展示会とは?PR担当者が知るべき効果やメリットなどもれなく解説

「展示会とはどのようなものなのだろう?」
「展示会の概要を把握したい。」
そのように感じて、展示会について調べていらっしゃるのではありませんか?

そんなあなたに先にお伝えしておくと、展示会とは商品やサービスなどを展示して、宣伝・販売を行うためのイベントのことです。

オンライン・オフラインを含めてさまざまな宣伝媒体がある中で、「展示会」は、一度に大勢の相手に対して直接PRできるという独自の特色を持った媒体と言えます。

その独特さゆえ、どのようなものなのかイメージが湧きづらいですよね。活用するのが一般的なのかどうかもよく分からないかと思います。
ただ実は、年間600件前後の展示会が開催されていて、決してニッチな宣伝手法というわけではありません。

とはいえ、展示会の基本的な知識はもちろん、出展することの効果やメリット、そしてデメリットについても把握しておかないと、なかなか「うちでもやってみよう!」とはならないかと思います。

そこでこの記事では、以下の内容をもれなくご紹介します。

本記事の内容

●      展示会とは
●      市場での展示会の動向
●      展示会の目的
●      展示会で期待できる効果
●      展示会のメリット・デメリット
●      展示会で出展企業が行っていること
●      展示会の準備の進め方
●      展示会の効果を高めるためのポイント

最後までお読みいただければ、展示会の全容を把握したうえで、自社で取り組むべきかどうかを判断できるようになるはずです。

早速読み進めてみてくださいね。

目次

1. 展示会とは

冒頭でもお伝えした通り、展示会とは「商品・サービス・情報などを展示して、宣伝・販売を行うためのイベント」のことです。

企業における宣伝・マーケティング手段の一つで、一度に大勢の相手に対して直接PRできるという点が特徴的です。

といっても、これだけではイメージしづらいかと思いますので、「展示会とは何か」を理解するための基本事項からお話ししますね。

1-1. 展示会の定義

日本における展示会の定義は、経済産業省によって以下の通り定められています。

 「展示会」の定義:
商品・サービス・情報などを展示、宣伝するためのイベント
(ただし、フリーマーケットや路上販売は含まない)

「展示会産業概論」(経済産業省)より

また、この定義付けにあたり、以下のような前書きも記載されています。

 〜(前略)商品やモノを陳列して見せるという意味の展示ではなく、国や地域を越えたモノ(財)やサービス、情報の売り買い(トレード)と商談目的としての展示会を言います。

「展示会産業概論」(経済産業省)より

こういった情報を整理すると、展示会と、似ているけれど展示会とは呼べないものは以下の通りであることがお分かりいただけるかと思います。

 

展示会

展示会ではないもの

目的

・企業が商品、サービス、情報を展示し、宣伝する
・モノやサービス、情報の売買と商談

・個人が不用品や手作り品を販売する
・価値のあるもの、珍しいものを展示して見せる

工場設備・備品展
営業支援EXPO【春】
関西物流展

・フリーマーケット
・路上販売
・絵画や文化財の展覧会

まずは、こういった展示会の定義をしっかりと把握しておいてください。

1-2. 展示会の種類

展示会は、合同展示会・パブリックショー・プライベートショーの3タイプに大きく分けられます。

一般的に「展示会」と言えば、合同展示会を指すことが多いですが、その他の種類についても把握し、区別がつくようにしておきましょう。

合同展示会

「医療」「防災」などの大枠のテーマのもと複数の企業が出展し、企業ごとに区切られたスペース内で、それぞれ商材をPRする。
PR対象となる来場者は、個人ではなくビジネスパーソン。

来場者のニーズと合致すれば、その場で商談や契約にこぎつけられる場合もある。それが叶わなくても、興味を持ってくれた来場者と出展企業の間で名刺交換を行うのが一般的であるため、見込み顧客の獲得に繋がる。

※商談会、ビジネスショーなどと呼ばれることもある。

◆主な出展社:BtoB企業
◆例:工場設備・備品展メディカルメッセマーケティング・テクノロジーフェア 大阪

パブリックショー

大枠のテーマのもと複数の企業が出展し、企業ごとに区切られたスペース内で、それぞれの商材をPRする。
PR対象となる来場者は、個人。

個人消費者(顧客)に向けて出展するため、基本的には宣伝とその場での販売を目的とする。

近年は、企業に向けたPRも行える、合同展示会の要素を兼ねたパブリックショーも多い。その場合は会期がビジネスデーと一般公開日に分けられる。

※展示即売会と呼ばれることもある。

◆主な出展社:BtoC企業
◆例:東京ゲームショウインターペット(どちらも合同展示会の要素を兼ねたパブリックショー)

プライベートショー

単独の企業・グループが独自に開催する展示会。
合同展示会やパブリックショーとは異なり、大量かつ多様な自社商材を一挙にPRすることができる。

その目的は、商談・即売・顧客との関係性向上など、開催企業によってさまざま。

PR対象となる来場者は、開催企業が招待した既存顧客や株主であることが多い。

◆主な出展社:(商品やブランドが多岐に渡る)大企業
◆例:ヤマザキお取引先様・デイリーヤマザキ展示会2019

また最近では、こうした各タイプの展示会がオンラインで開催されたり、リアルとオンラインのハイブリッドで開催されるケースも増えてきています。

1-3. 展示会を構成する関係者

展示会のうち、プライベートショーは、単独企業が独自に開催するため、その構成はシンプルです。

一方、合同展示会やパブリックショーは、さまざまな関係者によって成り立っています

主催者

展示会を主催・運営する企業

出展者

展示会に出展して商材をPRする企業

来場者

展示会を訪れて、出展者の商材を検討・購入・契約する企業や個人

展示会場

展示会の開催場所となる施設

出展支援者

出展者を支援する企業
(コンサルティングサービスで出展全体をサポートする企業や、出展スペースの設計・デザイン・施工を担う企業など)

こうした展示会を構成する各関係者について知っておけば、この後の内容もスムーズにご理解いただけるかと思いますので、ぜひ心に留めておいてください。

2. 市場での展示会の動向

ここまでで、「展示会って一体何なの?」という疑問は大まかに解消されたかと思います。

そこで次に、展示会が世間においてどれほど浸透しているものなのか、という点についてご紹介させていただきます。

2-1. 展示会の開催件数

冒頭でも少し触れましたが、展示会(合同展示会・パブリックショー)の開催件数は年間でおよそ600件にも上ります。

新型コロナウイルスの流行に伴い、直近では開催件数が減少していますが、一般社団法人日本展示会協会が行った調査では、2019年には603件の開催実績が確認されました。

地方会場などで開催される展示会を把握しきれていなかったり、複数展示会の同時開催が増えてきているという状況を考慮すると、大小含め厳密には1,000件ほどの展示会が開催されているという見方もあります

また、その各展示会において数十〜数百社の企業が出展しており、これらの情報を踏まえると以下のことが推察されます。

◆単純計算で、毎日23件の展示会が開催されている
◆数千〜数万社が毎年展示会に出展している

こう見ると、案外多くの企業が展示会に出展していると思いませんか?

もちろん全ての企業が出展しているというわけではありませんが、少なくとも展示会は「ごく一般的な宣伝・マーケティング手段」と言えるはずです。

2-2. 展示会への出展が盛んな業種

開催件数を見ると、展示会は一般的な宣伝・マーケティング手段であると位置付けることができますが、業種によってその取り組み状況には差があります

では、出展が盛んで、より展示会が一般的と言える業種はどのようなものなのでしょうか?
それをまとめたのが、以下の表です。

非常に盛ん

◆産業機器関連(機械要素・部品、食品加工機械、物流機械、工作機械など)
◆環境・エネルギー
◆IT・オフィス機器

盛ん

◆ファッション・革製品
◆エレクトロニクス・電子部品
◆健康・福祉・美容

ある程度盛ん

◆流通
◆住宅/ビル設備・建材
◆化学・製薬・バイオ機器

参考:「展示会産業概論」(経済産業省)

この他の業種でも、展示会への出展は行われますが、表に記載したような業種では、より展示会の活用が一般的です。

このことから、上記の業種においては、展示会という宣伝・マーケティング手段による効果が特に期待でき、需要が高いと言えるはずです。

その他、より細かい業種ごとに、展示会の位置付けや取り組み方を見てみたいという場合は、以下の記事を参考にしてみてください。

業種・商材

参考記事

自動車

2023年自動車展示会を一挙公開|事業成長のための展示会の選び方 

医療機器

【2023年最新まとめ】医療機器の展示会を一覧で一挙公開 

ブランド

ブランドの展示会とは?開催までの流れと出展企業が知るべきことを解説 

SaaS

SaaS展示会とは?2023年開催の代表的な展示会を一挙紹介 

IT

【最新】2023年のIT展示会の開催情報|出展ポイントを徹底解説 

製造

【一覧表付き】製造業向け展示会|メリット、選び方、成功のコツ 

半導体

【一覧表付き】半導体関連の主な展示会|特徴、出展メリットを比較! 

農業機械

【国内・海外】農業機械の主な展示会|特徴、規模、スケジュールを解説 

重機

【国内・海外】主な重機展示会の特徴、開催スケジュールなどを紹介! 

空調

【2023年最新】空調設備の展示会一覧|選び方のポイントも解説! 

2-3. 展示会が行われる場所

各地から出展企業が集うような、比較的規模の大きな展示会は、主に大型のイベントホールが会場となることが多いです。

展示会がよく行われるイベントホールを展示場と呼ぶこともあります。

その中でも、特に以下の展示場では多数の展示会が行われています。

※出展:一般社団法人日本展示会協会

こちらのグラフを見ると分かるように、展示会全体の7割近くが、東京ビッグサイト幕張メッセといった首都圏の展示場で開催されています。次いで、大阪のインテックス大阪、名古屋のポートメッセなごやと続きます。

このように、展示会は「都市圏にある展示場」において、特に盛んに開催されているのです。

3. 展示会に出展する目的は主に3

展示会が、企業における宣伝・マーケティング手段として一般的なものであることはお分かりいただけたかと思います。

とはいえ、展示会に出展する企業は、ただ自社の商品やサービスをPRできれば良いというわけではありません。
そこには以下のような、もう少し具体的な目的があるのです。

展示会の主な出展目的

◆新規の営業案件を獲得する
◆企業や製品の認知度を高める
◆既存顧客との関係性を向上させる

それぞれの目的について、詳しく説明しますね。

3-1. 新規の営業案件を獲得する

出展企業の多くが目的としているのが、新規の営業案件を獲得することです。

展示会の規模にもよりますが、大規模な展示会であれば1日に数万人もの来場者が訪れます。それだけ新たな顧客に対して営業を行えるチャンスがあるのです。

このチャンスを最大限活かすため、以下のいずれかによって、営業案件の創出を目指します。

受注や購買の可能性がある見込み顧客を獲得する
…自社の商品やサービスについて来場者に案内しつつ、名刺交換を行う。その後、定期的なアプローチを重ねて、ニーズを引き出していく。

展示会の場で商談、成約を取り付ける
…展示会で、より自社商品/サービスへのニーズが高い来場者と接点を持ち、その場で具体的な商談を行ったり、成約を取り付ける。

このように、売り上げに繋げるために、新たな営業案件の獲得を目的として展示会に出展する企業は非常に多いです。

3-2. 企業や製品の認知度を高める

企業や自社製品の認知度を高めるために、展示会に出展する企業も少なくありません。

先ほどもお伝えした通り、大規模な展示会なら1日あたり数万人の来場者が訪れます。そして、その膨大な来場者の多くが、アンテナを張って広く情報収集をしたいと考えているのです。

実際、「製造業における展示会実態調査(株式会社アペルザ)」では、95.6%もの人が展示会への参加目的を「市場動向調査、定期的な情報収集」であると回答しています。

そのように、幅広い情報を求めている来場者に対して、自社の商品やサービスをPRすることで、認知度のアップを狙うのです。

新規営業案件の獲得を目的とした場合よりも、売り上げに直接的に結び付くことは少なくなりますが、新商品/サービスをリリースして間もない時期や、新たな事業を立ち上げたばかりの企業にとっては、展示会は、その認知度を一気に高めるための絶好のチャンスとなります。

3-3. 既存顧客との関係性を向上させる

既存顧客との関係性を向上させるために、展示会へ出展する企業もあります。

既存の顧客や見込み顧客の中には、関係性が浅く、商談や提案の機会を作り出せないという相手も居るはずです。
そういった相手と、展示会を口実に対面し、自社の製品を紹介しつつコミュニケーションを取るのです。

この場合、展示会に来訪して欲しい相手に対する事前のご案内も欠かせません。そういったやり取りも含めて、関係性の向上に繋げていきます。

このように、既存顧客との関係性向上を目的に出展する企業にとって、展示会はその後のアップセル・クロスセルのきっかけにもなり得ます。

こうした展示会の出展目的について、「展示会に出展する目的は大きく3つ|目的別の成功事例も解説」でさらに詳しく紹介しているので、ぜひ目を通してみてくださいね。

4. 展示会に出展することで期待できる効果

宣伝・マーケティング手段として一般的になっているだけあって、展示会に出展することでさまざまな効果が期待できます。

その効果には、

●      展示会出展による直接的な効果
●      他の施策にも併せて取り組むことで得られる効果

2つのパターンがあります。

パターンごとに、期待できる効果を見ていきましょう。

4-1. 展示会出展による直接的な効果

展示会では、多様な目的を持った、大勢の来場者が一堂に会します。その来場者に向けて、自社の商品やサービスの魅力を発信できるため、出展するだけでもある程度の効果が期待できます。

それが主に以下の5つです。

認知拡大効果
情報収集を目的に訪れている来場者に向けて、自社の製品をPRすることで、その製品や企業自体の認知が拡大する。

ブランディング向上効果
ブース(企業ごとに区切られたスペース)のデザインや、展示内容、配布物などを通してブランドイメージを表現することで、製品や企業のブランドイメージの定着・浸透に繋がる。

名刺情報獲得効果
出展内容に関心を寄せてくれた来場者との直接の名刺交換や、バーコードによる名刺読み取りが行えるので、「質」と「量」を両立させながら名刺情報を獲得できる。

関係性の構築効果
来場者と同じ場で、体験を共有したり対話することができるので、新規の見込み顧客はもちろん、既に接点のある(見込み)顧客との関係性を構築・向上できる。

商談・アポイント獲得効果
商品やサービスを探しに来た来場者のニーズと、自社の出展内容がマッチすれば、その場で商談を行えたり、後日のアポイントを取り付けられる。

展示会の特性上、出展するだけでも、こういった多様な効果を一定程度得ることができるのです。

4-2. 他の施策にも併せて取り組むことで得られる効果

展示会への出展に加えて、他の施策にも併せて取り組むことで、売上の増加に直結する効果を得ることもできます。

実は、展示会に出展するだけでは、先ほどご紹介した5つの効果は得られても、売上に直結させるというのはなかなか難しいです。

しかし、展示会前後で以下のような施策にも取り組むことで、最終的には売上の増加も期待できます。

展示会前

・自社のWebサイトやSNSでの展示会出展告知
・既存顧客/既存見込み顧客へ案内状などを送りお声がけ

展示会後

・展示会で獲得した見込み顧客へのアプローチ
※アプローチ例:メルマガ、資料送付、アポイント、営業による頻回訪問

・営業による案件創出、提案

このように、

展示会前に、自社のブースに来てくれる来場者を増やす

展示会で見込み顧客を獲得する

展示会後、見込み顧客を育成する

といった流れを作ることで、売上増加に直結する効果も得られるようになるのです。

展示会で得られる効果については、「展示会の効果は?見込み顧客獲得のための効果5つと売上に繋げる方法 」でさらに掘り下げて説明していますので、そちらも参考にしてみてください。

5. 展示会に出展するメリット

続いて、展示会で期待できる効果も踏まえつつ、「出展することにどのようなメリットがあるのか」ということを改めて見てみましょう。

展示会に出展するメリットは、主に以下の4つです。

●      自社製品の宣伝や認知拡大に繋がる
●      自社に興味を持ってくれる可能性が高い来場者と出会える
●      一度に多くの来場者と話したり製品を体験してもらえる
●      既存顧客と関係性を深めつつ新しい製品を紹介できる

一つずつ説明しますね。

5-1. 自社製品の宣伝や認知拡大に繋がる

展示会に出展することで、自社製品の宣伝や認知拡大に繋げることができます。

これまでにもお伝えした通り、展示会には非常に多くの来場者が訪れます。その大勢の来場者に向けて、一挙に自社の商品やサービスの魅力を発信できるため、宣伝・認知拡大に非常に有効なのです。

また来場者のほとんどが、有用な情報を得るために、アンテナを広げています。
そのような新しい情報に敏感な来場者が集まっているため、自社の情報がより多くの人に引っかかりやすいという点でも、宣伝・認知拡大が期待できます。

5-2. 自社に興味を持ってくれる可能性が高い来場者と出会える

展示会では、自社の商品やサービスに関心を寄せてくれる可能性の高い来場者と出会うことができます。

というのも、そもそも展示会には特定のテーマが設けられているからです。出展企業は、そのテーマにマッチする製品があるから出展しますし、来場者は、そのテーマに興味があるから足を運んでいます。

そのため、出展企業の製品が、来場者の関心から全く逸脱しているということは考えにくいのです。

例えば、「広告クリエイティブ・マーケティング EXPO」について、出展企業と、来場者の特徴を見てみましょう。

出展企業

「クリエイティブ」を活用してブランディング・マーケティングを支援する企業。

来場者

ブランディングやコンテンツマーケティングを強化し、ビジネス拡大を目指す企業。また、そのために「クリエイティブ」を活用したいと考える企業。

参考:日本貿易振興機構(ジェトロ)

来場者のニーズと、出展企業の商材が、ある程度合致していることが分かりますよね。

このように展示会は、自社に興味を持ってくれるであろう来場者との出会いの場となってくれるのです。

5-3. 一度に多くの来場者と話したり製品を体験してもらえる

一度に多くの来場者と直接話したり、製品を体験してもらえるという点も、展示会の大きなメリットです。

何度も言うようですが、展示会には大勢の来場者が訪れます。
その来場者に向けて呼び込みをきちんと行えば、自社のブースでも一度の展示会で多くの人とコミュニケーションを取れるはずです。

例えば、スタッフ1人につき1時間に3人の来場者を呼び込んだとします。

スタッフを5人配置できていれば、1日(7時間)で、105人もの来場者とコミュニケーションが取れるのです。展示会の会期が3日間だったとすると、一度の展示会で300人以上と会話したり、製品を体験してもらえることになります。

そんなにも多くの人と直接交流し、製品をPRできる場は他になかなか無いはずです。

このように、一度に多くの来場者と関わりを持てる点は、展示会ならではのメリットと言えます。

5-4. 既存顧客と関係性を深めつつ新しい製品を紹介できる

展示会は、既存顧客に対して新しい商品/サービスを紹介するチャンスでもあります。

展示会では、これまで接点の無かった人と出会えるだけでなく、事前に招待や案内を行うことで、既存顧客にもアプローチが可能となります。

特に、関係性の浅い顧客や休眠顧客が多数存在する場合は、展示会を口実に会いやすくなり、さらに新製品の紹介までできるという点は嬉しいですよね。

また、展示会でのコミュニケーションはもちろん、事前の案内などを通じて接触回数が増えるため、関係性の向上に繋がることもポイントです。

こういったメリットについては「展示会出展のメリット4つを解説|出展におすすめな企業の特徴も紹介」でも詳しく説明していますので、ぜひ目を通してみてくださいね。

また、特に中小企業において得られるメリットについて知りたいという場合は、「【中小企業の展示会】メリット・デメリットとは?出展の流れも解説」をご覧になってみてください。

6. 展示会に出展するデメリット

メリットがある一方、展示会に出展するデメリットも存在します。

それが以下の2点です。

●      出展にまとまった費用が必要
●      労力負担が大きい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

6-1. 出展にまとまった費用が必要

展示会へ出展するには、まとまった額の費用が必要となります。

その金額は企業によって異なりますが、相場の最低ラインはおよそ70万円からと考えておいてください。
広いブースを申し込んだり、ブースの装飾に凝るとどんどん費用はかさみ、中には1,000万円以上を捻出している企業も存在します。

どこにそんなにお金がかかるのか分かりづらいかと思いますが、例えば以下の項目は最低限必要となります。

項目

費用相場

出展料
(展示会の主催者に支払う参加費)

10〜50万円

ブース製作費
(ブースの設計・デザイン・出力費)

20〜100万円

ブース施工費
(会場でブースを組み立ててもらったり、撤去してもらうための費用)

10〜30万円

広告費
(事前の出展告知や既存顧客への案内状などにかかる費用)

10〜60万円

運営費
(展示会中のブース運営に携わる社内外のスタッフにかかる費用)

20〜40万円

合計

70〜280万円

この他にも、ブース内で動画を再生するなら動画制作費がかかりますし、大型の自社製品を運び込むなら搬入出費が必要となります。
また、来場者にチラシやノベルティを配布するなら、そこにも費用がかかります。

そのように、展示内容や来場者へアプローチするためのツールも充実させるなら、低く見積もっても全部で100万円程度は見ておかなければなりません。

展示会では、一度に大勢の来場者にPRすることができ、さまざまな効果が期待できますが、その分大きな費用が必要となることは留意しておきましょう。

展示会の費用について、より詳しく知りたい場合は「展示会の出展にかかる費用を徹底解説!費用を決める3つのステップ」もご覧ください。

6-2. 労力負担が大きい

費用だけでなく、展示会の準備や、当日のブース運営にかかる従業員の労力負担も大きくなります。

その要因は、

◆出展準備に必要なタスクが多岐にわたる
◆展示会当日、ブースで来場者の対応や呼び込みを行うスタッフが常駐する必要がある

といったところにあります。

特に、出展準備では、以下のように必要なタスクごとにやり取りする先が異なり、煩雑さも加わるため負担を大きく感じやすいです。

出展準備のタスク

やりとりする先

出展申し込み・ブース申請など

展示会主催者

ブース製作

製作会社

既存顧客への事前の出展案内

展示会主催者
(招待券を取り寄せる必要がある)

事前の出展告知

Webサイトの運営会社
(外注している場合)

展示物の制作

展示物ごとの制作会社
(動画なら動画制作会社、パネルならデザイン会社)

ブース運営に必要な社外のスタッフ手配

人材派遣会社

ブース施工

施工会社

備品のレンタル依頼

展示会会場、レンタル会社

※この他、社内で完結するタスクもあります。

もちろん、こういった煩雑なやりとりを代行してくれる広告代理店もありますが、そうなると今度はコスト負担が大きくなります。

コストを抑えて出展したい場合は、担当者に大きな負担がかかることを覚悟しておかなければなりません

実はオンライン展示会なら、こうしたデメリットを低減しつつ、展示会への出展が叶います。
10-3. オンライン展示会を活用する」では、そのカギとなるオンライン展示会の特徴をご紹介しているので、デメリットがかなりネックという場合は参考にしてみてください。

7. 展示会で出展企業が主に行っている3つのこと

展示会に出展した企業が、会場で何をやっているのかも気になるところではないでしょうか。

出展企業は自社のブースで主に以下のような活動に励み、出展目的を果たそうと奮闘しています。

●      来場者の集客・お出迎え
●      マーケティング活動
●      営業活動

それぞれで、具体的にどういったことをしているのかもご紹介しますね。

7-1. 来場者の集客・お出迎え

出展企業は自社製品を直接PRすべく、まずブース前を行き交う大勢の来場者を、ブース内に集客し、出迎えるところから始めます。

できるだけ多くの来場者をブースに集めるための方法として、以下のようなものがあります。

お声がけ
自社ブースの方を見ながら歩いている来場者に直接声がけを行う

イベント実施
ブースに足を踏み入れたくなるようなイベント(くじ引きや景品付きのクイズなど)を実施する

ノベルティ配布
ペンやクリアファイルなどのノベルティをフックに来場者を誘い込む

中には、ブース内に受付を設けて、こうした呼び込みに応じてブースへ訪れてくれた来場者をお出迎えする企業もあります。

このような集客とお出迎えに、どれだけたくさんの人に自社製品の魅力を伝えられるかがかかっているのです。

自社ブースへの集客やお出迎えについて、どのように行うべきかお知りになりたい場合は以下の記事もご一読ください。

展示会の集客を成功させるポイントと具体的な集客方法17つを紹介 
展示会の受付ノウハウを解説!リード獲得に効果的な上質な受付とは 

7-2. マーケティング活動

認知拡大や、見込み顧客の獲得を目指す企業は、ブース内でのマーケティング活動に注力します。

ここで言うマーケティング活動とは、自社製品への購買意欲を高めるための下地作りを指します。

その下地作りのために、以下のような方法で、自社や製品に関心を持ってもらうことを目指すのです。

セミナー・プレゼン
来場者にとって有益な情報を伝えて関心を引きつつ、自社や製品について紹介する

デモンストレーション
実演で関心を引きながら、製品の魅力を伝える

製品体験会
来場者に実際に製品を試してもらうことで関心を引きつつ、製品の魅力を伝える

ゲストを招いてのトークショー
引きのあるゲストを招き、自社製品と絡めたテーマでトークショーを実施する

このようにしてまずは展示会で興味・関心を引き、展示会後のフォローで購買意欲を育てていくのです。

展示会プレゼンの準備項目を徹底解説|盛況させる13のコツとは」では、展示会で実施するプレゼンの準備やコツについて説明していますので、ぜひご一読ください。

7-3. 営業活動

展示会において、その場での商談獲得、あるいは後日の商談アポ獲得を目指す企業は、営業活動に力を入れています。

具体的には、自社ブースに訪れてくれた来場者に個別に話しかけ、以下のような流れで商談・アポの獲得にこぎつけます。

名刺交換

製品の説明や案内

商談・アポ獲得

話しかける際のフックとして、あるいは展示会後のフォローに役立てるために、アンケートを配布する企業もあります。

このような営業活動に取り組むことで、直近での受注・成約に繋げていくのです。

展示会における営業活動について、より詳しく知りたいという場合は、以下の記事をご参考ください。

見込み顧客を獲得できる!展示会の名刺交換を成功させるポイント9つ
展示会の営業で確実に結果を出す3つのプロセスと成功のコツ」 
【展示会のプロが解説】商談を増やすにはプレ・オン・ポストが重要! 
【例文付き】展示会アンケートの設計の全てをどこよりも詳しく解説 

8. BtoB企業には展示会への出展がおすすめ

ここまでで、展示会の概要については把握していただけたかと思います。ただ、自社で展示会に取り組んでいくかどうかは、まだ決めかねていらっしゃるかもしれませんね。

そんなあなたに結論をお伝えしますと、あなたの会社がBtoB企業なのであれば、展示会への出展は非常におすすめです。

というのも、BtoB企業は、展示会で成果を得やすいからです。
このことは、BtoB企業における他のマーケティング手段と比較するとよく分かります。

そこでここでは、多くのBtoB企業で一般的に実施されているWebマーケティング・テレアポと、展示会の成果を比べてみます。

8-1. Webマーケティングと展示会の成果を比較

BtoB企業では、Webマーケティングに力を入れている、あるいはこれから注力していくというところも多いです。
もしかするとあなたも展示会とWebマーケティングで、より成果をあげられる方に取り組みたいと迷っていらっしゃるかもしれませんね。

そこでまずは、Webマーケティングと展示会でその成果について比べてみます。

Webマーケティング施策でよく行われるのが、リスティング広告の出稿やSEO対策です。

【リスティング広告】
Googleなどの検索結果一覧に表示されるテキスト広告のこと。出稿費が必要。
狙ったワードが検索された際に表示されるよう設定し、クリックされれば自社サイトを見てもらえる。

SEO対策】
見込み顧客になり得るユーザーが検索しそうなキーワードをテーマにコンテンツ(記事やコラム)を作成し、検索に引っかかることを狙う。

出稿費は不要だが、検索エンジンはユーザーに役立つコンテンツを上位に表示させるので、コンテンツの質によって成果が左右される。

これらは簡単に言えば、検索結果一覧に表示されたテキスト広告やコンテンツを介して、ユーザーを自社サイトに誘導するという手法です。
自社サイト内には、お問い合わせフォームや資料のダウンロードページを設けて、そこから見込み顧客を獲得していきます。

これだけ聞くと、自社製品に関心のある見込み顧客を手っ取り早く獲得できそうに思われるかもしれませんね。
確かに検索母数が多く、ネット上での商材販売も可能なBtoC企業ではその認識はあながち間違っていません。

しかしBtoB企業の場合、狙ったワードが検索される母数がそもそも少ないため、効率の良い方法とは言えない場合も多いのです。

試しに、BtoC企業がターゲットとして狙える検索ワードとBtoB企業が狙える検索ワードで、Googleの月間検索件数を比較すると次の通りになります。

●      BtoC企業が狙う検索ワード例の月間検索数
「シャンプー オーダーメイド」…1,040

●      BtoB企業が狙う検索ワード例の月間検索数
「シャンプー OEM…136

出典:aramakijake.jp

ここから分かるように、業種にもよりますが、BtoB企業では、Webマーケティングで獲得できる見込み顧客の上限が小さい傾向にあるのです。

一方、展示会なら3日ほどの会期中に数千人単位の来場者にアプローチすることが可能です。当日のオペレーションにも注力すれば数百〜数千の名刺情報を獲得し、顧客育成に進めることもできます。

このようにBtoB企業では、多くの見込み顧客を短期間で獲得するというWebマーケティングには無い成果を展示会で得ることができるのです。

8-2. テレアポと展示会の成果を比較

次に、BtoB企業で古くから一般的に行われているテレアポについても、その成果を展示会と比較してみます。

あなたも経験があればお分かりかと思いますが、テレアポで実際に見込み顧客に会える確率というのは非常に低いです。
一般的には100件電話をかけて1件アポイントが獲得できれば上々というところです。

この確率から、300件の見込み顧客と名刺交換を行うために必要な労力について考えてみましょう。
まず、300件のアポイントを獲得するためには3万件の架電が必要ですよね。5人で手分けをしたとしても、1人あたり6,000件。1日を通して100件電話をかけるとすると、60営業日×5人分の労力を費やすことになります

一方、展示会ではどうでしょうか。

先に言ってしまうと、3日間の会期中で300件の名刺交換は決して難しいことではありません
3日で300件ということは、1日あたり100件。5人の担当者をブースに常時配置すれば、1人が1日に20人と名刺を交換すれば良いわけです。
これは1時間につき34人をアテンドすれば十分に達成可能な数ですよね。

このように、テレアポでは5人が60営業日電話をかけ続けてやっと獲得できる名刺の数を、展示会ならたった3日間で獲得することができるのです。

もちろん当日までの準備はありますが、テレアポとは違い、他の業務と並行しながらでも十分に準備を進められます。

こういったことから、テレアポと比べて展示会は「少ない労力と短い期間で多くの見込み顧客を獲得できる」ということがお分かりかと思います。

このように、BtoB企業においては、他のマーケティング手段よりも展示会の方が一気に成果を得やすいです。
だからこそ、あなたの会社がBtoB企業であるなら、ぜひ展示会に取り組んでいただきたいのです。

9. 展示会の出展準備の進め方

展示会への出展を決断された場合、出展準備の進め方についても気になってきますよね。

展示会へ出展するためには、早ければ1年前から以下のように準備を進めていく必要があります。

1年〜6ヶ月前

●      展示会に出展する目的を決める
●      出展する展示会を決める
●      展示会の申し込みを行う

3〜5ヶ月前

●      ブースの場所を決める
●      展示会での集客・プロモーションプランをたてる
●      ブースのデザインを決める
●      展示会の告知方法を考える

〜2ヶ月前

●      参加するスタッフを決める
●      制作物を作成・依頼する
●      搬入・搬出の手配をする

1ヶ月前〜1週間前

●      来てもらいたい顧客に告知する
●      展示会当日に必要なものを準備する

3日前〜

展示会当日

●      必要な備品や印刷物を発送する
●      ブースの設営をする
●      【当日】最終確認、ミーティングをする

ここでは、展示会の時期ごとに、やっておくべき準備を説明しますね。

9-1. 展示会の1年〜6ヶ月前にやっておくべき準備

展示会が開催される1年〜6ヶ月前までにやっておくべき準備は以下の通りです。

1年〜6ヶ月前

●      展示会に出展する目的を決める
●      出展する展示会を決める
●      展示会の申し込みを行う

9-1-1. 展示会に出展する目的を決める

展示会の準備は、出展目的を決めるところから始まります。

目的が決まっていることで、この先の準備において適切な判断が下せるようになります。

例えば、ブースのデザインを決めるにしても、「目的を達成するためにはどのようなデザインが適切か」という指針に基づいて判断ができるようになるのです。

このように、展示会に関わるほぼ全ての準備において、出展目的は指針となります必ず、最初の段階でしっかりと検討し、明確にしておいてください。

出展目的を決める際には、「展示会に出展する目的は大きく3つ|目的別の成功事例も解説」の記事も参考にしてみてくださいね。

9-1-2. 出展する展示会を決める

出展する展示会も最初の段階で決めていきます。

というのも、多くの展示会は年に12回のペースで行われており、早めに出展先を決めておくことで、出展する前の回の展示会を下見することができるためです。

初めて出展するのであれば、下見を行って、「どんな企業がどのように出展しているのか」を学んでおくことが重要になってきます。

そのため、出展目的が決まったらすぐに、出展先の展示会を探し始めてください。

※出展先の展示会は、日本貿易振興機構(ジェトロ)RX Japan株式会社Webサイト、あるいは地元の商工会議所・自治体のWebサイトから探してみてください。

9-1-3. 展示会の申し込みを行う

出展先の展示会が決まったら、早速主催者に出展の申し込みをします。

基本的に展示会への出展には、出展料がかかりますが、早めに申し込みを行うことで割引を受けられる場合があります

そのため、申し込みはできるだけ早めに行うことをおすすめします。
多くの場合、展示会の公式サイトからWeb上で申し込みができるはずなので、さほど手間はかかりません。

9-2. 展示会の35ヶ月前にやっておくべき準備

展示会が開催される35ヶ月前までにやっておくべき準備は、以下の通りです。

3〜5ヶ月前

●      ブースの場所を決める
●      展示会での集客・プロモーションプランをたてる
●      ブースのデザインを決める
●      展示会の告知方法を考える

9-2-1. ブースの場所を決める

ブースの場所は、展示会の5ヶ月前には決めておきましょう。

ブースの場所によって「ブースのどこに出入り口を持ってくるか」「壁は何面になるのか」といった要素が左右されるため、ブース製作にかかる時間を考えると5ヶ月前には決めておきたいところです。

また、もし抽選ではなく、好きな場所を希望できるのであれば、来場者の通りが多くなる以下のような場所を選ぶようにしてください。

◆メインの広い通路に面している
◆角にある(間口が2面になる)
◆会場の出入り口付近

9-2-2. 展示会での集客・プロモーションプランをたてる

ブースの場所が決まれば、来場者の流れがある程度分かるので、次にブースでどのようにPRを行っていくかを決めます。

具体的には以下のことを計画していきましょう。

◆どのようにブースに来場者を集客するか
◆どのように製品のPRを行うか
◆ブースを訪れた来場者にどういう対応を行うか

この計画を固めることで、ブース内の展示物やコンテンツ、配布するもの、必要な人員も明らかにしていきます

来場者を集客する方法については、「展示会の集客を成功させるポイントと具体的な集客方法17つを紹介 を参考にしてみてください。

9-2-3. ブースのデザインを決める

展示会での集客・プロモーションプランが定まったら、ブースのデザインを決めます。

ここまでの段階で、ブースの場所とブース内の展示物やコンテンツが固まっているはずなので、そういった要素を考慮しながらデザインを決めていきましょう。

デザインを決めるにあたっては、「展示会出展を成功させられるブースとは?設計のポイントを解説」の内容を参考にしてみてくださいね。

また、ブースのデザインや設計を依頼できる業者を探す場合は、「展示会ブースの施工業者11選!お悩みの工程別におすすめを厳選」の記事が役立つはずです。

9-2-4. 展示会の告知方法を考える

展示会に出展することを事前に告知することで、ブースに訪れてくれる来場者を増やすことができます。
その告知方法についても、考えていきましょう。

主な告知方法としては以下のようなものがあります。

◆広い層に向けての告知方法
(実施タイミングの目安:3ヶ月前〜)
Webサイトに情報掲載
SNSでの告知
・プレスリリース配信

◆接点のある顧客や見込み顧客に向けての告知方法
(実施タイミングの目安:1ヶ月前〜2週間前)
・招待状やDMの送付
・電話でのご案内

広い層に向けた告知の開始時期は、3ヶ月前からが目安となります。そのため、できれば4ヶ月前あたりで検討しておいてください。

こうした告知方法については、「展示会の事前の広告施策4つ!集客に成功する効果的なPR方法を解説」で詳しく説明しているので、こちらを参考に、実践してみてください。

9-3. 展示会の2ヶ月前までにやっておくべき準備

展示会が開催される2ヶ月前までにやっておくべき準備は以下の通りです。

〜2ヶ月前

●      参加するスタッフを決める
●      制作物を作成・依頼する
●      搬入・搬出の手配をする

9-3-1. 参加するスタッフを決める

展示会の2ヶ月前までには、当日参加するスタッフを決めておきましょう。

誰に参加してもらうかだけでなく、以下のような項目も併せて決定・手配していきます。

◆各スタッフの役割と役割ごとの人数
◆スタッフの移動手段・宿泊先の確保
◆(必要であれば)コンパニオンや派遣人材など社外スタッフの手配

当日のスタッフ周りで決めること・手配することは、この段階で済ませておきます

展示会においてコンパニオンが必要かどうか判断しかねるという場合は、「展示会でコンパニオンがもたらす3つの効果|採用がおすすめな企業」の記事にも目を通してみてください。

9-3-2. 制作物を作成・依頼する

集客・プロモーションプランをたてた段階で、展示会で必要となる制作物は明らかになっているはずです。
その作成や依頼は、遅くとも2ヶ月前、できれば3ヶ月前までに開始してください。

ここで作成・依頼する制作物には例えば以下のようなものがあります。

◆パンフレット
◆チラシ
◆ポスター
◆パネル
◆動画
◆ノベルティ

各制作物の、制作方法や制作会社については、以下の記事をご確認ください。

展示会で効果を発揮するノベルティとは?おすすめグッズ21選を紹介
展示会動画の制作・活用方法がわかる!おすすめ制作会社や相場も解説
展示会の集客に効果的なチラシとは?【レイアウト・構成サンプル付】
展示会のパンフレットはどう作る?4つのポイントと成果向上のコツ

9-3-3. 搬入・搬出の手配をする

2ヶ月前までに、ブースの搬入・搬出を行ってくれる業者の手配も行います。

多くの場合、ブースを展示会会場に運び入れるのも撤去して運び出すのも、大掛かりな作業となるため、代行してくれる業者をこの段階で手配しておきましょう。

また、業者の中には施工(ブースの組み立て)も合わせて対応してくれるところも多いです。施工作業に慣れていないのであれば、搬入出の依頼先に施工もお願いしておきましょう

9-4. 展示会の1ヶ月前までにやっておくべき準備

展示会が開催される1ヶ月前までにやっておくべき準備は以下の通りです。

1ヶ月前〜1週間前

●      来てもらいたい顧客に告知する
●      展示会当日に必要なものを準備する

9-4-1. 来てもらいたい顧客に告知する

3ヶ月前の段階で、告知方法について決めてあるはずです。

その際に決めた、「接点のある顧客や見込み顧客に向けての告知」は、1ヶ月前〜2週間前になって、いよいよ実施していくことになります。

既存の顧客や見込み顧客に対しての告知も、忘れずにしっかり行ってくださいね。

既存の顧客・見込み顧客に対しての案内状・招待状は、「【選べる7つの文例付き】展示会の招待状の書き方を基本から徹底解説」を参考に作成してみてください。

9-4-2. 展示会当日に必要なものを準備する

展示会当日に必要な備品や機器類は、1週間前ごろには準備しておくと安心です。

中には、レンタル会社や展示会会場で借りる必要のある備品もあるはずなので、余裕を持って1週間前には手配を済ませるつもりで居てください

万が一、この段階で準備できていないものがあったとしても、あと1週間あるので、当日までには揃えられるはずです。

9-5. 展示会の3日前〜当日にやっておくべき準備

展示会が開催される3日前から当日にやるべき準備は、以下の通りです。

3日前〜
展示会当日

●      必要な備品や印刷物を発送する
●      ブースの設営をする
●      【当日】最終確認、ミーティングをする

9-5-1. 必要な備品や印刷物を発送する

自社で運び入れることが難しそうな備品や印刷物は、展示会の前日までに会場に届くよう発送しておきます。

発送の仕方については、展示会の会場や主催者側でルールが定められているので、事前に確認したうえで発送するようにしてください。

また、展示会によっては、荷物を受け取るためにあなたの会社の従業員が展示会会場に行かなければならない場合もあります。
受け取りについても、しっかりルールを確認しておきましょう

9-5-2. ブースの設営をする

多くの場合、展示会の2日前〜前日がブース設営日に設定されています。

業者に設営を任せている場合でも、設定された設営日には展示会会場に赴き、問題無く設営できているかチェックするようにしてください。

ブースの設営方法や、業者の選び方を知りたいという場合は「【展示会の設営方法】集客効果の高いブースを作る基本の準備」をご確認ください。

9-5-3. 【当日】最終確認、ミーティングをする

展示会の前日までに、必要な準備は全て終わらせ、当日はその準備が漏れなく行われているかを最終確認します。

最終確認では、以下のような項目を念入りにチェックしてください。

◆必要なものがそろっているか
◆ブースが汚れていないか
◆映像・音響が正常か
◆通信環境は正常か

また、スタッフ全員で当日のオペレーションや注意事項を最終チェックするためのミーティングも行っておきましょう。

展示会の出展準備について説明してきましたが、さらに詳しい内容を「【図解】展示会の成功は準備で決まる!準備の流れと成功に導く方法」でもご紹介しています。こちらも併せて参考にしてみてください。

10. 展示会への出展効果を高めるためのポイント3

出展に必要な準備を見ていただければわかる通り、展示会には時間・労力・コストが必要となります。

少なからずそのようなリソースを割くからには、できるだけ高い効果を得て、最終的には売上拡大へと繋げていきたいですよね。

そのためには、最低限以下の3つのポイントは押さえておく必要があります。

●      実際に展示会へ足を運んでみる
●      会期前の告知にも注力する
●      オンライン展示会を活用する

それぞれ詳しくお話ししますね。

10-1. 実際に展示会へ足を運んでみる

展示会でより高い効果を得るためには、本格的に準備を始める前に、展示会へ来場者として足を運んでみてください。

そうすれば、あなたが出展する際に活かせる発見がたくさん得られるはずです。

この記事でも展示会の準備についてはお話ししましたし、他の媒体でも情報収集はされているかと思います。
でも、「百聞は一見に如かず」という言葉の通り、実際に展示会を見てみることが、出展のための最も有益な情報収集となるのです。

会場に赴いて、

◆どんなデザインのブースがあるか
◆どのようにキャッチコピーや訴求ポイントを伝えているか
◆来場者をどのようにブースへの呼び込んでいるか
◆ブースで行われているプレゼンやイベントにはどんなものがあるか

など、あなた自身の体験で学び、あなたの会社の出展準備に活かしましょう。

10-2. 会期前の告知にも注力する

展示会では、会期中の集客だけでなく、会期前の告知にもしっかり力を入れてください。

すでにお伝えした通り、展示会には非常に多くの来場者が訪れます。
事前の告知をしなくても、ある程度の人数はあなたのブースに来てくれることでしょう。

しかし、事前に告知を行った場合と、そうでない場合とでは確実に効果に差が出てくるはずです。

事前に告知をすれば、あなたのブースを目的に来場してくれる人をその分増やすことができます。そのような、そもそもあなたの会社に関心を寄せてくれている人には、ブース内でのPRも刺さりやすいです。

得られるはずの効果をみすみす逃さないために、以下のような事前告知にもしっかりと取り組むようにしましょう。

案内状(DM)送付

・既存の顧客や見込み顧客に案内状(DM)を送付する
※開封率を上げ、当日の訪問を促すため、案内状が届いた頃に後追いでメールや電話による案内を行う。

電話でのご案内

・ある程度関係性のある顧客に、電話(対面でも)でご案内する

Webサイトで告知

・コーポレートサイトにバナー、お知らせを掲載し、出展を告知する
LP(告知用のページ)を別途作成する

SNSで告知

・公式のSNSで出展を告知する

プレスリリース配信

・プレスリリースで出展を告知する

10-3. オンライン展示会を活用する

展示会において、より貪欲に効果を追求するなら、オンライン展示会を併用するという方法があります。

オンライン展示会とは、Web上で開催される展示会のこと。来場者は特定のURLにアクセスするだけで、通常のリアル展示会と同等の情報を入手・閲覧することができます

そのようにWeb上で完結するオンライン展示会をリアル展示会と併用することで、以下のような利点が生まれます。

●      遠距離圏の(見込み)顧客にも事前告知を行える
●      イレギュラーな事態への備えになる(悪天候や公共交通機関のストップなど)
●      リアル展示会のブースを訪れるきっかけになる

このように、顧客の取りこぼしが無くなり、リアル展示会への来場を促す効果も期待できるのです。

また、費用や労力がネックとなっている場合は、まずはオンライン展示会単体で出展する方法もおすすめです。オンライン展示会なら、以下の通り、費用・労力共にリアル展示会よりも小さくなるからです。

費用を抑えられる
→ブースの設営費、チラシ等の印刷費、交通費などが不要なため

労力負担を抑えられる
→ブースの搬入出・設営、会場への移動、ブースにつきっきりでの対応が不要

こういったことから、リアル展示会と併用してさらなる効果を得たい場合にも、費用と労力を抑えつつも展示会による効果を得たい場合にも、オンライン展示はおすすめです。

\オンライン展示会を検討されているなら/
オンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」がおすすめ

「オンライン展示会がおすすめなケースに当てはまっている」という場合は、オンライン展示会プラットフォーム「WONDERLINE」を利用してオンライン展示会を開催してみませんか?

WONDERLINEは、オンライン展示会がはじめてのお客様にも使っていただきやすい「お客様に寄り添ったオンライン展示会プラットフォーム」です。

そんなお客様に寄り添うWONDERLINEだからこそ、本当に効果の得られるオンライン展示会の開催が実現します。

WONDERLINEの成果得やすい3つのポイント

運営事務局が手厚くサポート
WONDERLINEの運営事務局は、「はじめてのオンライン展示会でも効果を出せる」サポートを徹底します。具体的なサポート内容としては次のようなものがあります。(一例)

・利用方法のレクチャー
・ブース内に展示するコンテンツ作成のサポート
・展示会への集客サポート
・展示会の運営事務局としてのお問い合わせ対応

この他、ご不明点や疑問がある場合はその都度対応させていただきます。

成果を出すために必要な機能をオールインワンでご提供
WONDERLINEでは、リード獲得から育成において、より大きな効果を得ていただくために「オンライン展示ブース」に加えて以下の基本機能をご用意しています。

・オンライン名刺交換
・オンライン商談
・来場者分析

もちろんこの他にも多彩な機能のご提供が可能です。

来場者に「刺さる」コンテンツ作成
WONDERLINEを運営する新日本印刷株式会社は、デザイン事業も手がける販促物制作のプロ。
ご要望があれば、そんな私たちがオンライン展示会用のコンテンツの作成も請け負います。

・来場者に伝わるコピーライティング
CG作成
・プロモーション動画作成
・商品画像撮影

など、幅広くご相談いただけます。

WONDERLINEはあなたの会社の効果のあるオンライン展示会開催に徹底的に寄り添います。

オンライン展示会を検討されているなら、ぜひ下記よりWONDERLINEについて詳しくご覧になってみてください。

11. まとめ

展示会がどのようなものかはお分かりいただけたでしょうか?

最後に今回の内容をおさらいしておきましょう。

まず、展示会とは「商品・サービス・情報などを展示して、宣伝・販売を行うためのイベント」のことです。

業種によって展示会への取り組み具合に差はありますが、年間600件程度が毎年開催されていることから、「ごく一般的な宣伝・マーケティング手段」の一つであると言えます。

企業が展示会へ出展する目的は、主に以下の3パターンに分類することができます。

展示会の主な出展目的

◆新規の営業案件を獲得する
◆企業や製品の認知度を高める
◆既存顧客との関係性を向上させる

出展することで得られる直接的な効果は以下の通りです。

◆認知拡大効果
◆ブランディング向上効果
◆名刺情報獲得効果
◆関係性の構築効果
◆商談・アポイント獲得効果

また、展示会前後で他の施策にも取り組むことで、売上増加に直結する効果も得られるようになります。

展示会に出展することには、以下のようなメリットもあります。

●      自社製品の宣伝や認知拡大に繋がる
●      自社に興味を持ってくれる可能性が高い来場者と出会える
●      一度に多くの来場者と話したり製品を体験してもらえる
●      既存顧客と関係性を深めつつ新しい製品を紹介できる

一方で次のデメリットには注意が必要です。

●      出展にまとまった費用が必要
●      労力負担が大きい

展示会に出展した企業は、各自のブースにおいて以下のことを行っています。

●      来場者の集客・お出迎え
●      マーケティング活動
●      営業活動

こうした展示会への出展は、特に成果を得やすいBtoB企業にはぜひおすすめです。

出展準備としては、以下のようなことが必要です。

1年〜6ヶ月前

●      展示会に出展する目的を決める
●      出展する展示会を決める
●      展示会の申し込みを行う

3〜5ヶ月前

●      ブースの場所を決める
●      展示会での集客・プロモーションプランをたてる
●      ブースのデザインを決める
●      展示会の告知方法を考える

〜2ヶ月前

●      参加するスタッフを決める
●      制作物を作成・依頼する
●      搬入・搬出の手配をする

1ヶ月前〜1週間前

●      来てもらいたい顧客に告知する
●      展示会当日に必要なものを準備する

3日前〜
展示会当日

●      必要な備品や印刷物を発送する
●      ブースの設営をする
●      【当日】最終確認、ミーティングをする

出展効果を高めるためには、こういった準備に加えて、以下のポイントを押さえることも重要です。

●      実際に展示会へ足を運んでみる
●      会期前の告知にも注力する
●      オンライン展示会を活用する

今回の内容が、展示会への理解を深めるための一助となれば幸いです。

#展示会 #展示会PR

コメント

WONDERLINEは、商品展示・名刺交換・商談・来場者分析がひとつにつながったオールインワンの展示会プラットフォームです。
専任担当が手厚くサポート致しますので、初めてのオンライン展示会でも安心してご利用できます。
初めての開催でも安心!WONDERLINEは商品展示や商談機能が
ひとまとめになった、オンライン展示会プラットフォームです