「アパレル企業もオンライン展示会を開催すべきなの?」
「アパレル向けオンライン展示会を開催して、商品の受注にちゃんとつながるの?」
コロナの影響でオンラインイベントが増えている近年、アパレル業界で働いている人の中には、上記のように悩んでいる人もいるかと思います。
とくにアパレル業界の場合、実際に服の色やサイズ感、生地の質感など実際に目で確かめるほか、触れることのできないオンライン展示会に、懐疑的な人もいるかもしれません。
結論から言うと、アパレル企業は以下の理由から、オンライン展示会を積極的に開催すべきでしょう。
- 国内に限らず遠方にいる顧客を集客できる
- オフライン展示会と比較してコストを抑えられる
- オフライン展示会と比較して運営業務を効率化できる
- 来場者の動向や関心の高い商品をデータで把握できる
しかしオンライン展示会と一口に言っても、プラットフォーム利用型や合同出展型、動画配信型と開催方法が3種類あり、それぞれのメリットやデメリットが異なるため、吟味して選ぶ必要があります。
そこでこの記事では、
- アパレル企業がオンライン展示会を開催すべき4つの理由
- プラットフォーム利用型オンライン展示会のメリット・デメリット
- 合同出展型オンライン展示会のメリット・デメリット
- 動画配信型オンライン展示会のメリット・デメリット
- 各オンライン展示会の成功事例
- 自社に適したアパレル向けオンライン展示会の選び方
について、徹底的に解説していきます。
この記事を読めば、アパレル企業がオンライン展示会を開催するメリットが分かるだけでなく、どの種類のオンライン展示会の開催方法を選ぶべきかも分かります。自社ブランドの今後のビジネスの可能性を高めるためにも、ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
1. アパレル企業がオンライン展示会を開催すべき4つの理由
実際に会場を借りて行うオフライン展示会は開催したことがあっても、オンライン展示会を開催したことのあるアパレル企業はまだ少ないのではないでしょうか?
そこでこの章では、アパレル企業があえてオンライン展示会を開催すべき、以下4つの理由を紹介します。
- 国内に限らず遠方にいる顧客を集客できる
- オフライン展示会と比較してコストを抑えられる
- オフライン展示会と比較して運営業務を効率化できる
- 来場者の動向や関心の高い商品をデータで把握できる
以下で1つずつ説明していきます。
1-1. 国内に限らず遠方にいる顧客を集客できる
アパレル企業がオンライン展示会を開催すべき理由の1つとして、遠方にいる顧客を集客できるといった点が挙げられます。インターネット上で商品の展示を行うため、ネット環境が整っている場所であれば、どこからでも展示会に参加できるからです。
たとえば東京で会場を借りて展示会を行う場合、そのブランドのファンであれば地方から駆けつけて参加することもあるかと思いますが、来場者の多くを占めるのは、都内もしくは近接する都道府県からの参加者でしょう。
しかしオンライン展示会であれば、普段は展示会場が遠くて行くのを諦めていた顧客や、海外からの参加も可能です。
このようにオンライン展示会は、国内に限らず遠方にいる顧客も参加できるため、オフラインの展示会より集客が見込めるでしょう。
1-2. オフライン展示会と比較してコストを抑えられる
オフライン展示会と比べてコストを抑えられる点も、オンライン展示会を開催すべき理由の1つです。
というのもオフラインの展示会を開催もしくは出展する場合、会場のレンタル代や出展料、ブースの施行料などが多くかかりますが、オンライン展示会の場合、そもそも必要のないコストや大幅に削減できるコストがあるからです。
たとえば以下は合同展示会に出展する場合のオフライン展示会とオンライン展示会の費用の比較表ですが、オンライン展示会の場合は、主に出展費と宣伝費以外の費用はかかっていないことが分かります。
【アパレルの合同展示会に出展する場合の費用比較】
オフライン展示会 | オンライン展示会 | |
出展費 | 1コマ(3m×3m)あたり約10~60万円 | 約10~20万円 |
宣伝費 | 0~50万円 | 0~50万円 |
ブースのデザイン・施行・運搬費 | 1コマ(3m×3m)あたり約40~50万円 | 必要なし |
ブース内の電気の使用料 | 使用量による | 必要なし |
当日のアルバイトスタッフ人件費 | 約1万円×人数×日数分 | 必要なし |
配布物(パンフレットやチラシ)の制作・印刷代 | 約20~100万円 | 必要なし |
ノベルティ制作費 | 約100~2,000円×個数分 | 必要なし |
ただしオンライン展示会の場合、商品画像や動画といったコンテンツの制作費が別途でかかる場合があります。コンテンツ制作費は0~約100万円と幅が広いですが、もしすでに他の媒体で活用している商品写真や動画があれば使い回せるので、費用を抑えることが可能です。
このようにオンライン展示会は、オフライン展示会に比べてコストを抑えられるため、アパレル企業は出展および開催を検討すべきでしょう。
1-3. オフライン展示会と比較して運営業務を効率化できる
アパレル企業がオンライン展示会を開催すべき理由の1つとして、オフライン展示会と比べて、展示会の運営業務を効率化できる点も挙げられます。
というのもオンライン展示会は、会場を借りて開催するもしくは出展するオフラインの展示会と異なり、する必要のない業務が多くあるからです。
たとえば以下は合同オンライン展示会に出展した場合、オフライン展示会に比べて、どのくらい業務を削減できるかをまとめた表です。
【オフライン展示会とオンライン展示会の業務比較表】
業務内容 | オフライン展示会 | オンライン展示会 | |
展示会前 | ブースの施工・装飾 | 必要 | 必要なし |
商品や設備、備品など搬入・搬出・設置 | 必要 | 必要なし | |
当日のブース案内スタッフの手配 | 必要 | 必要なし | |
印刷物やノベルティの手配 | 必要 | 必要なし | |
オーダーシートの作成 | 必要 | 必要 | |
展示会当日 | 来場者対応(名刺や連絡先交換、アンケートのお願いなど) | 必要 | 必要なし |
バイヤーや顧客からの受注対応 | 必要 | 必要なし | |
展示会後 | ブースの撤去 | 必要 | 必要なし |
オーダー集計 | 必要 | 必要 | |
名刺やアンケート回答のデータ化 | 必要 | 必要なし | |
来場者へのフォロー(お礼メールや商談日時の調整など) | 必要 | 必要 |
上記の表を確認すると、主にオーダーシートの作成やオーダーの集計、来場者へのフォロー以外は、業務を削減できることが分かります。
また上記3つも、自動で作業を行える機能が備わっているプラットフォームを活用すれば、オフライン展示会より業務を効率化できるでしょう。
このようにオンライン展示会は業務の効率化につながるため、活用することをおすすめします。
1-4. 来場者の動向や関心の高い商品をデータで把握できる
来場者の動向や関心の高い商品をデータで把握できる点も、オンライン展示会を開催すべき理由の1つです。
オフラインで展示会をする場合は来場者にアンケートを取る必要があるほか、目視で来場者を観察するなど、手間や時間がかかります。
しかしオンライン展示会の場合、元々プラットフォームに搭載されている分析機能や連携ツールを活用すれば、データを自動で取得して可視化することが可能です。
たとえばオンライン展示会のプラットフォームの中には、どの商品カテゴリーやアイテムがよく閲覧されているかを、自動でグラフ化してくれる機能が搭載されているものも多いです。
動画やSNSを使ってオンライン展示会をする場合も分析ツールを連携しておけば、再生回数だけでなく、時間帯別の視聴者数やコメント数など、顧客の動向を自動で可視化できます。
このようにオンライン展示会は、手間や時間をかけずに来場者の動向や関心の高い商品を把握できるため、アパレル企業は開催を検討すべきでしょう。
2. アパレル向けオンライン展示会①|プラットフォーム利用型オンライン展示会
冒頭でもお伝えした通り、アパレル向けオンライン展示会は主に以下の3種類に分けられます。
- プラットフォーム利用型
- 合同出展型
- 動画配信型
この章ではまずプラットフォーム利用型のオンライン展示会について紹介します。
プラットフォーム利用型オンライン展示会は、オンライン展示会やオンラインイベントに特化したプラットフォームや、ECサイトに特化したプラットフォームを利用して開催するオンライン展示会のことです。
以下でメリットやデメリット、実際にプラットフォーム利用型オンライン展示会で成功した事例について紹介していきます。
2-1. メリット
プラットフォーム利用型オンライン展示会のメリットは以下の2つです。
- 受注に関わる業務を効率化できる
- 自由度が高い
以下でくわしく説明していきます。
2-1-1. 受注に関わる業務を効率化できる
プラットフォーム利用型オンライン展示会のメリットとして、受注に関わる業務を効率化できる点が挙げられます。手作業や手入力で行っている業務を、デジタル化できるからです。
たとえば今まで時間や手間がかかっていたほか、ミスの多かったオーダーシートの作成や、オーダーの集計も自動で行えるようになります。
以下で今までの方法とプラットフォームを利用した場合の方法をそれぞれ比較しているので、ご覧ください。
<オーダーシートを作成する場合>
- オフライン展示会の場合:品番や商品価格、サイズ、カラー、納品時期、商品画像など複数の項目を、商品を1つずつ確認しながら手作業や手入力で作成。
- プラットフォーム利用型オンライン展示会の場合:商品の情報を登録さえしてしまえば、自動で作成可能。来場者に配る必要もないため、印刷代も削減できる。
<オーダーを集計する場合>
- オフライン展示会の場合:「商品Aの色はオレンジ、Mサイズ20着を、〇〇さんへ配送する」といったような細かで膨大な情報を手作業や手入力で集計。
- プラットフォーム利用型オンライン展示会の場合:オーダー数をリアルタイムで集計し、CSVなどのデータ形式に変換して出力可能。
このようにプラットフォーム利用型オンライン展示会は、受注業務で起きていた数量やサイズ入力のミス、作業にかかっていた時間を大幅に削減できるでしょう。
2-1-2. 自由度が高い
プラットフォーム利用型オンライン展示会のメリットの2つ目は、自由度が高い点です。
動画や3Dを使って商品の細部まで伝わりやすくできることはもちろん、画像をカタログのように配置できるほか、一般客向けのページを作れるなど、さまざまな工夫を凝らせるからです。
たとえば以下はアパレルブランドである「BEAMS」の2023年度の春夏コレクションの特設ページです。
出典:Pilgrim Surf+Supply Spring / Summer 2023 VOL.1-For WOMEN | BEAMS(ビームス)公式サイト
画像をカタログのように配置し、すぐに購入できるよう、商品説明の下部に購入ボタンが設置されています。
活用するプラットフォームにもよりますが、バイヤーをオンライン展示会に招待して限定公開するだけでなく、BEAMSのように自社のWebサイト上に特設ページを設けて、一般の顧客も閲覧・購入できるようにすることも可能です。
このように自由度が高く、さまざまな工夫を凝らせる点は、プラットフォーム利用型オンライン展示会のメリットと言えるでしょう。
2-2. デメリット
プラットフォーム利用型オンライン展示会のデメリットとしては、来場者が既存顧客に偏る可能性がある点が挙げられます。というのも自社のブランドを認知していない人を集客するのが難しいからです。
たとえば合同出展型オンライン展示会であれば、主催者側がさまざまなメディアを通して告知することが多く、自社で集客しなくとも新規の顧客が来場する可能性は高いでしょう。
気になったブランドの出展ページを見るついでに自社の出展ページを見えもらえる可能性もあります。
しかしプラットフォーム利用型オンライン展示会の場合、自社のみの開催となるため、既存顧客には招待メールなどを送って来場してもらうことが容易いですが、ブランドをあまり知らない人に来場してもらうのは厳しいと言えます。
事前にSNSなどを使ってオンライン展示会の開催を告知したとしても、元々のフォロワー以外の目に留まるのは難しく、実際に展示会に来場してもらうには、興味を持ってもらえるような投稿をする必要があるでしょう。
このようにプラットフォーム利用型オンライン展示会は、来場者が既存顧客に偏る可能性が高い点がデメリットと言えます。
2-3. 成功事例:sneeuw(スニュウ)
アパレルブランドの「sneeuw(スニュウ)」は、オンライン展示会のプラットフォームである「FORSEE」を活用することで、業務効率化に成功したほか、遠方の顧客からのオーダーも入るようになりました。
sneeuwのデザイナーである雪浦さんは元々、展示会に受けたオーダーの集計を誤ってしまったり、ミスがないかの確認を何度もすることで余計な時間がかかったり、といった悩みを持っていました。
しかしプラットフォームの機能を活用することで、オーダーの集計を手作業でする必要がなくなっただけでなく、オフラインで展示会を開催する際に、来場者とゆっくりコミュニケーションが取れるなど、展示会中の時間を有意義に使えるようになったのです。
またコロナの影響により外出の機会が減った際も、プラットフォームを通じて海外のバイヤーや、展示会に行きたくても出かけるのは気が引けるといった人からオーダーが入るようになりました。
このようにsneeuwはオンライン展示会のプラットフォームを利用することで、業務のミスや時間を削減するだけでなく、遠方の顧客からの受注獲得に成功しています。
3. アパレル向けオンライン展示会②|合同出展型オンライン展示会
次に紹介するのは合同出典型のオンライン展示会です。複数の企業が出展する規模の大きな展示会で、業界に特化したオンライン展示会や、テーマに特化したオンライン展示会など多岐に渡ります。
以下でメリットやデメリット、実際に合同出展型オンライン展示会で成功した事例について紹介していきます。
3-1. メリット
合同出展型オンライン展示会のメリットは以下の2つです。
- 販路が広がりやすい
- 自社で集客に注力する必要がない
以下でくわしく説明していきます。
3-1-1. 販路が広がりやすい
合同出展型オンライン展示会のメリットの1つとして、販路が広がりやすい点が挙げられます。数十~数百社におよぶ企業が出展するため、その分、来場者も多くなるからです。
たとえばアパレル向けのオンライン展示会ではありませんが、日本経済新聞社が2022年に開催した合同オンライン展示会の「日経メッセ online 2022」の来場者数は59,400人にのぼり、1社あたりの平均リード獲得数は734件でした。
参考:オンライン展示会「日経メッセ Online」出展者募集中 | NIKKEI MESSE
このように合同出展型オンライン展示会は多くの来場者が見込めるため、他のオンライン展示会より新たな販路を獲得しやすいと言えます。
3-1-2. 自社で集客に注力する必要がない
合同出展型オンライン展示会のメリットの2つ目は、自社で集客に注力する必要がない点でしょう。
主催者側が事前にさまざまな媒体で告知するほか、有名企業が主催する場合や大規模な展示会であれば、すでに顧客から認知されている可能性が高く、多くの来場者を見込めるからです。
たとえばプラットフォーム型オンライン展示会の場合は、自社単独開催なため、事前に告知して周知することに力を入れる必要があります。
しかし合同出展型オンライン展示会の場合、主催者側が広告を出したり複数のメディアで紹介してもらったり、告知や宣伝に力を入れているケースが多いです。
また複数の企業が出展しているため、来場者はさまざまな出展ページを見てまわる可能性が高く、集客しなくとも、自社の出展ページを訪れてくれる来場者は多いでしょう。
このように自社で集客に注力する必要がない点は、合同出展型オンライン展示会のメリットと言えます。
3-2. デメリット
合同出展型オンライン展示会のデメリットとしては、開催期間が決まっている点が挙げられます。
たとえばプラットフォーム型オンライン展示会の場合は、自社のタイミングで開催期間を定められるため、半年間や通年で開催しておくことも可能です。
動画配信型オンライン展示会の場合も、動画をアーカイブして残しておけるため、削除しない限り半永久的に残しておけるでしょう。
しかし合同出展型オンライン展示会の場合、開催期間が数週間から1ヶ月程度といったケースが多いです。
そのため顧客側からしてみれば、期間を気にせず好きなときに確認できるプラットフォーム型や動画配信型オンライン展示会の方が、好都合でしょう。
出展側としても合同出展型オンライン展示会は、何らかの理由で展示商品の製作が遅れてしまえば既存の商品を展示することになり、来場者数や受注数が伸び悩む可能性もでてきます。
このように合同出展型オンライン展示会は、開催期間が決まっているといったデメリットがあります。
3-3. 成功事例:株式会社ORPHE
スマートフットウェアの研究開発および販売を行っている「株式会社ORPHE」は、スポーツに特化した合同オンライン展示会に出展することで、来場したさまざまな企業から商品へのフィードバックを得られたほか、見込み客の詳細な情報を獲得できました。
株式会社ORPHEは、靴に取り付けるだけで歩行や姿勢を計測・分析する動作分析ソリューションも商品として提供しており、まざまな顧客からフィードバックを得られたことで、サービス内容をより良いものに調整できました。
また来場者と個別にコミュニケーションを取らなくとも、所属企業や担当部署、来場目的をはじめとした見込み客の情報をくわしく確認できる機能が備わっていたため、コミュニケーションコストや機会損失を削減にもつながっています。
このように株式会社ORPHEは、合同オンライン展示会に出展することで、商品への有意義な意見を獲得できたほか、くわしいリード情報を得ることで業務効率化にも成功しています。
参考:商談でのニーズ調査を通じて、最適な商品プラン構成が決定! | DMMオンライン展示会
4. アパレル向けオンライン展示会③|動画配信型オンライン展示会
3つ目に紹介するのは動画配信型のオンライン展示会です。
Youtubeをはじめとした動画配信サイトや、インスタグラムをはじめとしたSNSを活用して、オンライン展示会を開催します。
以下でメリットやデメリット、実際に動画配信型のオンライン展示会で成功した事例について紹介していきます。
4-1. メリット
動画配信型オンライン展示会のメリットは以下の2つです。
- 商品の詳細を伝えやすい
- コストを最大限に抑えられる
以下でくわしく説明していきます。
4-1-1. 商品の詳細を伝えやすい
動画配信型のオンライン展示会を開催するメリットの1つとして、商品の詳細を伝えやすい点が挙げられます。
というのも動画サイトやSNSを活用すればリアルタイムで展示会を配信することができ、来場者からの質問にオンタイムで答えられるからです。
たとえば、アウトドアウェアを展開している「unfuge」は、2022年の2月にYoutubeを活用して開催した新作のスノーウェアのオンライン展示会中に、来場者とリアルタイムでやり取りしていました(以下画像参照)。
出典:unfuge 2023-2024 オンライン展示会 | You tube
チャット機能を使って視聴者が自由にコメントを書き込めるように設定しており、
- 「身長173センチ、体重80キロですが、ビブパンツとピープジャケットはXLならいけそうですか?」
- 「ビブパンツの股下はベンチレーション仕様ですか?」
といったコメントに対して、リアルタイムで配信スタッフが反応したり質問に答えたりすることで、細かなサイズ感や着用感、商品の生地の厚みや質感などを伝えていました。
このように商品の詳細を来場者に伝えやすい点は、動画配信型オンライン展示会のメリットと言えるでしょう。
4-1-2. コストを最大限に抑えられる
動画配信型オンライン展示会を開催するメリットの2つ目は、コストを最大限に抑えられる点です。
というのも動画サイトやSNSのアカウントをすでに持っている、もしくはこれからアカウントを作る場合でも、利用料がかかることがほとんどないからです。
たとえばプラットフォーム型や合同出展型のオンライン展示会の場合、オフラインの展示会よりはコストを抑えられますが、プラットフォームの利用代や出展料などはかかる場合がほとんどでしょう。
しかし動画配信型オンライン展示会は、企業が登録している動画サイトの自社チャンネルや、自社のSNSを使って配信できるため、プラットフォームの利用代や出展料は一切かかりません。
そのほかの費用と言えば、動画配信中に商品を紹介するスタッフや撮影スタッフの人件費くらいでしょう。
このように動画配信型オンライン展示会は、他のオンライン展示会の形態と比べて、一番コストを抑えられます。
4-2. デメリット
動画配信型オンライン展示会のデメリットとしては、集客が難しい点が挙げられます。というのも来場者のほとんどを占めるのは、元々自社の動画チャンネルの登録者や、SNSのフォロワーだからです。
たとえばインスタグラムで生配信のオンライン展示会を行う場合、あらかじめ自社のアカウント上で告知して周知できるほか、生配信が始まれば、フォロワーのマイページ上部にLIVE中のアカウントとして目立つように表示されます。
そのためフォロワーが多ければ多いほど、オンライン展示会に来場してくれる可能性が高いです。しかし新規のアパレルブランドや、SNSを最近始めてフォロワーが少ないといったアパレル企業は、オンライン展示会を開催しても、思ったように集客ができない可能性が高いでしょう。
このように動画配信型のオンライン展示会は、場合によっては集客が難しい点がデメリットとして挙げられます。
4-3. 成功事例:fifth(フィフス)
ファッション通販サイトの「fifth(フィフス)」は、SNSの1つであるインスタグラムで、定期的にオンライン展示会を開催しています。
厳密に言えばオンライン展示会というよりかはライブ配信ですが、新作アイテムの発売前にライブ配信を行うことで、売上を大きく伸ばしています。
視聴者とリアルタイムでやり取りして、視聴者の疑問をその場で解消したり、ブランド側がおすすめの着方やポイントなどを実際に商品を使いながら伝えたり、視聴者と密なコミュニケーションを取れることが、要因の1つと考えられるでしょう。
たとえば2023年2月にライブ配信された春のアウター紹介では、「今履いているスカートは軽いですか?」といった視聴者の質問に答えるほか、「こちらのアウターはスーツの上からも羽織れるので、仕事に行く際にも着れますよ」といったワンポイントアドバイスを教えるなど、視聴者とのやり取りが盛んに行われていました。
あるライブ配信では、配信から24時間以内に対象商品の売上が1,800万円に達し、全体の売上に大きく貢献しています。
このようにfifthはSNSのライブ配信機能を活用し、オンライン展示会を頻繁に開催することで、売上に大きな影響を及ぼしています。
5.オンラインのアパレル展示会の選び方
ここまで読んで、実際にオンライン展示会を検討している人もいるのではないでしょうか?しかしどの種類のオンライン展示会が自社に向いているか、分からないといった人もいるかと思います。
その場合は以下の表を参考にしてみてください。
以下の表では各オンライン展示会を、コストや集客面をはじめとした5つの項目で比較しています。
【各オンライン展示会の比較表】
プラットフォーム利用型 | 合同出展型 | 動画配信型 | |
コスト | 普通 | 高い | 低い |
集客の難しさ | 普通 | 簡単 | フォロワーやチャンネル登録者数の多さによる |
開催期間の設定 | 自由に設定可 | 開催期間が決まっている | 自由に設定可 |
機能の多さ | 多い | 普通 | 少ない |
デザインの自由度 | 高い | 普通 | 低い |
上記の表で各オンライン展示会を見比べた上で、
- 「受注業務を効率化したい」「自由度が高くデザイン性のある展示会ページを作りたい」:プラットフォーム利用型
- 「新規の顧客をより多く獲得したい」「集客の手間を減らしたい」:合同出展型
- 「コストを最大限抑えたい」「ライブ配信で顧客と蜜にコミュニケーションを取りたい」:動画配信型
といったように、自社の現状や何に重きを置くかなどを考えた上で、自社に合うオンライン展示会を検討してみてください。
6. プラットフォーム利用型オンライン展示会を開催する場合は、「WONDERLINE」をご活用ください
ここまでお読みになって、「自社のアパレル向けのオンライン展示会は、受注業務を効率化できるプラットフォーム利用型が適しているかもしれない」と思った方は、ぜひ「WONDERLINE」をご検討ください。
オンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」の具体的な特長は、以下の3つが挙げられます。
- オンライン展示会が初めての場合でも安心して開催できるサポート体制
- 業務効率化につながる豊富な機能
- 出展に必要なコンテンツを代理で作成可能(有償)
以下でひとつずつ説明していきます。
6-1. オンライン展示会が初めての場合でも安心して開催できるサポート体制
WONDERLINEはオンライン展示会が初めてのアパレル企業でも、安心して開催できるサポート体制が整っています。
以下はサポートの一例です。
- システムやオンラインミーティングツールの利用方法のレクチャー
- 展示会コンテンツ作成のサポート
- 集客サポート
- 問い合わせ対応
アパレルブランドの場合、自社のECサイトやSNSは持っていても、オンライン展示会のプラットフォームは初めて操作するといった場合が多いかと思います。
しかしWONDERLINEの運営事務局が上記のようにサポートさせていただくため、オンライン展示会を開催するのが初めての場合でも、安心してご活用いただけます。
6-2. 業務効率化につながる豊富な機能
WONDERLINEは、業務効率化につながるさまざまな機能も搭載しています。主な機能は以下の4つです。
- オンライン展示ブース:商品のPRポイントを画像付きで掲載可能。展示する商品が多い場合、3つの階層に分け、合計で2,000点の商品を展示できます。
- オンライン名刺交換:オンライン上で来場者との名刺交換が可能。CSV形式でダウンロードできるため、そのまま営業活動に活用できます。
- オンライン商談・会議:ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetなど、普段から使い慣れているツールで商談可能。事前商談予約機能も搭載されています。
- 来場者分析:来場者数やイベント予約数、商談の予約数、来場者の動向など、顧客ニーズを可視化。分析データはCSV形式でダウンロードできます。
たとえばオフライン展示会の場合、来場者への対応が忙しく、せっかくの商談の機会を逃してしまったり、どの商品の反響が大きかったかなどが分からなかったりしますよね。
その点、WONDERLINEではリアルタイムで来場者とコミュニケーションを取らずとも、商談の予約を受け付けられるほか、手間や時間をかけずに自動で来場者の動向分析が可能です。
このように豊富な機能を活用することで、充実したオンライン展示会を実現するだけでなく、業務効率化も実現します。
6-3. 出展に必要なコンテンツを代理で作成可能(有償)
WONDERLINEでは、出展に必要なコンテンツの作成も有償で承っております。たとえば以下のようなコンテンツの作成が可能です。
- 企業紹介のコピーライティングの作成
- CG作成
- 商品画像の撮影
- プロモーション動画の撮影
- デジタルカタログの作成
オンライン展示会では服の細かな質感や着用感などが分からないため、商品をいかに魅力的にアピールできるかが、商談につながるカギとなるでしょう。
弊社はカタログ・パンフレットデザインやWebデザイン、動画制作をはじめとしたデザイン事業も行っているため、上記のようなコンテンツ作成のノウハウを持ち合わせております。
もし出展に必要なコンテンツ作成の時間が取れない場合や、社内にコンテンツを作成できる社員がいない場合は、ぜひまとめてご依頼ください。
7. まとめ
アパレル企業がオンライン展示会を開催すべき理由は、以下の4つです。
- 国内に限らず遠隔地にいる顧客を集客できる
- オフライン展示会と比較してコストを抑えられる
- オフライン展示会と比較して運営業務を効率化できる
- 来場者の動向や関心の高い商品をデータで把握できる
アパレル向けのオンライン展示会は3種類に分けられ、各メリットとデメリットは以下の通りです。
【各オンライン展示会のメリット・デメリット】
オンライン展示会の種類 | メリット | デメリット |
プラットフォーム利用型 | ● 受注に関わる業務を効率化できる ● 自由度が高い | 来場者が既存顧客に偏る可能性がある |
合同出展型 | ● 販路が広がりやすい ● 自社で集客に注力する必要がない | 開催期間が決まっている |
動画配信型 | ● 商品の詳細を伝えやすい ● コストを最大限に抑えられる | 集客が難しい |
どの種類のオンライン展示会を選ぶべきかは、以下の比較表を参考にしてください。
【各オンライン展示会の比較表】
プラットフォーム利用型 | 合同出展型 | 動画配信型 | |
コスト | 普通 | 高い | 低い |
集客の難しさ | 普通 | 簡単 | フォロワーやチャンネル登録者数の多さによる |
開催期間の設定 | 自由に設定可 | 開催期間が決まっている | 自由に設定可 |
機能の多さ | 多い | 普通 | 少ない |
デザインの自由度 | 高い | 普通 | 低い |
上記の表を見比べ、自社の現状や何に重きを置くかなどを考えた上で、自社に合うオンライン展示会を検討してみてください。
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