「展示会の出展コンセプトは、どのように決めれば良いのだろう?」
「そもそもコンセプトって何だっけ?」
展示会に出展するにあたって、そのような疑問をお持ちではありませんか?
日頃、当たり前のように耳にする言葉ですが、いざ展示会に向けてコンセプトを決めようとすると、そもそもコンセプトがどんなもので、どう決めれば良いのか悩んでしまいますよね。
まず先にお伝えしておくと、展示会のコンセプトとは、「出展にあたって指針となる構想」のことです。
指針として機能するコンセプトに沿って出展準備を進めることで、ブースや展示内容にブレが生じづらくなり、最も重要な訴求ポイントが分かりやすく来場者に伝わります。
これにより、その訴求ポイントに価値を感じる「真の見込み顧客」を引き寄せやすくなり、より多くの見込み顧客や商談の獲得が見込めるようになるのです。
例を挙げれば、以下のようなものが、展示会のコンセプトと言えます。
展示会のコンセプト例 |
安全靴を導入したい/刷新したい工場経営者に、JIS規格を取得した自社の安全靴が圧迫・衝撃から作業員の足元の安全をしっかり守るということを、商談に繋がりやすい形で伝える。 |
つまり、あなたが展示会のコンセプトとして決めるべきことは、「どのように出展するか(=展示会で誰に、何を、どのように伝えるか)」ということなのです。
とはいえ、コンセプトはただ決めれば良いというわけではありません。
次のように、きちんと順序立てて根拠のあるコンセプトを組み立てなければ、訴求力の弱い出展となってしまいます。
そこでこの記事では、その重要性を把握した上で、適切に展示会のコンセプトを決めていけるように、以下の内容をお伝えします。
本記事の内容 |
● 展示会におけるコンセプトとは |
コンセプトをより質の高いものにするためのコツも合わせてお伝えするので、お読みいただければ、展示会の成果に繋がるベストなコンセプトを決められるようになるはずです。
早速読み進めていきましょう。
目次
1. 展示会におけるコンセプトとは
展示会に向けてコンセプトを決めるにあたって、「そもそもどういうことを決めれば良いんだっけ?」という疑問を感じていらっしゃるのではないでしょうか。
そこでまずは、展示会における出展コンセプトがどういったものなのかを改めてはっきりさせておきましょう。
1-1. 展示会のコンセプトは「どのように出展するか」という構想
冒頭でもお伝えした通り、展示会のコンセプトとは、「出展にあたって指針となる構想」のことです。
そもそもコンセプトとは、「制作物(商品・サービス・広告・店舗・作品など)をつくったり、企画を立案する際に、指針となる一貫した考え方・構想」のこと。
どんな制作物・企画でも、実際にディティールをつくり上げていく前に「どのようなものにするか」という大まかな構想が必要ですよね。その「どのようなものにするか」という構想が、コンセプトなのです。
例えば、新商品の広告を打つ際には、いきなりデザイナーが広告を制作するようなことはなく、まず「どんな広告にするか」を決めるはずです。
この、制作に入る前に決める、「どんな広告にするか」という部分が、新商品の広告のコンセプトと言えます。
展示会においても、これと同様です。
「どのように出展するか」いう構想が、展示会におけるコンセプトであり、ブースを制作したり、展示内容を詰めていったり…という具体的な準備に取り掛かる前に決める必要のあるものなのです。
1-2. 展示会のコンセプトのために具体的に決めること
展示会におけるコンセプト、つまり「どのように出展するか」を明確にするためには、
「展示会において、誰に、何を、どのように伝えるか」
を決める必要があります。
展示会のコンセプトのために決めること |
◆誰に ◆何を ◆どのように伝えるか |
これらが決まっていれば、出展準備において判断に迷うことが断然少なくなるはずです。
例えば、「誰に向けて伝える」かがはっきりしていれば、出展ブースにおいて取り上げるべき事柄・課題を判断できますし、「何を伝えるか」が決まっていれば、ブースや装飾に記載すべきPR文も絞り込みやすくなるはずです。
「どのように伝えるか」が決まっていれば、言葉の表現の仕方や、配布物はどのようなものが適しているかも分かりやすくなります。
このように、「展示会において、誰に、何を、どのように伝えるか」を決めておけば、その内容がコンセプトとして機能し、その後の出展準備をブレなく進めていけるのです。
1-3. テーマとの違い
コンセプトとテーマは混同されがちですが、両者は別物です。
展示会出展においても、コンセプトとテーマはそれぞれ別のものを意味し、より重要度・優先度が高いのはコンセプトと言えます。
まず一般的に、コンセプトとテーマの意味には以下のような違いがあります。
| コンセプト | テーマ |
意味 | 制作物をつくったり、企画を立案する際に、指針となる一貫した考え方・構想 | 催し、創作物などの全体を通して表す基本的な考え、観念。主題。 |
使用例 | 家族で美味しく外食を楽しむ時間をリーズナブルに提供する | ファミリーレストラン |
この違いを簡単に説明すれば、つくるものの指針・軸となるのがコンセプトであるのに対して、つくるもの全体で表す傾向のようなものがテーマと言えます。
展示会出展においてもコンセプトとテーマが混同されることは多いですが、お伝えしている通り、「どのように出展するか」という構想がコンセプトです。
一方で、展示会(出展)のテーマは、厳密に何を意味するかは文脈によりますが、メインで掲げるキャッチコピー的なものや、ブースの主題のことを指している場合が多いです。
コンセプトもテーマも、出展に向けて明確にしておくべきことではありますが、まずコンセプトが無ければテーマを決めることは難しいです。
そのため、重要度・優先度としては、テーマよりコンセプトの方が上と言えます。
「良質なリードを獲得!成功する展示会テーマの作り方4STEP」 では、展示会に出展する際のテーマがどんなもので、どのように決めれば良いかを詳しくご紹介しているので、こちらも参考にしてみてくださいね。
2. 展示会で成果を出すためにはコンセプトは必要不可欠
展示会で成果を出すために、コンセプトを決めておくことは必要不可欠です。
出展において目指す成果は、企業ごとに異なるかと思いますが、どのような成果も「売り上げに繋がる顧客/商談を獲得する、あるいは関係性を築く」というところに集約されるはずです。
そのような「売り上げに繋がる」成果のためには、コンセプトは必ず決めておかなければならないのです。
ここでは、その理由についてお話ししますね。
2-1. コンセプトがあることでブレなく準備を進められる
コンセプトがあることで、出展準備をブレなく進めることができます。
何度も言うように、展示会出展におけるコンセプトとは「どのように出展するか」という構想のこと。
コンセプトを決めておくと、それに沿って準備を進められるため、タスクごとに担当者や外注先が分かれていてもブレが生じず、このことが成果を出しやすくするのです。
例えば、食品製造機器のメーカー企業において、
「自社を知らない中小規模の食品工場経営者に向けて、異物混入事故を防ぐための異常検知機能を搭載した新製品を、より広く認知してもらえるように紹介する」
というコンセプトの下、出展準備を進めたとします。
すると、ブースや展示物などの仕上がりは次のように一貫したものとなるはずです。
コンセプトを決めている場合 |
◆ブース ◆展示物 ◆配布物 |
この場合、来場者の目に入るものがブレなく一貫しているので、ブースを訪れた人や通りがかった人は、
「この会社の機器は、食品工場の異物混入問題を解決してくれるんだな。」
と瞬時に把握することができるはずです。
このように、ブレなく準備を進められていれば、あなたの会社が出展する商品/サービスの利点が来場者にスムーズに伝わります。
結果、その利点に価値を感じる人はあなたの会社に関心を持ってくれて、その場で接点を持てたり、展示会後のアプローチがうまく運びやすくなったり、という成果に繋がるのです。
一方でコンセプトを決めないまま出展してしまうと、ブースや展示物、配布物で訴求内容に一貫性が見られないため、来場者に伝わる利点・印象がまちまちになりがちです。
そのような「ブレ」は、商品/サービスについてのスムーズな理解の妨げとなり、結果的に「何が良いのかよく分からない商品/サービス」とだけ認識されてしまいます。
それでは、出展による成果が低減することは目に見えていますよね。
そのような状況を回避し、展示会で売り上げに繋がる成果を得るためには、事前のコンセプト決めは必ず行っておくべきなのです。
2-2. 適切なコンセプトはブースに見込み顧客を引き寄せる
コンセプトが適切に設定されていると、自社ブースに見込み顧客を引き寄せやすくなります。
先ほどもお伝えした通り、コンセプトに沿ったブレのない出展準備により、来場者に訴求ポイントが伝わりやすくなります。
これにより、その訴求ポイントが刺さる「真の見込み顧客」が積極的にブースに足を踏み入れてくれるようになるのです。
特に数万人規模の来場者が訪れる大規模な展示会においては、見込み顧客になり得ない来場者の数も多くなるため、利点や訴求ポイントを明確に伝えて、自社商品/サービスへのニーズを持つ来場者を意識的に引き寄せることが重要となります。
しかし、コンセプトが決まっていないと、商品/サービスの良さが伝わりにくいため、ブース内に以下のような状況を作り出してしまいます。
△誰の興味も引けず、ブースに人が訪れない △ノベルティ目当ての来場者や、なんとなく情報収集に来た来場者ばかりがブースに訪れる |
コンセプトを設定していないことで、ブースに人が集まっても集まらなくても、結局見込み顧客とは出会いづらくなってしまうのです。
このような状況に陥らず、自社商品/サービスへのニーズがある見込み顧客を呼び寄せるためには、コンセプトに沿って一貫した訴求を行い、利点を分かりやすく伝えることが必要不可欠です。
3. 展示会のコンセプトの基本の決め方
展示会への出展にあたり、コンセプトが必要不可欠であることはお分かりいただけたかと思います。
また、コンセプトとして「展示会において、誰に、何を、どのように伝えるか」を決める必要があるという点もお伝えした通りです。
このようなコンセプトを適切に決めていくためには、以下のような手順が必要です。
こうした手順で決めていくことで、背景に根拠を有する、一貫したコンセプトに仕上がります。
ここでは、こうした手順をステップごとに詳しく説明します。
3-1. 【STEP①】出展目的を明確にする
コンセプトを決めるために、まずは出展目的を明確にしていきます。
そもそもコンセプトは、目的(成果)を達成するために決めるもの。
そのため、まず「出展することで何を目指すのか」というゴールを明確にしたうえで、それを達成できるようなコンセプトを決めていくことになります。
基本的に、展示会への出展目的は大まかに以下の3パターンに分かれます。
①新規の営業案件を獲得する ②企業/製品の認知度を高める ③既存顧客との関係性を向上させる |
この3パターンの出展目的を参考に、あなたの会社で目指すことを最初に決めておいてください。
※展示会の出展目的について、より詳しく知りたい場合は、「展示会に出展する目的は大きく3つ|目的別の成功事例も解説」にも目を通してみてください。
最終的に、ここで明確にした目的を達成することを念頭に、コンセプトを決めていきます。
3-2. 【STEP②】出展商材を選定する
出展目的が明確にできたら、展示会に出展する商材を決めていきます。
お伝えしている通り、コンセプトとして「展示会において、誰に、何を、どのように伝えるか」を決めていく必要があります。
このうち、「何を伝えるか」を決めるために、特定の商材を選定し、その商材が提供できる価値を明確にしていくのです(提供価値の明確化はSTEP⑤で行います)。
ここで商材を複数選んでしまうと、「何を伝えるか」がぼやけてしまい、コンセプトに曖昧さが出てしまいます。
その曖昧さは、ブースや展示物、配布物などの一貫性を損なってしまうので、選定する商材はあくまで一つだけに絞り込んでください。
3-3. 【STEP③】ターゲットを設定する
続いて、ターゲットを設定します。
これは、コンセプトのうち「誰に伝えるか」に直結する要素となります。
ここまでに決めた出展目的・商材と、出展先の展示会を考慮して、この「誰に」の部分を詰めていきましょう。
例えば、
◆出展目的:成約見込みがある相手と商談を行うこと
◆出展商材:落下物などから足を守る安全靴
◆展示会:工場設備・備品展
だったとすれば、自然と「安全靴を導入したい、あるいは刷新したい工場経営者」というターゲットに辿り着くはずです。
このように、ここまでの決定事項から、展示会におけるターゲットを設定します。
3-4. 【STEP④】ターゲットの課題を探る
ターゲット設定ができたら、次に、そのターゲットが抱える課題を探っていきます。
ターゲットの課題を知ることで、ターゲットが何に価値を見出すかが把握しやすくなります。このことで、コンセプトのうち「何を伝えるか」を決めやすくなるのです。
「ターゲットの課題」と聞くと、自社商材で解決しうる課題に最初から絞り込みたくなりますが、ここではそういった絞り込みをせず、ターゲットが悩んでいそうなことをどんどん挙げていきましょう。
例えば先ほど例に挙げた「安全靴を導入したい、あるいは刷新したい工場経営者」なら、以下のような課題が考えられます。
◆作業員の安全を確保できていない |
このようにブレスト的に課題を探って、より核心に迫った課題や、より自社商材がコミットできそうな課題を抽出していきます。
3-5. 【STEP⑤】ターゲットに提供できる価値を明確にする
続いて、出展商材がターゲットに対してどのような価値を提供できるかを明確にしていきます。
これが、コンセプトの「何を伝えるか」の核となる部分になります。
STEP④で探った課題を、自社の商材がどのように解決するか、という切り口で考えていけば、ターゲットに対して提供できる価値も浮かび上がってくるはずです。
例えば、先ほど「安全靴を導入したい、あるいは刷新したい工場経営者」の抱える課題として以下を考えましたよね。
◆作業員の安全を確保できていない
◆作業効率を改善したい
◆人手不足
◆工場設備が老朽化している
◆災害対策ができていない
これらのうち、安全靴を出展する企業が役立てそうなのは、「作業員の安全を確保できていない」という課題ですね。
この課題を安全靴がどのように解決するかを考えると、以下のような提供価値が明らかになってきます。
安全靴(出展商材)がターゲットに提供できる価値 |
JIS規格を取得した安全靴で、圧迫・衝撃から作業員の足元の安全をしっかり守る |
このように、ターゲットの課題を自社商材がどのように解決できるかを考え、提供できる価値を明確にしていきましょう。
3-6. 【STEP⑥】コンセプトに落とし込む
最後に、ここまでで決めたこと・明確にしたことをコンセプトに落とし込んで、
「展示会において、誰に、何を、どのように伝えるか」
という形で完成させます。
具体的には、「誰に」「何を」「どのように伝えるか」という要素ごとに、以下のように落とし込んでいきます。
◆誰に ◆何を ◆どのように伝えるか |
例えば、先ほどから例として用いている安全靴の企業なら、以下のようなコンセプトになります。
誰に:安全靴を導入したい、あるいは刷新したい工場経営者
何を:JIS規格を取得した安全靴で、圧迫・衝撃から作業員の足元の安全をしっかり守る
どのように伝えるか:成約見込みがある相手と商談を行えるように
↓
コンセプト |
展示会において、安全靴を導入したい/刷新したい工場経営者に、JIS規格を取得した自社の安全靴が圧迫・衝撃から作業員の足元の安全をしっかり守るということを、商談に繋がりやすい形で伝える。 |
多くの場合、このように少し長いコンセプトにはなるかと思いますが、このコンセプトはあくまで社内の従業員が指針とするものなので、意味がはっきりと伝わる形になっていれば問題ありません。
コンセプトの決め方に悩んでいたのであれば、ぜひこの手順を参考に、コンセプト決めに取り組んでみてくださいね。
4. 成果に繋がる展示会コンセプトを決めるためのコツ
ここまでの内容で、あなたも展示会のコンセプトを決められるようになったはずです。
とはいえ、そもそも出展企業の多くがコンセプトを設定したうえで展示会に臨んでいるので、実はコンセプトを決めただけでは、出展企業の中で優位に立つということは難しいです。
ただ、コンセプトを決めるための各ステップに、よりこだわって取り組み、コンセプトの精度を高めれば、訴求ポイントの伝わりやすさで他の出展企業と差をつけることも可能です。
ここでは、そのために各ステップでこだわるべきコツをお伝えします。
せっかくなら、こうしたコツも押さえて他社と差をつけ、より成果に繋がりやすいコンセプトを決めていきましょう。
4-1. 【出展目的を明確にする際のコツ】自社課題から考える
コンセプト決めにおいて出展目的を明確にする際は、自社の課題を起点に出展目的を考えましょう。
あなたの会社が展示会に出展するということは、その背景に「改善したいこと、向上させたいこと(=課題)」があるはずです。
その課題を反映させた出展目的を設定し、コンセプトに組み込むことで、自社の状況とマッチしたコンセプトに仕上がり、社内の関係者が納得して指針としてくれるのです。
例えば、あなたの会社に「新規顧客を開拓したい」という課題があるとすれば、「成約の可能性がある見込み顧客を獲得する」という出展目的を設定するのが適切です。
この出展目的は、コンセプトの「どのように伝えるか」という部分に落とし込んでいくため、最終的なコンセプトは次のようになります。
「展示会において、◯◯(ターゲット)に、△△(提供価値)を、見込み顧客となってもらえるように伝える。」
このコンセプトが「新規顧客の獲得」という課題を抱える会社の状況とマッチしたコンセプトになっていることはお分かりですね。
このような自社の状況と見合ったコンセプトであれば、展示会に携わる従業員も納得してくれ、コンセプトの下に統制が取れるはずです。
そのように統制が取れることで、出展準備において、よりブレが生じにくくなるのです。
4-2. 【出展商材を選定する際のコツ】売れ筋のものから選ぶ
出展商材を選定する際には、できるだけ売れ筋のものを選ぶようにしてください。
よく売れているということは、その商材が、より多くの顧客の課題を解決できるものであるという証拠。
そのため、顧客に提供できる価値も明確にしやすいです。その提供価値をコンセプトに落とし込めば、より多くの見込み顧客に訴求ポイントが刺さるかたちで出展が叶うはずです。
一方で、さほど売れていない商材は、「提供できる価値があったとしても、ニーズとしては少ない」というのが実情です。
売れ行きがイマイチな商材を選んでも、提供価値からコンセプトを決めることはできますし、コンセプトに沿って一貫した訴求も行えます。ただ、それが刺さる見込み顧客の”数”は期待できないのです。
より成果に繋げやすいコンセプトを決めるなら、まず商材選びの時点で売れ筋のものを選ぶのが正解なのです。
補足: |
4-3. 【ターゲットを設定する際のコツ】ペルソナまで設定する
ターゲットを設定する際には、そのターゲット像をできるだけ具体的にイメージするようにしてください。
これは、「ペルソナを設定する」という作業になります。
ペルソナとは |
ペルソナを設定することで、コンセプトの「誰に」の部分がより鮮明になり、出展準備において、ターゲットに刺さる言葉やデザインを追求しやすくなるのです。
例えば展示会からは少し話がそれますが、70代の女性への贈り物を考える際に、同年代の親類を思い浮かべた方が、どういうものを喜んでくれるかイメージがつきやすいですよね。
展示会においても、ペルソナを設定して鮮明なターゲット像をコンセプトに落とし込むことで、的確にターゲットに刺さるものを準備することができるはずです。
手早くペルソナを作るために、以下に設定しておくべき項目をまとめたので、こちらを参考にターゲット像を具体化してみてください。
◆名前・年齢 |
4-4. 【ターゲットの課題を探る際のコツ】実際の声を参考にする
ターゲットの課題を探る際には、実際のターゲットの声を参考にしましょう。
ターゲットの抱える課題を、あなたや他の従業員がどれだけ探っても、それは“あなたの会社側が考える”ターゲットの課題に過ぎません。
より的確に、実情に即した課題を抽出するなら、ターゲットの声に耳を傾けるのがベストなのです。
その具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
◆ターゲットと近しい知人(取引先やその他接点のある企業など)にヒアリングしてみる |
このように、ターゲット視点で課題を探ることで、課題から明確にする自社商材の提供価値が、ターゲットにとってより魅力的なものになるはずです。
4-5. 【提供できる価値を明確にする際のコツ】提供価値の魅力をヒアリングする
自社商品/サービスがターゲットに提供できる価値がある程度明確になったら、ターゲットに近しい人・企業に「その価値が本当に魅力的かどうか」ヒアリングしてみてください。
提供価値は、「自社の商材がターゲットの課題をどのように解決するか」という切り口から検討するので、もちろんそこに一定の価値はあるはずです。
しかし、その価値をターゲットがどれほどの強さで求めているか、ということはターゲットに訊いてみないと確かめることはできません。
それを確かめるため、以下のような方法でヒアリングを行ってみましょう。
自社商材がターゲットに提供できる価値を明確化する(複数候補を出す) |
このようなヒアリングによって、より魅力的な提供価値をコンセプトに落とし込むことができ、「ターゲットがまさに求めている」提供価値を展示会で訴求できるようになるはずですよ。
4-6. 【コンセプトに落とし込む際のポイント】コンセプトシートを活用する
コンセプトを決めるための最後のステップでは、それまでに決めたことや明確にしたことをコンセプトに落とし込んでいきますが、この工程は以下のようなコンセプトシートを活用しながら取り組みましょう。
<こちらのテンプレートは以下よりダウンロードしていただけます。>
▶︎「展示会出展コンセプトシート」のテンプレートをダウンロード
※テンプレート編集の権限付与はできませんので、ダウンロードしてご使用ください。
すでに説明した通り、コンセプトを実際に形にするまでには、決めることや明確にすることがいくつもあります。また、ここでご紹介したようなコツを押さえようとすれば、さらにタスクが増えることになります。
そのようなタスクや情報を、コンセプトシートを使って整理することで、効率良くコンセプトをまとめることができるのです。
また、作成したコンセプトシートを共有すれば、コンセプトだけでなく、「そのコンセプトになった背景」まで社内で共有することができます。
これによって、展示会に携わる従業員が、コンセプトをより強く意識しながら出展準備を進めやすくなるはずです。
効率的に的確なコンセプトを決めつつ、そのコンセプトに沿って出展できるように、ぜひコンセプトシートを活用してみてくださいね。
5. コンセプトによる成果が顕著なのはオンライン展示会
ここまで読んでいただいていればお分かりかと思いますが、展示会のコンセプトは奥が深く、決めるのも一筋縄ではいかないものです。
そのように苦労して決めたコンセプトに沿ってブレなく出展準備を進め、展示会において一貫した訴求ポイントをターゲットに向けて発信できれば、確実に成果は得やすくなります。
実は、そのようなコンセプトが寄与する成果は、オンライン展示会だと、より顕著になるのです。
というのも、リアル展示会とオンライン展示会の来場者では以下のような違いがあるからです。
リアル展示会の来場者 | オンライン展示会の来場者 |
・情報収集目的 | ・主催者や出展企業が事前に招待している |
このように、リアル展示会では、「なんとなく情報収集」や「ついで」で訪れる来場者が少なくありません。
独特の賑わいがあって、ちょっとしたイベント気分で訪れてみたくなるという特性が、良くも悪くも目的意識の低い来場者を増やしているのです。
対してオンライン展示会の来場者は、主催者や出展企業が事前に招待している人や、事前の宣伝を見てわざわざアクセスする人が主です。
特別なイベント感はなくてもあえてアクセスしている、目的意識の高い来場者が多いのが、オンライン展示会の特徴です。
このため、適切なコンセプト設定によって訴求ポイントを一貫して伝えられていれば、商談や契約といった売り上げに直結するような成果が(リアル展示会よりも)得やすいのです。
こういった理由から、実利に直結しやすい成果(新規の営業案件獲得・既存顧客へのアップセル/クロスセルなど)を出展目的に据えている場合は特に、オンライン展示会はおすすめと言えます。
\綿密なコンセプト設定でたしかな成果を目指すなら/ |
「適切に展示会コンセプトを設定し、実利に直結する成果を得たい」という場合は、オンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」を利用したオンライン展示会を行ってみませんか? WONDERLINEは、オンライン展示会がはじめてのお客様にも使っていただきやすい「お客様に寄り添ったオンライン展示会プラットフォーム」です。 そんなお客様に寄り添うWONDERLINEだからこそ、たしかな成果を得られるオンライン展示会が実現します。 WONDERLINEの「展示会を成功に導く」3つのポイント ①運営事務局が手厚くサポート ・利用方法のレクチャー この他、ご不明点や疑問がある場合はその都度対応させていただきます。 ②営業案件の獲得を支援する機能をオールインワンでご提供 ・オンライン名刺交換 もちろんこの他にも多彩な機能のご提供が可能です。 ③来場者に「刺さる」コンテンツ作成もまとめてご依頼可能 ・来場者に伝わるコピーライティング 等の制作をオンライン展示会プラットフォームのご提供と併せてワンストップでお任せいただけます。 WONDERLINEは、こだわり抜いたコンセプトの効果を最大化するかたちでオンライン展示会の実施をサポートします。 オンライン展示会についても出展・開催を検討されるなら、ぜひ下記よりWONDERLINEについて詳しくご覧になってみてください。 |
6. まとめ
展示会のコンセプトについて、概要や決め方はお分かりいただけたでしょうか?
最後に今回の内容をおさらいしておきましょう。
まず、展示会のコンセプトとは「出展にあたって指針となる構想」のことです。
これを明確にするためには、展示会において「誰に、何を、どのように伝えるか」ということを決めていかなければなりません。
コンセプトがきちんと決まっていることで、ブレなく出展準備を進められますし、自社ブースに見込み顧客を引き寄せやすくなります。このため、出展においてコンセプトを決めることは必要不可欠と言えます。
背景にきちんと根拠のある、一貫したコンセプトを決めるためには以下のような手順が必要です。
【STEP①】出展目的を明確にする |
また、これらの各ステップにおいて以下のようなコツを守ることで、より精度の高いコンセプトに仕上がります。
適切なコンセプト設定によって訴求ポイントを明確に伝えることは、展示会で一定の成果を得るためには欠かせませんが、特にオンライン展示会においては、商談や契約といった売り上げに直結するような成果が(リアル展示会よりも)得やすくなります。
今回の内容を参考に、早速展示会のコンセプトを決めていきましょう。
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