
SaaS展示会とは、クラウド型の業務支援サービスやITツールを紹介する展示会のことです。
営業支援、マーケティング、バックオフィス、セキュリティ、生成AIなどのSaaSを提供する企業が出展し、来場者にサービスの特徴や導入後の活用イメージを紹介します。
SaaSは、機能や料金だけでは自社業務での使い方や導入効果をイメージしづらく、資料だけでは価値が伝わりにくいことがあります。
展示会では、サービス画面のデモや導入事例を見せながら、見込み顧客と直接対話できるため、リード獲得や商談創出につなげやすい点が特徴です。
ただし、出展するだけで成果が出るわけではありません。
自社サービスに合う展示会を選び、ブース設計や資料、展示会後のフォローまで準備することが重要です。
この記事では、SaaS企業が展示会を活用して成果につなげるためのポイントを解説します。
【この記事でわかること】
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なお、2026年〜2027年に開催予定のAI・IT・DX関連展示会の具体的なスケジュールは、関連記事「【2026年〜2027年】AI・IT・DX関連の展示会まとめ」で詳しく紹介しています。
目次
1. SaaS展示会とは

SaaS展示会では、営業支援、マーケティング、会計、人事労務、セキュリティ、生成AIなど、企業の業務効率化やDX推進に役立つクラウドサービスが紹介されます。
SaaSは「Software as a Service」の略で、インターネット経由で利用できるソフトウェアを指します。
営業支援、マーケティング、会計、人事労務、セキュリティ、生成AIなど、企業の業務効率化やDX推進に役立つ領域で多く活用されています。
SaaS展示会では、こうしたサービスを提供する企業が出展し、来場者にサービスの特徴や導入後の活用イメージをわかりやすく提案します。
来場者は、複数のサービスを比較したり、担当者に課題を相談したり、実際の画面デモを確認したりしながら、自社に合うサービスを検討できます。
近年は、クラウドサービスやDXへの関心の高まりを背景に、AI・IT・DX関連展示会の開催エリアや専門テーマも広がっています。
たとえば、2026年には「産業DX総合展」が大阪で初開催されるなど、DX・AI関連サービスに触れられる場は首都圏以外にも増えています。
こうした展示会では、営業DX、社内業務DX、AI・業務自動化、情報セキュリティなど、SaaS企業と相性のよい専門テーマも多く設けられています。
SaaSは、資料やWebサイトだけでは導入後の使い方や効果が伝わりにくい場合があります。
そのため、来場者の疑問点を確認しながら理解を深められる展示会は、見込み顧客との有効な接点になります。
2. SaaS企業が展示会に出展する目的

SaaS企業が展示会に出展する際は、事前に目的を明確にしておくことが重要です。
目的が曖昧なまま出展すると、名刺やリードは集まっても、商談や受注につながりにくくなります。
展示会の目的は、新規サービスの立ち上げ期なのか、すでに一定の認知がある拡販期なのかなど、事業やサービスの状況によって異なります。
たとえば、新規サービスであれば認知拡大、比較検討されやすいサービスであれば競合との差別化、導入検討層が多い展示会であれば商談創出を重視するなど、出展前に優先順位を決めておく必要があります。
SaaS企業が展示会に出展する主な目的は、以下の通りです。
| 目的 | 内容 |
| 認知拡大 | 自社サービスを知らない企業との接点を増やす |
| リード獲得 | 課題や関心を持つ見込み顧客の情報を集める |
| 商談創出 | デモ予約や個別相談など、次の接点につなげる |
| サービス理解の促進 | 機能や導入効果をわかりやすく示し、検討を後押しする |
| 既存顧客との関係強化 | 新機能や活用例を紹介し、継続利用やアップセルにつなげる |
| 競合との差別化 | 比較検討の場で、自社の強みや支援体制を訴求する |
また、目的によって準備すべき内容も変わります。
認知拡大を重視するなら、ブースの視認性やわかりやすいキャッチコピーが重要です。
一方、商談創出を重視するなら、来場者の課題を聞き出すヒアリング項目や、その場でデモ予約につなげる導線を設計しておく必要があります。
展示会を成果につなげるには、「とりあえず出展する」のではなく、どの目的を優先し、どのような行動につなげるのかを事前に決めておきましょう。
3. SaaS企業と相性のよい展示会テーマ
SaaS企業が出展先を検討する際は、展示会の規模や知名度だけでなく、自社サービスの導入に関わる部門が来場するテーマかを確認することが重要です。
たとえば、同じSaaSでも、営業支援ツールと経費精算システムでは、訴求すべき相手も来場目的も異なります。
自社サービスのカテゴリに合うテーマを選ぶことで、課題感の近い来場者と接点を持ちやすくなります。
| SaaSの種類 | 相性のよい展示会テーマ | 主な来場者イメージ |
| SFA/CRM | 営業DX、営業支援 | 営業部門、営業企画、経営層 |
| MA/広告支援ツール | マーケティングDX、販促、EC支援 | マーケティング部門、販促担当者 |
| 人事労務SaaS | HR、採用、人事労務 | 人事、労務、総務 |
| 経費精算・会計SaaS | 経理DX、バックオフィスDX | 経理、財務、総務 |
| セキュリティSaaS | 情報セキュリティ | 情報システム部門、DX推進部門 |
| 生成AI SaaS | AI、業務自動化 | DX推進部門、事業部門、経営企画 |
| SaaS管理ツール | IT資産管理、内部統制 | 情報システム部門、管理部門 |
展示会テーマを選ぶときは、「自社サービスがどのカテゴリに当てはまるか」だけでなく、「来場者がどのような課題を持って会場に来るか」まで考えることが大切です。
この視点を持つことで、出展先の候補を整理しやすくなり、次章で解説する出展先選びの判断基準も明確になります。
4. SaaS企業が出展先を選ぶときのチェックポイント
SaaS企業が展示会に出展する際は、「有名な展示会だから」「来場者数が多いから」という理由だけで選ばないことが大切です。
自社サービスのターゲットや営業方針と合っているかを確認したうえで、出展先を判断しましょう。
4-1. 来場者層がターゲットと合っているか
まず確認したいのは、来場者の属性です。
同じIT・DX系の展示会でも、来場者が経営層中心なのか、現場担当者中心なのか、情報システム部門中心なのかによって、ブースで訴求すべき内容は変わります。
出展前には、以下のような情報を確認しておきましょう。
- 来場者の業種
- 企業規模
- 部門
- 役職
- 導入に関わる決裁権の有無
自社サービスの導入に関わる人が多く来場する展示会であれば、商談化を見込めるリードの獲得が期待できます。
4-2. 展示会のテーマと訴求内容が合っているか
展示会のテーマが自社サービスと合っていても、来場者が求めている情報と訴求内容がずれていると、ブースでの会話が商談につながりません。
たとえば、経営層が多い展示会では、機能の細かな説明よりも、コスト削減、売上向上、業務効率化などの経営メリットを前面に出す必要があります。
一方、現場担当者が多い展示会では、操作性、導入後の運用負荷、既存業務との相性など、実務で使えるかどうかが重視されます。
出展先を選ぶ段階で、来場者がどのような課題を持ち、どの切り口なら会話を始めやすいかを整理しておきましょう。
4-3. 競合・類似サービスの出展状況を確認する
競合や類似サービスの出展状況も確認しておきたいポイントです。
競合が多い展示会は、比較検討の場になりやすく、来場者の課題意識が高い可能性があります。
逆に競合が少ない展示会では目立ちやすい反面、自社サービスのカテゴリに関心を持つ来場者が限られる場合もあります。
重要なのは、競合の多さだけで判断しないことです。
競合と比較されたときに、自社は何を強みとして打ち出すのか、どのような事例や資料で違いを出すのかまで考えておく必要があります。
4-4. 展示会後の商談につなげやすいか
展示会は、出展当日だけで完結する施策ではありません。
獲得したリードを、展示会後にどのように商談へつなげるかまで設計しておくことが大切です。
たとえば、以下のような導線を用意できる展示会は、商談化を狙いやすくなります。
- その場でデモ予約を案内できる
- 個別相談につなげやすい
- 課題別の資料を送付しやすい
- ウェビナーやセミナーへ誘導しやすい
- 営業担当が早期にフォローできる
出展先を選ぶ際は、来場者数や出展費用だけでなく、展示会後の営業・マーケティング活動まで含めて判断しましょう。
5. SaaS展示会で成果を出すための出展準備
SaaS展示会で成果を出すには、出展前に「誰に、何を、どのように訴求するか」を具体化しておく必要があります。
ブースの見せ方、配布資料、デモ、スタッフ対応に一貫性がないと、来場者に伝えたい内容がぼやけてしまいます。
展示会で獲得した接点を商談につなげるためにも、事前準備の段階で一貫した導線を設計しましょう。
5-1. 課題が一目で伝わるブースメッセージを作る
展示会場では、多くの企業が限られたスペースで自社サービスを訴求しています。
来場者に足を止めてもらうには、「何ができるサービスか」だけでなく、どんな課題を解決できるのかを一目で示すことが重要です。
たとえば、以下のようなメッセージが考えられます。
サービス例 | ブースメッセージ例 |
SFA/CRM | 営業活動を可視化し、商談管理の抜け漏れを防ぐ |
経費精算SaaS | 紙とExcelの経費精算をクラウドで効率化 |
生成AI SaaS | 問い合わせ対応や資料作成をAIで省力化 |
SaaS管理ツール | 社内SaaSの利用状況とコストを一元管理 |
MAツール | 見込み顧客の行動を可視化し、営業連携を強化 |
抽象的なキャッチコピーだけでは、来場者は自社に関係があるサービスか判断できません。
ターゲットが抱える課題を具体的に示し、「これは自社に関係がありそうだ」と感じてもらえるメッセージにすることが大切です。
5-2. サービス画面や利用シーンを見せる
SaaSは、機能一覧を説明するだけでは導入後のイメージが湧きにくい商材です。
そのため、展示会では実際の画面、操作の流れ、導入後の業務変化を見せる準備をしておきましょう。
用意しておきたいコンテンツは、以下の通りです。
- サービス画面のデモ
- 導入前後の業務フロー比較
- 利用シーン別の説明パネル
- 1分程度の紹介動画
- 導入事例
特に、来場者の課題に合わせて見せるデモを切り替えられると、相手の関心に沿って詳しく説明しやすくなります。
営業担当者向け、人事担当者向け、情報システム部門向けなど、相手に応じた見せ方を準備しておくとよいでしょう。
5-3. 来場者が社内共有しやすい資料を用意する
展示会で興味を持った来場者が、社内で検討を進めるには、上司や関係部署に共有しやすい資料が必要です。
その場で詳しく説明できたとしても、来場者が社内に戻ったときに要点を伝えられなければ、検討が止まってしまう可能性があります。
用意しておきたい資料は、以下の通りです。
- サービス紹介パンフレット
- 課題別チラシ
- 導入事例資料
- 料金・プラン概要
- 競合比較表
- ホワイトペーパー
- 展示会後の案内メール
資料では、機能説明だけでなく、導入前後の変化、想定される効果、導入までの流れを整理しておくと、社内稟議や比較検討に使われやすくなります。
5-4. 呼び込みから商談予約までの流れを決める
展示会当日の成果は、スタッフの対応によっても大きく左右されます。
来場者への声かけ、課題ヒアリング、デモ案内、名刺交換、商談予約までの流れを事前に決めておきましょう。
たとえば、以下のような流れです。
- 来場者の関心に合わせて声をかける
- 現在の課題や検討状況を確認する
- 課題に合うデモや事例を見せる
- 名刺交換・リード登録を行う
- 商談・デモの日程調整を提案する
- ヒアリング内容をメモに残す
スタッフごとに対応がばらつくと、リードの質や商談化率にも差が出ます。
事前にトークの流れやヒアリング項目を共有し、展示会後のフォローにつながる情報を残せる体制を整えておくことが重要です。
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6. 展示会後に商談化率を高めるフォロー方法
SaaS展示会では、当日に獲得したリードをそのままにせず、展示会後のフォローまで設計しておくことが重要です。
来場者は複数のブースを回っているため、時間が経つほど自社サービスの印象は薄れやすくなります。
商談につなげるには、展示会で聞いた課題や関心に合わせて、早めに次の接点を作る必要があります。
6-1. リードを温度感別に分類する
展示会後は、すべてのリードに同じ対応をするのではなく、関心度や検討状況に応じて分類しましょう。
リード分類 | 状態 | フォロー方法 |
ホットリード | 課題や導入時期が明確 | 早期に商談・デモを提案する |
ウォームリード | 情報収集や比較検討中 | 課題に合う資料や事例を送付する |
コールドリード | まだ検討前 | メルマガやウェビナーで継続的に接点を持つ |
リードの温度感を整理しておくことで、営業担当が優先順位をつけやすくなり、限られた時間でも効率的にフォローできます。
6-2. 当日〜翌営業日にお礼メールを送る
展示会で接点を持った来場者には、できるだけ早くお礼メールを送りましょう。
メールでは、単なる挨拶だけでなく、ブースで聞いた課題に合わせて資料や事例を案内すると、次の行動を促せます。
たとえば、以下のような内容を入れるとよいでしょう。
- ブース来訪へのお礼
- 当日話した課題の振り返り
- 関連するサービス資料や導入事例
- デモ予約や個別相談の案内
- 次回ウェビナーやセミナーの案内
早いタイミングで接点を持つことで、来場者の記憶に残っているうちに検討を進めてもらいやすくなります。
6-3. 課題別のコンテンツを送る
SaaSは、同じサービスでも来場者によって関心のあるポイントが異なります。
そのため、一律の資料を送るだけではなく、課題に合わせてコンテンツを出し分けることが大切です。
たとえば、営業支援SaaSであれば、以下のように分類できます。
来場者の関心 | 送付するコンテンツ例 |
営業活動の可視化 | ダッシュボード機能の紹介資料 |
商談管理の改善 | 案件管理の活用事例 |
報告業務の効率化 | 入力工数削減の事例 |
営業マネジメントの改善 | 管理者向けの活用ガイド |
来場者の課題に合った情報を届けることで、展示会後のやり取りが具体化し、商談へ進むきっかけを作れます。
6-4. CRM・MAと連携して継続的に接点を持つ
展示会で獲得したリードは、一度のメールや電話だけで終わらせないことが重要です。
すぐに商談化しないリードでも、将来的に検討が進む可能性があります。
CRMやMAに情報を登録し、メール、ウェビナー、導入事例、ホワイトペーパーなどを通じて継続的に接点を持ちましょう。
また、展示会当日のヒアリング内容を記録しておくことで、後日の営業活動でも相手の関心に合わせた提案がしやすくなります。
展示会後のフォローは、リードを商談につなげるための重要な工程です。
出展前から、誰が、いつ、どのような内容でフォローするのかを決めておきましょう。
7. まとめ
SaaS展示会は、クラウド型の業務支援サービスやITツールを提供する企業が、見込み顧客と直接接点を持てる有効なマーケティング施策です。
成果につなげるには、展示会に出展する目的を明確にしたうえで、自社サービスと相性のよいテーマや来場者層を見極めることが重要です。
また、ブースメッセージ、配布資料、デモ、スタッフ対応、展示会後のフォローまで一貫して設計することで、リード獲得だけでなく商談化にもつなげられます。
展示会は、出展して終わりではありません。
出展前・当日・出展後の流れを整理し、来場者の課題に合わせたコミュニケーションを行うことで、SaaSサービスの価値をより具体的に届けられます。
展示会出展を検討する際は、自社サービスの強みや来場者に伝えたい内容を整理しながら、出展計画を具体化していきましょう。
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