「展示会のパンフレットは、どう作ればいい?」
そんな疑問に結論からお答えすると、以下の4つのポイントを意識してみてください。
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それぞれの詳細は、本文中で解説しますが、パンフレットを工夫するだけで、展示会の営業成果を飛躍的に高めることが可能です。
この記事では、展示会におけるパンフレットの重要性と、具体的にどう作れば成果を上げやすくなるのかを解説します。
「なんとなく作る」のでなく、「戦略的に仕掛ける」パンフレットで、展示会の効果を最大化しましょう。
目次
1. 展示会パンフレットの基礎知識
まずは展示会のパンフレットについて、役割や仕様など、基本事項から見ていきましょう。
1-1. 展示会のパンフレットの役割は「営業成果を上げること」
そもそも、展示会に参加するメリットは何か?といえば、
「1日で、たくさんの見込顧客と出会えること」
といえます。
その展示会のテーマに興味関心を持つ多くの企業が、一堂に会する機会です。
展示会の規模にもよりますが、1日で100〜300社以上の顧客が自社のブースに訪れることもあります。
そこで重要になるのが「パンフレット」です。
優れたパンフレットは、当日の営業担当者がフォローし切れなかった顧客の取りこぼしを防ぎ、来場者との関係性をつなぎ留め、営業成果を向上させるために役立ちます。
1-2. 具体的な仕様の例
パンフレットの重要性や意義を深掘りする前に、
「展示会に行ったことがない」
「初めて出展するので、パンフレットがどんなものかわからない」
という方のために、具体的なイメージを共有します。
展示会のブースでは、チラシ(A4フライヤー)とパンフレット(折り加工または冊子)を準備するのが一般的です。
それぞれ、簡単にご紹介します。
(1)チラシ(A4フライヤー)
チラシは、A4の片面または両面印刷で、展示パネルの内容をそのまま印刷するか、あるいは展示パネルの内容に情報を加えたものを準備します。
ブースでは、チラシスタンドにチラシを設置しておき、来場者が手軽に手に取って、持ち帰れるようにしておきます。
「ブースに立ち寄ってみたけれど、(今は)名刺交換するほどではない」
と感じている来場者との接点を作るために、重要な役割を担うのがチラシです。
チラシは、多くの潜在顧客・見込顧客の手にわたります。顧客は持ち帰ったチラシを見て、ホームページにアクセスしたり、後に問い合わせたりします。
チラシについて詳しくは、別記事の「展示会の集客に効果的なチラシとは?【レイアウト・構成サンプル付】」にまとめています。あわせてご確認ください。
(2)3つ折りパンフレット・カタログなど(詳細版)
もうひとつ、チラシとは別に準備しておきたい制作物が、本記事の主題である「パンフレット」です。
▼ パンフレットのイメージ
チラシは、広く浅く、たくさんの人の手元に届くことを目指しますが、パンフレットは、確度の高い顧客向けに準備するチラシの詳細版です。
チラシよりもコストをかけて、掲載情報のボリュームを増やし、より説得力を高めます。
仕様は、コストと質の兼ね合いから、折り加工をしたパンフレット(2つ折、3つ折、観音折りなど)がよく採用されます。予算に余裕がある場合には、より豪華な冊子カタログ型の仕様にするケースもあります。
チラシのように、自由に持ち帰れるようにしてもよいですが、基本的には、ブースに立ち寄った来場者と簡単に話をしたうえで、手渡しで渡します。
2. 「展示会のパンフレット」が重要な4つの理由
展示会では、パンフレットはとても重要です。
その理由を踏まえたうえで準備に取りかかると、効果的なパンフレットを制作できますので、まずは以下のポイントを押さえましょう。
▼ 展示会のパンフレットが重要な理由
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それぞれ解説します。
2-1. 顧客との関係を長期的につなぎ留める第一のツールとなる
1つめの理由は「顧客との関係を長期的につなぎ留める第一のツールとなる」からです。
BtoBの取引では、見込顧客と出会って、すぐに成約となることはまれです。ある程度の期間、関係性を構築したうえで、取引開始となります。
その第一歩のきっかけともいえるのが、パンフレットなのです。
以下は、来場者から見た取引開始までの流れの例です。
パンフレットは、来場者が展示会から帰った後も手元に残り続け、関係性をつなぐための貴重なツールとなります。
2-2. 信頼性・専門性を伝えるチャンスとなる
2つめの理由は「信頼性・専門性を伝えるチャンスとなる」からです。
とくに、規模の小さな会社にとって、
「自社の信頼性や専門性を、どう伝えるか?」
は重要な課題です。
高い技術や優れた実績を持っていても、第一印象だけでは、どうしても大企業に見劣りしやすい現実があります。
しかし、たとえ工場やオフィスの規模は小さくとも、自社の信頼性と専門性を、説得力を持って伝えるパンフレットを作ることはできます。
パンフレットを豪華にしたとしても、工場やオフィスを豪華にすることに比べれば、かかるコストはわずかです。
パンフレットは、費用対効果の高いマーケティングツールといえます。
2-3. パンフレットを収集している来場者に対応できる
3つめの理由は「パンフレットを収集している来場者に対応できる」からです。
どういうことかといえば、展示会にはその企業のキーパーソンが、直接訪れているとは限りません。
たとえば、上司の指示を受けた若手が、上司の代理で展示会を巡り、各ブースのパンフレットを集めて持ち帰るケースは、多く見られます。
よって、パンフレットの有無やクオリティで、将来の営業成果が大きく変わる可能性があります。
展示会に来場していないキーパーソンへ、直接アピールする役割を、パンフレットが担うためです。
2-4. パンフレットがあると当日の営業が効率的になる
4つめの理由は「パンフレットがあると当日の営業が効率的になる」からです。
多くの来場者が訪れる展示会では、効率よく営業しないと、顧客を取りこぼしてしまうことがあります。
パンフレットは、当日のブースで商談資料として活用できます。手短かに説明をした後は、そのままお持ち帰りいただけるので、顧客の記憶にも残りやすくなります。
当日のブースが混み合っていて、話す時間が取れない場合には、パンフレットを渡しておくことで、必要最低限のフォローアップが可能です。
3. 効果的な展示会パンフレットの作り方 4つのポイント
さて、続いて効果的な展示会パンフレットの作り方について、4つのポイントをご紹介します。
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ひとつずつ見ていきましょう。
3-1. ブースをまるごとパンフレットに落とし込む
1つめのポイントは「ブースをまるごとパンフレットに落とし込む」です。
展示パネルのキャッチコピーや、展示物の説明文などはもちろんのこと、当日のブースのカラーやビジュアルまで、できるだけブースとパンフレットの印象を近づけるようにします。
「ブースと同じことを掲載してもムダだから」と、パンフレットのデザインをイチから起こそうとする方がいますが、逆効果です。
パンフレットは、「ブースの縮図」となることを目指してください。
同じ訴求を繰り返す2つの意図
同じ訴求をあえて繰り返す意図は、2つあります。
1つめは、来場者が、どのブースの出展者のパンフレットか、思い出しやすくするためです。
展示会当日、来場者は多くのブースを回っています。
各ブースから受け取った大量のパンフレットを持って帰社し、情報を整理するときに、
「これは、どこのブースでもらったパンフレットだっけ?」
と思い出せないのは、効果が低いパンフレットです。
見た瞬間に、ブースで話した会話まで蘇ってくるような、記憶を呼び覚ますパンフレットを作りましょう。
2つめの意図は、訴求内容の「フリクエンシー(接触頻度)」を多くするためです。
フリクエンシーは、広告でよく使われる概念で、ある広告を見る回数が多いほど、その広告を記憶し、購買行動を起こす可能性が高くなるという考え方です。
展示会営業においても、「同じことを繰り返し何度も訴求する」ことを意識しましょう。
営業する側が思っている以上に、受け手の記憶に残ることは難しいのです。表現やデザインをコロコロ変えるのではなく、同じ訴求を繰り返して、フリクエンシーを積み上げるようにします。
3-2. 自社の専門性と信頼性を補強する
2つめのポイントは「自社の専門性と信頼性を補強する」です。
ブースの内容をまるごとパンフレットに落とし込んだうえで、プラスαとして追加したいのが、自社の専門性と信頼性を証明するための情報です。
▼ 専門性に関する情報の例:
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▼ 信頼性に関する情報の例:
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別の言い方をすると、顧客が抱く以下の疑問をクリアにするための情報を、パンフレットで提示しましょう。
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3-3. 明確なCTA(行動喚起)を設定する
3つめのポイントは「明確なCTA(行動喚起)を設定する」です。
優れたパンフレットは、そのパンフレットを読んだ人が、何らかの行動を起こすように説得します。
展示会のパンフレットも、CTA(Call To Action:行動喚起)を意識しましょう。
CTAは、Webページでよく使われる概念ですが、紙媒体でも同じく重要です。目的とする行動を決め、その行動を促すようにパンフレットを設計します。
▼ 行動の例
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提供している商品・サービス次第とはなりますが、「そのパンフレットを見た人限定のおトク」を準備して、CTAを強く促進する方法もあります。
たとえば、そのパンフレットに記載したURLから申込みをすると、サービスが初月無料で試せる、本来は有料の資料が無料で入手できる、といった具合です。
3-4. 想定されるタッチポイントすべてと整合性を取る
4つめのポイントは「想定されるタッチポイントすべてと整合性を取る」です。
パンフレットを持ち帰り、興味を持ってくれた見込顧客ほど、さまざまなタッチポイント(顧客接点)から、自社についてリサーチしてくることについて、十分に注意を払ってください。
というのは、タッチポイントによって書かれている内容が異なる場合、その矛盾が信頼性を損ねるリスクがあるからです。
たとえば、パンフレットでは「毎年120%成長!」とアピールしたのに、求人サイトでは異なる数字が表示されている、といったケースです。
ケアレスミスから内容の整合性まで、初めて自社の情報をチェックする人の立場に立って、矛盾や違和感がないか、確認しましょう。
4. 展示会のパンフレットで成果を向上させるコツ
最後に、展示会のパンフレットで成果を向上させるコツを2つ、お伝えします。
4-1. 特別な顧客だけに渡す限定パンフレットを準備する
展示会のパンフレットには、詳しい技術情報や自社の取得データなど、機密性のある情報は掲載しにくいのではないでしょうか。
競合他社も多数来場しているため、不特定多数の人たちに配布するパンフレットに掲載するのは、抵抗を感じるケースが多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、特別な顧客だけにお渡しする、限定パンフレットを別で準備しておくことです。
確度の高い重要な顧客には、より詳密で役立つ情報を提供しながら、自社の情報の不用意な流出を回避できます。
限定パンフレットは、名刺交換した来場者の一部だけに手渡しし、渡すときには、
「特別なお客様だけにお渡ししているパンフレットです」
「企業秘密が含まれているので、社外秘でよろしくお願いいたします」
といった具合に、特別待遇であることが明確に伝わるようにします。
顧客の立場では、
「特別な扱いを受けている」
という気持ちが生まれますので、営業活動としても、非常に効果的です。
4-2. 制作したパンフレットをオンライン展示会に展開する
本記事を参考に制作していただくと、展示会ブースの縮図となっているうえに、専門性や信頼性を補強する情報とCTA(行動喚起)が設計された、効果的なパンフレットが完成するはずです。
制作したパンフレットを最大利用するためのアイデアとして、
「パンフレットのコンテンツをオンライン展示会に展開する」
という方法があります。
オンライン展示会とは、インターネット上のプラットフォームを利用して実施する展示会です。
オフライン(リアル)の展示会に比較すると、低コスト・低リソースながら、効果的な営業活動を実現できるメリットがあります。
たとえば、弊社がご提供している「WONDERLINE」は、商品展示・名刺交換・商談・来場者分析がひとつにつながったオールインワンの展示会プラットフォームです。
▼ WONDERLINEの特徴
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詳しくは、こちらのページから資料をダウンロードして、ご確認ください。
5. まとめ
本記事では「展示会のパンフレット」をテーマに解説しました。要点を簡単にまとめておきましょう。
「展示会のパンフレット」が重要な理由は、以下のとおりです。
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効果的な展示会パンフレットの作り方として、次のポイントを解説しました。
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展示会のパンフレットの成果を高めるためには、以下を取り入れてみてください。
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パンフレットを工夫することで、展示会の効果を向上できます。本記事でご紹介した内容を参考にしていただき、結果の出るパンフレットを創り上げていただければ幸いです。
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#展示会 #パンフレット
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