。
【追加資料の例】
- 競合他社の商品・サービスを網羅したポジショニングマップ
- 価格・機能の比較表
- 導入事例(詳細版)
- 有料情報を含んだホワイトペーパー
顧客に送付する際に、「特別な顧客にしか渡していない社外秘資料」と伝えれば、特別感や優待感を創出できるメリットもあります。
3-5. 電話する
5つめのステップは「電話する」です。
電話を使うか(メールのみのやり取りで済ませるか)、あるいは電話を優先とするかは、業界の慣習によって異なります。
ただひとついえるのは、関係性ができる前のタイミングで、突撃のように電話しても、電話を取り次いでもらえないケースが多いことです。
電話する前に、メールや資料送付などのやり取りで「相手の役に立つ」ことを、意識してみましょう。
自社のセールスだけでなく、相手の悩み解決につながりそうなニュースや業界紙の記事の共有など、関係が温まるアクションを行います。
相手にポジティブな印象を残すことで、電話に出てもらえる可能性が高まります。
3-6. 商談のアポを取る
6つめのステップは「商談のアポを取る」です。
商談のアポを取るベストタイミングは、来場者のニーズによって前後しますので、見極めが肝心です。
「すぐにでも、取引開始を検討したい」
と意欲の高い顧客であれば、最初のお礼メールの時点で商談のアポを取る必要があります。
「鉄は熱いうちに打て」という鉄則どおり、温まっている意欲が冷める前のタイミングが重要だからです。
一方、それ以外の場合では、相手方の価値観も見極めつつ、タイミングを図ります。
【相手方の価値観の例】
- 「ビジネスは直接会って話すことが大事。すぐに飛んできてくれるのが、よい営業担当者。そういう人と、取引したい」
- 「会議や商談、打ち合わせには合理性を求めている。あいさつだけのムダな時間なら、メールでやり取りしたほうが効率的だ」
- 「メールで何度もやり取りするより、電話で話したほうが早い」
3-7. 限定オファーを提供する
7つめのステップは「限定オファーを提供する」です。
オンライン展示会の来場者だけに提供する特典を準備しておくと、成約のきっかけを作りやすくなります。
とくに、期間限定のオファーは、意思決定の有効な機会となり得ます。
【限定オファーの例】
- ●●展示会のご来場者限定で、初期費用が無料
- ご来場から1ヶ月以内の申込みで、○○サービスを付与
ただし、過剰な割引やサービスは、商品・サービスの価値を下げたり、既存顧客の離反の原因となったりするリスクがあります。
自社の商品・サービスの性質、ターゲット層、価格戦略など、包括的な視点のうえで、限定オファーを設定しましょう。
4. オンライン展示会の成約率を高めるフォローのポイント
最後に、オンライン展示会の成約率を高めるフォローのポイントを3つ、お伝えします。
- ベストタイミングに居合わせるための継続性
- オフラインとは異なる距離感
- 定期的なオンライン展示会の開催
4-1. ベストタイミングに居合わせるための継続性
1つめのポイントは「ベストタイミングに居合わせるための継続性」です。
オンライン展示会は、リアル展示会よりも来場者の障壁が低くなるため、潜在顧客を幅広く獲得できます。
潜在顧客の購買意欲が高まるタイミングは、さまざまです。そのベストタイミングに居合わせた企業が、契約を勝ち取ることになります。
自社がベストタイミングに居合わせるためには、継続的に接触し続けることが重要です。
メール、SNS、電話、来訪など、相手方にとって快適なコミュニケーションチャネルを選択しながら、「意思決定の瞬間」に立ち会えるよう、フォローしていきましょう。
4-2. オフラインとは異なる距離感
2つめのポイントは「オフラインとは異なる距離感」です。
オンライン展示会は、世界中どこからでも、インターネットさえあれば来場可能です。
来場者の意識が、オフラインとは異なる点に注意しておきましょう。
リアル展示会の来場者と同じ感覚の営業攻勢では、一部の来場者は、ネガティブに受け取るかもしれません。
基本的には、オンラインでのコミュニケーション(メールなど)から、徐々にオフラインへ展開していく、段階的な営業活動が推奨されます。
4-3. 定期的なオンライン展示会の開催
3つめのポイントは「定期的なオンライン展示会の開催」です。
一度、オンライン展示会に来場した方への再度のアプローチとして、定期的なオンライン展示会は好適です。
新しい商品・サービスの発表時など、新鮮なニュースを提供できるタイミングごとに、オンライン展示会を継続しましょう。
来場者の方にとっても、展示会が習慣化するので、関係性の継続に有効にはたらきます。
弊社がご提供している「WONDERLINE」は、商品展示・名刺交換・商談・来場者分析がひとつにつながったオールインワンの展示会プラットフォームで、定期的なオンライン展示会の開催に最適です。
▼ WONDERLINEの特徴
- サポートつきで初めてでも安心して展示会を開催できる
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5. まとめ
本記事では「オンライン展示会のフォロー」をテーマに解説しました。要点を簡単にまとめます。
オンライン展示会後の優れたフォローが生み出す効果として、以下が挙げられます。
- リードナーチャリングの促進
- 顧客エンゲージメントの向上
- リードクオリフィケーションの最適化
- レピュテーションの向上
オンライン展示会のフォローを成功させる3つのカギはこちらです。
- ニーズ適合度
- タイミング
- バリュープロポジション
オンライン展示会後のフォローの流れを、7つのステップでご紹介しました。
- お礼メールを送る
- SNS上でつながる
- 無料サンプルやトライアルサービスを提供する
- 追加資料を送付する
- 電話する
- 商談のアポを取る
- 限定オファーを提供する
オンライン展示会の成約率を高めるフォローのポイントとして、以下を意識してみてください。
- ベストタイミングに居合わせるための継続性
- オフラインとは異なる距離感
- 定期的なオンライン展示会の開催
オンライン展示会のフォローの精度を上げて、ビジネス成果に直結させていきましょう。
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