「展示会アンケートを作成するので、来場者のニーズを汲み取って次に繋げられるものにしたい」
「リード育成のアプローチにも効果的なアンケートはどう作ればいいの?」
せっかく展示会でアンケートをとるなら、見込み顧客を次につなげるための対策ができるアンケートにしたいですよね。
このような願望を抱いているなら、まず以下のポイントを網羅的に理解したうえでアンケートづくりに着手することを推奨します。
まず押さえるべき展示会アンケートを作るときのポイント |
1.アンケートをとる目的を明確化する |
これらのポイントを押さえることで、自社がアンケートをとる目的に沿った回答を得られると共に、回答率のアップも期待できます。
さらに、適切な「アンケートを作るステップ」に沿って作成をすれば、集計や分析をして製品・サービスの開発や改善につなげたり、他部署との連携をとって成約率を上げたりなど、マーケティングに活かせる情報も獲得することができるようになるでしょう。
そこで本記事では、事業の成長・拡大に必要な情報収集ができるアンケート作成をサポートするために、以下の内容をまとめました。
この記事を読んで分かること |
● 展示会アンケートを作るときのポイント6つ |
アンケートはいくら回答率が良くても回答の質が悪ければ次につなげることはできないものです。
回答率と回答の質の両方を向上させるために、ぜひ最後まで目を通して参考にしてください。
目次
1.まず押さえるべき展示会アンケートを作るときのポイント6つ
回答率と回答の質を高めるアンケートを作成するには、アンケートのポイントを押さえるところから始めていきましょう。
まず押さえるべきポイントは以下の6つです。
まず押さえるべき展示会アンケートを作るときのポイント |
1.アンケートをとる目的を明確化する |
それぞれのポイントについて解説します。
1-1.アンケートをとる目的を明確化する
まずはアンケートをとる目的を明確化します。
目的が明確なアンケートは得られる回答内容も明確になり、確度が高いアンケートになるからです。
そもそも展示会アンケートをとる目的は、企業や抱えている課題などによって異なります。
「商談に直結する営業案件の獲得」の場合もあれば、「顧客満足度を高める商品開発に活かすため」「既存顧客との関係強化」などの場合もあるでしょう。
このようにアンケートをとる目的が異なれば、以下のように獲得するべき情報も変わってきます。
アンケートをとる目的の例 | 獲得するべき情報の例 |
商談に直結する営業案件の獲得 | ・なぜ必要なのか |
顧客満足度を高める商品開発に活かすため | ・今使っている商品・サービスの不満点 |
既存顧客との関係強化 | ・弊社の商品・サービスの利用有無 |
まずは「なぜ展示会でアンケートをとる必要があるのか?」の理由を明確化し、アンケートのゴールを設定してから獲得したい情報を整理していくことを徹底しましょう。
目的を明確化する具体的な方法は「2-1.アンケートの目的・目標を決める」で解説しています。目的を設定する具体的な方法を知りたい方はこちらも合わせてご確認ください。
1-2.YES/NOで答えられる質問にする
回答者がYES/NOで答えられる質問にすることはアンケートづくりをするうえで重要です。
YES/NOで回答できるアンケートは回答結果の精度が高まり、集計や分析がしやすくなるからです。
というのも、YES/NOで答えられない質問は抽象度が高い回答が寄せられるなどして、来場者の明確な意思を汲むことができなかったり、意見内容がバラバラでデータ化しにくくなったりする場合があります。
例えば、YES/NOで答えられる質問と、答えられない質問を比較すると以下のように回答結果に違いが生じます。
▼YES/NOで答えられるアンケートの質問・回答例
質問の例 | 回答結果の例 |
Q. 弊社が開催する無料セミナーがあれば参加したいと思いますか? | 分からない |
Q. 普段どのような手段で仕入れ先の検討をしていますか? | インターネット |
Q. 今回の展示会は何の目的で来ましたか? | 企業や新サービスの発掘 |
▼YES/NOで答えられないアンケートの質問・回答例
質問の例 | 回答結果の例 |
Q. 現在使っている製品に満足していますか? | バッテリーの減りが早く手入れも大変だがパワフルさは満足している |
Q. どのような手段で仕入れ先の検討をしていますか? | 営業やインターネット、同業者の口コミなど |
Q. 今回の展示会は何の目的で来ましたか? | 上司に誘われたため |
上記のようにYES/NOで答えられない質問の場合は、回答者の意思がどこにあるのかが判断しにくく、捉え方に差異が生まれて集計・分析がしにくくなります。
また、回答者の立場から見ても、自由記述形式の方法は文章を考える必要性が出るため、時間も負担も感じやすく回答率が下がりやすいです。
一方、並べられた選択肢から適した答えを選ぶ質問は分析・集計がしやすく、意思を明確に捉えることができます。回答者も回答しやすく、負担を感じにくい印象を与えられるため、YES/NOで答えられるアンケートの方が回答率はアップするでしょう。
自由記述の質問も役に立つものではありますが、明確に集計・分析を行いたい質問はYES/NOで答えられる質問にすると、回答の質と回答率の向上が期待できることを押さえておいてください。
1-3.回答者に分かりやすい文章にする
展示会アンケートは回答者がすぐに質問を理解して回答ができる文章にまとめることが必須です。
理解できない文章では意図とは異なる解釈で回答されることもあり、真の回答は得られないからです。答えることができないため、中には回答をしない人も出てくるでしょう。
分かりにくい文章とは、例えば以下のような単語が使われている文章が挙げられます。
専門用語が使われている文章例 | 人によって解釈が異なる単語が入った文章例 |
Q.現在のコンバージョン率に満足していますか? | Q.いつも(普段)使っているのはどの製品ですか? |
展示会には様々な人が来場するため、「これくらいの専門用語は分かってくれるだろう」と決めつけず、誰にでも分かるような単語に置き換えて質問文を検討するようにしてください。
また、人によって解釈が異なる表現も使用を控えるべきです。例えば、「いつも」という言葉を「毎回や毎日」と捉える人もいれば「毎回ではないけど頻度は高め」と捉える人もいるでしょう。
「最近」という言葉であれば、「ここ1週間~1ヶ月ほど」と解釈する人もいれば「1~2年」と解釈する人もいます。
そのため、回答の精度を上げるためにはこのような質問の表現にも配慮することがポイントです。
質問文を考えたら、プロジェクトチーム以外の人にもアンケートのテストを行って理解できるかを確認し、回答の精度を高める工夫を行ってみてください。
1-4.短時間で回答できる質問数にする
回答者が短時間で回答できる質問数にまとめることはアンケートづくりで徹底したいポイントです。
アンケートを求める側は目的の達成のために聞きたいことはたくさんあると思いますが、回答者は「面倒なアンケートには答えたくない」という思いがあるからです。
例えば、あなたが回答者の立場になった場合、どちらのアンケートならストレスなく回答できると感じますか?
パターンA | パターンB |
パターンAは質問数が多く、多くの方が「面倒そう」「時間がかかりそう」という印象を持ったのではないでしょうか。
さらにパターンAは個人情報の入力も含まれているため、取扱いに不安を感じてアンケートに答えることを躊躇してしまった方もいると思います。
展示会アンケートでは、このような煩わしさや不安な気持ちが回答率を下げてしまうため、できるだけ質問数を絞り、気軽にアンケートに答える気持ちになる環境を作ることが重要です。
1-5.デジタルデバイスを活用する
展示会アンケートをとる際は積極的にデジタルデバイスを活用することをおすすめします。
用紙で行うアンケートは回答者が以下のような不安要素を持ちやすく、回答率が下がる原因になるからです。
「デジタル入力に慣れているから文字を書くことに抵抗を感じる」
「記入に時間がかかりそうな印象」
「アンケート用紙を紛失するのではないか」
「情報が流出しやすそう」
スマホの普及によってデジタル機器が身近になっている現代は、書くことに手間を感じたり、セキュリティ面に不安を覚えたりする来場者も多いです。
デジタルデバイスのアンケートであれば、入力のしやすさやセキュリティ面に魅力があるため、回答者も手間やセキュリティに不安を感じることなく、安心してアンケートに答えられるでしょう。
さらにデジタルデバイスの場合はアンケート結果が瞬時にデータ化されるため、業務効率化でき、迅速なアフターフォロー体制も実現できます。用紙・印刷代などのコスト削減にもつながることを期待できるでしょう。
回答者にとっても、回収側にとってもメリットがあるため、積極的にデジタルデバイスを活用したアンケートを取り入れることを検討してみてください。
1-6.回答者への礼儀を示す
アンケート上では回答者への礼儀を示すことを忘れないようにしましょう。
アンケートの礼儀とは以下の内容を明記することです。
- 挨拶文
- アンケートの目的
- 個人情報の取扱について
- 回答のお礼
展示会ではアンケートのお礼としてノベルティをプレゼントする場合もありますが、アンケート上で礼儀を表すことは回答者の安心感につながります。ノベルティを用意している場合でも必ず明記するようにしましょう。
▼各文章を盛り込んだアンケートの例が以下になります。
『個人情報の取扱について』は来場者が最も不安を感じる要素なので、以下のことを明示することは意識してください。
個人情報の取扱について盛り込む要素 |
● 個人情報の利用目的 |
いずれも長文で記載する必要はありません。分かりやすい言葉で端的に礼儀を示すようにしましょう。
2.マーケティングに役立つ展示会アンケートの作り方
回答の質と回答率を向上させるアンケートのポイントを押さえたら、いよいよアンケートを作るステップに入っていきます。
展示会アンケートを作る手順は以下のとおりです。
ここからは7つのステップに分けて展示会アンケートの作り方を解説します。順に進めて、マーケティングに役立つアンケートを作っていきましょう。
2-1.アンケートの目的・目標を決める
まずアンケートの核部分となる目的と目標を設定します。目的と目標を設定するときは以下のポイントを順番に設定すると、上手く導き出すことができます。
①自社が抱えている課題を把握する
②課題をクリアするために目標にするべきことを設定する
1つずつ解説します。
2-1-1.①自社が抱えている課題を把握する
まずは自社の現状の課題をあぶり出し、課題を把握します。
課題と言うと例えば、リピーター顧客が少ない、認知度が低い、顧客満足度や売上の低迷などが挙げられるかと思います。
このような課題がある場合、アンケートを実施する目的は「リピーター顧客を増やす」「認知度の向上」「顧客満足度の向上」「売上のアップ」などに設定できます。
課題 |
| アンケートをとる目的 |
リピーター顧客が少ない | → | リピーター顧客を増やす |
認知度が低い | → | 認知度の向上 |
顧客満足度の低迷 | → | 顧客満足度の向上 |
売上の低迷 | → | 売上のアップ |
現状抱えている課題に対し、改善したい部分にスポットを当てて目的を設定してください。
2-1-2.②課題をクリアするために目標にするべきことを設定する
次に、より確度の高いアンケートづくりをするための“目標の設定”も行っていきます。
アンケート作成における目標とは、目的を達成するために必要なアクションのことを指します。目標を設定することでアンケートづくりをスムーズに行うことができるため、目的とセットで考えていきましょう。
目標例を具体的に挙げると、例えば目的を「顧客満足度の向上」とした場合、アンケートの目標は以下のように設定すると確度を高められます。
- 顧客が現状で抱えている不満や課題を知る
- 顧客が何に満足するかを知る
- 顧客への訴求ポイントを見出す
- 営業やカスタマーサポートの問題点をあぶり出す
目的と目標を定めることを徹底して、アンケートの目的を追求することから始めていきましょう。
2-2.ペルソナを設定する
次にアンケートに回答してもらうペルソナの設定をします。
ペルソナとは自社製品・サービスを利用する架空の顧客像のことを指します。
ペルソナを設定することで社内関係者の認識を統一させることができ、方向性がブレることを防ぎます。結果として次につながりやすいアンケートを完成させることができるのです。
展示会アンケートのペルソナ設定では以下のような要素をもとに、詳細に顧客像を設定していきましょう。
ペルソナ設定の要素 |
● 名前 |
設定する要素は上記に限定せず、追加するべき項目があれば自由に設定してください。ペルソナ設定では柔軟に詳細を設定していくようにすることがポイントです。
2-3.アンケートをとる媒体を決める
ペルソナ設定が完了したらアンケートをとる媒体を決めます。
現在の展示会アンケートでは主に以下2つの媒体で行われています。
- 用紙のアンケート
- デジタルデバイスのアンケート
1章ではデジタルデバイスを推奨しましたが、設定したペルソナによっては用紙で行うアンケートの方が適している場合もあります。これまで設定してきた目的やペルソナをふまえてどの形が効果的なのかを考慮し、媒体を決めていきましょう。
それぞれの媒体の特徴について紹介するので、媒体選びの参考にしてください。
2-3-1.用紙のアンケート
用紙のアンケートはデジタルデバイスが普及するまで主流だったため、馴染み深い媒体であると言えるでしょう。
前述したように、用紙のアンケートには以下のような懸念点が存在します。
- 紛失の可能性が高く、セキュリティ面に不安を覚えられやすい
- 集計が手作業なので時間がかかり、誤字脱字も発生しやすい
- 用紙や印刷代のコストや保管場所が必要となる
しかし、紙のアンケートには以下のようなメリットもあるのです。
- デジタルデバイスの操作が苦手な高齢者から回答してもらいやすい
- システム構築の手間がないため簡単に作れる
自社にとって上記のようなメリットが適している場合は用紙のアンケートという選択肢も有効でしょう。デジタルデバイスに限定せず、目的と目標を達成するために、柔軟に媒体を選んでください。
2-3-2.デジタルデバイスのアンケート
デジタルデバイスのアンケートとはスマホやタブレット、パソコンなどのデバイスで行うアンケートです。
デジタルデバイスの場合はインターネットを活用するため、アンケートをとるタイミングが限定されないという特徴があります。
例えばデジタルデバイスを活用したアンケートでは、以下のように様々な方法やタイミングで行えます。
①ブースにタブレットやパソコンを用意して、その場で回答を依頼する
②獲得した名刺に記載のあるメールアドレスに、サンクスメールを送ってアンケートを依頼する
③ノベルティにQRコードの付いた用紙を入れて、アンケートを依頼する
デジタルデバイスを活用すると、来場したタイミングに限らずアンケートを回収することができます。
設定したペルソナが、負担を感じずアンケート調査に協力してくれると想定できる方法を選ぶことで、回収率のアップが期待できるでしょう。
ちなみにデジタルデバイスのアンケートには無料と有料のアンケートツールがあります。おすすめなツールを以下で紹介するので参考にしてみてください。
無料:GoogleForms
Googleのアカウントを持っていれば誰でも無料でアンケートが作成できます。
操作も感覚でできる簡単なものなので手間をかけず作成することができるでしょう。無料であっても回答をリアルタイムで集計するため、スピード感を持って分析を行うことが可能です。
有料:MOMONGA
iPadを使用したアンケートに適したツールです。
アンケートはオフラインの状態でも回答したアンケートを収集することが可能なため、「電波がない」「Wi-Fiがない」という状態でも回収することができます。
アンケート以外にも名刺のデジタル化、資料の配布、パンフレットなどの資料閲覧など機能が充実しているため、アンケートだけではない機能も付属させたい場合はおすすめです。
▼料金・プラン
フリープラン | オープンプラン | クローズドプラン | イベントパック |
0円 | 11,000円〜/月 | 33,000円〜/月 | 165,000円 |
・短期間の利用 | ・長期間利用可 | ・長期間利用可 | ・短期間の利用 |
有料:モバイルウェブ
モバイルウェブは自社にアンケートサイトや顧客管理システムがなくとも、アンケートフォーム作成から収集、集計までをワンストップで行えます。
回収率が高いSMSを活用したアンケート送信ができるため、回収率は3倍以上という実績も誇っています。アンケートフォームの作成代行もあるなど手厚いサポートが魅力です。
料金・プラン:要問合せ
英語・中国語・韓国語に対応しているアンケートツールです。
直感的な簡単操作でアンケート作成ができるため、手間や時間を最小限に抑えることができます。回答状況や回答結果はリアルタイムで見ることができるため、すぐに分析を行ったり、アフターフォローに移ったりなど次のアクションに移れます。
▼料金・プラン
| スタンダードプラン | プロフェッショナルプラン |
初期費用 | 50,000円 | |
月額基本料金 | 15,000円 | 18,000円 |
2-4.質問項目を決める
アンケートを行う媒体を決めたら具体的に質問項目を決めていきます。質問項目を決める際は以下の手順で進めていきましょう。
制限せず思いつく限りの質問項目を出せるだけ出す |
▼
必要最低限の質問項目数に厳選する |
1章で解説したとおり、アンケートは短時間で回答できる質問数にまとめることがポイントですが、まずは制限を設けず、思いつく限りの質問項目を出していくことがポイントです。
多数の質問項目から厳選することで“本当に聞くべき質問項目”になり、確度の高いアンケートになるからです。
適切な設問数は展示会のイベント内容や顧客の熱量などによるため断言はできませんが、日本マーケティング・リサーチ協会が行った調査によると以下のような回答が寄せられています。
参考)一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会「インターネット調査品質ガイドライン」
デジタルデバイスで行うアンケートに限った調査内容ですが、多くの人が5分~10分以内と回答していることが分かります。
求める回答方法(選択式や記述式など)によって質問に回答する時間は異なるため、質問ごとの回答時間に注目して質問項目数を厳選していくとよいでしょう。
『1-3.回答者に分かりやすい文章にする』の章で解説した内容はここでは気にせず、まずは思いつく限りの質問をすべて出し終わった後で厳選し、必要最低限の質問数でまとめるようにしてください。
2-5.質問の文言を決める
質問項目を厳選したら、回答者がスムーズに回答ができるように質問の文言を整えていきます。
求める回答方法を明確にして、回答方法を分かりやすく明記してあげることもポイントです。
▼質問の文言と求める回答の明記の例
求める回答の種類 | 質問の例 |
複数の選択肢から1つだけを選択してもらいたい | Q. どの製品に興味を持ちましたか? Q. 貴社が最も改善したい今の課題は何ですか? Q. テスト導入を検討していますか? |
複数の選択肢の中から該当するものを選択してもらいたい | Q. 現在使っているサービスを以下からお選びください。(複数回答可) |
意思表示してもらいたい | Q. 今回の出展内容は満足いただけましたか? Q. また弊社のイベントがあれば参加したいですか? |
意見を自由に記入してほしい | Q. 前問の回答理由を教えてください |
曖昧な表現は避けて、聞きたい内容や選んでほしいことを簡潔・端的に伝えるようにして文章を整えるようにしてください。
2-6.質問項目の順番を決める
質問の文章が整ったら、質問項目の順番を決めてアンケート全体を整えていきます。
質問項目の順番を決める際は回答がしやすい順番に気を付けるようにしましょう。
というのも、回答者が負担を感じることなくスムーズに回答できるアンケートは質問の順番も大きく関わっていて、以下のような特徴になっている傾向にあるからです。
- 過去から未来へ進むような時系列になっている
- 浅いところから徐々に深い部分に切り込んでいる
アンケートでは気軽に回答しやすい内容を始めの方に持って行くと「このアンケートに答えることは負担ではない」という気持ちにさせやすいです。
いきなり「年商はいくらですか?」などの突っ込んだ内容ではなく、気軽に答えられる質問や時系列を意識するようにしてください。
2-7.アンケートをテストして最終確認をする
アンケートを作成したらテストをして最終確認をします。
プロジェクトチームや社内のメンバーだけに限らず、家族やペルソナに近い知人、友人など、アンケート作成に関わっていない人に回答してもらうようにしてください。
展示会へ出展する製品・サービスの内容を知らない人にテストする際は、製品やサービスについて軽く説明してからアンケートを依頼すれば、より本番に近い状態でテストができるようになるでしょう。
アンケートをテストする際は以下の項目をクリアしているかを確認すると、より確度の高いアンケート内容に仕上げることができるはずです。ぜひご活用ください。
アンケートの最終確認チェックリスト |
☑ターゲットがすぐに回答できる質問内容・順序になっているか |
3.展示会アンケートの回答結果を商談や成約につなげる4つのコツ
展示会アンケートをアプローチに効果的なものにするには、回答結果を有効化させる行動が必要です。
商談や成約につなげる具体的なコツは以下の4つです。
回答結果を商談や成約につなげる4つのコツ |
|
1つずつ解説します。
3-1.カスタマージャーニーに落とし込んでアプローチを検討する
まず1つが、回収したアンケートをもとにしてカスタマージャーニーに落とし込み、アプローチ方法を検討する方法です。
カスタマージャーニーとは顧客の行動や思考を可視化して商談や成約、リピートまでの流れをまとめたものです。
顧客が製品・サービスとの出会いから購入に至るまでを可視化すると、以下のような流れになります。
▼BtoB製品を扱う企業のカスタマージャーニーの例
このようにアンケートから分かった顧客の位置を自社のカスタマージャーニーに落とし込んでいくと、顧客の行動や思考を想定することができるため、自社製品を選んでもらうための情報や対応策を取ることができるようになります。
例えば展示会アンケートで「特定の製品に興味があって立ち寄った」と回答していれば、すでに製品を認知した『比較・検討』の段階にいることが想定されます。
このような顧客の場合は、自社の強みや他社との比較、費用対効果についての情報を提供すると、その情報を欲していた顧客から喜ばれるでしょう。
また、カスタマージャーニーに落とし込んだ情報を他部署と共有することで社内間での顧客対応にズレがなくなります。
社内スタッフで統一感ある対応をすることが信頼性を向上させることにも役立つため、アンケート回収後は積極的にカスタマージャーニーを活用することをおすすめします。
3-2.有効な見込み顧客にはスピード感を大切にする
展示会アンケートで有効な見込み顧客だと判断できる場合にはスピード感を持ってアフターフォローを行うようにしましょう。
例えば以下のようなタイミングと方法でアフターフォローを行うと効果的です。
- 展示会当日にメールで来場のお礼と面会や会合、商談の提案をする
- 展示会翌日に電話で来場のお礼と面会や会合、商談の提案をする
展示会の当日、または翌日のうちに電話やメールを活用してアフターフォローを行うと、商談や成約につながる可能性が高まります。
なぜなら、人は時間が経つほど記憶は薄れてしまうものだからです。
展示会に来場する人は多くのブースを回る傾向にあるため、良い反応をもらえたとしても時間と共に印象が薄れている場合が多いでしょう。
展示会からある程度日数が経ってから連絡を行っても「どんな製品・サービスだったか覚えていない」「他社で検討している」「他社で契約した」などの理由で商談にすらこぎつけない可能性もあります。
よほど興味を持たれない限り見込み顧客からアプローチがあることはありませんし、展示会で対応した社員自身が、見込み顧客の存在や会話を忘れてしまっていることもあります。
展示会でのコミュニケーションは見込み顧客との関係構築の始まりでもあります。商談や成約につながる可能性の高い見込み顧客には、特別にスピード感を持ってアフターフォローをするようにしましょう。
3-3.来場者の興味がある情報を使ってアポイントを取る
商談や成約につなげるコツとして有効な方法が「来場者の興味のある情報を使うこと」です。
というのも、展示会でコミュニケーションを取った相手であっても、アポイントの提案に応じてくれることは簡単なことではありません。まだ比較・検討する段階にいないケースも多いからです。
そこでアポイントに活用できるのが、展示会で回収したアンケートの情報です。
例えば、アンケートで「業務効率化に課題がある」と回答している場合は、その課題を解決する情報を提供できることを伝えれば時間を作ってくれる可能性は高まります。
相手の欲している情報を提供するということを分かってもらえれば「有意義な時間になりそう」「聞いてみる価値はありそう」と期待を持ってくれることもあり得るからです。
展示会アンケートの回答結果から相手の欲している情報を見定め、貴社に価値のある時間を提供するというアピールをしてアポイントの獲得に活かしてください。
3-4.接触を継続的にできる機会を作って教育する
展示会でアンケートに協力をいただいた人には、中長期的にアフターフォローを継続していくようにすることも大切なコツです。
情報を継続的に発信し続けることで顧客との間に関係性が生まれ、見込み顧客から忘れられることを防ぐことができるからです。
見込み顧客の購入のタイミングが訪れた際は、購入検討先の1つとして検討される可能性も十分あるでしょう。
よって、アフターフォローはアンケート回答者全員に行うようにしましょう。継続的に接点を持つ方法には以下の方法があります。
- セミナーや展示会出展などのイベントには開催のお知らせを案内する
- メルマガなどで定期的に教育を行う
- 資料請求などのアクションがあった場合は電話でお礼、面会の提案をする
一方的な発信であっても、継続的に接点を持つことは成約率につながるため、アフターフォローを単発で終わらせないようにすることがポイントです。
4.オンライン展示会ならアンケートを有効化しやすい
コロナウィルスの影響によりニーズが高まっている“オンライン展示会”はアンケートの有効化にも効果的です。
オンライン展示会の特徴とアンケートが有効化しやすくなる理由について解説します。
4-1.オンライン展示会とは
オンライン展示会とはインターネットを利用して行う展示会のことを指し、「Web展示会」や「バーチャル展示会」とも呼ばれています。
従来のリアル展示会と同様、ユーザーへ有益な情報を提供し、コミュニケーションを取って関係性を構築しながら企業や商品・サービスを知ってもらい、購買行動を促すイベントです。
例えば以下のようなことを通してユーザーへ情報を届け、コミュニケーションを図ります。
オンライン展示会でできること |
● 画像、映像を使った商材の訴求 |
対面式で行うリアル展示会よりもスムーズにアフターフォローに移ることができるため、「成約につながる見込み顧客の獲得に効果的な出展方法である」として、オンライン展示会に出展する企業は増加傾向にあります。
4-2.オンライン展示会でアンケートが有効化しやすくなる理由
展示会をオンラインで行うことでアンケートが有効化しやすくなる理由は以下の3つが挙げられます。
オンライン展示会でアンケートが有効化しやすくなる理由 |
|
1つずつ解説します。
4-2-1.顧客のニーズをより深く捉えることができる
オンライン展示会はアンケートだけでは読み取れない顧客のニーズを捉えることができるようになります。
オンライン展示会はユーザーの行動をすべてデータ化できる機能を備えているため、アンケートの回答結果だけでなく、以下のような情報も合わせて集計できる特徴があるからです。
- 閲覧したコンテンツ
- 行ったアクション
- 滞在時間 など
オンライン展示会はリアル展示会のように場所や天候などに左右されず参加がしやすいため、多くの来場者が訪れる傾向にありますが、来場人数に関係なく上記の情報をスムーズに集計することが可能です。
集計に手間と時間を取られることなく、展示会の結果を活かした施策に移ることができるでしょう。
4-2-2.他部署との連携がしやすい
オンライン展示会は他部署との連携がスムーズに行いやすいという特徴もあります。
オンライン展示会で得た情報は一元管理で保存されるため、リアルタイムで他部署でも情報が確認できるようになるからです。
1つの共通の情報源をもとにマーケティングに活かせば認識を合わせやすいため、ズレのない施策を立案・実行することが期待できます。
分析や集計、情報共有の手間と時間を省き、各部署がリアルタイムで動くことができれば、展示会へ出展する目的を最大化できる可能性が高まるでしょう。
4-2-3.展示会後のアフターフォローがしやすい
展示会後のフォローがしやすいこともオンライン展示会のメリットです。
前述でも紹介しましたが、オンライン展示会は来場者の行動を可視化して確認することができます。
よって、来場者が見ているコンテンツを分析して「欲している情報が何か?」が知りやすいというわけです。
来場者の本質的なニーズを探ることができるためアプローチが有効なものになりやすく、商談や成約率のアップが期待できます。
▼「オンライン展示会についてもっと知りたい」「オンライン展示会を開催したい」という方は、展示会プラットフォーム「WONDERLINE」までご相談ください。
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5.まとめ
展示会アンケートは製品・サービスの開発や改善、営業などの見直し、顧客満足度の向上など、事業の将来を左右する重要な役割を担っています。
そのため、自社の課題をクリアするための情報を集められるようなアンケート内容で確度の高い情報を得るようにしましょう。
そのためには、アンケートづくりに必要最低限な以下6つのポイントを押さえてからアンケート作成に取り掛かるようにしてください。
まず押さえるべき展示会アンケートを作るときのポイント |
1.アンケートをとる目的を明確化する |
オンライン展示会での出展であれば、アンケートの情報だけでなく、より来場者のニーズを捉えた情報を獲得することが可能です。
WONDERLINEではオンライン展示会を行ったことがない事業者や企業でも開催できる手厚いサポートで事業の拡大・成長を応援しています。
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