オンライン展示会アンケートの作り方【テンプレート例文と集計方法】

「オンライン展示会のアンケートは、どう作ればいい?」
と調べている方へ、成約率アップに効果的なアンケートの作り方をご紹介します。

オンライン展示会のアンケートは、戦略的に活用すれば、営業活動の強力な武器となるのです。

この記事では、アンケートを最大活用するために必要な目的意識から、具体的な設問テンプレートまで、わかりやすく解説します。

アンケート実施後の集計のコツもお伝えしますので、オンライン展示会の前後でご活用ください。

1. オンライン展示会アンケートの重要な目的 4つ

アンケートを実施する際には、「目的意識を持つこと」が大切です。

「何のためのアンケートか?」
という目的意識があれば、設問の作り方や結果分析が、目的に対して最適化されるからです。

そこで最初に、オンライン展示会のアンケートの重要な目的を4つ、見ていきましょう。

  1. ペインポイントの把握(悩みのツボ)
  2. リードクオリフィケーション(優先順位づけ)
  3. タッチポイントの確保(良質な接点を増やす)
  4. オンライン展示会のフィードバック(満足度評価)

1-1. ペインポイントの把握(悩みのツボ)

1つめの目的は「ペインポイントの把握(悩みのツボ)」です。

ペインポイントとは、相手方企業や担当者が直面している問題、課題、悩みのことを指します。

ペインポイントを正確に、競合他社より深いレベルで理解できれば有利となります。

自社の商品・サービスを、ペインポイントの解決策として位置づけ、先方企業のニーズや関心に合わせて、アプローチできるからです。

アンケートの重要な目的として、
「正面から聞いても引き出せないような、隠れたペインポイントを、うまく引き出す」
という点を、意識しましょう。

1-2. リードクオリフィケーション(優先順位づけ)

2つめの目的は「リードクオリフィケーション(優先順位づけ)」です。

リードクオリフィケーションは、リードごとに顧客化しやすい度合いを見極めるプロセスです。

獲得したリードに、正しく優先順位を設定できれば、限られたリソースを効果的に配分できます。

精度の高いリードクオリフィケーションには、質の高い情報が欠かせません。

【リードクオリフィケーションに有益な情報の例】

  • 予算:契約に必要な予算があるのか、額はどれくらいか
  • 権限:担当者は裁量権を持っているか(持っていない場合、誰が持っているか)
  • 時期:すぐに契約する準備があるのか、まだリサーチや検討の初期段階か
  • 適合性:自社の顧客としてふさわしいか(与信などの取引条件を含む)

アンケートは、リードクオリフィケーションに有益な情報を収集するツールとして、最大限に活用したいところです。

1-3. タッチポイントの確保(良質な接点を増やす)

3つめの目的は「タッチポイントの確保(良質な接点を増やす)」です。

オンライン展示会は、ネット環境さえあれば世界中からアクセスできる気軽さから、獲得できるリードの裾野が広くなります。

まだ契約のタイミングからは遠い、将来の見込顧客も含まれる、ということです。

「長く、快適につながり続けられるタッチポイント」を早期に理解しておくことが、長い目で見たときに役立ちます。

1-4. オンライン展示会のフィードバック(満足度評価)

4つめの目的は「オンライン展示会のフィードバック(満足度評価)」です。

オンライン展示会の出来・不出来に関して、意見や感想を集め、満足度を把握します。

そのうえで、成功要因あるいは失敗要因を特定することが、今後のオンライン展示会の改善にとって有益です。

注意したいのは、多くの顧客は、今後も関係性が続くかもしれない取引先に対し、辛辣な回答をしたいと思いません。

不満なのに「満足」と答えたり、リップサービスで褒めたりすることは、珍しくないのです。

本音を引き出すためには、アンケートに一工夫が必要です。

具体的な設問は、次章で見ていきましょう。

2. 目的に合わせたアンケート設問テンプレート例文

続いて、前述の目的に合わせた設問のテンプレート例文をご紹介します。

  1. ペインポイントを知る設問
  2. 優先順位を探る設問
  3. 良質なタッチポイントを増やす設問
  4. フィードバックを受け取る設問

業界や自社の状況、商品・サービスの特性に合わせて、フィットする設問を探しながら、読み進めてください。

2-1. ペインポイントを知る設問

まずペインポイントを知る設問の例文です。

【基本編】

  • 現在、御社が抱えている悩みや課題を教えてください。

上記はストレートに直球で訊ねるパターンです。

ストレートなアプローチでは本音が引き出しにくい商品・サービスの場合は、以下のアレンジ編も参考にしてみてください。

【アレンジ編】

  • 御社の業界が直面している最大の課題は、何だと思いますか。
  • 現在抱えているビジネス上の課題を解決するために、あったらいいなと思う商品・サービスを教えてください。
  • 御社の顧客から、最近よく聞く苦情や不満は何でしょうか。
  • 現在、御社のビジネスにとっての最優先事項は、何でしょうか。

間接的に変化球で聞くことで、意外な情報を引き出せることがあります。

2-2. 優先順位を探る設問

次に、リードクオリフィケーションに役立つ、優先順位を探る設問を見てみましょう。

【基本編】

  • ●●の導入についてご予定をお聞かせください。
    ○ 3ヶ月以内
    ○ 半年以内
    ○ 1年以内
    ○ 1年以上先
    ○ 時期は未定だが検討中
    ○ 予定はない
  • 下記の中からあなたが行っている業務をお選びください。
    □ サービスの情報収集や比較検討を行う
    □ サービスの導入を提案する
    □ 導入の検討開始を指示する
    □ 導入するサービスを決定する
    □ 導入時の設計や構築に関わる
    □ 導入後の運用に関わる

アレンジ編としては、自社にとってのビジネスチャンスの有無を、間接的にリサーチするための設問として、以下があります。

【アレンジ編】

  • 近い将来にスタートを検討中のプロジェクトや取り組みがあれば、お聞かせください。
  • ビジネス上の意思決定をする際に、最も重視していることは、何でしょうか。

2-3. 良質なタッチポイントを増やす設問

続いて、良質なタッチポイントを増やす設問です。

【基本編】

  • 連絡手段として希望されるものをお選びください。
    □ メール
    □ チャット
    □ 電話
    □ オンラインでのお打ち合わせ
    □ 対面でのお打ち合わせ
    □その他[          ]
  • 業務上必要な情報は、どこから収集していますか。
    □ Google検索
    □ Twitter
    □ Facebook
    □ YouTube
    □ その他[         ]

アレンジ編としては、広告や広報などの露出を検討する際に役立つ設問を設置するアイデアがあります。

【アレンジ編】

  • 普段、よくご覧になるサイトを教えてください。
  • 定期購読されているメディア(新聞・雑誌・Webサイトなど)を教えてください。

2-4. フィードバックを受け取る設問

最後に、フィードバックを受け取る設問です。

【基本編】

  • ●●展示会に対する満足度をお聞かせください。
    ○とても満足 ○満足 ○やや満足 ○どちらとも言えない ○やや不満 ○不満 ○とても不満
  • ●●展示会に対するご意見・ご要望がありましたら、ご自由にお書きください。

フィードバックを受け取る設問は、前述のとおり、来場者が本音を答えるとは限らない点に、注意が必要です。

忌憚のない意見を収集したい場合には、匿名形式にする方法があります。ほかの設問とは分けて、回答者を特定しない形で、別途アンケートを実施します。

あるいは、アレンジ編として、以下の設問を検討しましょう。

【アレンジ編】

  • 最も印象に残った部分は、どこでしたか。
  • 改善すべき点を1つ挙げるとしたら、何だと思われますか。

3. オンライン展示会のアンケート設定のポイント

設問の候補が絞り込めてきたら、実際にアンケートを設定していきます。

その際には、以下のポイントに留意しましょう。

  1. Googleフォームなどのアンケートフォームを使う
  2. 設問文は「明確・中立・簡潔」に書く
  3. 設問数を多くしない(目安は7問まで)
  4. 回答形式を適切に設定する
  5. 設問の順序と流れを考慮する

それぞれ解説します。

3-1. Googleフォームなどのアンケートフォームを使う

1つめのポイントは「Googleフォームなどのアンケートフォームを使う」です。

出典:Google Forms

アンケートフォームには、いくつかの選択肢がありますが、
「どれを選んだらよいか、わからない」
という方は、Googleフォームを選ぶとよいでしょう。

ビジネスシーンで利用されることが多く、多くの回答者にとって、なじみのあるインターフェイスだからです。

集計も簡単にできるので、手間がかかりません。

弊社のオンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」をご利用の方には、Googleフォームでのアンケート制作のお手伝いをする「オンラインアンケート」のオプション機能があります。

詳しくは、こちらのお問い合わせページから、お問い合わせください。

3-2. 設問文は「明確・中立・簡潔」に書く

2つめのポイントは「設問文は『明確・中立・簡潔』に書く」です。

回答者が、何を質問されているか、誤解なく理解できるよう、設問文の書き方を工夫します。

【設問文のチェックポイント】

  • 複数の意味に解釈できる、あいまいな表現がないか
  • 回答を誘導するような、中立ではない表現がないか
  • 長くて冗長な表現がないか

できる限り明瞭で、シンプルな設問文が理想です。

3-3. 設問数を多くしない(目安は7問まで)

3つめのポイントは「設問数を多くしない」です。

設問数が多くなるほど、回答者に手間をかけてしまいます。

具体的には、「設問数は7問まで」を目安としてください。

極端に設問数が多ければ、それだけでネガティブな印象を与えることもあるでしょう。

回答者の集中力が途切れて、回答の精度が下がる(適当に回答してしまう)問題もあります。

重要度が高く、本当に収集したい情報を厳選して、設問数を絞ることが重要です。

3-4. 回答形式を適切に設定する

4つめのポイントは「回答形式を適切に設定する」です。

回答形式は、大きく分けて3種類あります。

【回答形式】

  • 単一回答(SA):複数の選択肢の中から、最も当てはまる回答を1個だけ選ぶ
  • 複数回答(MA):複数の選択肢の中から、該当する回答を複数個選ぶ
  • 自由回答(FA):文章を自由に記述する

単一回答(SA)<複数回答(MA)<自由回答(FA)の順に、柔軟性と複雑さが増します。

回答するのも集計するのも、単一回答のほうが容易で、自由回答のほうが手間がかかります。

回答が定量化できるタイプの質問の場合は、できるだけ単一回答または複数回答を設定しましょう。

一方で、回答者の意見や感想を求める設問や、特定のトピックについて深い洞察を得るための設問には、自由回答が向いています。

※Googleフォームの形式については、Google公式サイトの「フォームの質問形式を選択する」にて、詳しく解説されています。

3-5. 設問の順序と流れを考慮する

5つめのポイントは「設問の順序と流れを考慮する」です。

出だしの1問目から、自由回答(FA)形式の設問だと、アンケート回答率は低下する傾向があります。

1問目は、回答者が頭を使って考えなくても気軽に回答できる、単一回答(SA)形式の設問からスタートしましょう。

回答に時間のかかる、複雑な質問は、アンケートの後半に設置することで、回答者がテンポよくスムーズに回答しやすくなります。

4. オンライン展示会のアンケート集計方法 3ステップ

最後に、オンライン展示会アンケートの集計方法を、3つのステップに分けてご紹介します。

  1. データを表やグラフにする
  2. 結果を解釈する
  3. 次の行動を決める

4-1. データを表やグラフにする

1つめのステップは「データを表やグラフにする」です。

まずは、データを分析しやすいようにまとめます。

Google Formsを利用する場合は、自動集計で回答が分析されるので、自分でグラフを作る必要はありません。

【自動集計で回答を分析】

リアルタイムで更新される回答データをグラフで確認できます。または、Google Sheets で元データを開き、詳細な分析や自動化を行うことも可能です。

出典:Google Forms

ただし、自由回答(FA)形式の集計は、少し手間がかかります。

【自由回答(FA)形式の集計】

  • 数値の記述の場合(例:予算額)
    平均値、中央値、標準偏差、最小値・最大値を算出する。

  • 言葉の記述の場合(例:意見・感想)
    一覧表を作成する。必要があればアフターコーディングやテキストマイニングを行う。

上記の詳細は、リサーチ会社マクロミルの「自由記述回答(フリーアンサー)の集計」の解説がわかりやすいので、参考にしてみてください。

4-2. 結果を解釈する

2つめのステップは「結果を解釈する」です。

データを集計したあと、回答のパターンや傾向、特性を探しながら、結果を解釈します。

オンライン展示会のアンケートの場合は、目的に立ち返ることが、非常に重要です。

【オンライン展示会アンケートの目的】

  1. ペインポイントの把握(悩みのツボ)
  2. リードクオリフィケーション(優先順位づけ)
  3. タッチポイントの確保(良質な接点を増やす)
  4. オンライン展示会のフィードバック(満足度評価)

とくに、1.~3.のポイントは、近々の営業成績に直結するポイントです。入念に点検するつもりで、アンケート結果を精査しましょう。

4-3. 次の行動を決める

3つめのステップは「次の行動を決める」です。

アンケート結果は、行動に反映させることで、実益に結び付きます。

2つめのステップでの結果解釈を根拠として、「いつまでに・誰が・何をする」を決めて明文化し、チーム内で共有しましょう。

社内のスケジュール管理ツールなどにタスク登録して進捗管理し、確実に行動を実行できるようにします。

なお、展示会のフォロータスクとしては、以下があります。

【オンライン展示会のフォロー】

  1. お礼メールを送る
  2. SNS上でつながる
  3. 無料サンプルやトライアルサービスを提供する
  4. 追加資料を送付する
  5. 電話する
  6. 商談のアポを取る
  7. 限定オファーを提供する

詳細は「オンライン展示会のフォローはどうやる?成約率を高める実践方法」にて解説しています。あわせてご確認ください。

5. まとめ

本記事では「オンライン展示会のアンケート」をテーマに解説しました。要点を簡単にまとめます。

オンライン展示会アンケートの重要な目的として、次の4つがあります。

  1. ペインポイントの把握(悩みのツボ)
  2. リードクオリフィケーション(優先順位づけ)
  3. タッチポイントの確保(良質な接点を増やす)
  4. オンライン展示会のフィードバック(満足度評価)

オンライン展示会のアンケート設定のポイントとして、以下を意識しましょう。

  1. Googleフォームなどのアンケートフォームを使う
  2. 設問文は「明確・中立・簡潔」に書く
  3. 設問数を多くしない(目安は7問まで)
  4. 回答形式を適切に設定する
  5. 設問の順序と流れを考慮する

オンライン展示会のアンケート集計方法を3ステップでご紹介しました。

  1. データを表やグラフにする
  2. 結果を解釈する
  3. 次の行動を決める

アンケートを戦略的に設計すれば、営業成績が飛躍的に高まることも、珍しくありません。

アンケートによって得られた有益な情報を武器に、オンライン展示会の成約率アップを目指していきましょう。

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